BTU↔kW 冷暖房能力 変換ツール|エアコン・冷凍機・業務用空調のスペック一括換算
エアコン・冷凍機・業務用空調の能力を、BTU/h・kW・W・kcal/h・冷凍トン(USRT/JRT)・馬力(HP)間で相互変換。JIS/ISO/JRAIAの基準に基づく畳数目安・電気代目安・COP/APF・輸入エアコンのスペック判断まで一括対応します。空調工事・電気工事・製造業のユーティリティ設計・不動産賃貸物件の空調更新など、現場で必要な単位換算を1画面で完結できます。
熱量・能力 変換計算機
計算式と単位系
基本換算式
1 BTU/h = 0.29307 W = 0.000293 kW
1 kW = 3,412.14 BTU/h = 859.85 kcal/h
1 冷凍トン(USRT) = 12,000 BTU/h = 3.5169 kW
1 日本冷凍トン(JRT) = 3,320 kcal/h = 3.861 kW
1 冷凍馬力(HP) = 約 2,500 kcal/h ≒ 2,906 W(業界慣習)
1 kcal/h = 1.163 W
BTU(British Thermal Unit)は「1ポンド(453.6g)の水を華氏1度上昇させるのに必要な熱量」で、米国・輸入家電・海外規格で標準的に使われます。SI単位系ではW(ワット)およびkWが用いられ、1 W = 1 J/s の熱伝達速度を表します。
USRTとJRTの違い
「冷凍トン」は「1トン(USRTは短トン907.2kg、JRTは日本トン1,000kg)の氷を24時間で製造する能力」から派生した単位で、USRT(米国冷凍トン)=12,000 BTU/h≒3.517 kW、JRT(日本冷凍トン)=3,320 kcal/h≒3.861 kWと定義が異なります。国内の業務用冷凍機はJRT表示、輸入品はUSRT表示が主流で、混同すると10%程度の能力誤差になります。
冷凍馬力の慣習値
冷凍機業界の「馬力(HP)」は2,500 kcal/h≒2,906 Wという業界慣習値で、電気工学のHP(745.7 W)とは全く別物です。エアコンのカタログに「3馬力=約7.5kW」と書かれる場合、この冷凍馬力慣習で計算されています。
BTU・kW・冷凍トンの違い
能力単位が混在する背景を整理します。
| 単位 | 定義 | 主な使用場面 |
|---|---|---|
| BTU/h | 華氏1度・1ポンド水の熱量/時 | 米国製・輸入家電・海外仕様 |
| kW | SI単位系の仕事率 | 日本国内・欧州・カタログ標準 |
| W | SI単位系の仕事率 | 電気工事・電力計算 |
| kcal/h | 水1kgを1℃上昇させる熱量/時 | 厨房・給湯・旧型カタログ |
| 冷凍トン(USRT) | 1短トンの氷を24時間で製造する能力 | 米国業務用冷凍機 |
| 日本冷凍トン(JRT) | 1メートルトンの氷を24時間で製造する能力 | 国内業務用冷凍機 |
| 冷凍馬力(HP) | 2,500 kcal/h(業界慣習) | 国内空調業界の会話 |
家庭用エアコン能力早見表
JIS B 8615-1に基づく能力値と、JRAIA(日本冷凍空調工業会)が示す畳数目安です。木造南向き居間を基準にしています。
| 能力(kW) | BTU/h | kcal/h | 冷房畳数(木造) | 冷房畳数(鉄筋) | 暖房畳数(木造) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2.2 | 7,500 | 1,892 | 6畳 | 9畳 | 6畳 |
| 2.5 | 8,500 | 2,150 | 7畳 | 10畳 | 7畳 |
| 2.8 | 9,500 | 2,408 | 8畳 | 12畳 | 8畳 |
| 3.6 | 12,300 | 3,096 | 10畳 | 15畳 | 10畳 |
| 4.0 | 13,650 | 3,440 | 11畳 | 17畳 | 11畳 |
| 5.0 | 17,000 | 4,299 | 14畳 | 21畳 | 14畳 |
| 5.6 | 19,100 | 4,815 | 15畳 | 23畳 | 15畳 |
| 6.3 | 21,500 | 5,417 | 17畳 | 26畳 | 17畳 |
| 7.1 | 24,200 | 6,105 | 20畳 | 29畳 | 20畳 |
| 8.0 | 27,300 | 6,879 | 23畳 | 32畳 | 23畳 |
| 9.0 | 30,700 | 7,739 | 26畳 | 35畳 | 26畳 |
輸入エアコン(LG・ハイセンス・海外Daikin等)はBTU/h表示が中心のため、上表で日本の畳数目安に換算できます。9,000 BTU(≒2.6kW)は日本の「8畳用」相当、12,000 BTU(≒3.5kW)は「10-12畳用」相当です。
業務用・冷凍機の能力早見
店舗・事務所・工場の業務用パッケージエアコン、コンビニ・スーパー・冷凍倉庫の冷凍機能力です。JRTとUSRTの並列表記に注意してください。
| 馬力(HP) | kW | BTU/h | kcal/h | JRT | USRT | 用途例 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1.5 | 3.6 | 12,300 | 3,096 | 0.93 | 1.02 | 小型店舗・美容室 |
| 2.0 | 5.0 | 17,000 | 4,299 | 1.29 | 1.42 | コンビニ小型 |
| 2.5 | 6.3 | 21,500 | 5,417 | 1.63 | 1.79 | 飲食店 |
| 3.0 | 7.5 | 25,600 | 6,449 | 1.94 | 2.13 | 中型オフィス |
| 4.0 | 10.0 | 34,100 | 8,599 | 2.59 | 2.84 | 大型飲食店 |
| 5.0 | 12.5 | 42,700 | 10,748 | 3.24 | 3.55 | コンビニ標準 |
| 6.0 | 15.5 | 52,900 | 13,328 | 4.02 | 4.41 | スーパー冷凍 |
| 8.0 | 20.0 | 68,200 | 17,197 | 5.18 | 5.69 | 大型オフィス |
| 10.0 | 25.0 | 85,300 | 21,496 | 6.47 | 7.11 | 工場・大型施設 |
| 20.0 | 50.0 | 170,600 | 42,993 | 12.95 | 14.22 | 大型冷凍倉庫 |
畳数計算とJRAIAの目安
JRAIA(日本冷凍空調工業会)は「エアコン畳数の目安」を業界共通ルールとして公表しています。1960年頃の断熱性能に基づく古い基準がベースのため、現代の高気密高断熱住宅ではオーバースペックになる傾向があります。
建物構造別の負荷(冷房)
| 建物構造 | 1畳あたり冷房負荷 | 1畳あたり暖房負荷 |
|---|---|---|
| 木造・和室(南向き) | 約280 W/畳 | 約350 W/畳 |
| 木造・洋室(南向き) | 約220 W/畳 | 約280 W/畳 |
| 鉄筋マンション(南向き) | 約170 W/畳 | 約220 W/畳 |
| 高気密高断熱(G2レベル) | 約100 W/畳 | 約120 W/畳 |
詳細計算式(Q値/UA値ベース)
必要能力 (kW) = 床面積(㎡) × 単位負荷(W/㎡) ÷ 1000
木造:160-190 W/㎡(冷房)、200-240 W/㎡(暖房)
鉄筋:100-130 W/㎡(冷房)、130-170 W/㎡(暖房)
より正確には、建物のQ値・UA値、方位、窓ガラス性能、居住人数、家電負荷を含めた「熱負荷計算」を実施します。国土交通省「住宅の省エネルギー基準」による地域区分を用いて、地域補正係数を掛けます(北海道では暖房負荷が沖縄の3倍以上)。
COP・APF・電気代
指標の定義
COP(成績係数) = 定格能力(kW) ÷ 定格消費電力(kW)
APF(通年エネルギー消費効率) = 期間冷暖房能力(kWh) ÷ 期間消費電力量(kWh)
COPは「1kW電気を投入して何kWの熱を移動できるか」の指標。COP 4.0のエアコンは1kW消費で4kWの熱移動が可能。APFはJRAIAが定める東京基準の年間シミュレーション値で、実使用状況に近い比較指標です。
年式別APFの目安
| 年式 | APF目安(2.2kW機) | 電気代(年間) |
|---|---|---|
| 2005年頃 | 4.5 | 約23,000円 |
| 2010年頃 | 5.5 | 約19,000円 |
| 2015年頃 | 6.2 | 約17,000円 |
| 2020年頃 | 6.8 | 約15,000円 |
| 2024年最新 | 7.2 | 約14,000円 |
電気料金は31円/kWh(東京電力 従量電灯B・2次料金)で試算。10年前の機種から更新すると年間5,000-8,000円節約でき、5-8年で更新費用を回収できる計算になります。
用途別ガイド
家庭用エアコン選定
木造和室ならJRAIAの畳数目安通り、洋室・マンションなら1ランク下でも十分。逆に西日・吹き抜けありなら1ランク上を選ぶ。海外エアコン購入時はBTUをkWに換算し畳数を確認。
業務用パッケージエアコン
飲食店・小売店は「馬力」で選定。3馬力(7.5kW)が20-25坪の目安。厨房や大型窓のある物件は熱負荷計算を実施し、冷房負荷 300 W/㎡ 前後で見積もりを取る。
コンビニ・スーパー冷凍機
冷蔵ショーケース・ウォークインクーラーはJRT(日本冷凍トン)表示が主流。冷凍食品売場は−25℃保管でJRT 5-8トン、生鮮食品は0-5℃でJRT 3-5トン規模が標準。
データセンター・サーバー室
ラック1本あたり5-10kWの発熱があり、その熱除去がそのまま空調負荷。USRT換算でラック1本あたり1.4-2.8 USRT の冷房能力が必要。24時間稼働のためAPF高いターボ冷凍機が有利。
工場・製造ライン
加工機・射出成形機・電気炉の熱負荷を集計し、暖房と冷房の年間バランスを算定。金属加工現場ではJRT表示の冷水チラーで7-9℃の冷水を製造・循環。
不動産賃貸物件の空調更新
10年以上前のエアコンは省エネ性能が現行機の60-70%程度。入居者更新のタイミングで最新機に交換すると、光熱費削減が入居者アピール材料になる。1-2年で費用回収するケースも多い。
よくある間違い・注意点
- 「冷凍馬力=電気馬力」と混同 — 冷凍馬力は業界慣習値で2,500 kcal/h≒2.9kW。電気工学のHP(745.7 W)とは全く別物。3馬力エアコン=3×745.7W=2.2kWと計算するのは誤り。
- 「USRT=JRT」と誤解 — USRT(3.517 kW)とJRT(3.861 kW)で約10%の能力差。輸入冷凍機のスペックをそのままJRT扱いすると冷却不足になります。
- 畳数目安を鵜呑みにする — JRAIAの畳数目安は1960年頃の断熱性能ベース。高気密高断熱住宅では2ランク下でも十分な場合があり、オーバースペックは初期費用と電気代の無駄。
- APFとCOPを同一視 — COPは定格運転時の瞬間値、APFは年間シミュレーション値。カタログ比較ではAPFで比べるのが実使用に近い。
- 暖房能力を軽視 — 北日本や高緯度地域では暖房能力が冷房能力の1.3-1.5倍必要。冷房畳数だけで選ぶと冬に能力不足になる可能性。
- 電気代を「消費電力×時間」で単純計算 — インバーター機は運転状況で消費電力が変動。カタログの期間消費電力量(APF計算根拠)を参照するのが正確。
- 建物構造補正を忘れる — 木造南向きと鉄筋北向きでは同じ床面積でも冷房負荷が1.5-2倍違う。方位・構造・窓性能を必ず確認。
関連する規格・法令
- JIS B 8615-1/2 ― ノンダクト形エアコンディショナ/ダクト接続形エアコンディショナ。定格能力・APFの試験方法を規定。
- ISO 5151 ― Non-ducted air conditioners and heat pumps - Testing and rating for performance. 国際標準の性能試験。
- JIS C 9612 ― ルームエアコンディショナ。家庭用エアコンの安全・性能要求。
- 省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律) ― トップランナー制度でエアコンにAPF基準を設定。基準未達品は市場流通不可。
- 建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律) ― 建築物の一次エネルギー消費量計算に空調負荷計算が含まれる。
- フロン排出抑制法 ― 業務用エアコン・冷凍機のフロン漏えい点検義務(3ヶ月/1年周期)。
- 高圧ガス保安法 ― 冷凍機の設備規模・冷媒種類による届出・許可要件。
- 電気事業法・電気設備技術基準 ― 業務用空調機の設置工事・保安点検要件。
参考文献・公的資料
- 日本冷凍空調工業会(JRAIA) ― 家庭用・業務用エアコンの畳数目安、APF基準、業界統計の一次資料。
- 資源エネルギー庁 トップランナー制度 ― 省エネ法によるエアコンAPF基準の公式ページ。
- 国土交通省 住宅の省エネルギー基準 ― 地域区分・断熱性能・熱負荷計算のガイドライン。
- 日本産業標準調査会(JISC) ― JIS B 8615・C 9612等の空調機規格の公式索引。
- 環境省 フロン排出抑制法 ― 業務用冷凍・空調機の点検義務、フロン回収・破壊。
- ISO 5151 Non-ducted air conditioners ― 国際標準の性能試験方法。
- ASHRAE(米国暖房冷凍空調学会) ― BTU/h基準の技術資料。USRT定義・空調負荷計算のグローバル権威。
- 日本電機工業会(JEMA) ― 家電製品の統計・技術資料。エアコン出荷台数・省エネ動向。
- 経済産業省 省エネ・地球温暖化対策 ― 空調の温室効果ガス排出量、フロン規制。
- 東京電力エナジーパートナー 電気料金 ― 従量電灯B料金体系、電気代試算の基準単価。
よくある質問(FAQ)
1 BTU/h は何 kW?
1 BTU/h = 0.29307 W = 0.000293 kW。逆に 1 kW = 3,412 BTU/h。輸入エアコンで「12,000 BTU」なら 3.5 kW、「9,000 BTU」なら 2.6 kW に相当します。
冷凍トンとは?USRTとJRTの違いは?
1トンの氷を24時間で製造する冷凍能力。USRT(米国短トン基準)=3.517 kW、JRT(日本メートルトン基準)=3.861 kWで約10%差があります。輸入品はUSRT、国産業務用機はJRT表示が多いので混同注意。
冷凍馬力とは?
空調業界の慣習単位で1 HP = 2,500 kcal/h ≒ 2.9 kW。電気工学の馬力(745.7 W)とは別物です。「3馬力エアコン」なら約7.5-8.7 kW、「5馬力」なら12.5 kW程度。
6畳エアコンの能力は?
日本規格の「6畳用」はほぼ全機種2.2 kW(7,500 BTU/h)。木造和室で6畳、鉄筋マンションなら9畳程度カバー。輸入品の「9,000 BTU」(2.6kW)は日本の「8畳用」に相当。
1kW冷房で電気代はいくら?
COP 4.0の省エネ機なら消費電力250 W、1時間で0.25 kWh。電気代31円/kWhで1時間約8円。8時間運転で64円、月30日で1,920円が2.2kW機(6畳)の目安です。
APFとCOPどちらで選ぶ?
実使用に近い比較にはAPFが適切。COPは定格運転時の瞬間値ですが、APFは東京基準の年間シミュレーション値で、実際の運転パターンに近い評価が可能です。
畳数目安と実際が違う理由は?
JRAIA畳数目安は1960年頃の住宅断熱性能がベース。現代の高気密高断熱住宅では2ランク下でも十分な場合があり、逆に築古の木造は目安通り〜1ランク上が推奨。
暖房能力と冷房能力どちらを重視?
寒冷地は暖房重視、温暖地は冷房重視。北海道・東北では暖房能力が冷房の1.3-1.5倍必要。カタログには「低温暖房能力」も記載されており、外気温2℃以下でも定格能力を出せる機種が寒冷地向け。
輸入エアコン「12000 BTU」は日本の何畳用?
12,000 BTU/h = 3.517 kW で、日本の「10-12畳用」相当。ただし海外エアコンはAPF評価が日本より緩い場合が多く、実使用電気代は日本製の同容量機より1.2-1.5倍かかることも。
冷凍能力と冷房能力は同じ?
物理的には同じ「熱を除去する能力」ですが、冷凍機は−20℃程度、エアコンは20℃程度と稼働温度が違うため、同じ「10 kW」でも用途と機器構成が全く異なります。カタログ換算はできません。
1馬力エアコンの消費電力は?
1馬力=約2.9 kW冷房能力。COP 4.0の機種なら定格消費電力725 W。実使用の平均消費電力は300-500 W程度で、1時間電気代9-16円が目安です。
kcal/hはいつ使う?
厨房設備の熱設計、給湯器のガス消費計算、旧型カタログの残存表記で使用。1 kcal = 4.184 J、1 kcal/h = 1.163 W。国際的にはW/kWへの統一が進んでおり、新規カタログでは減少傾向です。