工数見積 計算ツール|人月・人日・人時の換算と総コスト試算
プロジェクトの工数を人月・人日・人時で換算。人月単価から総コスト・期間別アサイン・粗利率を計算。SES・受託開発・コンサルの見積に。
工数 計算機
計算式と前提
入力した工数を人月にそろえてから、人日・人時・原価・請求額・粗利を一度に求めます。単位を人日または人時で入れた場合は、1人月の労働日数と1日の労働時間で人月に戻してから計算します。
人月 = 人日 ÷ 1人月の労働日数 = 人時 ÷(労働日数 × 1日の労働時間)
原価合計 = 人月 × 人月単価 / 請求合計 = 人月 × 請求単価
粗利 = 請求合計 − 原価合計 / 粗利率 = 粗利 ÷ 請求合計 × 100
プロジェクト期間 = 人月 ÷ 並行実施人数
既定値は6人月・人月単価80万円・請求単価120万円・20日/月・8時間/日・2人体制です。このとき人日は120.0、人時は960、原価は480万円、請求は720万円、粗利は240万円で粗利率は33.3%、期間は3.0ヶ月(2人体制)と表示されます。期間は1ヶ月未満なら日数、12ヶ月以上なら年で表示が切り替わります。
工数と採算の早見表
人月単価80万円・請求単価120万円・20日/月・8時間/日・2人体制での表示値です。すべて本ツールに同じ条件を入れた結果と一致します。
| 工数 | 人日 | 人時 | 原価 | 請求 | 粗利 | 期間(2人体制) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1人月 | 20.0 | 160 | 80万円 | 120万円 | 40万円 | 15日 |
| 3人月 | 60.0 | 480 | 240万円 | 360万円 | 120万円 | 1.5ヶ月 |
| 6人月(既定値) | 120.0 | 960 | 480万円 | 720万円 | 240万円 | 3.0ヶ月 |
| 12人月 | 240.0 | 1,920 | 960万円 | 1,440万円 | 480万円 | 6.0ヶ月 |
| 24人月 | 480.0 | 3,840 | 1,920万円 | 2,880万円 | 960万円 | 1.0年 |
請求単価で粗利率がどう動くか(6人月・原価80万円/人月)
原価を固定したまま請求単価だけを動かした場合の表示です。粗利率は請求額に対する比率なので、単価を1.5倍にしても粗利率は1.5倍にはなりません。
| 請求単価(人月) | 請求合計 | 原価合計 | 粗利 | 粗利率 |
|---|---|---|---|---|
| 100万円 | 600万円 | 480万円 | 120万円 | 20.0% |
| 110万円 | 660万円 | 480万円 | 180万円 | 27.3% |
| 120万円(既定値) | 720万円 | 480万円 | 240万円 | 33.3% |
| 140万円 | 840万円 | 480万円 | 360万円 | 42.9% |
| 160万円 | 960万円 | 480万円 | 480万円 | 50.0% |
工数見積の詳しい解説
人月という単位は、1人が1ヶ月働く量を1とみなす約束事です。1人月=20人日=160人時という換算が広く使われるのは、月20日の稼働と1日8時間の所定労働という日本の一般的な就業条件をそのまま置いたためで、法令で決まった数字ではありません。22日を採る現場もあります。この1〜2日の差は1人月あたり5〜10%の誤差で、10人月の案件なら半人月から1人月ずれます。見積書に「1人月=◯人日」を明記しておかないと、人日で握った合意が人月換算の段階で食い違います。
実務で判断が分かれるのは、人月単価を原価と見るか売価と見るかです。本ツールは人月単価を自社側の原価、請求単価を顧客への売価として扱い、その差を粗利としています。一方で商流の下位にいる会社では、要員に支払う額が原価、上位の会社から受け取る額が売価になり、同じ「人月単価」という言葉が立場によって別の数字を指します。多重下請けでは層が下がるほど単価が落ちるため、どの層の数字かを先に決めないと粗利率の議論が噛み合いません。もう一つの論点は間接費の扱いで、要員の給与相当だけを原価に入れる方法と、社会保険料・管理部門の費用・営業経費まで含める方法では、粗利率が10ポイント以上変わります。
見落とされやすいのは、人月を人数で割った期間が実際の納期にならない点です。6人月を2人に割ると計算上は3.0ヶ月ですが、要件の合意待ち、他部門のレビュー、環境の準備といった手が止まる時間は工数に現れません。人数を増やすほど情報共有の経路が増え、追加した人の立ち上がり期間も必要です。開発の途中で人員を増やしても納期は縮まりにくいという経験則が知られており、期間の欄はあくまで理論値として扱うべきです。テストや不具合の修正、受入対応、資料整備は実装工数の3〜4割を占めますが、見積の段階では実装だけを数えて漏らしやすい部分です。
条件による違いも大きく、同じ人月数でも案件の性質で必要なバッファが変わります。既存システムの改修で仕様書が揃っている案件なら見積のぶれは1割程度に収まりますが、要件が固まっていない新規開発や、初めて使う技術を含む案件では1.5倍から2倍の幅を見ておかないと赤字化します。契約形態も効き、準委任は工数の増減を精算できますが、請負では超過分が自社の負担になるため厚めのバッファが要ります。本ツールは工数・単価・人数から一次の採算を出すもので、稼働率の変動、待機期間、消費税、支払サイトの差による資金繰りは含んでいません。案件を受けるかの初期判断には使えますが、見積書の金額は間接費の配賦基準と契約条件を含めて社内の基準で確定してください。
よくある間違い・注意点
- 1人月=何人日かを合意しないまま人日で見積もる — 20日と22日では1人月あたり10%ずれます。見積書に換算の前提を書いておかないと、あとから工数の解釈が割れます。
- 期間の表示をそのまま納期にする — 6人月÷2人=3.0ヶ月は理論値です。合意待ちやレビュー待ち、要員の立ち上がりは工数に含まれません。
- 人数を増やせば期間が比例して縮むと考える — 情報共有の経路は人数の2乗に近い形で増えます。後半で人を足しても納期が縮まりにくいことは経験則として知られています。
- テスト・受入対応の工数を数えない — テストと不具合修正だけで実装の3〜4割を占めます。資料整備や引き継ぎまで含めると、実装工数の見積だけでは足りません。
- 粗利率を原価に対する比率と取り違える — 本ツールの粗利率は請求額に対する比率です。原価80万円に対して請求120万円は「原価の1.5倍」ですが、粗利率は33.3%になります。
- 間接費を入れずに粗利率を判断する — 社会保険料・管理部門の費用・営業経費まで原価に入れると、見かけの粗利率は10ポイント以上下がります。社内の配賦基準を確認してください。
参考資料・公的情報
- 情報処理推進機構(IPA) — ソフトウェア開発分析データ集、工数・工期の実績分布。
- 経済産業省 — 情報サービス産業の実態、情報システム取引の適正化に関する指針。
- 厚生労働省 — 労働時間・年間休日の統計、労働者派遣事業の運用。
- 情報サービス産業協会 — 情報サービス産業基本統計調査、技術者単価の動向。
- 中小企業庁 — 下請取引の適正化、価格転嫁と取引条件の指針。
- 公正取引委員会 — 下請代金支払遅延等防止法の運用基準。
- 総務省統計局 — 情報通信業の売上高・従業者数に関する統計。
- 日本産業標準調査会 — ソフトウェアライフサイクルプロセスに関する規格の検索。
- 国税庁 — 請負契約の収益計上時期、インボイス制度の取扱い。
※単価の相場は職種・地域・商流の位置により幅があります。契約形態や下請取引に関する判断は、必要に応じて弁護士等の専門家にご確認ください。
よくある質問(FAQ)
1人月は何人日・何人時として計算されますか?
本ツールでは入力した「1人月の労働日数」と「1日の労働時間」をそのまま使います。既定値の20日・8時間なら1人月=20人日=160人時です。22日・8時間にすれば176人時になり、同じ人時を入れたときの人月は小さくなります。見積書には換算の前提を必ず書き添えてください。
人月単価と請求単価は何が違うのですか?
人月単価は自社が負担する原価、請求単価は顧客に出す売価として扱っています。既定値の80万円と120万円では、6人月で原価480万円・請求720万円・粗利240万円・粗利率33.3%となります。どの層の数字を入れるかで意味が変わるため、社内で定義をそろえてから使ってください。
表示される期間をそのまま納期にしてよいですか?
理論値として扱ってください。6人月を2人で割ると3.0ヶ月と表示されますが、要件の合意待ち、レビュー待ち、環境準備、追加要員の立ち上がりは工数に含まれていません。実際の納期は、この理論値に判断待ちの時間と休暇を上乗せして決めることになります。
粗利率の目安はどのくらいですか?
商流の位置で変わります。要員を提供するだけの立場では15〜25%、元請として要件定義から担う場合は30〜50%になることが一般的です。ただしこれは間接費を原価に含めるかどうかで大きく動きます。社会保険料や管理部門の費用まで入れると、見かけの数字より10ポイント以上下がります。
バッファはどのくらい積むべきですか?
仕様が固まっている改修案件なら1割程度、要件が未確定の新規開発は1.5倍、初めて使う技術を含む場合は2倍を見る考え方が広く使われています。請負契約では超過分が自社の負担になるため、準委任より厚めに積む必要があります。
テスト工数はどう見積もればよいですか?
実装工数の30〜40%を目安に別枠で積むのが一般的です。単体テストを実装に含めるか分けるかで数字が変わるため、内訳の定義を先に決めてください。加えて不具合修正、受入立ち会い、資料整備といった作業も工数として計上しないと、後半で足りなくなります。
人を増やせば納期は縮みますか?
比例しては縮みません。人数が増えるほど情報共有の経路が増え、追加した人が戦力になるまでにも時間がかかります。遅れている工程に人を投入するとかえって遅くなるという経験則が知られており、体制は着手前に決めておくほうが安全です。
本ツールの結果はどこまで信じてよいですか?
工数・単価・人数から一次の採算を出す簡易な計算で、稼働率の変動、待機期間、消費税、支払サイトの差による資金繰りは含んでいません。案件を受けるかどうかの初期判断や、社内での概算共有には使えますが、提出する見積書の金額は間接費の配賦基準と契約条件を含めて確定してください。
SES・受託開発の単価相場
| 役職・スキル | 人月単価 | 時給換算(160h/月) |
|---|---|---|
| 新人プログラマー | 40-60万円 | 2,500-3,750円 |
| SE(経験3-5年) | 60-90万円 | 3,750-5,625円 |
| シニアSE(5-10年) | 80-120万円 | 5,000-7,500円 |
| テックリード | 120-160万円 | 7,500-10,000円 |
| プロジェクトマネージャー(PM) | 120-180万円 | 7,500-11,250円 |
| ITコンサルタント | 150-300万円 | 9,375-18,750円 |
| 戦略コンサル | 300-600万円 | 18,750-37,500円 |
| フリーランスエンジニア | 70-150万円 | 4,375-9,375円 |
工数見積のコツ
- 1人月=20人日=160人時が業界標準(22人日も多い)
- 「2人で3ヶ月」と「1人で6ヶ月」は同じ6人月だが、コミュニケーションコスト分2人体制の方が効率落ちる(ブルックスの法則)
- 不確実性のある作業は1.5倍、新規技術は2倍のバッファ
- テスト工数は実装の30〜40%が標準