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給湯循環ポンプ放熱量保温

給湯循環ポンプの循環水量計算

給湯温度・許容温度差・配管延長・保温厚から、放熱量・必要循環水量・ポンプ揚程を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

給湯循環ポンプの循環水量計算ツール

保温配管の単位長さあたり放熱量は2π×熱伝導率×温度差÷ln(保温外径÷管外径)で求めます。既定値の25A(外径34mm)に保温20mmでは外径74mmとなり、2π×0.040×(60−20)÷ln(74÷34)=12.9W/m。延長120mで放熱量は1,551Wです。必要循環水量は放熱量÷(水の比熱4,186×許容温度差5)×60=4.45L/min、25Aの内径27.6mmでの流速は0.12m/s、摩擦損失は継手を含む相当長を2倍として1.97kPa。機器抵抗20kPaを加えた必要揚程は2.24mになります。

保温厚による放熱量の違い(25A・温度差40℃)

保温厚単位長さの放熱量延長120mの放熱量
保温なし約42.7 W/m約5,128 W
10mm約21.7 W/m約2,608 W
20mm約12.9 W/m約1,551 W
30mm約9.9 W/m約1,186 W

循環配管の設計の目安

項目一般的な目安
返湯の温度降下5〜10℃
循環管の流速0.1〜0.5 m/s
給湯温度55〜60℃
循環ポンプの揚程2〜6m

※参考計算です。材料の仕様・現場条件・適用される規準によって値は変わるため、製品資料と最新の規準で確認してください。

給湯循環ポンプの循環水量計算の詳しい解説

給湯の循環ポンプが必要になるのは、蛇口を開けるまでの待ち時間を減らすためです。配管内の湯は使われていない間も周囲へ熱を逃がし続けるため、放置すれば数十分で常温近くまで下がります。循環水量は、この放熱で失われる熱量を許容できる温度降下の範囲に収めるために必要な流量として決まります。放熱量が大きいほど、また許容する温度降下が小さいほど、必要な流量は増えます。

判断が分かれるのは許容温度差の設定です。差を小さくすれば末端の湯温が高く保たれますが、循環水量が増えて配管とポンプが大きくなり、放熱そのものも増えます。差を大きくすれば設備は小さくなる一方、末端で設定温度に届かず、湯待ち時間が伸びます。実務では5℃から10℃の範囲で、給湯栓の位置と使用のパターンを見ながら決めるのが一般的です。

見落とされやすいのは保温の効き方です。放熱量は保温厚に反比例するのではなく対数で効くため、保温なしから10mmにする効果は大きく、20mmから30mmに増やす効果は限られます。既定値の条件では保温20mmを30mmにしても放熱の減少は2割程度で、材料費と納まりを考えると割に合わないことがあります。一方で保温が途切れる継手やバルブ、支持金物の部分からの放熱は無視できず、全長の1割前後を占めることもあります。

条件による違いも重要です。給湯温度を下げると放熱は減りますが、レジオネラ属菌の増殖を抑える観点から貯湯温度と末端温度には管理の考え方が定められており、単純に下げることはできません。摩擦損失は流速の2乗で効くため、循環管を細くしすぎると揚程が急に増えます。逆に太くすると流速が落ちて空気が抜けにくくなります。実際のポンプ選定では、熱源機や貯湯槽、逆止弁の抵抗を加えた全体の抵抗で確認してください。

運用面では循環経路の分岐にも注意が要ります。複数の系統に分かれる建物では、抵抗の小さい経路にばかり湯が流れ、遠い系統の温度が下がる偏流が起きます。各系統に定流量弁や絞り弁を設けて配分を調整するのが一般的で、これを省くと全体の流量を増やしても末端の温度は上がりません。またポンプの吸込側に十分な圧力がないとキャビテーションが生じ、騒音と羽根車の損傷につながります。膨張タンクの位置と補給水の圧力を含めて、系統全体で確認してください。

業界・現場での使い方

給湯設備の基本設計

配管延長と保温仕様から循環水量を求め、ポンプの機種を選定します。

省エネ改修の効果検討

保温厚を上げた場合の放熱量の差を試算し、投資の判断材料にします。

湯待ち時間の改善

末端の温度降下から循環経路の見直しや流量の増加を検討します。

既存ポンプの見直し

現状の揚程と必要揚程を比較し、過大なポンプの更新を検討します。

よくある間違い・注意点

  • 放熱量を配管の長さだけで概算する — 保温厚と周囲温度で数倍変わるため、条件を含めた計算が必要です。
  • 許容温度差を大きく取りすぎる — 末端で設定温度に届かず、湯待ち時間が伸びて使用感が悪化します。
  • 継手やバルブの放熱を無視する — 保温が途切れる部分からの放熱は全体の1割前後を占めることがあります。
  • 循環管を細くして揚程を見誤る — 摩擦損失は流速の2乗で効くため、1サイズ細いだけで大きく増えます。
  • 衛生上の温度管理を考えずに給湯温度を下げる — 貯湯温度と末端温度には管理の考え方が定められており、省エネだけで決められません。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

25A・延長120mの循環水量はどれくらいですか?

給湯60℃・許容差5℃・保温20mmなら放熱1,551Wで約4.45L/minです。

返湯の温度降下は何℃で設計しますか?

5〜10℃が一般的な目安です。末端の使用状況に応じて決めます。

保温を厚くすればするほど効果がありますか?

対数で効くため厚くするほど効果は逓減します。20mmから30mmでは2割程度の減少にとどまります。

循環管の流速はどれくらいが適当ですか?

0.1〜0.5m/sが目安です。速すぎると騒音とエロージョン、遅すぎると空気が抜けにくくなります。

ポンプの揚程はこの値だけで決められますか?

熱源機や貯湯槽、弁類の抵抗を加えた全体で確認してください。本計算は配管と機器抵抗の概算です。

給湯温度を下げれば省エネになりますか?

放熱は減りますが、衛生上の温度管理の考え方があるため単独では判断できません。

周囲温度は何を入れればよいですか?

配管が通る空間の温度です。天井内やパイプシャフトは室温より高いことがあります。

循環ポンプを間欠運転してもよいですか?

省エネの手法として用いられますが、末端温度の低下と衛生管理への影響を確認する必要があります。