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架空線弛度水平張力配電

架空線 弛度と張力の計算

径間長・電線の単位重量・水平張力・荷重条件から、架空線の弛度・実長・最低点の地上高・温度による弛度差を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

架空線 弛度と張力の計算ツール

弛度は単位重量×径間長の二乗÷(8×水平張力)で求めます。既定値では0.45×50×50÷(8×250)=0.56m。外径12.5mmに甲種相当の風圧980Paが加わると水平方向に1.249kg/m相当が働き、合成荷重は1.33kg/m、合成方向の弛度は1.66mになります。電線の実長は径間長に8×弛度の二乗÷(3×径間長)を加えて50.02m、最低点の地上高は8.0−0.56=7.44mです。気温が40度まで上がると弛度は0.23m増えます。

径間長と弛度の関係(単位重量0.45kg/m・張力250kgf)

径間長弛度実長の伸び
30m0.20m0.004m
50m0.56m0.017m
80m1.44m0.069m
100m2.25m0.135m

低圧架空電線に求められる地上高の目安

横断する箇所必要な地上高
道路を横断する場合6.0m以上
鉄道・軌道を横断する場合5.5m以上
横断歩道橋の上3.0m以上
その他の一般部5.0m以上

※参考計算です。規格・規程・メーカーの推奨条件は改定されるため、施工前に最新の資料と現場条件を確認してください。

架空線 弛度と張力の計算の詳しい解説

弛度が径間長の二乗に比例するのは、電線が自重で描く曲線が放物線に近いためです。径間を2倍にすると弛度は4倍になり、支持点の高さが同じなら地上高は急激に下がります。逆に張力を上げれば弛度は反比例して小さくなりますが、電線に働く引張応力は増え、許容値に近づきます。弛度を小さくして地上高を稼ぐか、張力を抑えて電線と支持物の負担を減らすかは、この二つの関係の間で決める設計上の判断になります。

判断が分かれるのは荷重条件の見込み方です。無風時の自重だけで検討すれば弛度も張力も小さく収まりますが、実際には風圧が水平方向に働き、着氷雪の地域では氷の重さが加わります。既定条件でも風圧を見込むと合成荷重は自重の約3倍になります。ただし合成方向の弛度が増えても、鉛直方向の成分は自重の分だけなので地上高の検討には影響しません。張力の検討には合成荷重を、離隔の検討には鉛直成分を使うという区別が必要です。

見落とされやすいのが温度による変化です。金属は温まると伸びるため、夏の高温時には弛度が増えて地上高が下がります。既定条件では気温が20度から40度に上がるだけで弛度が0.23m増えます。施工時の気温が低い日に基準どおりの弛度で張ると、夏には離隔が不足する可能性があります。逆に夏に施工した線は冬に張力が上がり、支持物や引留部に想定以上の力がかかります。施工時の気温に応じた弛度の管理表を用意するのが実務です。

電線の種類による差も押さえておく必要があります。アルミ導体は銅より線膨張係数が大きく、同じ温度差でも弛度の変化が3割ほど大きくなります。鋼心アルミより線は鋼の芯があるため中間的な挙動を示します。光ファイバ複合架空地線は温度変化に敏感な内部のファイバを守るため、許容する張力と弛度の範囲が別途定められています。施工にあたっては電線メーカーの弛度表と、地域ごとに定められた風圧荷重の区分を確認してください。

実測での確認も欠かせません。弛度は角度計や異長法で測定でき、径間の両端から目視で合わせる方法も現場では使われています。隣接する径間との張力の釣り合いも点検の対象です。

業界・現場での使い方

配電線の設計と施工

径間長と張力から弛度を求め、地上高と離隔が確保できるかを確認します。

引込線の検討

需要家までの径間で必要な支持点の高さを逆算します。

架空地線・通信線の共架

共架する線の弛度差を確認し、離隔が保てるかを検討します。

保守点検の判断

夏季の弛度の増加を見込み、離隔が不足しそうな箇所を洗い出します。

よくある間違い・注意点

  • 無風時の自重だけで張力を検討する — 風圧を見込むと合成荷重は自重の3倍前後になり、支持物への負担が変わります。
  • 合成方向の弛度で地上高を判断する — 離隔の検討に使うのは鉛直成分です。合成方向で見ると過剰に厳しい判定になります。
  • 施工時の気温を考えずに弛度を決める — 低温時に基準どおり張ると、夏季には弛度が増えて離隔が不足します。
  • 径間長の違いを線形で扱う — 弛度は径間長の二乗に比例するため、長い径間では急激に増えます。
  • 電線の種類による膨張の差を無視する — アルミ導体は銅より膨張係数が大きく、温度変化での弛度差が3割ほど大きくなります。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

径間50m・張力250kgfのときの弛度はいくつですか?

単位重量0.45kg/mの条件で0.56mです。径間長の二乗に比例します。

風圧を見込むと何が変わりますか?

合成荷重が1.33kg/mまで増え、合成方向の弛度は1.66mになります。張力の検討ではこの値を使います。

地上高はどの弛度で確認しますか?

鉛直方向の弛度です。既定条件では8.0m−0.56m=7.44mとなります。

気温が上がるとどれだけ弛度が増えますか?

既定条件で20度から40度への上昇により0.23m増えます。夏季の離隔確認が必要です。

低圧架空電線の地上高の基準はどうなっていますか?

道路横断で6.0m以上、その他の一般部で5.0m以上とする基準が定められています。

張力を上げれば弛度は小さくできますか?

反比例して小さくなりますが、電線の引張応力と支持物への負担が増えます。許容値の確認が必要です。

電線の実長はどう求めますか?

径間長に8×弛度の二乗÷(3×径間長)を加えます。既定条件では50.02mです。

弛度はどうやって現場で測りますか?

角度計を使う方法や異長法のほか、両端から目視で合わせる方法も用いられています。