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経営事業計画損益分岐CVP分析

損益分岐点 販売数 計算|何個売れば黒字かを一発算出

固定費・変動費・売価から「1ヶ月に何個販売すれば黒字転換するか」を瞬時に算出。損益分岐販売数(BEP-Q)、目標利益達成に必要な販売数、安全余裕率、貢献利益率、価格改定・変動費削減シナリオの効果までを、中小企業庁「中小企業実態基本調査」・TKC全国会「BAST(TKC経営指標)」・日本政策金融公庫「小企業の経営指標」に基づく業種別ベンチマークとあわせて解説。飲食・美容・EC・SaaS・製造業ごとの分岐点構造と、固定費削減・価格改定・仕入交渉によるBEP引下げ戦略、オペレーティングレバレッジまで6000字級で網羅します。事業計画書・銀行融資申請・値付け改定・撤退判断の実務にご活用ください。

最終更新:2026-07-28/監修:計算ツールズ編集部

損益分岐点販売数 計算ツール

家賃・人件費・リース・減価償却など、売上0でも発生する費用。
材料・仕入・梱包・配送・決済手数料など、販売数に比例して増える費用。

計算式と基本用語

基本式

1個貢献利益 = 売価 − 変動費
損益分岐 販売数 = 月固定費 ÷ 1個貢献利益
目標達成 販売数 = (固定費+目標利益) ÷ 1個貢献利益
安全余裕率 = (現売上 − 分岐点売上) ÷ 現売上 × 100

損益分岐点(Break-Even Point, BEP)とは、売上高と総費用が一致し利益がゼロになる販売数量ないし売上高を指し、管理会計における最重要指標のひとつです。CVP分析(Cost-Volume-Profit Analysis)の中核概念として、事業計画書・銀行融資申請書・撤退判断・値付け改定のあらゆる場面で活用されます。中小企業庁「中小企業実態基本調査」でも損益分岐点比率が業種別に公表されており、80%以下が健全、90%超は要注意水準とされています。

販売数ベースと売上高ベースの違い

本ツールは販売数ベース(BEP-Q)で算出します。売上高ベース(BEP-Sales)は「固定費 ÷ 貢献利益率」で計算し、複数商品を扱う事業では加重平均貢献利益率を用いて算出。単一商品事業なら販売数ベースが直感的で、多品目事業なら売上高ベースが実務向きです。

例題

月固定費100万円、売価3,000円、変動費1,500円の場合、1個貢献利益は1,500円、貢献利益率50%。損益分岐販売数は100万 ÷ 1,500 = 667個、損益分岐売上は200万円。目標月利益50万円を加えると、必要販売数は150万 ÷ 1,500 = 1,000個。現在の月販売数が800個なら、月利益は800×1,500−100万=20万円、目標達成には25%の売上増が必要という判断ができます。

CVP分析と貢献利益

CVP分析(Cost-Volume-Profit分析)は、費用(Cost)・販売量(Volume)・利益(Profit)の三者関係を数式で捉える管理会計手法。損益分岐点分析はこのCVP分析の一部です。日本の管理会計基準では「直接原価計算(DC)」と組み合わせて用いられ、変動費と固定費を明確に分離することが前提となります。

貢献利益と粗利の違い

「貢献利益(Contribution Margin)」は売上 − 変動費で、固定費回収と利益創出に貢献する額を指します。財務会計の「粗利(売上総利益)」は売上原価を差し引いた額で、固定費(製造間接費・労務費の一部)を含むため、CVP分析ではそのまま使えません。飲食業では「粗利率 ≒ 貢献利益率」と扱えることも多いですが、製造業では減価償却費・工場家賃を変動費から除外する必要があります。

指標計算式用途会計基準
粗利(売上総利益)売上 − 売上原価財務会計・P/L日本会計基準・IFRS
貢献利益売上 − 変動費CVP分析・撤退判断管理会計(社内)
営業利益粗利 − 販管費本業収益力日本会計基準・IFRS
限界利益率貢献利益 ÷ 売上 × 100売上高ベースBEP計算管理会計(社内)
固定費回収期間固定費 ÷ 月次貢献利益投資回収判断管理会計(社内)

貢献利益が黒字ならば「変動費以上の売価で売れている」ため、固定費が既に投入済みなら販売継続の合理性があります。逆に貢献利益がマイナスなら、売れば売るほど赤字が拡大するため即撤退の判断材料になります。

計算式(早見)

1個貢献利益 = 売価 − 変動費
損益分岐 販売数 = 月固定費 ÷ 1個貢献利益
目標達成 販売数 = (固定費+目標利益) ÷ 1個貢献利益
安全余裕率 = (現売上 − 分岐点売上) ÷ 現売上

業種別の典型損益分岐(中小企業庁・TKC-BAST準拠)

TKC全国会「BAST(TKC経営指標)」および中小企業庁「中小企業実態基本調査」の業種別データを参考に、代表的な業態の固定費・貢献利益率・分岐点売上のベンチマークを整理しました。同業他社比較や事業計画書の妥当性チェックに使用できます。

業種固定費月貢献利益率分岐点売上備考
個人飲食店(カフェ・洋食)100万70%143万円FL比率60%が健全ライン
ラーメン専門店120万68%177万円席回転数と原価率が命
居酒屋・バー150万72%208万円酒類粗利で稼ぐ
美容室150万85%176万円材料費少・人件費が主
整体・サロン50万90%56万円1人経営でBEP低
EC物販(自社商品)80万40%200万円広告費・送料が変動費
EC物販(Amazon仕入販売)60万25%240万円手数料15%が重い
SaaS(小規模スタートアップ)300万85%353万円粗利高だが人件費で赤字
SaaS(中堅)1,000万80%1,250万円営業組織の固定費が重い
コンサルティング200万75%267万円稼働率が実質BEP
製造業(食品加工)300万30%1,000万円原材料相場変動リスク
製造業(機械・部品)500万35%1,429万円受注生産・稼働率で変動
建設業(専門工事)250万28%893万円下請け構造で薄利
不動産仲介200万90%222万円成約1件で分岐点を超えやすい
フィットネスジム250万80%313万円会員数と解約率が鍵

あくまで代表的な中央値の目安です。都市部か地方か、家賃負担、業界内ポジションで大きく異なります。自社の分岐点が業界標準から大きく外れる場合、固定費構造か貢献利益率のいずれかに改善余地があります。

分岐点を下げる4つの打ち手

損益分岐点は「固定費 ÷ 貢献利益率」で決まるため、下げる方法は固定費を減らす貢献利益率を上げる(=売価UPまたは変動費削減)の2系統・4つの打ち手に集約されます。

1. 固定費削減(家賃・人件費・リース)

最もインパクトが大きく即効性が高い。在宅勤務化、小型オフィス移転、リース見直し、正社員→業務委託転換。固定費10%減はそのままBEP10%減を意味し、家賃50万→40万の削減は月商換算で15-20万円分の収益力アップと同義。ただし人件費削減は組織士気と離職率に影響するため慎重に。

2. 変動費削減(仕入・原価・手数料)

仕入先集約・大量発注・支払条件変更で単価5-15%減が現実的。飲食業なら食材ロス削減、EC事業なら配送コスト圧縮(FBAからOR自社発送への切替)、SaaSなら決済手数料の見直し。変動費1%減は貢献利益率1%改善と直結し、分岐点2-3%改善につながる。

3. 価格改定(値上げ)

最も効果的だが心理障壁が高い施策。粗利率50%の商品を5%値上げすれば貢献利益率が55%へ改善し、分岐点は9%減少する計算。日本経済研究センター調査でも「値上げしても2割程度の顧客流出で済むケースが多い」との報告あり。ブランド・差別化要素があれば、粗利率5%改善の恩恵は永続的。

4. 商品ミックス最適化(高粗利商品比率UP)

複数商品の場合、加重平均貢献利益率で全体BEPが決まる。高粗利商品の販売比率を10%高めるだけで、平均貢献利益率3-5%改善が現実的。飲食業ならドリンク・トッピングのアップセル、SaaSなら上位プラン誘導、小売なら高単価アイテムのバンドル販売。

4つの打ち手は同時並行で進めるべきで、単発では効果が限定的。固定費10%減 × 貢献利益率5%改善 = BEP約17%減少という掛け算で威力を発揮します。

オペレーティングレバレッジ

オペレーティングレバレッジ(営業レバレッジ, DOL: Degree of Operating Leverage)は「売上1%増で営業利益が何%増えるか」を示す指標。固定費比率が高い事業ほどレバレッジが強く、売上変動が利益変動に大きく増幅されます。

DOL = 貢献利益 ÷ 営業利益
売上10%増 → 営業利益DOL×10%増

事業タイプDOL目安売上10%増の利益効果売上10%減の利益効果
SaaS・ソフトウェア3.0-5.0+30〜50%-30〜50%
ホテル・航空2.5-4.0+25〜40%-25〜40%
製造業(装置産業)2.0-3.5+20〜35%-20〜35%
飲食業(店舗)1.8-3.0+18〜30%-18〜30%
小売業(標準)1.3-2.0+13〜20%-13〜20%
EC仕入販売1.2-1.5+12〜15%-12〜15%
コンサル(業務委託中心)1.1-1.4+11〜14%-11〜14%

DOLが高い事業は「一度BEPを超えれば利益がロケットのように伸びる」代わりに、売上減少時のダメージも同様に増幅されます。SaaSやホテルが景気変動に脆弱な理由はこのDOL構造にあり、コロナ禍でも装置産業ほど打撃が大きかった実例が該当します。逆にDOLが低い業務委託中心の事業は変動費構造で下振れリスクが小さく、スタートアップは意図的にDOLを下げる経営が推奨されるケースもあります。

安全余裕率の読み方

安全余裕率(Margin of Safety Ratio, MOS)は「現売上が損益分岐点からどれだけ離れているか」の指標。20%以上が健全、10%未満は危険水域とされます。

安全余裕率(%) = (現売上 − 分岐点売上) ÷ 現売上 × 100

安全余裕率経営状態下振れ許容推奨アクション
30%超非常に健全売上3割減でも黒字攻めの投資可・成長投資
20-30%健全売上2割減で赤字化安定運営・内部留保
10-20%要注意売上1〜2割減で赤字固定費見直し・値付け再検討
5-10%危険水域売上1割減で赤字緊急コスト削減
0-5%薄氷経営数%の下振れで赤字事業構造の抜本見直し
マイナス既に赤字-撤退判断・再建計画

コロナ禍のような外部ショックを想定するなら、安全余裕率30%以上が理想。中小企業庁「小規模企業白書」でも、コロナ禍を乗り越えた企業の多くは危機前から安全余裕率25%以上を確保していたと分析されています。

価格改定と変動費削減の効果比較

価格を5%上げるのと、変動費を5%下げるのは、貢献利益率への影響は同じでしょうか?答えはNoです。数式上は等価に見えても、実務では価格改定の方が2-3倍のインパクトを持ちます。

施策貢献利益率変化BEP減少率売上10%減耐性実行難度
価格5%UP+2.5pt(50→52.5%)-4.8%+2pt余裕心理障壁大
変動費5%減+2.5pt(50→52.5%)-4.8%+2pt余裕交渉可能
固定費5%減変化なし-5.0%+2pt余裕組織的抵抗
販売数5%増変化なし変化なし±0マーケ投資要

数式上は同じ効果でも、価格改定は販売数が減らない前提で計算します。実務では価格5%UPで販売数が10-15%減ることも多く、その場合は変動費削減の方が確実。一方、ブランド力があれば価格改定は永続的に効くため、複利効果でリターンが大きくなります。

実務での活用シーン

事業計画書・銀行融資申請

日本政策金融公庫の創業計画書、信用保証協会の保証申請でBEP計算は必須項目。月固定費・貢献利益率・分岐点売上を明記し、根拠のある収益シミュレーションを提示。融資担当は「開業6ヶ月以内にBEP到達可能か」を審査で重視。

店舗出店・新規事業判断

新規出店時に「立地・家賃・想定客単価・集客見込み」からBEPを算出し、開業判断。既存店舗の実績を元に、家賃100万円の物件なら月商どれだけ必要かを逆算。飲食業では「家賃×20倍」が月商必達ライン(FL比率60%前提)。

値付け改定・値上げ検討

原材料高・人件費上昇時に「何%値上げすればBEPを維持できるか」を試算。仕入価格10%UPを吸収するには、貢献利益率50%の商品なら売価5%UPが必要。値上げ案内文書のロジック整備にも活用。

撤退・事業整理判断

複数店舗・部門ごとにBEPと実売上を比較し、6ヶ月以上BEP未達の事業は撤退候補。貢献利益がマイナスなら即撤退、プラスなら固定費削減で継続の判断が可能。管理会計の基本フレーム。

目標設定・KPI設計

営業目標の売上高・件数を「BEP+目標利益」から逆算。営業組織のノルマ設計、報酬体系設計、四半期予算策定の基準。KPI設計時に「BEP到達率(実売上÷分岐点売上)」を月次モニタリング指標に組み込むケースが増加。

M&A・投資判断

買収対象企業のBEP構造を分析し、統合シナジーで固定費削減がどれだけ効くかを試算。PMI(統合後統合)の重要チェックポイント。買収価格算定のEBITDA倍率にもBEP構造の健全性が反映される。

よくある間違い・注意点

  • 変動費と固定費の分類ミス — 人件費を全部固定費に入れる企業が多いが、パートタイム・業務委託・成果報酬部分は変動費として扱うのが正確。逆にレンタルサーバ費・SaaS利用料は使用量ベースなら変動費、月額固定なら固定費。分類次第でBEPが2-3割変わることも。
  • 減価償却費の扱い — 減価償却費は現金流出を伴わないが会計上は固定費。CVP分析では含めるのが標準だが、キャッシュベースのBEP(現金分岐点)では除外する。銀行提出時は両方を提示するとロジックが説得力を持つ。
  • 単一商品前提の落とし穴 — 実際の事業は複数商品を扱うため、加重平均貢献利益率で計算する必要。単価が高いが売れ筋でない商品を含めるとBEPが実態と乖離。商品カテゴリー別に売上構成比を考慮した加重平均で算出すべき。
  • 固定費の抜け漏れ — 家賃・人件費は認識しやすいが、リース料・支払利息・水道光熱費(基本料金部分)・システム保守費・保険料・税金・税理士顧問料などの「小さな固定費」を積み上げると月20-30万円になる。粒度の細かいB/S・P/L照合で漏れをチェック。
  • 季節性・繁閑差の無視 — 年間平均だけでBEPを判断すると、閑散期の資金繰りが破綻するリスク。飲食・小売・観光では月次・週次でBEPを算出し、繁忙期の黒字で閑散期をカバーできる年間キャッシュフローになっているかを確認。
  • 成長投資費用の混同 — 広告費・システム開発費・営業採用コストは、短期的に見れば費用だが、実質的には「未来の固定費」または投資。BEPをこれらで計算すると「現在の実力」が見えなくなる。定常固定費と成長投資費を分けて2種類のBEPを持つのがベストプラクティス。
  • 変動費率の見誤り — Amazon手数料・広告費(スポンサープロダクト)・決済手数料・返品コストを見落として粗利率を高く見積もる例が多発。ECでは表面粗利50%でも実質貢献利益率が20-25%まで低下することも。手数料控除後の実質貢献利益率で計算する。

参考文献・公的資料

より正確な業界指標や会計基準を確認したい場合は、以下の公的機関・業界団体の資料を参照してください。

※本ページの計算結果および業種別ベンチマークは概算値です。実際の事業計画作成・銀行融資申請・撤退判断・原価計算には、税理士・公認会計士・中小企業診断士等の有資格者と相談のうえ、貴社の会計基準・原価定義・税務ルールに即した数値を用いてください。銀行融資申請ではTKC-BASTや中小企業庁公表値との照合が推奨されます。

よくある質問(FAQ)

変動費と固定費の見分け方は?

固定費は売上0でも発生する費用(家賃・正社員人件費・リース・減価償却)、変動費は販売数に比例する費用(材料・仕入・梱包・配送・成果報酬)。人件費でもパート・業務委託・歩合給部分は変動費に分類するのが正確。分類次第でBEPが20-30%変わるため、社内で分類基準を明文化することが不可欠です。

分岐点を下げる戦略は?

1) 固定費削減(在宅勤務・小型オフィス・リース見直し)、2) 仕入交渉(変動費10%減で貢献利益率が5pt改善)、3) 価格5-10%UP(低価格競争脱出)、4) 高粗利商品にシフト、5) 自動化・無人化。固定費1割減でBEP1割減。4つの打ち手を同時進行させると掛け算で効果が出ます。

価格UP vs 数量UPどちらが効率的?

価格5%UPは営業利益率5pt増、数量5%UPは貢献利益5%増でほぼ同等の効果。ただし価格UPは継続効果があり、数量UPには追加マーケコストが伴います。ブランド差別化があれば価格UP優先、コモディティなら数量UP。「値上げを恐れない」姿勢が経営者の腕。

安全余裕率の目安は?

30%超=非常に健全、20-30%=健全、10-20%=要注意、10%未満=危険水域。コロナ等の不測時に対応するなら30%以上が理想。月売上200万円、分岐点140万なら30%で安心レンジ。銀行融資審査でも20%が実質的な合格ラインです。

赤字時の優先順位は?

1) 変動費の見直し(仕入先・配送・決済手数料)、2) 価格改定、3) 固定費削減(家賃・人件費は最後)、4) 高粗利商品開発、5) 撤退判断(半年以上赤字続くなら)。家賃・人件費削減は売上にも響く諸刃なので、変動費と価格改定で6割の改善が現実的なゴール。

複数商品を扱う場合の計算方法は?

加重平均貢献利益率で算出。売上構成比×各商品貢献利益率の合計が全社貢献利益率。売上構成比が変動しやすい事業では、月次で加重平均を再計算するべき。SaaSなら「Standard 60%・Pro 30%・Enterprise 10%」の売上構成で全社BEPを設計する例が一般的。

減価償却費はBEP計算に含める?

会計上は固定費として含めるのが標準。ただしキャッシュベースのBEP(現金分岐点)では除外し、実キャッシュアウトのみで計算。銀行提出時は「会計BEP」と「キャッシュBEP」の両方を提示すると説得力が高まります。設備投資が大きい製造業では特にキャッシュBEPが重要。

季節性が強い事業のBEP設計は?

年間平均でなく、月次・週次で計算。飲食業なら12月・8月がピーク、2月・6月が閑散期。閑散期売上でBEPを賄えない場合、繁忙期の内部留保でカバーする資金繰り設計が必要。ホテル・観光では季節別BEPと年間BEPを二段で持ちます。

SaaSのBEP構造の特徴は?

売上原価が低く(サーバ・サポート)貢献利益率80-90%だが、開発費・広告費・営業組織で固定費が重い。BEP到達までに数年かかることも珍しくない。契約年数を長期化し(サブスク前提)、解約率を下げてLTVを最大化することでBEP到達を早める設計が主流。

飲食店のBEP設計の要点は?

FL比率(食材費+人件費÷売上)60%以下が健全ライン。家賃は月商の8-10%以内、月商は家賃の20倍が目安。原価率30%・人件費率25%・家賃10%で貢献利益率60-65%を確保し、月固定費150万円ならBEP月商230-250万円が現実的なライン。

ECのBEP設計で注意すべき点は?

Amazon手数料10-15%、FBA配送手数料、広告費(スポンサープロダクト)、返品コスト、決済手数料を差し引くと表面粗利率40-50%でも実質貢献利益率20-30%まで低下。手数料控除後の実質貢献利益率で計算し、広告費(ROAS)込みでBEPを設計するのが実務標準です。

スタートアップの目標BEP到達期間は?

SaaSで3-5年、EC自社商品で1-2年、飲食・小売で6-12ヶ月が目安。VC投資を受けている場合はBEP到達より先にシリーズを重ねる戦略もあり、意図的にBEP到達を遅らせて成長投資する例も。バーンレート(月次赤字額)と資金調達サイクルを合わせて経営判断します。

BEPの数値目標はどう設定する?

安全余裕率20-30%を確保する売上目標を設定。月固定費150万円・貢献利益率60%ならBEP売上250万円、安全余裕率25%を狙うなら目標売上333万円。営業組織のノルマもBEP売上比で設計すると、達成度と収益性が連動しやすくなります。