住宅購入諸費用 計算ツール
住宅購入時の諸費用を試算します。仲介手数料・登記費用・印紙税・ローン事務手数料・火災保険・不動産取得税を合算し、物件価格に対する割合まで表示します。
諸費用 計算機
計算式と前提
六つの費目を個別に求めて合算します。仲介手数料は宅地建物取引業法が定める上限額、印紙税は契約金額の階級別の定額です。
仲介手数料 = 200万円以下の部分5%+200万超400万以下の部分4%+400万超の部分3%、に消費税10%
登記費用 = 新築30万円/中古40万円(登録免許税+司法書士報酬の概算・固定)
印紙税 = 売買契約書(2027年3月31日までの軽減後)+金銭消費貸借契約書
ローン事務手数料 = 借入額 × 2.2%(定率型)
火災・地震保険 = 25万円(固定)
不動産取得税 = 軽減ありなら0円/軽減なしなら 物件価格 ×(新築0.6・中古0.5)× 3%
合計 = 上記の総和、割合 = 合計 ÷ 物件価格
既定値の4,000万円・新築・借入3,500万円・仲介あり・軽減ありなら、仲介手数料1,386,000円、登記30万円、印紙税30,000円(売買1万円+ローン2万円)、ローン事務手数料770,000円、保険25万円、不動産取得税0円で、合計2,736,000円、物件価格の6.8%と表示されます。登記費用と火災保険は固定値の概算で、実際は建物の規模や補償内容で上下します。
物件価格別の早見表と費目の内訳
本ツールに入力したときの表示値です。新築・仲介あり・借入額は物件価格の90%・不動産取得税は軽減ありで統一しています。
| 物件価格 | 仲介手数料 | 登記+印紙+保険 | ローン事務手数料 | 合計 | 価格に対する割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 3,000万円(借入2,700万円) | 1,056,000円 | 580,000円 | 594,000円 | 2,230,000円 | 7.4% |
| 4,000万円(借入3,600万円) | 1,386,000円 | 580,000円 | 792,000円 | 2,758,000円 | 6.9% |
| 5,000万円(借入4,500万円) | 1,716,000円 | 580,000円 | 990,000円 | 3,286,000円 | 6.6% |
| 6,000万円(借入5,400万円) | 2,046,000円 | 640,000円 | 1,188,000円 | 3,874,000円 | 6.5% |
| 8,000万円(借入7,200万円) | 2,706,000円 | 640,000円 | 1,584,000円 | 4,930,000円 | 6.2% |
費目ごとの相場と、本ツールの置き方
| 費目 | 一般的な相場 | 本ツールの置き方 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 物件価格×3%+6万円+消費税(400万円超の速算式が上限) | 法定上限額で計算。仲介なしを選ぶと0円 |
| 登記費用(登録免許税+司法書士報酬) | 20〜50万円。新築の保存登記は税率が低く中古の移転登記より安い | 新築30万円・中古40万円の固定 |
| 印紙税 | 売買契約書と金銭消費貸借契約書の2通ぶん | 契約金額の階級別。売買は2027年3月31日までの軽減税率 |
| ローン事務手数料 | 定率型は借入額×2.2%、定額型は3〜11万円+保証料 | 定率型(借入額×2.2%)で固定 |
| 火災・地震保険 | 10〜30万円(5年一括・補償内容と地域で変動) | 25万円の固定 |
| 不動産取得税 | 固定資産税評価額×3%。住宅と土地には大きな軽減がある | 軽減ありで0円、なしは価格×0.6(中古0.5)×3% |
本ツールが返す割合は6〜9%台になります。よく言われる8〜12%という数字は、下の解説で挙げる精算金や引越し費用まで含めた実際の支出ベースの目安です。
住宅購入諸費用の詳しい解説
諸費用が物件価格の6〜9%という幅に収まるのは、費目の性質が三つに分かれているからです。物件価格に比例するのは仲介手数料と不動産取得税、借入額に比例するのはローンの事務手数料と保証料、そして登記費用・印紙税・火災保険はほぼ定額です。定額の部分があるため、価格が上がるほど比率は下がります。上の早見表でも3,000万円で7.4%、8,000万円で6.2%と、金額は増えているのに割合は縮んでいます。逆に価格の低い物件ほど、割合で語ると重く見えます。予算を組むときは比率ではなく実額で押さえたほうが外れません。
実務で判断が分かれるのは、住宅ローンの事務手数料を定率型と定額型のどちらにするかです。定率型は借入額の2.2%前後を最初に払い切り、金利への上乗せはありません。定額型は数万円で済む代わりに保証料が必要で、金利に0.2%程度を乗せるか、一括で前払いします。総額だけを見ると定率型が有利に見える場面が多いのですが、繰上返済で期間を大きく縮める予定があるなら話は変わります。定率型の手数料は返ってこないのに対し、一括前払いの保証料は繰上返済によって未経過分の一部が戻るためです。本ツールは定率型の前提で計算しています。
見落とされやすいのは、諸費用をローンに含められるとは限らない点です。金融機関によっては諸費用を別枠のローンにする、あるいは自己資金での用意を求めることがあり、頭金とは別に数百万円の現金が必要になります。費目そのものにも本ツールに入っていないものがあります。売主に支払う固定資産税・都市計画税の日割り精算金、マンションの管理費と修繕積立金の日割り、新築分譲マンションの修繕積立基金、引越し費用、カーテンや照明といった初期の設備費です。よく言われる8〜12%という数字はこれらを含めた実際の支出ベースで、本ツールが返す6〜9%との差はここにあります。
条件による違いも押さえておいてください。新築の分譲住宅は売主から直接買うことが多く、その場合は仲介手数料がかかりません。仲介の有無を切り替えると総額が100万円以上動くのはそのためです。登記の司法書士報酬や火災保険料には地域差があり、水災リスクの高い地域では保険料が上振れします。不動産取得税は自己居住用で床面積などの要件を満たすと大きく軽減され、標準的な広さの住宅では課税されないことも珍しくありません。税額や軽減の要件は年度で変わるため、最終的な金額は税務署や税理士に、登記に関することは司法書士にご確認ください。
よくある間違い・注意点
- 頭金だけを用意して契約に進む — 諸費用をローンに組み込めない場合、4,000万円の物件でも別に270万円前後の現金が要ります。契約前に金融機関へ扱いを確認してください。
- 不動産取得税を満額で見積もる — 自己居住用の住宅は建物と土地の両方に大きな軽減があり、標準的な広さなら課税されないことも多くあります。逆に、要件を外れると数十万円単位で発生します。
- 印紙税を1通ぶんだけで数える — 売買契約書に加えて、住宅ローンの金銭消費貸借契約書にも印紙が必要です。後者には売買契約書のような軽減措置がありません。
- ローン事務手数料を定率型と定額型で総額比較しない — 定率型は繰上返済しても戻らず、定額型は保証料の未経過分が戻ります。短期で返す計画なら結論が変わります。
- 固定資産税の精算金を忘れる — 引渡し日以降の分を売主へ日割りで支払うのが通例です。年の前半に引き渡しを受けるほど負担が大きくなります。
- 火災保険を一律の金額で置いたまま進める — 構造・地域・水災補償の有無で数倍の差がつきます。本ツールの25万円はあくまで概算です。
参考資料・公的情報
- 国税庁 — 印紙税額の一覧表、登録免許税、住宅ローン控除の要件。
- 法務省 登記 — 不動産登記の手続きと必要書類。
- 国土交通省 不動産・建設経済局 — 宅地建物取引業法と媒介報酬の上限告示。
- 総務省 地方税制度 — 不動産取得税・固定資産税の仕組みと軽減措置。
- 住宅金融支援機構 — 長期固定金利型ローンの手数料・団体信用生命保険の情報。
- 金融庁 — 住宅ローンの比較と契約時の確認事項。
- 不動産流通推進センター — 不動産取引の実務資料と統計。
- 全国宅地建物取引業協会連合会 — 消費者向けの取引の流れと注意点。
- 日本損害保険協会 — 火災保険・地震保険の補償範囲と保険料の考え方。
- 日本司法書士会連合会 — 登記の相談窓口と司法書士報酬の目安。
※本ツールは前提を固定した概算です。税額や軽減措置の適用可否は個別の事情と年度の制度によって変わります。実際の判断は税務署・税理士・司法書士など専門家にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
諸費用は物件価格の何%を見ておけばよいですか?
本ツールの範囲では6〜9%台に収まります。4,000万円の新築・仲介あり・借入3,500万円なら約274万円で6.8%です。ただし固定資産税の精算金、修繕積立基金、引越し、カーテンや照明といった初期費用を足した実際の支出は、8〜12%まで膨らむのが普通です。予算は割合ではなく実額で押さえてください。
仲介手数料の計算はどうなっていますか?
宅地建物取引業法が定める上限額で計算しています。200万円以下の部分は5%、200万円超400万円以下は4%、400万円超は3%を掛けて合算し、消費税10%を加えます。400万円を超える物件では「価格×3%+6万円+消費税」という速算式と同じ額になります。上限であって定価ではないため、値引きの余地はあります。
不動産取得税が0円と表示されるのはなぜですか?
住宅の軽減措置を適用した結果です。自己居住用で床面積が一定の範囲にある住宅は、建物の評価額から大きな控除があり、土地にも減額があります。標準的な広さの住宅では税額がゼロになることが多いため、既定では0円としています。セカンドハウスや投資用、床面積の要件を外れる場合は「軽減なし」に切り替えてください。要件の判定は都道府県税事務所にご確認ください。
印紙税が3万円になるのはなぜですか?
契約書が2通あるからです。4,000万円の売買契約書は2027年3月31日までの軽減税率で1万円、3,500万円の住宅ローン契約書(金銭消費貸借契約書)は軽減の対象外で2万円、合わせて3万円になります。物件価格が5,000万円を超えると売買側が3万円、借入が5,000万円を超えるとローン側が6万円へ上がります。
諸費用も住宅ローンに含められますか?
金融機関によって扱いが異なります。物件価格と合わせて借りられる場合、諸費用だけ別枠のローンにする場合、自己資金での用意を求められる場合があります。組み込めると手元の現金は残りますが、借入額が増えるぶん総返済額と事務手数料も増えます。審査の申込み前に確認しておいてください。
ローン事務手数料は定率型と定額型のどちらが得ですか?
返済期間の見込みで変わります。最後まで返す前提なら、金利上乗せのない定率型が有利になる場面が多くなります。一方、繰上返済で期間を大きく縮める予定があるなら、一括前払いした保証料の未経過分が戻る定額型が有利になり得ます。本ツールは定率型(借入額×2.2%)で計算しています。
中古のほうが諸費用は高くなりますか?
同じ価格なら登記費用のぶん中古が高めです。新築の建物は所有権保存登記で登録免許税の税率が低く、中古は移転登記になるため差が出ます。本ツールでは新築30万円・中古40万円としています。加えて中古では、住宅ローン控除を使うための床面積や耐震に関する要件の確認、設備の修繕見込みも予算に入れておく必要があります。