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在宅医療 月額費用 計算ツール|訪問診療・訪問看護の3割負担早見と高額療養費

在宅医療の月額自己負担を、症状の重さ(軽度・中等度・重度)、負担割合(1〜3割)、月あたりの訪問回数から即算出。在宅時医学総合管理料(在総管)、在宅患者訪問診療料、訪問看護療養費、居宅療養管理指導料の主要点数と、高額療養費制度・医療費控除・介護保険との併用ルールまで、厚生労働省・日本在宅医療連合学会・全国在宅療養支援診療所連絡会の公的資料に基づいて解説します。

最終更新:2026-08-05/監修:計算ツールズ編集部

在宅医療 月額費用 計算機

計算式と点数の内訳

基本式

月額自己負担 = (在総管 + 訪問診療料×回数 + 訪問看護療養費×回数 + 加算) × 10円 × 負担割合

在宅医療の費用は健康保険の診療報酬点数で決まります。1点=10円で医療費総額を算出し、患者は年齢・所得に応じた1〜3割を負担します。

主な在宅医療の点数(2026年度改定ベース)

項目月額点数概算金額(10割)
在宅時医学総合管理料(単一建物 1人・月2回)3,700〜4,600点37,000〜46,000円
在宅患者訪問診療料(同一建物以外・1回)888点8,880円
訪問看護療養費(週3日以内・1日)約5,550円約5,550円(定額)
訪問看護療養費(週4日目以降・1日)約6,550円約6,550円(定額)
居宅療養管理指導料(医師・月2回まで)294点/回介護保険適用
在宅酸素療法指導管理料(月1回)2,400点24,000円
在宅時医学総合管理料(重症/月2回)5,400〜6,500点54,000〜65,000円

中等度の患者(慢性心不全・COPD・進行がん・認知症等)が月2回の訪問診療+週1回の訪問看護を受ける場合、医療費総額は約8〜12万円/月、3割負担で2.4〜3.6万円/月が目安となります。ただし、後述の高額療養費制度により実際の負担額は月額上限まで軽減されるケースが多いです。

在宅医療サービスの種類

サービス担当頻度費用の目安(3割)
訪問診療(計画的定期)医師月1〜4回1回3,000円前後
往診(急変時臨時)医師随時1回2,000〜5,000円+加算
訪問看護(医療保険)看護師週1〜3日1回1,600〜2,000円
訪問看護(介護保険)看護師ケアプランに基づく1回800〜1,200円
訪問リハビリPT/OT/ST週1〜3回1回800〜1,500円
訪問薬剤師薬剤師月1〜2回1回500〜1,000円
訪問歯科歯科医師随時1回1,500〜3,000円
居宅療養管理指導各職種月1〜2回介護保険1割900円前後

訪問看護は医療保険と介護保険のどちらで算定するかで費用が変わります。原則は要介護認定を受けている方は介護保険優先ですが、末期がん・厚生労働大臣が定める疾病等・急性増悪時などは医療保険適用となります。

在宅時医学総合管理料(在総管)の詳細

在総管は在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院が計画的な訪問診療を月2回以上行う場合の包括月額報酬です。訪問回数・患者の状態・同一建物内の患者数で点数が変動します。

患者区分月2回訪問(単一建物1人)月1回訪問
機能強化型・病床あり(通常)4,600点2,760点
機能強化型・病床なし4,200点2,520点
在宅療養支援診療所(通常)3,700点2,220点
その他の医療機関2,900点1,760点
機能強化型・重症患者6,500点

「重症患者」の定義は、末期の悪性腫瘍・気管切開・人工呼吸器装着・在宅酸素療法・中心静脈栄養など特掲診療料の施設基準等の別表第八の二に該当する状態です。

訪問看護の点数(2026年度改定ベース)

訪問看護療養費基本料金/日3割自己負担/日
訪問看護基本療養費(週3日以内・1日)5,550円約1,665円
訪問看護基本療養費(週4日目以降・1日)6,550円約1,965円
訪問看護管理療養費(月初め)7,670円約2,301円
訪問看護管理療養費(2回目以降/日)3,000円約900円
24時間対応体制加算(月)6,800円約2,040円
特別管理加算(月)2,500〜5,000円約750〜1,500円
ターミナルケア療養費(死亡時)25,000円約7,500円

利用シーン別の使い方

慢性期・安定期の高齢者

認知症・糖尿病・高血圧・慢性心不全などで通院困難な高齢者。月2回の訪問診療+月1〜2回の訪問看護で1割負担約1〜2万円/月。介護保険の居宅療養管理指導と組み合わせるとより手厚い管理が可能です。

末期がん患者の看取り

末期悪性腫瘍(厚生労働大臣が定める疾病等)は医療保険で頻回訪問が可能。24時間対応体制加算・ターミナルケア加算が付き、3割負担でも月10万円超のケースもありますが、高額療養費で実質負担は月8〜17万円上限まで軽減されます。

在宅酸素療法(HOT)患者

COPD・慢性呼吸不全等で自宅で酸素吸入する場合。在宅酸素療法指導管理料+酸素濃縮装置レンタル料+訪問診療で、3割負担約2〜3万円/月。人工呼吸器管理指導料はさらに手厚い加算があります。

神経難病(ALS・パーキンソン等)

難病医療費助成の対象(指定難病)なら自己負担上限は月2,500〜30,000円(所得区分による)。訪問看護は医療保険で頻回訪問可能。難病医療費助成は都道府県の保健所で申請します。

小児の在宅医療(NICU退院後等)

気管切開・人工呼吸器装着・経管栄養等で自宅療養する子どもは小児慢性特定疾病医療費助成や自治体の子ども医療費助成で自己負担が大幅に軽減されるケースが多い。

老々介護世帯

高齢の配偶者が介護する場合。介護負担軽減のため訪問看護・訪問介護・ショートステイを組み合わせるケアプランをケアマネジャーと相談。介護休業制度(93日・3回まで分割可能)の活用も検討可能。

介護保険との併用ルール

訪問診療は医療保険、居宅療養管理指導・訪問介護・訪問リハビリ・訪問看護(要介護者)は原則介護保険です。両者は同時算定できない項目もあります。

サービス要介護認定なし要介護認定あり
訪問診療・往診医療保険医療保険
訪問看護(通常)医療保険介護保険(優先)
訪問看護(末期がん・難病等)医療保険医療保険(例外)
訪問リハビリ医療保険介護保険(優先)
居宅療養管理指導介護保険
ショートステイ介護保険

高額療養費と医療費控除の活用

1か月の医療費自己負担が上限を超えた場合、高額療養費制度で還付されます。70歳未満・年収約370〜770万円の区分では月額上限約8〜9万円、住民税非課税世帯は35,400円が上限です。詳細は高額療養費の計算ページを参照してください。

また年間10万円(または所得の5%)を超える医療費は医療費控除で所得税・住民税が還付されます。訪問診療交通費・自家用車の駐車料金は対象外ですが、公共交通機関を使った通院分、家族の付添費用は対象です。

よくある間違い・注意点

  • 介護保険と医療保険を混同 — 訪問診療は医療保険、居宅療養管理指導は介護保険と、財源が異なります。要介護認定を受けている方はケアマネジャーに全体の費用調整を依頼するのが確実です。
  • 高額療養費の申請忘れ — 月額上限超過分は自動還付ではなく、原則加入する健保・国保への申請が必要です。「限度額適用認定証」を事前入手すれば、窓口支払いを上限額までに抑えられます。
  • 末期がんは医療保険と気付かず介護保険を使う — 厚生労働大臣が定める疾病等(末期がん・多発性硬化症・パーキンソン病関連疾患等)は要介護認定があっても医療保険で頻回訪問可能です。訪問看護ステーションに確認してください。
  • 難病助成の申請漏れ — 指定難病(パーキンソン病・ALS・多系統萎縮症等)は自己負担上限が月2,500〜30,000円に軽減。都道府県保健所での申請が必須です。
  • 交通費・自家用車の駐車料金を医療費控除に計上 — 医師・訪問看護師の訪問に伴う交通費は請求先(医療機関)側の経費で、患者側の医療費控除対象ではありません。訪問診療は交通費が別途請求されるケースもあり、その場合の患者負担分は控除対象です。
  • 訪問診療でも保険外併用療養費が発生する場合を知らない — 特別療養環境室(個室料)や交通費が実費請求されることがあります。契約書に明記されるので事前確認を推奨します。
  • 初回の訪問診療計画書を確認しない — 訪問診療は療養計画書・同意書の作成が必須。訪問頻度・費用の目安・24時間対応体制の有無を確認してから契約してください。

関連する規格・法令

  • 診療報酬点数表(2026年度改定) ― 厚生労働省告示。在宅時医学総合管理料(C002)、在宅患者訪問診療料(C001)、訪問看護療養費などの点数を規定。
  • 健康保険法・国民健康保険法 ― 医療保険給付の根拠法。年齢・所得区分による負担割合(1〜3割)を規定。
  • 高齢者の医療の確保に関する法律 ― 75歳以上の後期高齢者医療制度の根拠。所得により1〜3割負担。
  • 介護保険法 ― 訪問介護・訪問看護(要介護者)・居宅療養管理指導の給付根拠。要介護認定と支給限度額を規定。
  • 難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法) ― 指定難病(341疾病・2024年時点)の医療費助成制度。自己負担上限を月額で規定。
  • 特掲診療料の施設基準等別表第八の二 ― 医療保険で頻回訪問看護が可能となる「厚生労働大臣が定める疾病等」20疾患を規定。
  • 健康保険法施行令(高額療養費) ― 月額自己負担上限の所得区分別金額。70歳未満・70歳以上で異なる区分。
  • 所得税法第73条(医療費控除) ― 年間10万円超の医療費を所得控除できる制度。訪問診療料も対象。

参考文献・公的資料(発リンク)

より正確な情報や最新の点数・制度確認は、以下の公的機関の資料を参照してください。

※本ページの計算結果は2026年度診療報酬改定に基づく概算値で、機能強化型加算・24時間対応体制加算・特別管理加算・在宅緩和ケア充実診療所加算等の施設基準や、往診・時間外の緊急対応、投薬・処置の内容により実額は変動します。高額療養費・難病医療費助成・小児慢性特定疾病医療費助成・自治体独自助成の適用可否は加入保険・住所地・所得区分・年齢により異なるため、加入する健康保険組合・市区町村の担当窓口で個別確認してください。介護保険との併用は原則として同時算定不可の項目があります。訪問診療契約前には必ず契約書・重要事項説明書で費用の内訳を確認してください。

よくある質問(FAQ)

在宅医療の月額は自己負担いくら?

中等度の患者(月2回訪問診療+週1回訪問看護)で、医療費総額は約8〜12万円/月。3割負担で2.4〜3.6万円/月、1割負担で0.8〜1.2万円/月が目安です。ただし高額療養費制度の月額上限を超える場合は、上限額まで軽減されます。

訪問診療と往診の違いは?

訪問診療は計画的・定期的な訪問(月2回等)で、往診は急変時等に臨時で呼ぶものです。診療報酬点数も別立てで、訪問診療料888点(同一建物以外・1回)に対し、往診料は720点+夜間・休日・深夜加算が付きます。

在宅医療の対象は誰?

通院が困難な状態の方が対象。認知症・寝たきり・末期がん・神経難病・慢性呼吸不全・在宅酸素療法中・小児の在宅療養(気管切開・人工呼吸器・経管栄養等)が典型例。医師が総合的に判断します。単に「行くのが面倒」では対象外です。

介護保険と医療保険はどちらを使う?

訪問診療・往診は医療保険、居宅療養管理指導は介護保険、訪問看護は原則介護保険優先ですが末期がん・厚労大臣が定める疾病等・急性増悪時等は医療保険となります。両者は同時算定できない項目もあるため、ケアマネジャーに相談を推奨します。

訪問看護の費用は?

医療保険の場合、週3日以内で1日約5,550円(3割負担で1,665円)、週4日以降は1日約6,550円(3割負担で1,965円)。介護保険の場合はケアプランで管理され、1回800〜1,200円(1割負担)。24時間対応体制加算は月+6,800円(3割で2,040円)。

高額療養費でどれくらい戻る?

70歳未満・年収約370〜770万円の区分で月額上限約80,100円+(医療費-267,000円)×1%、上限を超えた分が全額還付されます。住民税非課税世帯は月35,400円、70歳以上・住民税非課税は月8,000円と、より低い上限が設定されます。高額療養費の計算で試算可能です。

末期がんの在宅療養はいくらかかる?

末期悪性腫瘍は厚生労働大臣が定める疾病等に該当し医療保険で頻回訪問可能。24時間対応体制加算・ターミナルケア加算等で医療費総額月20〜35万円のケースが多く、3割負担では月8〜9万円が高額療養費上限。実質2万円〜9万円/月となります。

ケアマネジャーへの相談は無料?

介護保険の要介護認定を受けている方は、ケアマネジャー(介護支援専門員)によるケアプラン作成・調整は全額介護保険給付で自己負担0円です。全国どの地域包括支援センターでも相談を受け付けています。

在宅医療で入院と比べて費用は安い?

医療費総額としては入院より安いケースが多いですが、患者・家族側の負担(食費・光熱費・介護用品・家族の介護時間)は増えます。総合的な経済負担は状態や家庭状況により、必ずしも「在宅=安い」とは限りません。

訪問診療は健康保険証だけで受けられる?

健康保険証と、事前に医師の訪問診療計画書・同意書への署名が必要です。難病医療費受給者証・限度額適用認定証・小児慢性特定疾病医療費受給者証等をお持ちの場合は毎回持参します。マイナ保険証にも対応した医療機関が拡大しています。

訪問診療の交通費は別途請求される?

訪問診療料に含まれるのが原則ですが、片道16km超や患家の指定するタクシー費用等は保険外併用療養費として別途請求される場合があります。契約前に医療機関の重要事項説明書で確認してください。

訪問診療の医療機関はどう探す?

在宅療養支援診療所在宅療養支援病院という届出のある医療機関を選ぶと24時間対応・往診体制が整っています。厚労省の医療情報ネット、地域包括支援センター、市区町村の医師会などで検索できます。