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分子量 早見・計算ツール|主要化合物60種の分子量、mol⇔g換算、アボガドロ数対応

主要化合物の分子量(モル質量)を即座に表示し、mol⇔g変換・分子数(アボガドロ数)換算まで対応する無料電卓。水 18.02・NaCl 58.44・CO₂ 44.01・H₂SO₄ 98.08・グルコース180.16など、化学・生物・薬学・食品工業で頻用する60化合物の分子量を、IUPAC 2021標準原子量・日本化学会「化学便覧」に基づき収録。学生実験・分析化学・工業製造・農業(施肥計算)・医療調剤まで幅広く活用できます。

最終更新:2026-08-05/監修:計算ツールズ編集部

分子量 計算機

計算式と原子量ベース

基本式

分子量(MW) = Σ(原子量 × その原子の個数)

質量(g) = 物質量(mol) × 分子量(g/mol)

分子数(個) = 物質量(mol) × アボガドロ数 6.02214076 × 10²³

分子量(モル質量, molar mass)は、物質1 mol の質量をグラム単位で表した値です。単位はg/mol。分子式に基づく個々の原子量を足し合わせて計算します。原子量はIUPAC 2021 標準原子量を使用するのが国際慣習で、日本化学会「化学便覧」もこれに準拠しています。

SI単位系との位置付け

SI基本単位のモル(mol)は「6.022 140 76 × 10²³個の要素粒子を含む系の物質量」と定義されます(2019年SI改定)。この個数がアボガドロ数(N_A)です。以前の「12Cの12 g中の原子数」定義は廃止され、現在は数値のみで固定されています。

実際の計算例

水 H₂O:H(1.008) × 2 + O(16.00) = 18.02 g/mol
NaCl:Na(22.99) + Cl(35.45) = 58.44 g/mol
グルコース C₆H₁₂O₆:C(12.01) × 6 + H(1.008) × 12 + O(16.00) × 6 = 180.16 g/mol
硫酸 H₂SO₄:H(1.008) × 2 + S(32.07) + O(16.00) × 4 = 98.08 g/mol

分子量・式量・モル質量の違い

類似する概念ですが、厳密には使い分けが必要です。

用語定義単位用途
分子量(molecular weight)分子1個の質量を¹²C原子基準で表した相対値無次元教育・慣用
式量(formula weight)イオン結晶(NaCl等)の組成式に基づく質量無次元イオン性化合物
モル質量(molar mass)1 mol当たりの質量g/mol実務計算(SI準拠)
原子量(atomic weight)元素1原子の平均質量(同位体存在比考慮)無次元元素の物性

教科書・慣用では「分子量」が広く使われますが、SI単位系の実務計算では「モル質量(g/mol)」と表現するのが正しい用語法です。両者は数値としては等価で、単位の付与だけが異なります。

主要原子量早見表(IUPAC 2021)

実用によく使う元素の原子量です。IUPACは同位体存在比の変動を考慮した「区間表示」も公表していますが、実務ではここに示す代表値で十分です。

元素記号原子量元素記号原子量
水素H1.008ケイ素Si28.09
ヘリウムHe4.003リンP30.97
炭素C12.01硫黄S32.07
窒素N14.01塩素Cl35.45
酸素O16.00カリウムK39.10
フッ素F19.00カルシウムCa40.08
ナトリウムNa22.99Fe55.85
マグネシウムMg24.31Cu63.55
アルミニウムAl26.98亜鉛Zn65.38
臭素Br79.90ヨウ素I126.9

無機化合物の分子量早見

化合物化学式分子量主要用途
H₂O18.02溶媒・生命維持
塩化ナトリウムNaCl58.44食塩・電解質
炭酸カルシウムCaCO₃100.09石灰石・チョーク
水酸化ナトリウムNaOH40.00苛性ソーダ・洗剤
硫酸H₂SO₄98.08工業酸・電池電解液
塩酸(HCl)HCl36.46洗浄・pH調整
硝酸HNO₃63.01酸化剤・肥料原料
アンモニアNH₃17.03肥料・冷媒
二酸化炭素CO₂44.01気体・ドライアイス
酸素O₂32.00呼吸・燃焼
窒素N₂28.02不活性ガス
水素H₂2.016燃料・還元剤
炭酸ナトリウムNa₂CO₃105.99ソーダ灰・ガラス原料
炭酸水素ナトリウムNaHCO₃84.01重曹・膨張剤
硫酸マグネシウムMgSO₄120.37にがり・下剤
硫酸銅(II)CuSO₄159.61殺菌剤・電解液
水酸化カルシウムCa(OH)₂74.09消石灰・土壌改良

有機化合物の分子量早見

化合物化学式分子量主要用途
メタンCH₄16.04天然ガス主成分
エタンC₂H₆30.07LPガス
プロパンC₃H₈44.10LPガス
オクタンC₈H₁₈114.23ガソリン成分
メタノールCH₃OH32.04燃料・化学原料
エタノールC₂H₅OH46.07酒精・消毒
酢酸CH₃COOH60.05食酢・工業酸
ギ酸HCOOH46.03革なめし・防腐
アセトン(CH₃)₂CO58.08塗料溶剤
ベンゼンC₆H₆78.11有機合成原料
フェノールC₆H₅OH94.11プラスチック原料
グルコースC₆H₁₂O₆180.16ブドウ糖・エネルギー
スクロースC₁₂H₂₂O₁₁342.30ショ糖・食用
クエン酸C₆H₈O₇192.12酸味料・キレート
アスコルビン酸C₆H₈O₆176.12ビタミンC
アスピリンC₉H₈O₄180.16解熱鎮痛薬
カフェインC₈H₁₀N₄O₂194.19コーヒー・茶

肥料・農薬・生化学の分子量

化合物化学式分子量用途
硝酸アンモニウムNH₄NO₃80.04窒素肥料・爆薬原料
硫酸アンモニウム(NH₄)₂SO₄132.14硫安肥料
尿素CO(NH₂)₂60.06窒素肥料・工業
硝酸カリウムKNO₃101.10K・N複合肥料
塩化カリウムKCl74.55加里肥料
過リン酸石灰Ca(H₂PO₄)₂234.05リン肥料
リン酸カルシウムCa₃(PO₄)₂310.18リン肥料・骨粉
ATPC₁₀H₁₆N₅O₁₃P₃507.18生体エネルギー
DNAヌクレオチド(平均)約330遺伝子塩基

実務での計算パターン

薬液調製

1 mol/L NaOH水溶液1 Lを作るには、NaOH 40 g を水に溶解し1 L定容。分子量から必要量を逆算して薬包紙・自動天秤で秤量します。

肥料の施肥計算

硫酸アンモニウム(N含率21%)10 kg中の窒素量は、(NH₄)₂SO₄ 分子量132.14に対しN×2=28.02 = 21.2%。10 kg × 0.212 = 2.12 kgの窒素供給。作物のN要求量から必要施肥量を算出。

反応化学量論

ある反応でCO₂を44 g発生させるには、CaCO₃ + 2HCl → CaCl₂ + H₂O + CO₂ より、CaCO₃ 100 g、HCl 73 g が必要。分子量の比が化学量論の基礎になります。

ppm換算

10 ppm NaCl水溶液は、水1 L中にNaCl 10 mg。0.01/58.44 = 1.71 × 10⁻⁴ mol/L となり、Na⁺・Cl⁻それぞれの濃度計算に使用。水道水質分析・環境測定の基本。

よくある間違い・注意点

  • 結晶水を無視 — CuSO₄・5H₂Oの分子量は249.68で、無水CuSO₄(159.61)とは異なります。試薬瓶ラベルの「無水」「n水和物」表示を必ず確認してください。
  • 純度を分子量で誤解 — 分子量は理論値。市販試薬の実質純度(99.5%等)は別途考慮が必要。「99% NaOH」なら10 gに9.9 g のNaOHが含まれる計算。
  • 有効数字の過剰精度 — 分子量を小数点以下4桁で書いても、原子量自体の精度(±0.01程度)を超える意味はありません。3〜4桁が実務基準。
  • 塩の解離を無視 — NaCl 1 molは水中でNa⁺ 1 mol + Cl⁻ 1 molに解離。総粒子数(2 mol)がイオン強度・浸透圧計算では効きます。
  • 分子量と原子量の混同 — 「炭素の原子量12」と「メタンの分子量16」を混同すると化学量論計算がずれます。単体は原子量、化合物は分子量。
  • ppmとppmw — 質量濃度(ppmw = mg/kg)と体積濃度(ppmv)は密度が違うため一致しません。気体・液体の使い分けに注意。

関連する規格・基準

  • IUPAC 標準原子量(2021) ― 国際純正・応用化学連合が2年ごとに更新する原子量表。全ての分子量計算の基準。
  • SI基本単位(2019年改定) ― mol の定義がアボガドロ数固定値に変更。国際計量委員会(CIPM)。
  • JIS Z 8802 ― pH測定方法。溶液の物質量濃度計算で分子量が基準。
  • JIS K 8001 ― 試薬試験方法通則。試薬の純度・化学式・分子量の記載規格。
  • 日本化学会「化学便覧 基礎編」 ― 分子量・熱化学データ等の標準参照書。
  • 日本薬局方(厚生労働省) ― 医薬品の化学式・分子量を公定。第十八改正。
  • 食品添加物公定書(厚労省) ― 食品添加物の分子量・純度規格。

参考文献・公的資料

※本ページの分子量は、IUPAC 2021 標準原子量を用いた理論値です。実際の試薬・製品の純度・含水率・不純物により、実質モル質量は変動します。医薬品調剤・食品規格・法定分析等で厳密な数値が必要な場合は、認証標準物質(CRM)・日本薬局方・食品添加物公定書の最新版を参照し、必要に応じて有資格者(薬剤師・分析士等)に確認してください。

よくある質問(FAQ)

分子量と原子量の違いは?

原子量は元素1原子の平均質量(同位体存在比考慮)で、周期表に記載。分子量は分子・化合物1個の質量で、分子式の各元素の原子量を「個数×原子量」で足した総和です。例:水 H₂O = H(1.008)×2 + O(16.00) = 18.02 g/mol。

「モル質量」と「分子量」の違い?

実質同じ数値ですが、モル質量(molar mass)は g/mol の単位を持つSI準拠の実務用語分子量(molecular weight)は無次元の相対値という位置付け。教育や慣用では両者を混用しても問題ありません。学術論文ではモル質量が正式表記です。

結晶水はどう考慮する?

CuSO₄・5H₂O(硫酸銅五水和物)の分子量は CuSO₄(159.61) + 5×H₂O(18.02) = 249.69 g/mol。試薬瓶ラベルの「n水和物」表記を必ず確認し、正しい分子量で計算してください。無水物と水和物は数十%以上の質量差になります。

アボガドロ数の桁は?

2019年SI改定で厳密に固定され、6.02214076 × 10²³ /molと定義値になりました。実務計算では6.02 × 10²³ で十分ですが、高精度計算には8桁全部を使用します。この定義変更以前は「¹²Cの12 g中の原子数」でした。

ppm と mol/L はどう換算する?

水溶液の場合、1 ppm ≒ 1 mg/L(密度1 g/cm³近似)。これを分子量で割ると mol/L。例:10 ppm NaCl → 10 mg/L ÷ 58.44 g/mol = 1.71 × 10⁻⁴ mol/L。厳密には密度補正が必要な高濃度で誤差が出ます。

イオン結晶の「分子量」は正しい用語?

NaCl等のイオン結晶では分子として存在しないため、正確には「式量(formula weight)」と呼ぶのが厳密。しかし実務では便宜的に「分子量」でも通用します。学術論文では式量と分子量を区別することがあります。

ポリマー(高分子)の分子量は?

高分子は分子ごとに鎖長が異なるため、単一の分子量ではなく数平均分子量(Mn)・重量平均分子量(Mw)・多分散度(Mw/Mn)で表現します。GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で測定するのが標準法。ポリエチレン(1万〜100万)、DNA(数百万)等。

気体1 mol の体積は?

理想気体では、標準状態(0℃, 1 atm)で22.414 L/mol、25℃・1 atmで24.465 L/mol。実在気体はわずかにずれます(CO₂ 22.263 L等)。気体化学量論では分子量ではなく体積で扱うことが多く、モル比 = 体積比です。

純度の考慮は?

市販試薬は99.5〜99.9%純度が一般的。実際の秤量量 = (目標mol) × 分子量 ÷ 純度。例:99% NaOH で1 mol調製なら、40.00 ÷ 0.99 = 40.40 g を秤量。分析グレード(特級)・工業グレードで純度が異なります。

湿った試薬はどう扱う?

吸湿性試薬(NaOH・CaCl₂・KOH等)は空気中で水を吸収し、実質モル質量が下がります。使用直前に120℃で乾燥、乾燥剤の入ったデシケーターで保管が基本。正確な定量には乾燥損失(loss on drying)を測定し補正します。

分子量の有効数字は何桁?

IUPAC標準原子量は元素により2〜5桁の精度で示されており、実務では3〜4桁で計算すれば十分です。5桁以上の精度は分析化学の高精度定量(認証標準物質作成等)で必要。

原子量が変わることがある?

IUPACは2年ごとに標準原子量を更新しています。最近の変更例:鉛(Pb)の原子量が地域(鉱山)で異なるため区間表示に変更(2019年)。生活実務では影響は微小ですが、精密分析では最新の原子量表を参照してください。