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クラウドバックアップS3 GlacierB2

クラウドバックアップ料金 計算|S3 Glacier・B2・Wasabi・Google Drive をTB単価で比較

AWS S3 Glacier、Backblaze B2、Wasabi、Google Drive BusinessのTB単価をもとに、保管データ量に対する月額・年額を瞬時算出します。長期保管ならGlacier($4/TB前後)が最安、頻繁アクセスはB2/Wasabi、業務データはGoogle Drive/OneDrive、と用途で最適解が変わります。3-2-1ルール(3コピー・2媒体・1オフサイト)、取り出し料金(Egress・Retrieval)、世代管理、暗号化、ランサムウェア対策まで、企業のBCP担当・個人事業主が押さえるべき論点をまとめました。

最終更新:2026年7月28日/監修:計算ツールズ編集部

クラウドバックアップ料金 計算ツール

写真1TB=約20万枚、動画1TB=約200時間(FHD)が目安。

計算式とTB単価の考え方

月額($) = 保管データ量(TB) × TB単価($/TB/月)
年額($) = 月額 × 12
5年累計($) = 月額 × 60(値上げ・容量増未考慮)
1GBあたり月額($) = TB単価 ÷ 1,024

基本前提:クラウドバックアップはストレージ課金+通信課金+API課金+取り出し課金の複合構造です。本ツールはストレージ課金のみを比較しますが、実運用ではPUT/GETリクエスト(1,000回あたり数セント)、Egress通信($0.05〜$0.12/GB)、Glacier系の早期削除ペナルティ(90〜180日未満で追加課金)を必ず見積もりに含めてください。

為替は2026年7月時点の想定150円/$で換算しています。円安局面では月額の10%程度の変動リスクがあり、長期契約時は年間予算の余裕を確保。無料枠は多くのサービスに存在(AWS 5GB/月、Google Drive 15GB、OneDrive 5GB)し、少量なら無料枠の組み合わせで実質0円運用も可能です。

主要6サービスの料金・特徴比較

サービス TB単価 取り出し料金 取り出し速度 主用途
S3 Glacier Deep Archive $1/TB前後 $0.02/GB 12時間 長期アーカイブ・法的保管
S3 Glacier Instant Retrieval $4/TB $0.03/GB 即時 年数回アクセスの安価保管
Backblaze B2 $6/TB $0.01/GB 即時 個人・中小企業の日常バックアップ
Wasabi $6.99/TB 無料 即時 頻繁取り出し・動画配信元
Google Drive Business $12/TB 無料 即時 業務ファイル・共同編集
Microsoft OneDrive Business $10/TB 無料 即時 Office 365統合・企業標準

※2026年7月時点の公表価格。実際の課金はリージョン・ボリューム割引・年契約割引で±20%程度変動します。AWSは東京リージョンだと$4/TBが$4.6/TB程度になるなど、日本人ユーザーは通信品質と料金のトレードオフを検討する必要があります。

見落としがちな隠れコスト

TB単価だけでサービスを選ぶと、実運用で予算オーバーが起きがちです。以下の4項目を必ず試算に含めてください。

コスト項目概算影響が大きいケース
Egress通信料$0.05〜0.12/GB大規模リストア・災害復旧
APIリクエスト料$0.0004〜0.005/千回小ファイル多数(写真100万枚等)
早期削除ペナルティ$0.02〜0.03/GBGlacier系で90〜180日以内削除
取り出し(Retrieval)料$0.01〜0.05/GBGlacier Deep Archiveの緊急復元

例:1TBの全データ復元をS3 Glacier Deep Archiveから行うと、$0.02/GB×1,024GB=$20の取り出し料金、さらに東京→社内へのEgressで$0.09/GB×1,024GB=$92の通信料と、月額$1のストレージ費用に対して100倍以上の一時費用が発生します。「バックアップは安いが復元は高い」がクラウドの鉄則。

3-2-1バックアップルールとクラウドの位置づけ

米国CISA(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)・IPAが推奨する3-2-1ルールは、データ保護の国際標準です。ランサムウェア被害の急増(IPA 2024年の企業被害トップ)を受け、多くの企業がこのルールをBCP計画に組み込んでいます。

3:オリジナル+バックアップ計3コピー
2:異なる2種類のメディア(HDD+クラウド等)
1:1つは物理的にオフサイト(クラウド or 遠隔地)

クラウドバックアップは「1つはオフサイト」の要件を満たす選択肢として、特に中小企業・個人事業主に採用が広がっています。ローカルNAS(Synology・QNAP)+クラウド(B2・Wasabi)の組み合わせが、コスト・利便性・災害耐性のバランスに優れます。

用途別・最適サービスの選び方

写真・動画の長期保管(個人)

1TB=写真20万枚・動画200時間の目安。年数回しか見返さないならS3 Glacier Deep Archive(月$1〜)が最安。取り出し時の待ち時間(12時間)と料金($20/TB)は許容範囲。Amazon Photos(Prime会員なら無制限)併用でさらに削減可能。

PC・NASの丸ごとバックアップ

Backblaze Personal($99/年で無制限)が個人ユーザーには圧倒的コスパ。NASならB2($6/TB)+ Synology Cloud Sync、QNAP HBS3 で自動化。差分バックアップで通信量を最小化し、暗号化キーは必ずユーザー保管(サービス側管理はプライバシーリスク)。

企業の業務ファイル・共有

Google Drive Business($12/TB・共同編集)またはOneDrive Business($10/TB・Office統合)が第一候補。Microsoft 365 Business Standardは1TBのOneDrive付きで$12.50/月なので、実質ストレージ費用は無料同等。バージョン管理・監査ログ・DLP機能まで揃う。

動画配信・Webサイト配信

Wasabi(Egress無料・$6.99/TB)が最強コスパ。動画配信サービス・大容量サイトの配信元として使うと、AWS S3比で通信料金50〜90%削減。ただしAPI互換性は完全ではなくSDKの選定に注意。CloudflareのR2(Egress無料・$15/TB)も競合。

法的保管・監査対応

電子帳簿保存法・PCI DSS対応にはS3 Object Lock・B2 Application KeyでのWORM(Write Once Read Many)設定が必須。改ざん不可の保管期間を設定でき、監査時の証跡として認められます。ランサムウェア対策としても有効。

ランサムウェア対策バックアップ

感染後にバックアップまで暗号化される「連鎖被害」対策として、Immutable Storage(不変ストレージ)とオフライン保管が推奨。Wasabi Object Lock、AWS S3 Object Lock(Compliance mode)で数ヶ月間削除不可の設定を。テープバックアップ復権の理由もここにあります。

よくある間違い・注意点

  • TB単価だけで選ぶ — 実運用ではEgress通信料・APIリクエスト料・取り出し料が総費用の30〜50%を占める。安価なGlacierは復元時が高額になる「一長一短」を理解して選ぶ必要があります。実運用ワークロード(アクセス頻度・復元頻度)を想定した見積もりが不可欠。
  • 暗号化キーをサービス側に預ける — Google・AWSの管理キー(KMS)は便利だが、法執行機関のデータ開示要求・アカウント凍結時のリスクあり。BYOK(Bring Your Own Key)・ゼロ知識暗号化のサービス選定が推奨。企業機密・個人情報を扱う場合は必須です。
  • 1つのサービスに全依存 — 3-2-1ルールに反する。AWS S3の障害(2017年米東部)でGitHub・Netflixが数時間停止した実例あり。異なるサービス・リージョンへの二重化が必須。単一障害点の排除がBCPの基本原則です。
  • 復元テストを実施しない — 「バックアップ取れてる」のが「復元できる」の保証ではない。年1回は必ず全量リストアテストを実施。実運用の30〜40%は復元不可の状態というIPA調査結果あり。テスト計画をBCPに組み込むのが標準運用。
  • ランサムウェア対策を軽視 — オンラインバックアップは感染後に一緒に暗号化される。Immutable Storage・オフライン保管・過去世代の長期保存が必須。IPAの2024年被害トップは中小企業のランサムウェアで、多層防護が唯一の対策です。
  • 為替リスクを想定しない — ドル建て料金は円安で20〜30%上昇する可能性あり。長期契約時は予算に余裕を持ち、円建てサービス(Sakura・IIJ等)との併用も検討。年間予算策定時は10%以上のバッファーを確保するのが安全です。
  • 個人情報保護法・GDPR未対応 — EUのGDPR・改正個人情報保護法でリージョン選定が制約される場合あり。EU顧客データはEUリージョン、日本の要配慮個人情報は日本リージョン保管が推奨。越境移転はSCC・CBPR等の適合手続きが必要です。

参考資料・公的情報源

より正確なクラウドバックアップの料金・セキュリティ要件は、以下の公的機関・公式資料を参照してください。

利用上の注意

※本ページのクラウドバックアップ料金の試算は各社の2026年7月時点の公表価格に基づく参考値です。実際の料金はリージョン・ボリューム割引・年契約割引・キャンペーン等で変動し、Egress通信料・APIリクエスト料・取り出し料・早期削除ペナルティなどの隠れコストが総費用の30〜50%を占めることがあります。為替変動(本ツールは150円/$前提)で円建て支払額は±20%程度変動します。実際の契約前には各社の公式料金ページで最新価格を確認し、実運用ワークロード(データ量・アクセス頻度・復元頻度)を想定した見積もりを取得してください。また、本ツールはセキュリティコンサルティング・法的助言・BCP策定の代替を提供するものではなく、企業のバックアップ戦略策定にあたっては、IPA・NISC・公認情報セキュリティ主任監査人(CISA)などの専門家の助言を受けることを推奨します。個人情報・機密情報・電子帳簿保存法対象データの取り扱いには、リージョン選定・暗号化キー管理・改ざん防止(WORM)等の追加要件が発生する場合があります。

よくある質問(FAQ)

B2とS3の違いは?

B2はシンプルな月額課金+Egress無料枠、S3はストレージクラス(Standard・IA・Glacier等)が多種で用途別最適化が可能。個人・中小はB2の予測可能性、大企業はS3の柔軟性が向く傾向。API互換性は両者ともS3互換で、rclone・Cyberduck等の汎用ツールでどちらも扱えます。

世代管理(バージョン)はどうする?

古い世代は自動で安いクラスへ移行するライフサイクルポリシーが推奨。S3ならStandard→IA→Glacier→Deep Archiveと自動移行。30日Standard・90日IA・1年Glacier・3年Deep Archiveが定石で、コストを1/10以下に圧縮できます。

取り出し(Egress)料金はいくら?

AWS $0.09/GB、B2 $0.01/GB(3倍まで無料枠)、Wasabi 無料、Cloudflare R2 無料。1TBの復元でAWSは$92、Wasabiは$0と大きな差。復元頻度が高いならEgress無料系が有利です。

ランサムウェア対策としては?

Immutable Storage(WORM)設定が必須。S3 Object Lock(Compliance mode)・Wasabi Object Lockで数ヶ月〜数年の削除不可設定が可能。感染後の連鎖被害を防ぐには過去世代とオフライン保管の併用が推奨されます。

暗号化はどうすればいい?

クライアント側暗号化(BYOK)が最も安全。Cryptomator・rclone crypt・Duplicati等の無料ツールで、クラウド側は暗号化データのみ保持。サービス側暗号化(SSE-KMS等)は便利だが管理者アクセスリスクあり。企業機密・個人情報はBYOK必須です。

個人・家庭のおすすめは?

Backblaze Personal($99/年・容量無制限)が最強コスパ。1台のPCを丸ごとバックアップ可能。NAS利用者はB2+Synology Cloud Syncの組み合わせが柔軟。写真中心ならGoogle Photos(無料15GB+Google One)併用も検討価値あり。

中小企業のおすすめは?

Microsoft 365 Business Standard($12.50/月・OneDrive 1TB付き)が業務ファイル+バックアップの両立でコスパ最強。追加バックアップとしてWasabi・B2をNASと組み合わせ、3-2-1ルールを満たす構成が定石。監査ログ・DLP・条件付きアクセスも標準機能で提供されます。

復元テストの頻度は?

年1回の全量リストアテストが国際標準。IPA調査では30〜40%の企業が「バックアップは取れているが復元できない」状態。ファイル数個の月次サンプルテスト+年次全量が推奨。BCPの実効性検証の一環として位置づけます。

3-2-1ルールとは?

3コピー・2種類のメディア・1つをオフサイトの原則。米国CISAが推奨する国際標準で、ランサムウェア・災害・人為ミスへの多重防護。オリジナル+ローカルバックアップ+クラウドの構成が典型例で、中小企業のBCP計画の基礎になります。

電子帳簿保存法への対応は?

タイムスタンプ・改ざん防止措置・検索性の3要件が必須。S3 Object Lock(Compliance mode)+TSA(Time Stamping Authority)連携で対応可能。JIIMA認証取得のクラウドサービス(弥生・freee等)活用が中小企業には現実的な選択肢です。

データ越境移転の規制は?

改正個人情報保護法で「越境移転」は本人同意またはAPEC CBPR等の適合国が原則。EUのGDPRはさらに厳格でSCC(標準契約条項)が必要。EU顧客データはEUリージョン、日本の要配慮個人情報は日本リージョン保管が推奨されます。

Cloudflare R2の位置づけは?

Egress完全無料・$15/TBと料金構造がユニーク。動画配信・大容量ダウンロードサイトの配信元として最適。ただしバックアップ用途ではB2/Wasabiより高価で、大量アクセスがある配信専用の選択肢と位置づけるのが妥当です。