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馬力詳細変換計算機|PS/HP/BHP/電気馬力/kW相互変換・トルクからの馬力計算

馬力(PS/HP/BHP/電気馬力/ボイラー馬力)とkWを瞬時に相互変換する無料電卓。メートル馬力(PS)・英国馬力(HP)の違い、日本車・欧州車・米国車・英国車のカタログ馬力の読み方、トルク×回転数からの馬力計算式(PS=T×N÷7024)、EV・モーター・ボイラーの実務まで対応。JIS D 1001「自動車工学用語」、SAE J1349、ECE R85(欧州規格)などの公的基準に基づき解説します。

最終更新:2026-08-05/監修:計算ツールズ編集部

馬力 PS/HP/BHP/kW 相互変換 計算機

計算式と単位系

基本の変換式

1 PS(メートル馬力) = 735.49875 W = 0.735499 kW
1 HP(英国馬力/機械馬力) = 745.6999 W = 0.745700 kW
1 BHP(制動馬力・ブレーキ馬力) ≒ 1 HP = 0.7457 kW
1 電気馬力 = 746 W(米国NEMA規格)
1 ボイラー馬力 = 9,809.5 W ≒ 9.81 kW
1 PS ≒ 0.9863 HP

SI(国際単位系)では動力の正式単位はワット(W)で、1W=1J/s=1N·m/sです。実用ではキロワット(kW)を用います。馬力は歴史的単位ですが、自動車・農機・発電機・ボイラーの分野で今も広く使われています。

トルクと回転数から馬力を求める

P(kW) = T(N·m) × N(rpm) ÷ 9549
PS = T(N·m) × N(rpm) ÷ 7024
PS = T(kgf·m) × N(rpm) ÷ 716.2

エンジン・モーターの動力はトルク×回転数で決まります。上式は角速度ω=2πN/60を代入した実用式。エンジンカタログの「最大トルクN·m/rpm」と「最大馬力PS/rpm」は、通常異なる回転数で発生するため、両方の値を確認する必要があります。

単位系ごとの馬力の違い

「1馬力」といってもPS(欧・日)、HP(英・米)、電気馬力、ボイラー馬力で数値が異なります。特にPSとHPは約1.4%差があり、輸入車と国産車のカタログ馬力を直接比較する際は要注意。工業計算ではSI単位のkWで統一するのが安全です。

馬力の種類(5系統)

種類正確な値由来使用地域・分野
PS(メートル馬力)735.49875 W75 kgf·m/s = 75 × 9.80665日本・欧州(自動車・農機)
HP(機械馬力)745.6999 W550 ft·lbf/s(ジェームズ・ワット定義)米国・英国(自動車・機械)
BHP(制動馬力)≒ 1 HP実測時にダイナモで測る出力米英エンジンカタログ
電気馬力746 W(NEMA MG 1)米国電気モーター規格米国電動機の定格
ボイラー馬力9,809.5 W1時間で34.5ポンドの水を蒸気化ボイラー・蒸気機関

また、車の実測系ではSAE Gross(大気圧補正なし)、SAE Net(補機込み実用値)、DIN、ECE、JISなど測定基準による差異もあります。特に古い米国車のGross表記は補機を外した「机上値」で、実質20-30%割り引いて理解するのが慣習でした。

車種別カタログ馬力の目安

「〇〇 PS」と聞いてイメージが湧くよう、実車の代表値を掲載します(仕様は年式・地域で変動)。

カテゴリ代表車種最大出力kW換算
軽自動車NAダイハツ ミラ / スズキ アルト52 PS38 kW
軽自動車ターボホンダ N-BOX ターボ64 PS47 kW
コンパクトカートヨタ ヤリス120 PS88 kW
ミニバントヨタ ノア170 PS125 kW
SUVマツダ CX-5(2.5L)188 PS138 kW
スポーツカートヨタ GR86235 PS173 kW
ハイパフォーマンス日産 GT-R570 PS419 kW
スーパーカーランボルギーニ ウラカン640 PS470 kW
ハイパーカーブガッティ シロン1,500 PS1,103 kW
EV(コンパクト)日産 リーフ e+218 PS160 kW
EV(ハイパフォーマンス)Tesla Model S Plaid1,020 hp760 kW
F1マシン(ハイブリッド)2024規則約1,000 PS約735 kW
大型トラックいすゞ ギガ380 PS280 kW
250ccバイクホンダ CBR250RR41 PS30 kW
1000ccスーパースポーツスズキ 隼190 PS140 kW

トルクと馬力の関係

エンジンやモーターの実力を評価するには馬力とトルクの両方を見る必要があります。両者は独立ではなく、以下の関係でつながっています。

馬力 P = トルク T × 角速度 ω = T × 2πN/60

つまり同じトルクでも回転数が上がれば馬力は増え、同じ馬力でも低回転で発揮するほどトルクが大きい、ということ。「トルク型エンジン」(ディーゼル)は低回転で強く、「高回転型エンジン」(スポーツ)は高回転まで馬力を伸ばす特性の違いはこの式から生じます。

実務での使い分け

目的重要指標理由
加速性能馬力(kW/PS)最高速・0-100km/hに直結
登坂・けん引トルク(N·m)低回転での粘り強さ
燃費・EV航続効率(gCO₂/km, Wh/km)絶対出力より熱効率
耐久・寿命連続定格出力短時間ピークとは別評価

実務ユースケース

自動車のカタログ比較

日本車・欧州車はPS(メートル馬力)、米車・英車はHP(BHP)。カタログを見比べる際はkWに揃えて比較するのが確実。PS 200 = 147 kW = 197 HP。DIN・SAE・JIS など計測規格の違いもあり、輸入車の実力比較にはkW値を軸にしましょう。

電動機・モーター選定(工場・製造業)

米国NEMA規格モーターは電気馬力(1 hp = 746 W)表記。ポンプ・コンプレッサー・コンベアの選定で「10 HPモーター = 7.46 kW」の変換が必要。日本のJIS C 4210(一般用低圧三相かご形誘導電動機)はkW定格ですが、輸入機器はhp定格で見積書に混在します。

ボイラー・給湯設備

ボイラー馬力は1時間に34.5ポンドの水を100℃で蒸気化する能力。1ボイラー馬力=約9.81 kW。ホテル・工場・病院の熱源設備選定で使用。日本のボイラーは伝熱面積で分類する慣習(小型ボイラー/簡易ボイラー)ですが、輸入品や海外規格ではhp表記が残ります。

船舶・大型機械

大型船舶エンジンは今も慣習的にPSまたはBHPで表記。コンテナ船の主機は数万PS〜10万PSクラス。SOLAS条約や国土交通省の船舶検査ではkW定格が正式ですが、業界内の会話や中古売買ではPS/BHPが混在します。

農業機械・建設機械

トラクター・コンバイン・ショベルはPS表記が主流。日本のJIS D 6301(農業トラクター)ではPSベースの馬力測定、欧州はECE R120でkW定格。GPSトラクター、電動化建機の登場で徐々にkW表記に移行中。

スポーツ・レース・チューニング

市販ダイナモは実測馬力(ホイール馬力/クランク馬力)を出力。ホイール馬力はカタログ値(クランク馬力)より駆動損失で10-20%低いのが通常。過給機装着・エンジン制御書換後の効果測定でも馬力単位の理解が必須。

EV・モーターと馬力

電気自動車(BEV)・ハイブリッド車(HEV/PHEV)の登場で、動力表記はkWが正式単位として定着しつつあります。ICE(内燃機関)車と比較する際、以下の点に注意してください。

ICEとEVの動力特性の違い

項目内燃機関(ガソリン)電動モーター(BEV)
最大トルク発生2,000-4,000 rpm付近0 rpmから最大値
効率25-40%85-95%
連続定格と最高出力の差ほぼ同じ2-3倍(短時間のみブースト可)
回転数上限7,000-9,000 rpm18,000 rpm以上も可

Tesla Model Sの「1,020 hp」やLucid Airの「1,111 hp」など超高出力表記が話題になりますが、これは短時間の最大値(burst)。連続定格出力はもっと低いことが多く、サーキット周回性能とは別です。

電費(Wh/km)との関係

EVでは動力性能(kW)と電費(Wh/km)は別指標。150 kWモーターでも巡航時は10-15 kW程度しか使わないため、電池容量と電費で航続距離が決まります。日本の型式指定車ではWLTCモード燃費/電費が公表され、環境省・国交省の燃費一覧で比較可能です。

ハイブリッド車の複合出力表記

ハイブリッド車(HV/PHEV)はエンジン最高出力とモーター最高出力の単純合計にはならないのが特徴。両者は同時に最大値を出すとは限らず、システムトータル出力(System Output)として別途表記されます。トヨタ プリウス(5代目)はエンジン152 PS+モーター113 PSでシステム193 PS、単純合算(265 PS)を大きく下回ります。

パワーウェイトレシオと実感加速

体感の加速性能は、絶対馬力ではなくパワーウェイトレシオ(車重÷馬力、kg/PS)で決まります。数値が小さいほど加速が鋭い。

車種車重最高出力PWレシオ0-100 km/h目安
軽自動車NA800 kg52 PS15.4 kg/PS約14秒
コンパクトカー1,100 kg120 PS9.2 kg/PS約10秒
スポーツカー(GR86)1,270 kg235 PS5.4 kg/PS約6.3秒
GT-R1,760 kg570 PS3.1 kg/PS約2.9秒
スーパースポーツバイク200 kg190 PS1.1 kg/PS約2.5秒
F1マシン800 kg1,000 PS0.8 kg/PS約2.6秒

同じ200 PSでも軽量スポーツと大型SUVでは加速感が全く違います。実感重視ならPWレシオ、絶対性能なら馬力、両方併記が最も分かりやすい表現です。

よくある間違い・注意点

  • PSとHPを同じと思い込む — PS=0.7355 kW、HP=0.7457 kW と1.4%差。カタログの数値をそのまま比較すると輸入車と国産車の性能比較を誤ります。同一車両で「200 PS = 197 HP」となる。
  • ホイール馬力とクランク馬力の混同 — カタログ値はクランク軸出力(エンジン単体)、シャシダイナモで測る値はホイール軸出力で駆動損失10-20%分低い。両者の混同はチューニング効果測定でトラブルに。
  • 電気馬力とメートル馬力を単純換算 — 電気馬力=746 W(米NEMA)、メートル馬力=735.5 W。1.4%差。米国製モーターを日本の設計に組み込む際、余裕を1%以上取らないと連続定格を割ります。
  • 短時間ピークと連続定格を混同(EV/モーター) — EVカタログの馬力は多くが短時間ブースト値。工場ラインのモーターは連続定格を見ないと過熱・焼損。仕様書のS1(連続)/S2(短時間)/S3(反復)の記載を確認。
  • トルク×回転数の式で単位を誤る — PS = T[N·m]×N[rpm]÷7024 と、PS = T[kgf·m]×N[rpm]÷716.2 は別式。N·mとkgf·m(1 kgf·m=9.80665 N·m)の混同はエンジン制御開発でも起こる古典的ミス。
  • 過剰な高出力表記に踊らされる — 「1,000 hpスーパーカー」でも公道での実用性能は路面μ・タイヤ・トラクションコントロールで決まる。加速性能はパワーウェイトレシオ(PS/kg or W/kg)の方が実感に近い。
  • SAE Gross表記の古い値をそのまま信じる — 1970年代までの米国車カタログはSAE Gross(補機なし机上値)で、SAE Netへの1972年移行時に多くの車が数値を20-30%落として発表しました。中古車比較では計測基準を要確認。

関連する規格・法令

  • JIS D 1001 ― 自動車エンジンの陸上用出力試験方法。日本の乗用車・トラックのエンジン出力を測る標準。
  • JIS D 6301 ― 農業トラクターの試験方法。PTO出力・けん引出力・機関出力の測定法を規定。
  • JIS C 4210 ― 一般用低圧三相かご形誘導電動機の効率クラス(IE1-IE4)と定格。
  • SAE J1349 ― Society of Automotive Engineersのエンジン出力測定規格。米国自動車業界の標準。SAE Grossを廃しSAE Netへ移行(1972)。
  • DIN 70020 ― ドイツ工業規格。欧州のエンジン出力測定標準。日本のPS表記もDIN準拠。
  • ECE R85 ― 国連欧州経済委員会規則。EVを含む乗用車の正味出力(kW)測定手順。
  • NEMA MG 1 ― 米国電気製造業者協会のモーター規格。電気馬力=746 Wを定義。
  • 労働安全衛生法(ボイラー則) ― 日本のボイラー・圧力容器の伝熱面積分類。ボイラー馬力表記は補助的。
  • 自動車型式指定規則(国交省) ― 日本の乗用車のカタログ諸元と型式指定書類に記載する出力値の様式。

参考文献・公的資料

正確な仕様を確認したい場合は、以下の一次資料を参照してください。

※本ページの変換結果は各単位の理論値に基づく概算です。実車の性能・実際のモーター定格出力は、車両型式指定書・メーカー公表値・銘板記載の連続定格を必ず確認してください。ボイラー・産業機械の法定検査は労働安全衛生法などの規定に従い、有資格者(ボイラー技士・電気主任技術者など)の判断を仰いでください。

よくある質問(FAQ)

PSとHPはどう違う?

PS=メートル馬力(0.7355 kW)、HP=英国機械馬力(0.7457 kW)。約1.4%の差があります。日本車・欧州車はPS、米国車・英国車はHP(BHP)表記が慣習。カタログを厳密比較するときは両方をkWに変換して並べるのが確実です。

1馬力ってどのくらいの力?

735 W(PS)。人間の瞬間最大出力は約0.3-0.5馬力、100mスプリンター走行中で瞬間1-1.5馬力程度と言われます。一般家庭のオーブンレンジは1-1.5 kW ≒ 1.4-2 PS。「馬」の名の通り、健康な馬1頭の持続的な仕事率が語源です。

トルクと馬力どっちが大事?

用途で違います。加速性能・最高速は馬力(kW/PS)、登坂・けん引・低速の粘りはトルク(N·m)が支配。ディーゼルは低回転高トルクで牽引に強く、高回転型ガソリンは馬力で最高速を伸ばします。EVは0 rpmから最大トルクなので発進が力強い。

電気馬力とメートル馬力は同じ?

厳密には違います。電気馬力=746 W(米NEMA規格)、メートル馬力=735.5 W。1.4%差。米国製モーターの定格が輸入品として日本に入ると、この差を考慮せず設計するとギリギリの容量選定になり過負荷になることも。

ホイール馬力とクランク馬力の違いは?

クランク馬力はエンジン単体の出力(カタログ値)、ホイール馬力はタイヤ接地面での実際の出力。ミッション・デフ・ドライブシャフトでの駆動損失10-20%分低くなります。シャシダイナモでの実測は通常ホイール馬力で、カタログ値との違いを理解しないと計測がおかしいと誤解します。

ボイラー馬力とは?

1時間で34.5ポンド(15.65 kg)の100℃の水を100℃の蒸気にする能力。1ボイラー馬力=9,809.5 W ≒ 9.81 kW。1900年前後の蒸気機関時代の名残で、今も工業用ボイラー・熱交換器の慣習単位として残っています。

軽自動車の馬力上限が64 PSなのはなぜ?

1989年の自動車工業会の自主規制で、軽自動車の最高出力を64 PS(47 kW)に制限する紳士協定が始まりました。事故時の安全性・過剰な性能競争の抑制が趣旨。この上限は現在も継続していますが、EV軽自動車では見直しの議論もあります。

普通乗用車の馬力自主規制はある?

1989年から2004年まで、日本の乗用車は自工会の自主規制で280 PS(206 kW)上限とされていました。2004年ホンダ レジェンドが300 PS超で発表したのを機に自主規制は撤廃。現在は日本車も500-600 PS級が普通に存在します。

EVの馬力表記が短時間だけ大きい理由は?

電動モーターは短時間(10-30秒程度)なら定格の2-3倍の出力を絞り出せる特性があります。バッテリー温度・巻線温度が上限に達するまでの間だけ。カタログの「最大出力」は多くがピーク値で、連続定格出力はもっと低い。サーキット周回の実力はこの連続定格に近いです。

SAE GrossとSAE Netの違いは?

1971年以前の米国車はSAE Gross(補機なし、消音器なしの理想条件)で表記していましたが、1972年以降はSAE Net(実装状態)へ統一。同じエンジンでも数値が20-30%落ちて見えるようになりました。マッスルカー時代のカタログ値を現代と比較する際の注意点。

F1の馬力はどのくらい?

2024年規則のハイブリッドパワーユニットで約1,000 PS(735 kW)前後。内燃機関(1.6L V6ターボ)で約850 hp、ERS(エネルギー回生系)で+160 hpの合算。市販車では超えられない領域ですが、車重が約800 kgしかないためパワーウェイトレシオは驚異的です。

単位を統一するとしたら何がベスト?

SI単位系のkWが最も国際汎用性が高く、車両型式指定書やECE規則で正式単位として採用されています。カタログ比較の際は「200 PS = 147 kW」のようにkW併記に慣れておくと、輸入車・EV・産業機械までシームレスに比較できます。

ハイブリッド車の「システム出力」とは?

エンジンとモーターを併用するHV/PHEVは、両者の最高出力が同時に発揮されるわけではないため、単純合算より低い「システム最高出力」が表記されます。プリウスの例ではエンジン152 PS+モーター113 PS→システム193 PSと、単純足し算より30%程度低くなるのが典型的。

パワーウェイトレシオはどれくらいが速い?

数値が小さいほど加速が鋭い。10 kg/PS = 一般車、5 kg/PS = スポーツカー、3 kg/PS = スーパーカー、1 kg/PS = スーパーバイク・F1のイメージ。同じ200 PSでも1トンのライトウェイトと2トンのSUVでは加速感が全く別物。