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フラット35 計算ツール|借入限度額・月返済・総返済額・優遇・団信・借換えまで完全解説

住宅金融支援機構と民間金融機関が提携する全期間固定金利住宅ローン「フラット35」の借入可能額・月返済額・総返済額・返済負担率を試算。年収倍率・融資率90%超の金利上乗せ・フラット35S(ZEH/A/Bプラン)・機構団信・適合証明書・住宅ローン控除・借換えまで、住宅金融支援機構・国土交通省・国税庁の一次資料に基づき、判断に必要な事項を網羅的に解説します。

最終更新:2026-07-28/監修:計算ツールズ編集部

フラット35 計算機

2026年5月時点の最頻金利は約1.85%。融資率90%超は+0.26%

フラット35の全体像

フラット35は、独立行政法人住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して提供する、返済期間15〜35年の全期間固定金利型住宅ローンです。住宅金融公庫(旧特殊法人)の後継として2003年に開始され、現行の枠組みでは金融機関が窓口・審査・貸出を行い、機構がその債権を買い取って証券化する仕組み(買取型)が主流です。

特徴は①金利上昇リスクがゼロの全期間固定、②保証料・繰上返済手数料が無料、③団信任意加入で健康に不安があっても利用可、④物件の技術基準を機構が定めており、断熱・耐震・劣化対策等の一定水準が担保されている点にあります。融資上限は8,000万円、融資率上限は物件価格の100%(ただし90%超は金利上乗せ)です。

借入額・返済額・返済負担率の算式

元利均等返済の月返済額

月返済 = 借入額 × 月利 × (1+月利)^n / ((1+月利)^n − 1)

ここで月利=年利÷12、n=返済月数(35年なら420)。元利均等は毎月の返済額が一定で、初期は利息比率が高く、後半になるほど元本比率が高まります。フラット35のシミュレーションでは元利均等が標準ですが、元金均等(毎月の元本返済額を一定にし、利息を残高に応じて上乗せする方式)も選択できます。元金均等は初期の負担が重い代わりに総利息が少なくなります。

返済負担率と借入可能額

返済負担率 = 年間返済額 / 額面年収

機構は返済負担率の上限を、年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下と定めています。年収500万円なら年間返済175万円、月返済14.6万円が上限で、金利1.85%・35年・元利均等の逆算では約4,500万円が借入可能額の目安になります。この基準は他のカードローン・自動車ローン等の返済額も合算されるため、既存借入がある場合は差引後の枠になります。

年収倍率と資産形成のバランス

年収倍率(借入額÷年収)は7倍が一般的な安全ライン、都市部でも10倍以内が推奨レンジです。返済負担率が上限内でも、教育費・老後資金・修繕費の積立余地を残すため、手取り年収の20〜25%を目安にする考え方が公的なファイナンシャル・プランナー団体でも推奨されています。

金利の決まり方と融資率

フラット35の金利は毎月、住宅金融支援機構が公表する買取型の適用金利を、提携金融機関が上乗せなしで採用するのが基本です。銀行間の金利差はほとんどなく、価格競争より事務品質・提携特典で差別化されています。

融資率と金利上乗せ

融資率(借入額÷物件価格)金利水準
90%以下(頭金1割以上)標準金利
90%超100%以下標準金利+0.26%程度

頭金1割を用意できるかで金利が変わるため、諸費用・引越費用は別枠で確保し、物件価格に対しては1割以上を頭金にするのが定石です。融資率100%(頭金ゼロ)でも借入は可能ですが、返済総額が数十万円〜100万円単位で膨らみます。

返済期間別の金利

返済期間15〜20年は21〜35年より0.1〜0.2%低く設定されるのが通例です。長く借りるほど毎月の返済は軽くなりますが、総利息は増えます。繰上返済で期間を短縮できるため、当初は35年で借りて余裕資金で短縮していく戦略が現実的です。

フラット35S・ZEH・地域連携型の優遇

省エネ・耐震・バリアフリー・耐久性等で一定基準を満たす優良住宅には、当初期間の金利を引き下げるフラット35Sが用意されています。

プラン金利引下げ幅期間主な要件
ZEH-0.75%当初5年ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス基準適合
Aプラン-0.5%当初10年省エネ・耐震・バリアフリー・耐久性いずれか上位
Bプラン-0.25%当初5年省エネ・耐震等の一定基準

3,000万円・35年で当初10年-0.5%(Aプラン)の場合、当初期間の利息軽減効果はおおむね60〜80万円に相当します。加えて、自治体と連携するフラット35地域連携型では、子育て・移住支援・空き家活用等の要件で当初5〜10年-0.25%が上乗せ可能なケースもあります。

詳細な要件・対象物件はフラット35S公式ページで確認できます。

機構団信と加入判断

民間住宅ローンと異なり、フラット35は団信(団体信用生命保険)が任意で、保険料は金利に0.28%上乗せする形で支払います(新機構団信2017年10月以降)。健康上の理由で民間ローンの団信が引き受けられなかった人でも借入できる点は、フラット35の重要なメリットです。

新機構団信

死亡・所定の高度障害で残債が保険金で完済される標準団信。金利上乗せ0.28%。健康告知が通れば加入が原則。

新3大疾病付団信

がん・急性心筋梗塞・脳卒中の3大疾病に加え、身体障害・介護状態も対象。金利上乗せ0.53%。カバー範囲が広い代わりに保険料が高い。

連生団信(デュエット)

夫婦連生の団信。どちらかが死亡・高度障害で残債完済。上乗せ0.46%(機構団信の場合)。ペアローンや共働き前提の場合に検討。

団信不加入

金利上乗せなし。健康問題で加入不可の場合や、既に十分な生命保険で残債をカバーできる場合に選択。ただし借入人死亡時は遺族が返済継続する必要あり。

適合証明書と物件要件

フラット35は物件の技術基準(構造・断熱・耐震・劣化対策等)を機構が定めており、適合証明書の取得が融資条件です。適合証明の発行機関は、指定確認検査機関・登録建築士事務所・住宅性能評価機関等が担い、費用は新築で3〜7万円、中古で5〜10万円が中心相場です。

新築住宅

建築確認・完了検査済証で大半の項目がクリア可能。省エネ性能・住戸専用面積70㎡以上(マンションは30㎡以上)を確認。

中古住宅(築20年以内)

比較的簡易な検査で適合可。給排水・屋根・外壁・設備の劣化度を目視確認。修繕履歴の書類も参考。

中古住宅(築20年超)

建物の構造・断熱・耐震の再検証が必要。1981年5月以前(旧耐震)は耐震改修または新耐震基準相当の証明書必須。

マンション

管理規約・長期修繕計画・修繕積立金の水準(月あたり㎡単価)も確認対象。管理不全のマンションは融資対象外の場合あり。

民間住宅ローンとの比較

項目フラット35民間変動型民間固定期間選択型
金利タイプ全期間固定変動(半年毎に見直し)3/5/10年等の固定後変動 or 再選択
金利水準(2026年5月)約1.85%約0.3〜0.7%10年固定 約1.3〜1.7%
保証料不要0.2%程度上乗せ or 前払数十万円0.2%程度上乗せ
繰上返済手数料無料ネット無料多いネット無料多い
団信任意(0.28%上乗せ)金利込み・強制金利込み・強制
審査基準返済負担率のみ/勤続不問属性・勤続重視属性・勤続重視
物件要件適合証明書必要担保評価のみ担保評価のみ
借入上限8,000万円1〜2億円1〜2億円

金利上昇局面や、勤続年数が短い/自営業/転職直後の人にはフラット35が有利です。逆に、大企業正社員で属性が強く、金利上昇リスクを許容できる人は変動型が総支払い額で有利になるケースが多いです。

フラット35への借換え

変動金利で借入中の人が金利上昇局面でフラット35に借換えるケースが増えています。借換えの損益分岐は、①金利差1%以上、②残債1,000万円以上、③残期間10年以上、の3条件を目安にすると簡単です。

借換え費用

抵当権抹消・設定登記費、司法書士報酬、印紙税、適合証明書発行費、事務手数料で、借換え額の2〜3%が目安。3,000万円なら60〜90万円。

借換え時の団信

再度の健康告知が必要。既存ローン契約時より健康状態が悪化していると加入不可のリスクあり。事前に告知内容を整理。

借換え時の物件検査

中古扱いの適合証明が必要。既に居住している物件でも、断熱・耐震の追加証明が求められる場合あり。

借換え時期の判断

変動金利が0.5%以上上昇したら本気検討。固定への切替は「金利上昇の予感」ではなく「実質的な金利差」で判断。

住宅ローン控除との関係

フラット35は住宅ローン控除の対象です。返済期間10年以上・自己居住・床面積50㎡以上(合計所得1,000万円以下なら40㎡以上)等の要件を満たせば、年末残高の0.7%を最大13年間、所得税・住民税から控除できます。

控除限度額は住宅性能や入居年で異なり、認定長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅で控除対象借入額の上限が変わります。フラット35S(特にZEH)を利用する物件は、住宅ローン控除の枠も上限が高くなる傾向にあり、金利優遇と減税効果のダブルメリットがあります。

詳細は国税庁タックスアンサーNo.1213 認定住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)を参照してください。

よくある間違い・注意点

  • 頭金ゼロで融資率100%を選ぶ — 融資率90%超は金利が0.26%上乗せされます。3,000万円・35年で頭金1割入れるだけで総返済額が100万円以上変わることも。諸費用は別枠で用意し、物件本体には1割以上頭金を入れる設計が有利です。
  • 返済負担率の上限まで借りる — 上限35%は「機構が貸してくれる限界」であって「無理なく返せる範囲」ではありません。手取り年収の20〜25%以内、つまり返済負担率で15〜20%以内に抑えるのが老後・教育費・修繕費を含めた家計設計の基本です。
  • 団信不加入のまま借入 — 健康問題がないのに保険料を惜しんで団信を外すのは危険。借入人死亡時に遺族が返済継続する必要があります。生命保険で完全カバーできる場合を除き、機構団信への加入が原則。
  • 適合証明書費用の見落とし — 中古物件では5〜10万円かかり、諸費用に組み込み忘れると資金計画がずれます。売主・仲介業者・機構提携の検査機関に事前確認を。
  • フラット35Sの適用漏れ — 省エネ基準・耐震等級・断熱等級を満たしているのに、書類提出漏れで金利優遇を受け損ねるケースが実務でよく発生。物件契約前に工務店・不動産会社に確認し、必要な性能評価書類を必ず取得。
  • 変動金利との単純比較で判断 — 「変動0.5%なら年間15万円得」と単純計算で借換えを見送るのは危険。金利上昇時のストレスシナリオ(金利3%まで上昇した場合の月返済増額)で試算し、家計の耐性を確認しましょう。

関連する法令・規程

  • 住宅金融支援機構法 ― 独立行政法人としての機構の設立・業務範囲・買取型証券化業務の根拠法。
  • 建築基準法・住宅品質確保促進法(品確法) ― フラット35適合証明書における技術基準の根拠。耐震・省エネ・劣化対策の要件を規定。
  • 租税特別措置法 ― 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の根拠。フラット35利用時の減税適用要件を規定。
  • 宅地建物取引業法 ― 重要事項説明、瑕疵担保責任、宅建士の対応義務。フラット35利用物件の中古取引も対象。
  • 建築士法 ― 適合証明書を発行できる建築士事務所の登録要件、設計・工事監理の責任。
  • 保険業法 ― 機構団信・民間団信の運営規制、告知義務、契約者保護。
  • 住宅性能表示制度 ― フラット35Sの性能評価基準(断熱等級・耐震等級・劣化対策等級・維持管理対策等級)の根拠制度。
  • 長期優良住宅の普及の促進に関する法律 ― フラット35Sで優遇を受ける「長期優良住宅」の認定基準。
  • 建築物省エネ法 ― ZEH水準・省エネ基準適合の技術基準。フラット35Sの省エネ要件と直結。

参考文献・公的資料

フラット35の金利水準・融資条件・優遇制度は毎月変動があります。契約前には必ず以下の公的資料の最新版を確認してください。

※本ページの計算結果は概算値です。実際の借入可能額・金利・返済額は、金融機関の審査、物件の適合証明結果、金利改定、団信の告知結果、他の借入状況等で変動します。契約前には必ず、住宅金融支援機構および提携金融機関の最新情報と、税理士・ファイナンシャル・プランナー・住宅金融相談窓口等の有資格者にご確認ください。

よくある質問(FAQ)

フラット35の借入可能額はいくら?

年収に対する返済負担率が上限で、年収400万円未満は30%、年収400万円以上は35%が機構基準です。年収500万円・金利1.85%・35年・元利均等で試算すると、返済負担率35%の上限で約4,500万円が借入可能額の目安。ただし他の借入(自動車ローン等)があると差引されます。詳細はフラット35公式サイトで最新条件を確認してください。

頭金なしでもフラット35は借りられる?

借りられますが、融資率90%超は金利が0.26%程度上乗せされます。3,000万円・35年で頭金1割入れると総返済額が100万円前後変わるため、諸費用は別枠で用意し、物件本体には最低1割の頭金を入れる設計が資金効率的です。

フラット35Sの金利優遇はどの程度得?

3,000万円・35年・当初10年-0.5%のAプランで、当初期間の利息軽減は60〜80万円程度。ZEHプラン(当初5年-0.75%)も強力です。省エネ・耐震・バリアフリー・耐久性の一定基準を満たす物件が対象で、書類提出時に性能評価書・確認済証等が必要です。詳細はフラット35S公式ページを確認。

フラット35と変動金利どちらが得?

金利上昇局面や、勤続が短い/自営業/転職直後ならフラット35が有利。大企業正社員で属性が強く、金利上昇リスクを許容できるなら変動型が総支払い額で有利になるケースが多いです。金利差1%以上・借入残1,000万円以上・残期間10年以上なら借換えメリットあり。

機構団信は入るべき?

健康告知が通るなら加入推奨。金利上乗せ0.28%で、死亡・高度障害時に残債完済されます。3大疾病付は0.53%上乗せでカバー範囲拡大。既に十分な生命保険で残債カバーできる場合や、健康告知が通らない場合は不加入で借入可能ですが、遺族が返済継続することになるため慎重に検討を。

フラット35で借換えはできる?

できます。変動金利からフラット35への借換えが金利上昇局面で増加傾向。損益分岐の目安は、金利差1%以上・残債1,000万円以上・残期間10年以上。借換え費用は借換え額の2〜3%(3,000万円で60〜90万円)。団信の再告知と適合証明書の取得が必要です。

適合証明書は誰が発行する?

指定確認検査機関・登録建築士事務所・住宅性能評価機関等が発行します。費用は新築3〜7万円、中古5〜10万円。新築なら建築確認・完了検査済証で大半の項目クリア。築20年超の中古は耐震・断熱の再検証が必要。1981年5月以前の旧耐震物件は耐震改修または新耐震相当の証明書が必須です。

フラット35で住宅ローン控除は使える?

使えます。返済期間10年以上・自己居住・床面積50㎡以上(合計所得1,000万円以下なら40㎡以上)等の要件を満たせば、年末残高の0.7%を最大13年間、所得税・住民税から控除できます。フラット35Sの省エネ住宅は控除限度額が優遇される場合あり。国税庁タックスアンサーNo.1213を参照。

自営業やフリーランスでも借りられる?

借りられます。フラット35は勤続年数・雇用形態を問わず、確定申告書の申告所得(原則2〜3期分)で審査します。民間ローンで審査が通りにくい自営業・個人事業主にとって、フラット35は現実的な選択肢です。所得の変動が大きい場合は平均値ではなく直近の低い方の年度で審査される場合あり。

元利均等と元金均等どちらがお得?

総利息だけを見れば元金均等が少ない(3,000万円・35年・1.85%で総利息差100万円程度)。ただし元金均等は初期の月返済が高く(1.5倍程度)、家計負担が重いです。元利均等で借りて、家計に余裕があるときに繰上返済する方が現実的な運用です。

繰上返済に手数料はかかる?

フラット35の繰上返済は手数料無料。ネット手続きなら10万円から、窓口なら100万円以上から可能です。返済期間短縮型と返済額軽減型が選べ、利息削減効果は期間短縮型の方が大きいです。詳細は繰上返済シミュレーションを参照。

フラット35の審査基準は?

①年収基準:返済負担率が上限内(400万円未満30%、400万円以上35%)。②物件基準:適合証明書取得可能。③その他:日本国籍または永住権、20〜70歳、他のカードローン等の返済も合算される点に注意。信用情報(延滞・自己破産等)に問題があると不承認となる場合あり。