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会社設立費用計算|株式会社・合同会社の設立総額と年間ランニングを試算

会社形態・資本金・電子定款・専門家依頼・事業所形態から、株式会社・合同会社(LLC)の設立総費用と年間ランニングコストを試算。登録免許税、公証人手数料、定款印紙税、専門家報酬、法人住民税均等割、税理士顧問料まで網羅。個人事業主からの法人成り判断、株式会社vs合同会社の選択、資本金1円設立の実態、電子定款による4万円節税など、実務ポイントを踏まえた計算です。

最終更新:2026-07-30/監修:計算ツールズ編集部

会社設立費用計算ツール

計算の内訳と根拠

設立費用の構成式

設立総費用 = 登録免許税 + 公証人手数料 + 定款印紙税 + 専門家報酬 + 雑費

登録免許税(法定)

登記時に国に納める税金。株式会社は資本金×0.7%(最低15万円)、合同会社は資本金×0.7%(最低6万円)。資本金2143万円未満なら最低額適用です(2143万×0.7%=15万円)。

公証人手数料(株式会社のみ)

定款認証を公証役場で受ける手数料。資本金100万円未満3万円、100万〜300万円4万円、300万円以上5万円(2022年改正)。合同会社は公証人認証不要のため、この費用が発生しません。

定款印紙税(紙定款のみ)

紙定款には印紙税4万円が必要ですが、電子定款(PDF+電子署名)にすれば0円。専門家依頼のほぼ全ケースで電子定款が使われます。個人で紙定款作成すると4万円の課税に。

専門家報酬

司法書士(登記まで対応)5-15万円、行政書士(定款作成のみ)3-8万円。電子定款代行のみのサービスは3-5千円と激安で、電子定款分の4万円は節約できます。

雑費

実印・銀行印・角印の作成2-3万円、印鑑証明・登記事項証明書2000円、株主資本の払込証明用の通帳コピー0円等、細々とした支出2-5万円。

株式会社と合同会社(LLC)の違い

項目株式会社合同会社(LLC)
設立費用(最低)約22-25万円約10-13万円
設立期間2-4週間1-2週間
資本金1円以上(実質100万円+推奨)1円以上(実質10-100万円で可)
出資者呼称株主社員(出資者=経営者)
役員任期2-10年(定款で設定)任期なし
役員変更登記都度必要(登録免許税1万円)不要
決算公告義務あり(官報6万円/回)なし
株式譲渡可能(取引先信用)不可(社員全員の同意必要)
上場可能不可(組織変更で株式会社化必要)
信用力◎(BtoB取引で優位)△〜○(近年向上)
相応しい業種店舗・法人取引・上場志向フリーランス法人化・小規模・BtoC

2024年の設立数は株式会社約9万社に対し合同会社約4万社で、コスト重視の1人法人・小規模事業の合同会社選択が急増。Amazon Japan G.K.、Apple Japan G.K.、Google合同会社、DMM.com合同会社など、大手も合同会社を採用しています。

設立費用の詳細内訳

費目株式会社合同会社備考
登録免許税15万円(最低)6万円(最低)資本金×0.7%と比較して高い方
公証人手数料(定款認証)3-5万円0円資本金額で変動、2022年改正
定款印紙税(紙)4万円4万円電子定款なら0円
定款謄本代2000円不要登記時に必要
実印・銀行印・角印2-3万円2-3万円3本セット
印鑑登録・証明書1000円1000円市区町村役場
登記事項証明書500円/通500円/通銀行口座開設等で必要
司法書士報酬(登記代行)5-15万円5-10万円依頼時のみ
行政書士報酬(定款作成)3-8万円3-8万円登記は本人か司法書士
電子定款代行のみ3000-5000円3000-5000円印紙4万円節約と天秤
合計目安(最安・電子定款・自力)約22万円約10万円専門家不要ケース
合計目安(専門家依頼・電子定款)約28-35万円約15-20万円実務標準

年間ランニングコストの実態

費目年額目安備考
法人住民税均等割7-70万円資本金・従業員数で変動、最低7万円(赤字でも発生)
法人事業税(赤字時)0円黒字時のみ
税理士顧問料15-40万円月1-3万+決算料10万前後
社会保険料(役員1名分)60-120万円役員報酬30-50万/月想定、半分は本人負担
労働保険料(従業員雇用時)数万〜雇用保険+労災保険
会計ソフト2-5万円freee・マネーフォワードクラウド等
バーチャルオフィス6-12万円登記可・郵便転送プラン
実店舗賃貸(都市部)120-500万円+敷金・礼金・保証金別
決算公告(株式会社のみ)6万円官報掲載、実施率30%未満で違反多数
役員変更登記(株式会社のみ)1-3万円10年任期の場合10年に1回
電子帳簿保存法対応0-5万円2024年義務化、システム整備費
インボイス制度対応0-5万円2023年開始、登録番号取得・システム対応
合計目安(1人法人・自宅・売上小)年60-100万円個人事業主の3-5倍
合計目安(数名法人・オフィス)年200-400万円+従業員規模で変動

個人事業主なら年間コスト20-50万円で済むところ、法人化すると最低でも年間70万円以上のランニングが発生します。売上・利益が伸びない状態で法人化すると、税負担軽減効果より固定費増加が上回るリスクがあります。

個人事業主からの法人成り判断

法人成りの損得分岐点

一般に課税所得800万〜1000万円が損得の分岐点。個人の所得税・住民税・国保が最大55%に対し、法人税は約23%(実効30%前後)。役員報酬で経費化+給与所得控除+社会保険で最適化する余地が大きい。

法人化の主要メリット

①税率フラット化(高所得ほど有利)、②役員報酬を経費化、③退職金制度で節税、④生命保険で節税、⑤欠損金9年繰越、⑥消費税2年免税、⑦社会的信用向上、⑧採用力向上、⑨事業承継の柔軟性、⑩相続税対策。

法人化の主要デメリット

①設立費用20-30万円、②年間ランニング70万円+(赤字でも)、③社会保険加入義務、④税務調査対象になりやすい、⑤会計・税務が複雑化、⑥交際費・出張費の記録厳格化、⑦役員報酬の期中変更不可(原則)。

2年消費税免税の活用

資本金1000万円未満で設立すると設立後2期(最大約2年)は消費税免税。売上1000万円超の個人事業主が法人成りすると、この免税期間を活用できる大きなメリットがあります。ただしインボイス発行事業者になれば免税でも消費税納付義務が発生します。

役員報酬の設計

役員報酬は「定期同額給与」が原則で、期中変更は損金不算入リスク。設立時に年間利益予測を立て、税・社会保険の総合負担が最小になる報酬額を設計する必要があります。目安は「利益-報酬=0」で法人税ゼロを狙う戦略が定番。

フリーランス法人化(1人LLC)の流行

コンサルタント・エンジニア・デザイナー・ライター等のフリーランスが年商1500万円超になると法人成りするパターン増加。合同会社+電子定款+自力設立で10万円台と参入障壁低下。バーチャルオフィスで登記コスト最小化。

設立手続きのステップと期間

ステップ内容期間費用
①基本事項決定商号・事業目的・本店所在地・資本金・役員決定数日〜1週間
②印鑑作成実印・銀行印・角印・ゴム印3-7日2-3万円
③定款作成・電子署名Word→PDF→ICカードで電子署名1-3日0円(自作) or 5000円(代行)
④公証役場で認証(株式会社のみ)電子定款認証1-3日3-5万円
⑤資本金振込発起人個人口座に払込1日
⑥登記申請法務局へ登記申請1週間登録免許税15万 or 6万円
⑦登記完了会社成立
⑧法人銀行口座開設登記事項証明書+定款+印鑑1-4週間
⑨税務署・都道府県税務事務所届出法人設立届出書等1週間以内
⑩年金事務所・労基署届出健保・厚年適用届等10日以内

全体で2-4週間程度。「明日から会社を始めたい」は現実的でなく、少なくとも1ヶ月の余裕を見て準備を進める必要があります。

シーン別の使い方

起業家・独立検討中

個人事業主 vs 法人設立の初期コスト比較。株式会社と合同会社の判断材料。資本金・電子定款・専門家依頼の有無で総額がどう変わるかを可視化し、資金計画に組み込む。

司法書士・行政書士・税理士

初回相談時のクライアントへの費用説明ツール。「20万円で設立できます」と言い切れる根拠として、内訳を数字で示せる。案件受注前の見積提示にも活用可能。

ベンチャーキャピタル・エンジェル投資家

投資先企業への設立コスト設計指導。上場を見据えるなら株式会社必須、事業展開段階では合同会社→組織変更の選択肢もあり得るなど、戦略的判断材料として活用。

フリーランス・個人事業主

売上1000-1500万円超えた時の法人成り検討。年70-100万円のランニング増加と、税・社保・信用向上のメリットを天秤にかけた総合判断に使用。

相続対策・資産管理法人

資産管理会社(合同会社)の設立コスト算定。相続時精算課税との組み合わせ、不動産管理法人化による所得分散、法人税実効税率での運用など、税理士連携時の初期試算に。

M&A・組織再編

合同会社から株式会社への組織変更コスト、子会社設立コスト、持株会社化のスキーム初期試算。分社化・グループ化の費用対効果検討に。

よくある間違い・注意点

  • 電子定款を使わず紙定款で契約 — 印紙4万円分の不要な支出。個人で作成しても電子署名は行政書士等の代行サービス(3000-5000円)を使えば節約可能。設立費用ミスの筆頭。
  • 資本金1円で設立 — 法律上は可能ですが、資本金1円は取引先信用ゼロ・銀行口座開設困難・許認可申請不可のケース多発。最低100万円、業種によっては1000万円以上が実務標準。
  • 資本金1000万円以上で設立 — 消費税免税(2年間)が享受できなくなる。特別の理由がない限り、初年度は999万円以下に抑えるのが定石。
  • 法人成りを税負担軽減目的だけで即決 — 課税所得800万円未満だと個人のほうが安いケース多い。設立初期の顧問税理士に必ずシミュレーションを依頼。
  • 役員報酬の変更を期中で決定 — 定期同額給与のルール違反で損金不算入(法人税増額)。設立時に年間利益予測を立て、月額を固定するのが原則。
  • 決算公告を怠る(株式会社) — 官報公告6万円/年の負担を避けたい心理ですが、会社法違反で100万円以下の過料。実施率は3割程度と低いものの、上場・借入審査で発覚するとマイナス評価。
  • バーチャルオフィス選定の甘さ — 反社・詐欺・ヤミ金の利用実績があるオフィスでは、法人口座開設・銀行取引・許認可審査で不利。運営会社の信頼性(上場企業運営・審査基準厳格)を必ず確認。
  • 社会保険の未加入 — 法人は社長1名でも社会保険強制加入。未加入は年金事務所の遡及調査で最大2年分を一括徴収されるリスク。設立時に加入手続きを。

関連する法令

  • 会社法 ― 2006年施行。株式会社・合同会社の設立要件、機関設計、株主・社員の権利義務。
  • 商業登記法 ― 会社の登記手続き、登記事項、公告等の規定。
  • 公証人法 ― 定款認証を含む公証人の職務・手数料。
  • 印紙税法 ― 紙定款への印紙4万円課税。電子定款は非課税。
  • 登録免許税法 ― 会社設立時の登録免許税の税額。
  • 法人税法・法人住民税法・法人事業税法 ― 法人の課税ルール。均等割は赤字でも発生。
  • 消費税法 ― 資本金1000万円未満・2期間の免税規定。インボイス制度対応。
  • 健康保険法・厚生年金保険法 ― 法人の社会保険強制加入。
  • 電子帳簿保存法 ― 2024年義務化、電子取引の電子保存要件。

参考文献・公的資料

会社設立の正確な情報と公的手続きは、以下の公的機関資料を参照してください。

※本ツールの計算結果は公表資料に基づく参考値です。実際の設立費用は資本金・専門家報酬・オプション費用で変動し、事業内容によっては許認可費用が別途必要です。法人化の損得判定は、事業の売上・利益規模、家族構成、社会保険負担、退職金設計等の総合判断が必要で、必ず税理士・司法書士等の専門家(日本税理士会連合会・日本司法書士会連合会・日本行政書士会連合会経由)に相談してください。会社法・法人税法・消費税法・インボイス制度の頻繁な改正にご留意ください。

よくある質問(FAQ)

合同会社(LLC)で問題ない?

YES、多くの小規模事業はLLCで十分です。Amazon Japan G.K.、Apple Japan G.K.、Google合同会社等の大手も採用。設立費用は株式会社の半分、決算公告不要、役員任期なしなど運営コストが軽い。上場志向・大手取引先重視でなければ、合同会社が合理的な選択です。

資本金はいくらから?

法律上は1円から可能ですが、取引先信用・銀行口座開設・許認可申請の観点から実務標準は100万円以上。飲食業・建設業・人材派遣業などは業法上の下限あり(500万円〜)。1000万円以上は消費税免税を失うので、初年度は999万円以下推奨。

電子定款はどのくらい節約になる?

印紙税4万円を丸ごと節約できます。自分で電子署名するにはICカード・ICカードリーダー・Adobe Acrobat DCが必要ですが、行政書士等の代行(3000-5000円)を使えば実質3.5-3.7万円節約。設立コスト削減の最重要ポイントです。

設立費用はどれくらい?

株式会社は電子定款+自力で約22万円、専門家依頼で28-35万円合同会社は電子定款+自力で約10万円、専門家依頼で15-20万円。この他に印鑑代・雑費で2-5万円が別途必要。個人事業主(税務署に開業届のみ・費用0円)と比較すると大きな初期投資です。

個人事業主からの法人成りの分岐点は?

目安は課税所得800-1000万円。個人の所得税・住民税・国保が最大55%に対し、法人は実効30%程度。ただし年間ランニング70万円+の増加を踏まえ、必ず税理士に個別シミュレーションを依頼してください。役員報酬・退職金・生命保険等のプランニングで最適解が変わります。

バーチャルオフィスで登記できる?

可能。都市部の一等地住所を月5000-10000円で利用でき、初期資金が少ないフリーランス・スタートアップに人気。ただし金融機関の口座開設で不利な場合や、士業・古物商・宅建業などバーチャル不可の業種もある点に注意。運営会社の信頼性を必ず確認。

設立に必要な期間は?

準備開始から法人銀行口座開設完了まで約1-2ヶ月。定款作成1週間、公証人認証1週間、登記申請1週間、口座開設1-4週間の流れ。急ぎでも最低3-4週間は必要と考えてください。

会社設立日は自由に決められる?

登記申請日=会社成立日で、法務局の休日は登記できません。「1月1日設立」等は不可、直近の営業日を選ぶ必要あり。設立日は縁起の良い日(大安・一粒万倍日)を選ぶ経営者も多く、事前に法務省の休日情報を確認して申請日を調整します。

1人株式会社と1人合同会社、どちらがいい?

コスト重視・小規模なら1人合同会社が有利。株式会社の役員任期(最長10年)ごとの変更登記1万円が不要、決算公告6万円も不要。ただし将来の資金調達(VC投資)・上場・大手取引の可能性があるなら株式会社。5年後の姿を想像して選択を。

合同会社から株式会社に変更できる?

組織変更手続きで可能ですが、費用約15-20万円、社員総会・債権者保護手続き等で1-2ヶ月かかります。「まず合同会社で始めて成長したら株式会社化」の戦略は現実的ですが、名刺・契約書・取引先変更の手間も考慮を。最初から株式会社を選ぶ経営者も多いです。

役員報酬はいくらに設定すべき?

「利益-報酬=0前後」で法人税ゼロを狙う設計が定番ですが、報酬が高いと個人の所得税・社会保険が上がるトレードオフ。年間利益予測から税・社保の総合負担が最小になる金額を、税理士とシミュレーションして決定してください。設定後の期中変更は原則不可(定期同額給与)。

設立後すぐに必要な届出は?

税務署:法人設立届出書(2ヶ月以内)、青色申告承認申請書(3ヶ月以内)、給与支払事務所等の開設届出書。②都道府県・市町村:法人設立届出書。③年金事務所:健康保険・厚生年金保険新規適用届(5日以内)。④労基署・ハローワーク(従業員雇用時)。抜けると加算税・過料の対象です。