土量変化率の換算
基準とする土量の状態とほぐし率L・締固め率Cから、地山・ほぐし・締固めの三つの土量と過不足、運搬台数を算出します。
土量変化率の換算ツール
土量は地山を1としてほぐし土量=地山×L、締固め土量=地山×Cで換算します。既定値は地山500m3を基準とするので、ほぐし土量は500×1.20=600.0 m3、締固め土量は500×0.90=450.0 m3。現場で必要な締固め土量400m3に対して50.0 m3の余剰です。搬出する土は地山換算で50÷0.90=55.6m3、ほぐした状態では55.6×1.20=66.7m3となり、1台4.5m3のダンプで15台になります。
土質区分ごとの土量変化率の目安
| 土質 | ほぐし率 L | 締固め率 C |
|---|---|---|
| 砂質土 | 1.15〜1.25 | 0.85〜0.95 |
| 粘性土 | 1.20〜1.45 | 0.85〜0.95 |
| れき質土 | 1.10〜1.20 | 0.85〜0.95 |
| 軟岩・岩塊 | 1.30〜1.70 | 1.15〜1.20 |
三つの状態と使う場面
| 状態 | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 地山土量 | 掘削前の自然状態 | 掘削の数量・工費 |
| ほぐし土量 | 掘削してほぐした状態 | 運搬台数・仮置き |
| 締固め土量 | 盛土して締め固めた状態 | 盛土の出来形数量 |
| 換算の基準 | 地山を1.0とする | すべての換算の起点 |
※参考計算です。規準・示方書・製品仕様は改定されるため、実施設計では最新の告示と材料メーカーの技術資料で確認してください。
土量変化率の換算の詳しい解説
土量の換算でつまずくのは、L値とC値がどちらも地山を基準にしている点を忘れるためです。ほぐし土量から締固め土量へ直接換算したいときは、いったん地山に戻してからC値を掛けます。ほぐし土量にCを掛けるのは誤りで、L値の分だけ過大になります。三つの状態を横に並べ、中央に地山を置いた図を頭に入れておくと、どちらへ換算するときも間違えません。
判断が分かれるのは、どの状態の数量で契約や支払いを行うかです。掘削は地山土量で、運搬はほぐし土量で、盛土は締固め土量で数えるのが原則ですが、実務では運搬をトン数で扱う場合もあり、含水比によって同じ体積でも重量が変わります。土質調査の結果がない段階では標準値を用いざるを得ませんが、施工中に実測して見直す前提で仮定値であることを明記しておくべきです。
見落とされやすいのは、変化率が土質だけで決まらない点です。同じ粘性土でも含水比が高ければほぐしたときの体積は大きくなり、締固めの効きも落ちます。岩を掘削した場合は破砕の程度で大きく変わり、L値が1.7を超えることもあります。掘削機械の種類、運搬距離、仮置きの期間による自然沈下も影響します。標準値をそのまま使い続けると、工事の終盤で残土や不足土が生じます。
規模による違いも押さえておきます。小規模な宅地造成では数十立方メートルの誤差でもダンプ数台分にとどまりますが、造成工事の規模になると数百台分の運搬費と処分費の差になります。残土処分は受入先の確保と処分費が工程と原価に直結するため、早い段階で過不足の見込みを立てておくことが重要です。近隣の工事と土のやり取りができれば、処分費と購入費の双方を減らせます。
数量の詰め方としては、まず設計図から締固め土量を拾い、地山に戻して掘削量と比べ、差分をほぐし土量に換算して台数に直す順になります。台数は端数を切り上げるため、少量の余剰でも1台分の費用が発生します。仮置きで調整できる余地があるかを併せて確認すると、運搬回数を減らせます。工程表と照らして、掘削と盛土の時期がずれる分の仮置き場所も確保しておきます。
業界・現場での使い方
土工の数量計算
掘削・運搬・盛土をそれぞれの状態の数量で拾い、積算の根拠とします。
残土処分の計画
過不足を把握し、処分費と購入土の費用を早い段階で見積もります。
運搬計画の立案
ほぐし土量から台数を求め、1日の運搬回数と工期を検討します。
現場内流用の検討
発生土をどこまで盛土に使えるかを判断し、搬出量を減らします。
よくある間違い・注意点
- ほぐし土量に直接C値を掛ける — 換算はいったん地山に戻してから行います。掛け違えるとL値の分だけずれます。
- 運搬台数を締固め土量から計算する — ダンプに積むのはほぐした土です。締固め土量で数えると台数が3割前後不足します。
- 標準値を最後まで見直さない — 含水比や破砕の程度で実際の変化率は変わります。施工中の実測で補正が必要です。
- 残土処分の見込みを後回しにする — 受入先の確保と処分費は工程と原価に直結します。早期の見込みが欠かせません。
- 岩と土を同じ変化率で扱う — 軟岩や岩塊はL値が1.7に達することもあり、土と同じ扱いでは運搬費が大きく外れます。
関連する規格・公的資料
- 国土交通省 — 建築基準法・土木
- 日本建築学会 — 構造設計規準
- 土木学会 — 示方書・指針
- 日本産業標準調査会 (JISC) — JIS規格
- 建築研究所 — 建築の研究開発
- 土木研究所 — 土木の研究開発
- 日本道路協会 — 道路構造・舗装
- 日本コンクリート工学会 — コンクリート
- 日本建設業連合会 — 施工・積算
- 国土地理院 — 測量・基準点
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
地山500m3はほぐすと何m3になりますか?
L=1.20なら600.0 m3、締め固めるとC=0.90で450.0 m3になります。
L値とC値は何を基準にしていますか?
どちらも地山土量を1.0とした比率です。ほぐしと締固めの間を直接換算することはできません。
運搬台数はどの土量で計算しますか?
ダンプに積むのはほぐした土なので、ほぐし土量を積載容積で割ります。
砂質土と粘性土ではどちらがほぐれますか?
粘性土のほうがL値が大きく、1.45に達することもあります。含水比が高いほど大きくなります。
C値が1.0を超えることはありますか?
軟岩や岩塊では締め固めると地山より密になり、1.15から1.20になることがあります。
現場内で流用する場合の注意は?
流用できる土質かどうかを試験で確認します。適さない土は改良するか搬出することになります。
積載容積とトン数のどちらで数えますか?
運搬契約により異なります。トン数で扱う場合は含水比による重量の変動に注意が必要です。
この結果は積算にそのまま使えますか?
目安です。実際の変化率は土質調査と試験施工で確認し、契約図書の数量に基づいて確定してください。