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避雷設備保護角回転球体法受雷部

避雷設備 保護角と回転球体の確認

建物の高さ・保護レベル・突針の設置高さから、避雷設備の保護角・保護半径・必要な突針の本数を確認します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

避雷設備 保護角と回転球体の確認ツール

保護角は突針先端から保護対象の頂部までの高さ差で決まります。既定値では5.0m−1.5m=3.5mとなり、保護レベルIVの表から77.7度を読み取ります。保護半径は3.5m×tan77.7度=16.04m。この円に内接する正方形の一辺は16.04×1.414=22.68mで、有効カバー面積は514.3平方メートルです。屋上20m×30mを覆うには短辺方向1列・長辺方向2列の2本が必要になります。回転球体の半径はレベルIVで60mです。

保護レベルと回転球体の半径

保護レベル回転球体の半径想定する施設
I20m爆発の危険がある施設
II30m危険物を扱う施設
III45m重要度の高い建築物
IV60m一般の建築物

高さ差と保護角の関係(保護レベルIV)

高さ差保護角保護半径
2m79度約10.3m
10m72度約30.8m
20m64度約41.0m
30m57度約46.2m
45m45度約45.0m

※参考計算です。規格・規程・メーカーの推奨条件は改定されるため、施工前に最新の資料と現場条件を確認してください。

避雷設備 保護角と回転球体の確認の詳しい解説

保護角が高さによって変わるのは、雷撃の到達距離が電荷量で決まるという物理から導かれているためです。回転球体法では、想定する最小の雷撃電流に対応する半径の球を建物の上で転がし、球が触れる部分を落雷しうる箇所とみなします。突針が高くなるほど球は受雷部だけに触れるようになりますが、高さが増すと球の下側に隠れる範囲の形が変わり、円錐で近似したときの角度は小さくなります。保護角の表が右下がりになるのはこのためで、高い突針ほど有利という直感とは食い違います。

判断が分かれるのは、保護角法と回転球体法のどちらを主に使うかです。保護角法は計算が簡単で、屋上の小さな突出物を守る検討には向いています。ただし保護レベルごとに適用できる高さの上限があり、高層建築では途中から使えません。回転球体法は高さの制限がなく側面への落雷も扱えますが、図面上で球を転がす検討が必要になり手間がかかります。実務では低層部を保護角法、高層部と側面を回転球体法で分担させる組み合わせが一般的です。

見落とされやすいのは屋上の突出物です。冷却塔、キュービクル、手すり、アンテナ支持柱、避難用のはしごなどは保護範囲の外に出やすく、それ自体が受雷部になります。金属製で十分な断面積があれば受雷部として扱える場合もありますが、内部に電線が通る設備では等電位ボンディングの検討が要ります。引下げ導線の本数と経路、接地極との接続も保護角の計算とは別に必要で、保護範囲だけを満たしても設備としては不十分です。

建物の条件による違いも大きく出ます。高さが20mを超える建築物には避雷設備の設置が求められており、危険物を扱う施設では別の基準が適用されます。屋上が細長い形状であれば突針の本数は面積から想定するより増え、逆に正方形に近ければ効率よく覆えます。周囲に高い建物がある市街地では側撃雷の検討が加わることもあり、設計にあたっては建築士や電気設備の技術者に確認してください。

設置後の維持管理も設計と同じ重みを持ちます。受雷部と引下げ導線の接続部は屋外で腐食が進みやすく、接地抵抗も年数とともに変化します。定期的な外観点検と接地抵抗の測定を保守の計画に組み込み、屋上に新しい設備を載せた際には保護範囲を再確認する運用にしておくと、設備の陳腐化を防げます。

業界・現場での使い方

建築設備の基本設計

建物高さと保護レベルから突針の本数と配置の目安を立て、意匠との調整に使います。

避雷設備の施工計画

屋上の突出物が保護範囲に入るかを確認し、追加の受雷部が要る箇所を洗い出します。

既設建物の改修検討

設備の増設で屋上に突出物が増えた際、既存の保護範囲で足りるかを見直します。

危険物施設の安全管理

保護レベルIやIIを適用した場合に必要となる本数の増加を数値で示します。

よくある間違い・注意点

  • 突針を高くすれば保護角も広がると考える — 高さが増すほど保護角は小さくなり、半径の伸びは頭打ちになります。
  • 屋上の突出物を計算に入れない — 冷却塔やアンテナ支持柱は保護範囲から外れやすく、個別の検討が要ります。
  • 保護レベルの高さ制限を確認しない — レベルIでは20mを超えると保護角法が使えず、回転球体法での検討が必要です。
  • 面積を円の面積で割って本数を出す — 円では隙間が生じるため、内接する正方形で並べる考え方にしないと不足します。
  • 引下げ導線と接地を別問題として扱う — 受雷部だけを整えても電流を安全に大地へ流せなければ設備として機能しません。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

高さ20mの建物に5mの突針を立てると保護半径はいくつですか?

対象物の高さ1.5mとした場合、保護角77.7度で16.04mです。

保護レベルはどのように決めますか?

建物の用途と想定される被害の大きさから選びます。一般の建築物はIV、危険物を扱う施設はIやIIが適用されます。

回転球体法と保護角法は併用できますか?

併用が一般的です。低層部や小さな突出物を保護角法、高層部や側面を回転球体法で検討します。

突針の本数は面積だけで決められますか?

円の保護範囲には隙間ができるため、内接する正方形を並べる考え方で数えます。既定条件では2本です。

高さ20m以下の建物にも避雷設備は要りますか?

建築基準法では20mを超える建築物に設置が求められています。20m以下でも用途によっては任意で設ける例があります。

棟上導体と突針はどちらが有利ですか?

屋上が広く突出物が少ない場合は棟上導体、局所的に高い設備がある場合は突針が有利です。併用する例も多くあります。

保護角法が適用できない場合はどうしますか?

回転球体法かメッシュ法で検討します。高層建築では側面への落雷も想定する必要があります。

接地はどの程度の抵抗値が必要ですか?

避雷設備の接地は総合で10オーム以下を目安とする考え方が示されています。詳細は設計者の確認が必要です。