接地抵抗計算機|A種〜D種の判定基準と電気工事の安全確認
接地抵抗を計算・判定する無料電卓。 接地種別(A種・B種・C種・D種)を選択するだけで、 電気設備技術基準・電気設備の技術基準の解釈(電技解釈)第17条に定められた 最大許容抵抗値・用途・工事上の注意点を瞬時に確認できます。 第一種/第二種電気工事士の実務、 オフィス・工場・家庭の電気安全診断、 太陽光パネルや高圧設備の受電時チェックにご活用ください。 経済産業省が所管する国家基準に基づいた設計です。
接地抵抗ツール
接地する設備の種類を選択してください。 一般家庭の200V超以下ならD種、 工場・ビルの低圧幹線がC種、 変圧器の中性点接地がB種、 高圧・特高受電設備がA種になります。 不明な場合は電気管理技術者または電気工事士にご確認ください。
接地抵抗の基準と考え方
接地抵抗とは
接地抵抗は感電・火災防止のための重要基準です。 機器の外箱や配線から漏れた電流を大地に流し、 人体に流れる電流を最小限にする役割があります。 地中に埋設した接地電極から大地へ電流が流れる際の抵抗値で、 数値が小さいほど「素早く漏電を逃がせる」=安全です。 家庭用エアコン・洗濯機の本体接地はD種、 工場の高圧設備はA種と規模に応じて基準が変わります。
電技解釈第17条に基づく許容値
A種:≤ 10Ω(高圧・特別高圧、金属外箱)
B種:150 ÷ (地絡電流) Ω(中性点接地、負荷電流別)
C種:≤ 10Ω(300V超の低圧機器、金属体)
D種:≤ 100Ω(300V以下の一般家庭電気)
B種のみ計算式で、他は固定値です。 B種の分母となる「1線地絡電流」は変電所種別・線路長で変わり、 高圧側で1〜10A程度になることが多いため、実務ではB種=15Ω〜150Ω幅で決まります。
低減措置と例外
低圧電路に地絡遮断器(漏電ブレーカー)を設置すれば、 D種は500Ωまで、C種は500Ωまで許容緩和されます(動作時間0.5秒以内)。 一般家庭で分電盤に漏電ブレーカーが標準搭載されているのはこのためです。 古い建物で漏電ブレーカー未設置の場合はD種100Ω基準が厳格適用されます。
接地種別ごとの計算例と実務ポイント
ケース1:一般家庭のエアコン(D種)
200V エアコンの本体接地 → D種・100Ω以下が基本。 漏電ブレーカーがあれば500Ωまで緩和。 実測30Ωなら合格。 接地棒(φ14×1.5m)1本で通常100〜300Ω程度に収まります。
ケース2:工場の400V動力盤(C種)
400V三相モーターの金属フレーム接地 → C種・10Ω以下。 複数の接地棒を並列に打ち込むか、深さ2m以上の深埋設で対応。 土壌抵抗率が高い岩盤地帯では、化学系接地剤(GEM)を使うことも。
ケース3:高圧受電設備(A種)
6.6kVキュービクルの外箱接地 → A種・10Ω以下。 第一種電気工事士または電気主任技術者の管理下で施工。 年1回の定期点検で抵抗値を測定し、記録保管が義務。
ケース4:変圧器の中性点(B種)
柱上変圧器の中性点接地 → B種・計算式。 6.6kV配電線で1線地絡電流5Aなら、150÷5=30Ω以下。 電力会社が施工・管理するため一般ユーザーが触れることは稀です。
接地抵抗の測定方法
3電極法(電位降下法)
最も一般的な測定方法。 接地電極(E)から10m離れた位置に電流補助極(C)、 Eから5m離れた位置に電位補助極(P)を配置し、 E-C間に電流を流したときのE-P間電圧から抵抗を算出します。 接地抵抗計(クランプメーター型・アナログ型)で自動計測可能。
簡易2電極法
補助電極を打つスペースがない狭小地では、 既設の水道管・避雷針を補助極とする2電極法を使うことも。 精度は3電極法より劣りますが、家庭点検レベルなら十分。
クランプ式測定
最新のクランプ型接地抵抗計は、 接地線を挟むだけで測定できるため、電源を遮断せずに実施可能。 テナント入居中のオフィス点検に便利です。
よくある質問(FAQ)
接地抵抗の測定はどうやる?
接地抵抗計を使い、3電極法(電位降下法)で測定。 第二種電気工事士以上の資格が推奨されます。 測定機器はKEW(共立電気計器)やHIOKI等が主流で、 費用は3〜8万円程度。
値が基準を超えたら?
接地電極を追加、深く埋設し直すのが基本。 土壌抵抗率が高い場合は化学接地剤(GEM)を併用。 または漏電ブレーカーを追加設置して緩和条件を満たす手もあります。
点検頻度は?
年1回の定期点検が電気事業法上推奨。 高圧受電のあるビル・工場は自家用電気工作物として毎年義務。 家庭用は義務ではないが、10年に1回は測定推奨。
D種接地は自分で工事できる?
電気工事士資格が必要。 接地工事は電気工事士法上の「軽微な工事」に含まれず、 第二種電気工事士以上が必要。 無資格施工は違法です。
接地棒の材質は?
銅覆鋼棒(φ14×1.5m)が標準。 土壌への電気伝導性と耐腐食性を両立。 一本3,000〜8,000円程度で、 ホームセンターや電材商社で購入可能。
接地とアースは同じ?
ほぼ同義。 「アース(earth)」は英語圏、日本では「接地」が正式用語。 分電盤や機器の緑色線がアース線=接地線です。
接地抵抗を低くする方法は?
電極を深く・複数打つ・化学接地剤(GEM)使用。 連結型接地棒で3〜5m埋設すれば、単独棒の1/3程度まで下がることも。 土壌が乾燥している場合は水を撒くと一時的に下がります。
太陽光発電の接地は?
パネル金属フレームはD種接地必須。 パワーコンディショナーが400V超ならC種。 JIS C 8955およびJIS C 61508で規定されています。
参考情報(一次資料・公式データ)
- 経済産業省 電気設備技術基準 — 電技解釈第17条・接地工事の一次資料
- 電気技術者試験センター — 電気工事士試験の公式情報
- 日本電気協会 — 電気設備の技術基準の解釈
- 関東電気保安協会 — 電気設備定期点検の実務資料
- 日本電気技術者協会 — 実務者向け解説
- 日本産業標準調査会(JISC) — JIS C 0364-5-54(接地設備規格)