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騒音距離減衰点音源線音源

騒音の距離減衰の計算

【ご注意】このページの計算結果・情報は参考値です。正確性・最新性は保証できません。税務・法務・お金・設計・施工・安全などに関わる判断は、公式の資料と専門家の確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。免責事項

音源から離れたときに騒音レベルが何 dB 下がるかを計算します。点音源は距離2倍で6.0 dB、線音源は3.0 dBと減り方が違います。音響パワーレベルからの推定、置き方(指向係数)の影響、目標レベルに収まる距離も出します。

最終更新:2026-09-19/監修:計算ツールズ編集部

騒音の距離減衰の計算ツール

点音源と線音源で減り方が違う

音源から離れると、音のエネルギーが広がって薄まるため騒音レベルが下がります。広がり方は音源の形で変わります。

点音源:減衰 = 20 × log₁₀(r₂ / r₁)
線音源:減衰 = 10 × log₁₀(r₂ / r₁)

点音源は球状に広がるので、距離が2倍になると面積が4倍になり、6.0 dB 下がります。距離10倍なら 20.0 dB です。機械1台、室外機、送風機の吹出口などが点音源として扱えます。

線音源は円筒状に広がるので、距離が2倍で 3.0 dB、10倍で 10.0 dB しか下がりません。交通量の多い道路や鉄道、長い配管などが線音源です。道路の騒音が遠くまで届くのは、この減り方の違いによります。1 m で85 dB の点音源は10 m で65 dB になりますが、線音源なら75 dB です。

音響パワーレベルから求める

機械のカタログには、音圧レベルではなく音響パワーレベル Lw が載っていることがあります。これは音源そのものが出すエネルギーの量で、距離に依存しません。ある距離での音圧レベルは次の式で求めます。

Lp = Lw − 10 × log₁₀(4πr² / Q)

Q は指向係数で、音が広がれる範囲を表します。空中に吊れば全方向に広がるので Q=1、地面に置けば上半分だけなので Q=2、壁ぎわなら Q=4、部屋の隅なら Q=8 です。Q が2倍になるごとに音圧レベルは3.0 dB 上がります。同じ機械でも、隅に置くと空中に吊るした場合より9 dB うるさくなります。Lw=100 dB の機械を地面(Q=2)に置いた場合、5 m 地点は 78.0 dB です。

距離と減衰量

距離の比点音源線音源例
2倍−6.0 dB−3.0 dB1m→2m
3倍−9.5 dB−4.8 dB1m→3m
5倍−14.0 dB−7.0 dB2m→10m
10倍−20.0 dB−10.0 dB1m→10m
20倍−26.0 dB−13.0 dB1m→20m
100倍−40.0 dB−20.0 dB1m→100m

1 m で85 dB の音源の場合

距離点音源線音源差
1 m85.0 dB85.0 dB—
2 m79.0 dB82.0 dB3.0 dB
5 m71.0 dB78.0 dB7.0 dB
10 m65.0 dB75.0 dB10.0 dB
20 m59.0 dB72.0 dB13.0 dB
50 m51.0 dB68.0 dB17.0 dB
100 m45.0 dB65.0 dB20.0 dB

指向係数 Q(置き方で変わる)

Q置き方広がる範囲基準との差
1空中に吊る全方向(球)±0 dB
2地面・床の上半球+3.0 dB
4壁ぎわ(2面に接する)1/4球+6.0 dB
8部屋の隅(3面に接する)1/8球+9.0 dB

※同じ機械でも、隅に置くと空中に吊るした場合より9 dB うるさくなります。設置場所を変えるだけでできる対策です。

※入力した内容はお使いのブラウザの中だけで処理され、サーバーには送信されません。本ツールは理論式による参考計算です。実際の騒音は反射・回折・気象・地表面の影響を受けます。規制の適否の判断や届出には、JIS に沿った実測と専門家の確認が必要です。

騒音の距離減衰の計算の詳しい解説

騒音対策でいちばん安上がりな方法は、音源から離れることです。遮音壁を建てるにも消音器を付けるにも費用がかかりますが、設置場所を数メートル動かすだけで済むなら、それに越したことはありません。どれだけ離せばよいかを判断するのが、距離減衰の計算です。

減り方が音源の形で変わることが、この計算の要です。点音源は音が球状に広がります。距離が2倍になると球の表面積は4倍になり、同じエネルギーが4倍の面積に薄まるので、レベルは6.0 dB 下がります。一方線音源は円筒状に広がります。距離が2倍になっても面積は2倍にしかならず、3.0 dB しか下がりません。交通量の多い道路の騒音が遠くまで届き、住宅地の奥まで影響するのは、この違いによります。

どちらとして扱うかの目安は、音源の長さと距離の関係です。音源の長さより十分遠ければ点音源、音源の長さより近ければ線音源として扱います。1台の機械は点音源、100 m 続く道路をその脇10 m で測るなら線音源です。ただし道路でも数百メートル離れれば点音源に近づきます。実務では、近距離は線音源、遠距離は点音源として扱い、切り替わる距離を音源長の3分の1程度とする方法が使われます。

もう1つ効くのが置き方です。同じ機械でも、空中に吊るした場合と部屋の隅に置いた場合では9 dB も違います。音は反射面があるとその方向に広がれず、残りの範囲に集中するためです。地面に置くだけで3 dB、壁ぎわなら6 dB、隅なら9 dB 上がります。室外機を建物の入隅に押し込むと想像以上にうるさくなるのはこのためで、置き場所を変えるだけでできる対策として、まず検討する価値があります。

理論式には限界もあります。実際の屋外では、地表面が音を吸収し、建物が反射し、塀が回折し、風向と気温の層が音の進む向きを曲げます。夜間は地表付近が冷えて上空が暖かい逆転層ができやすく、音が下向きに曲がって遠くまで届きます。「夜のほうがうるさく感じる」のは、静かだからだけでなく、実際に音が届きやすくなっているからです。さらに数百メートル以上では空気そのものによる吸収が効いてきて、高い周波数ほど強く減衰します。遠方の音がこもって聞こえるのはこのためです。

こうした要素があるため、理論式の値は設計の出発点と考えるべきです。規制への適合を判断するときは、JIS に沿った実測が必要になります。それでも距離減衰の計算は、対策の方向を決めるのに欠かせません。距離だけでは目標に届かないと分かれば、遮音壁や消音器の検討に進む。届くなら配置の変更で済む。この切り分けができるだけで、対策の手戻りが大きく減ります。

業界・現場での使い方

室外機・発電機の配置検討

敷地境界での騒音レベルを設置前に見積もり、置き場所と向きを決めます。

建設作業の近隣影響予測

作業機械のレベルから、最寄りの住宅での騒音を予測します。

道路・鉄道沿線の評価

線音源として計算し、遮音壁が必要な範囲を絞り込みます。

工場の敷地境界の確認

複数の音源の位置から、境界線上のレベルを見積もります。

カタログ値からの推定

音響パワーレベルしか分からない機械について、使う距離での音圧レベルを求めます。

よくある間違い・注意点

  • 点音源と線音源を取り違える — 道路を点音源として計算すると、遠方のレベルを大きく低く見積もります。
  • 置き方の影響を無視する — 隅に置くと空中より9 dB 上がります。指向係数を必ず確認してください。
  • 音響パワーレベルを音圧レベルと混同する — Lw は距離に依存しません。そのまま「何 m での値」として使えません。
  • 理論値だけで規制適合を判断する — 地表面・反射・回折・気象で変わります。届出には実測が要ります。
  • 夜間の伝わりやすさを考えない — 気温の逆転層で音が下向きに曲がり、昼より遠くまで届くことがあります。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

距離が2倍になると何 dB 下がりますか?

点音源で6.0 dB、線音源で3.0 dB です。10倍ならそれぞれ20.0 dB と10.0 dB です。

点音源と線音源はどう見分けますか?

音源の長さより十分遠ければ点音源、近ければ線音源です。切り替わる目安は音源長の3分の1程度の距離です。

指向係数 Q とは何ですか?

音が広がれる範囲を表す値です。空中で1、地面の上で2、壁ぎわで4、隅で8になります。

音響パワーレベルとは何ですか?

音源そのものが出すエネルギーの量で、距離に依存しません。ある距離の音圧レベルに直すには式が要ります。

置き場所を変えるだけで効果がありますか?

あります。隅から離して地面置きにするだけで6 dB 下がります。

計算どおりにならないのはなぜですか?

地表面の吸収、建物の反射、塀の回折、風向と気温の層が影響します。理論値は出発点です。

夜のほうがうるさいのは気のせいですか?

気のせいではありません。周囲が静かなことに加え、気温の逆転層で音が下向きに曲がり遠くまで届きます。

遠距離では計算が合わなくなりますか?

数百メートルを超えると空気による吸収が効き、高い周波数ほど減ります。理論値より実測は低く出ます。

防音壁はどのくらい効きますか?

一般に10〜15 dB 程度ですが、高さと位置関係で大きく変わります。回折の計算が別に必要です。

距離を2倍にするのと音源を3 dB 下げるのはどちらが有効ですか?

点音源なら距離2倍が6 dB なので距離のほうが有効です。ただし敷地の制約があるので、現実的な選択肢で比べてください。