GCP料金 計算ツール|Compute Engine・Cloud SQL・BigQuery の月額を東京リージョンで概算
Google Cloud Platform(GCP)の主要サービスCompute Engine・Cloud SQL・Cloud Storage・Cloud Functions・BigQueryの月額を、東京リージョン(asia-northeast1)公式料金から即時概算。確約利用割引(CUD)・持続利用割引(SUD)・$300クレジット・永久無料枠を反映し、データ分析ワークロード、Kubernetesクラスタ運用、Firebase系のモバイル/Webサービス、Vertex AI含むML基盤の予算試算に対応。GoogleらしいシンプルなSKU設計と、BigQuery(1TB/月まで無料クエリ)などのデータ系優位性を踏まえた最適選定にご活用ください。
GCP料金 計算機
GCP料金体系と課金モデル
Compute Engine(仮想サーバー)
マシンタイプ別の秒単位課金。永続ディスク(pd-standard $0.04/GB、pd-ssd $0.17/GB)は別途。特徴は持続利用割引(SUD):月の25%以上稼働で自動的に最大30%割引が適用され、契約なしで恩恵を受けられる点がAWSとの大きな違い。
Cloud SQL(マネージドDB)
MySQL/PostgreSQL/SQL Server対応。インスタンス+ストレージ+ネットワーク課金。HA構成(リージョナル)は2倍、バックアップは7日分無料、超過分$0.08/GB/月。
Cloud Storage(オブジェクトストレージ)
Standard(頻繁)$0.023/GB、Nearline(月1回)$0.013/GB、Coldline(四半期)$0.007/GB、Archive(年1回)$0.0025/GB。操作Class A(PUT/COPY)$0.05/1万、Class B(GET)$0.004/1万。
Cloud Functions / Cloud Run(サーバーレス)
Functions:$0.40/100万リクエスト、$0.0000025/GB-秒(vCPU無視の統合レート)。Cloud Run:$0.24/100万リクエスト、CPU $0.000024/vCPU-秒、メモリ $0.0000025/GB-秒。月200万リクエスト無料。
BigQuery(データウェアハウス)
ストレージ$0.02/GB/月(90日未変更で$0.01)、オンデマンドクエリ$6.25/TBスキャン(1TB/月無料)、BigQuery Editions(Standard $0.04/slot-h、Enterprise $0.06、Enterprise Plus $0.10)の年間コミットで大幅割引。
データ転送(アウトバウンド)
インターネット向け:〜1TB $0.12/GB、〜10TB $0.11/GB、10TB超 $0.08/GB。同一リージョン内は無料、リージョン間$0.02/GB、大陸間$0.05/GB。
Compute Engine 主要マシンタイプ料金表(東京リージョン)
| マシンタイプ | vCPU | メモリ | 時間単価($) | 月額(730h) | 用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| e2-micro | 0.25(共有) | 1GB | 0.0085 | $6.21 | 踏み台・開発 |
| e2-small | 0.5(共有) | 2GB | 0.017 | $12.41 | 小規模Web |
| e2-medium | 1(共有) | 4GB | 0.034 | $24.82 | 中規模Web・検証 |
| e2-standard-2 | 2 | 8GB | 0.067 | $48.91 | アプリサーバ |
| e2-standard-4 | 4 | 16GB | 0.134 | $97.82 | 中規模本番 |
| n2-standard-2 | 2 | 8GB | 0.095 | $69.35 | 汎用本番・DB |
| n2-standard-4 | 4 | 16GB | 0.190 | $138.70 | 汎用本番 |
| c2-standard-4 | 4 | 16GB | 0.222 | $162.06 | ゲーム・エンコード |
e2シリーズはコスト最重視の汎用機、n2は安定パフォーマンス、c2は高CPU集約。持続利用割引(SUD)は月の25%以上稼働で自動的に10-30%OFF適用。
Cloud Storage クラス別料金比較
| ストレージクラス | 単価($/GB/月) | 取り出し($/GB) | 最低保管期間 | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| Standard | 0.023 | 0 | - | 頻繁アクセス |
| Nearline | 0.013 | 0.01 | 30日 | 月1回程度 |
| Coldline | 0.007 | 0.02 | 90日 | 四半期に1回 |
| Archive | 0.0025 | 0.05 | 365日 | 年1回・法定保存 |
AWS/GCP/Azure 料金比較(東京・東日本リージョン)
| カテゴリ | AWS | GCP | Azure |
|---|---|---|---|
| 汎用2vCPU/8GB VM | m6i.large $0.1184/h | e2-standard-2 $0.067/h | D2s v5 $0.096/h |
| マネージドDB(小) | db.t3.medium $0.164/h | db-n1-standard-1 $49.91/月 | SQL S2 $75/月 |
| オブジェクト標準 | S3 $0.025/GB | GCS Standard $0.023/GB | Blob Hot $0.0184/GB |
| アーカイブ | Deep Archive $0.00099/GB | Archive $0.0025/GB | Archive $0.00099/GB |
| データ分析 | Athena $5/TB | BigQuery $6.25/TB(1TB無料) | Synapse $5/TB |
| Kubernetes | EKS $0.10/h/cluster | GKE $0.10/h/cluster(Standard) | AKS 無料(コンパネ) |
| データ転送out | $0.114/GB | $0.12/GB | $0.087/GB |
| 1年予約割引 | 〜40%(RI) | 〜30%(CUD) | 〜40%(RI) |
| 3年予約割引 | 〜72% | 〜50% | 〜65% |
確約利用割引・持続利用割引・Spot VM
GCP独自の持続利用割引(SUD)は、契約なしで月間稼働率25%以上で自動的に最大30%OFF。継続稼働の本番ワークロードは自動的に恩恵。確約利用割引(CUD)は1年30%、3年50%OFFで、AWSより契約条件が緩く柔軟。Spot VM(旧Preemptible)は最大91%OFFで最長24時間稼働、機械学習トレーニングやバッチ処理向け。
BigQuery 料金体系(オンデマンド/BigQuery Editions)
2023年から新料金体系「BigQuery Editions」が導入され、従来のFlat-rateから移行。オンデマンドは$6.25/TBスキャン(1TB/月まで無料)で、たまに分析するチームに最適。BigQuery Editionsは年間コミットのスロット単価が Standard $0.04/slot-h(3年で$0.02)、Enterprise $0.06、Enterprise Plus $0.10。定常的にクエリを流すデータ基盤はEditionsのほうが安価。Physical Storageは圧縮後容量課金($0.02/GB)で、従来のLogical Storage($0.02/GB非圧縮)より数分の1に。
$300クレジット・永久無料枠
新規アカウントは$300クレジット/90日付与。永久無料枠:e2-micro 1台(us-west1/central1/east1のみ)、Cloud Storage 5GB(US)、BigQuery 1TB/月クエリ+10GBストレージ、Cloud Functions 200万リクエスト、Cloud Run 200万リクエスト、Firestore 1GB。学習・PoC・個人開発は完全無料で運用可能なケースも多い。
現場での活用シーン
データ分析基盤(BigQuery)
1TB/月まで無料クエリのBigQueryは、DWH選定の第一候補。Google Analytics 4のBigQueryエクスポートと組み合わせるとマーケ分析基盤が最安で構築可能。
コンテナ・Kubernetes(GKE)
GKE Autopilotはノード管理不要でPod単位課金。GKE Standardは$0.10/h/クラスタ+ノードコスト。マネージドK8sの成熟度は3クラウド随一。
機械学習・Vertex AI
Gemini API・Vertex AI Pipelines・Model Garden。TPU v4/v5で大規模モデルの学習を短時間・低コストで実行。
Firebase系(Web/Mobile)
Firebase Hosting、Firestore、Authentication、Cloud Functionsを組み合わせたBaaS。個人開発〜スタートアップMVPまで無料枠で完結。
Google Workspace連携
Cloud Identity・Google Drive API・BigQuery連携でSSO・データレイク構築。既にWorkspace利用中の企業は統合メリット大。
ハイブリッド・マルチクラウド(Anthos)
Anthosでオンプレ・AWS・Azureを統合管理。GCPを制御プレーンにしたマルチクラウド運用のコスト試算に。
よくある間違い・注意点
- 持続利用割引(SUD)を予算に含め忘れ — 見積り時にリスト単価で計算し、実請求は自動で10-30%割引されるため予算対比で黒字化するが、逆算時に誤解が生じる。定額CUDと違い自動適用。
- BigQueryクエリの巨大化 — SELECT * や WHERE無しの全件スキャンで数十TB課金の事故が多発。プレビュー機能、パーティション、クラスタリング、Query Validator利用で防止。
- Cloud Storage同一リージョン外への転送料 — マルチリージョンバケットとCompute Engineリージョンがズレると意図せぬ通信料発生。設計時に必ずリージョン一致確認。
- GKE Standardのアイドルコスト — 開発クラスタでもコントロールプレーン$0.10/h+ノード常時課金。開発は夜間停止スクリプト、または軽量なCloud Run/Cloud Functionsで代替。
- Egress(送信)料の見落とし — GCPは他クラウドへの送信料が高め($0.12/GB〜)。マルチクラウド構成では送信量とVPCピアリング料の設計が重要。
- Spot VMの中断リスク — Preemptible/Spot VMは最長24h・突然中断あり。ステートフル処理には不向き、Checkpoint+再起動の設計必須。
- プロジェクト無自覚な残置 — Firebaseで作った検証プロジェクトが放置されCloud Run/Firestoreが動き続けるパターン。Cloud Billing Alertsで月次通知設定を。
セキュリティ・コンプライアンスのコスト影響
Cloud IAM・Cloud KMS(鍵管理$0.06/鍵/月+操作$0.03/1万)・Security Command Center(Premium層は組織単位価格)・Cloud DLP(検査$1.5/GB)・VPC Service Controls(無料)などが典型的追加コスト。金融庁FISC基準や個人情報保護法の外国第三者提供制限、GDPR対応でリージョン選定・ログ保管・データ削除の実装コストが発生します。BeyondCorp Enterprise、Chronicle Securityなどのゼロトラスト系プロダクトは別途エンタープライズ契約。
参考文献・公的資料
- Google Cloud 料金 公式ページ ― サービス別最新料金の一次資料。東京リージョン(asia-northeast1)の実勢価格を必ずこちらで確認。
- Google Cloud Pricing Calculator ― GCP公式の詳細見積りツール。本ページの概算後の精緻化に。
- Google Cloud Architecture Framework ― 設計原則(コスト最適化・セキュリティ・信頼性等)の公式ガイド。
- AWS 料金 公式ページ ― マルチクラウド比較の一次資料。
- Microsoft Azure 料金 ― 3社比較の一次資料。
- IPA クラウドサービス利用のためのセキュリティ管理策 ― クラウド利用のリスク管理・セキュリティ実装ガイド。
- NIST SP 800-145 The NIST Definition of Cloud Computing ― クラウドの標準定義。
- ISO/IEC 27017 クラウドサービスのための情報セキュリティ管理策 ― 国際標準規格。
- OWASP Cloud-Native Application Security Top 10 ― クラウドネイティブAppのセキュリティリスク。
- 日本産業標準調査会(JISC) ― JIS Q 27017等のクラウドセキュリティ規格。
よくある質問(FAQ)
持続利用割引(SUD)と確約利用割引(CUD)の違いは?
SUDは契約なし・月間稼働率25%以上で自動適用され最大30%OFF。CUDは1年/3年の期間コミットで最大50%OFF。まずはSUD任せで運用し、負荷が安定したらCUDに切替えるのが定番の最適化パターン。
BigQueryのオンデマンドとBigQuery Editionsどちらを選ぶ?
月クエリ量が1-2TB程度でスポット的ならオンデマンド($6.25/TB)。定常的に数十TB/月流すデータ基盤はEditions(Standard/Enterprise)の年間コミットが数分の1で済むケースが多い。BigQuery Query Cost EstimatorとRecommenderで比較を。
Cloud Run と Cloud Functionsどちらを使う?
Cloud Runはコンテナ、Cloud Functionsは関数(第2世代はCloud Run基盤)。要件がコンテナ化必須・複数言語・長時間処理ならCloud Run、シンプルなイベント駆動関数はFunctions。2026年時点はCloud Run推奨。
GKE AutopilotとStandardの違いは?
Autopilotはノード管理不要でPod単位課金(vCPU/メモリ/エフェメラルストレージ)。Standardは自分でノード数管理し、コスト最適化余地大。Autopilotは運用工数最小、Standardは大規模で安価。
$300クレジットはどう使う?
新規アカウント登録から90日間、$300分のGCPサービスが無料。BigQuery学習、Vertex AIの試用、GKEクラスタ検証などに使えます。期限内に使い切れなくても課金は請求書発行前に有効化するまで発生しません。
データ転送料の削減方法は?
(1)同一リージョン内通信は無料活用、(2)Cloud CDNで再配信削減、(3)VPCピアリングで内部化、(4)Private Google Accessでインターネット経由回避、(5)マルチクラウドの場合はDedicated Interconnectで大幅削減。
Firebaseの料金は別体系?
Firebaseは無料枠(Spark)と従量課金(Blaze)。Blazeは実質GCPの各サービス料金(Cloud Firestore、Cloud Storage、Cloud Functions等)。BlazeプランでもFirebase独自の無料枠は継続適用。
コスト管理の推奨設定は?
(1)Cloud Billing Budgets: 予算アラート設定、(2)Recommender: 未使用リソース・右サイジング推奨、(3)Cost Table Report: 部門別/ラベル別按分、(4)Committed Use Analyzer: CUD候補の可視化、(5)FinOps Hub: 総合ダッシュボード。
マルチプロジェクト・組織階層の請求は?
Cloud Billing Accountを組織階層で管理。プロジェクトごとに請求先を分離し、フォルダ単位で権限管理。BigQueryエクスポートで請求データを可視化し、Looker Studioでダッシュボード化する運用が定番。
Anthos・マルチクラウド運用の料金は?
Anthosは$0.10175/vCPU-h(オンプレ含む)。GCP以外のクラウド上のK8sも統合管理でき、Config Sync・Policy Controller・Service Meshで統一運用。エンタープライズのハイブリッド戦略で採用が進む。
Vertex AI・Gemini APIの料金は?
Gemini API: 従量課金(入力/出力トークン別)。Vertex AI Workbench(ノート): vCPU/メモリ従量。カスタムモデル学習: TPU/GPU時間+ストレージ。Model Gardenの多くの基盤モデルはトークン課金。
SLAの適用範囲は?
各サービス個別にSLA公開。Compute Engine単一VMは99.5%(SUDやCUD無関係)、Multi-Zone構成で99.99%、リージョナル分散で99.999%。SLA未達時はService Credit(将来利用への割引)返還。