1RM 計算|挙上重量×回数から最大挙上重量を推定(Brzycki・Epley・Lombardi)
挙上重量と限界回数を入れるだけで、1RM(1回挙上できる最大重量)をBrzycki・Epley・Lombardi の3式で推定します。2RM〜15RMまでの目標重量、トレーニング強度別(65%・75%・80%・85%・90%)の設定重量、ベンチプレス/スクワット/デッドリフトの体重比早見(男女別)、初心者〜プロレベルまでの標準値まで自動計算。米国ストレングス&コンディショニング協会(NSCA)、国際パワーリフティング連盟(IPF)、日本パワーリフティング協会(JPA)、日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)の公式強度理論に基づき、5×5・3×5・PPL・Push-Pull・Upper-Lower等の定番プログラム設計まで支援する筋トレ・パワーリフティング・ボディビル向け完全無料ツールです。
1RM 計算ツール
1RM推定の3式と精度
Brzycki:1RM = 重量 ÷ (1.0278 − 0.0278 × 回数)
Epley:1RM = 重量 × (1 + 回数 ÷ 30)
Lombardi:1RM = 重量 × 回数^0.10
1RM(One Repetition Maximum)は正しいフォームで1回だけ挙上可能な最大重量のこと。筋力トレーニングの強度設定の基準となる値ですが、実測は怪我リスクが高いため、5RM〜10RM等の中重量挙上から推定式で算出するのが現代の主流です。
Brzycki式(Matt Brzycki, 1993)は5〜10回のレンジで精度が高く、米国のストレングストレーニング教科書の定番。Epley式(Boyd Epley, 1985)はネブラスカ大学スカルクラッシャーズ考案で、低レップ(1〜5)で精度が高い。Lombardi式(V. P. Lombardi, 1989)は高レップ(10回以上)で有効です。当ツールは3式を同時表示し、平均に近い「推定1RM」を算出します。3式の差は±5%程度で、実務上は誤差範囲内。
1RM推定の精度は1〜10回までが信頼性高いとNSCA(米国ストレングス&コンディショニング協会)ガイドラインで規定。12回以上になると乳酸蓄積・持久力要素が混ざり、純粋な筋力推定として精度が落ちます。
%1RM×レップ強度表(NSCA/ACSM準拠)
| %1RM | 目安レップ | 主目的 | セット数 | インターバル |
|---|---|---|---|---|
| 100% | 1 | 最大筋力測定 | 1-3 | 5分以上 |
| 95% | 2-3 | 最大筋力向上 | 3-5 | 3-5分 |
| 90% | 3-5 | 筋力向上 | 3-5 | 3-5分 |
| 85% | 5-7 | 筋力+筋肥大 | 3-5 | 2-3分 |
| 80% | 8-10 | 筋肥大 | 3-6 | 1-3分 |
| 75% | 10-12 | 筋肥大 | 3-6 | 1-3分 |
| 70% | 12-15 | 筋肥大+持久 | 3-6 | 1-2分 |
| 65% | 15-18 | 筋持久力 | 2-3 | 30-60秒 |
| 50-60% | 20以上 | 回復・技術習得 | 2-3 | 30秒 |
ベンチプレス 体重比早見表(成人男性)
米国パワーリフティング統計(Symmetric Strength)、国際パワーリフティング連盟(IPF)ランキング、日本パワーリフティング協会(JPA)データに基づく1RM/体重の目安です。
| レベル | 1RM/体重比 | 体重60kg | 体重70kg | 体重80kg | 体重90kg |
|---|---|---|---|---|---|
| 初心者(3ヶ月未満) | 0.5x | 30 kg | 35 kg | 40 kg | 45 kg |
| 初級(半年) | 0.75x | 45 kg | 53 kg | 60 kg | 68 kg |
| 中級(1〜2年) | 1.0x | 60 kg | 70 kg | 80 kg | 90 kg |
| 上級(3年以上) | 1.25x | 75 kg | 88 kg | 100 kg | 113 kg |
| エリート(競技者) | 1.5x | 90 kg | 105 kg | 120 kg | 135 kg |
| プロ・全国大会入賞 | 1.75x | 105 kg | 123 kg | 140 kg | 158 kg |
| 世界クラス | 2.0x以上 | 120 kg | 140 kg | 160 kg | 180 kg |
女性は男性の約60〜70%が同レベル目安。日本のジムでよく見る「体重×1倍のベンチプレス」は中級レベルの到達目標で、達成には1〜2年の継続的トレーニングが必要です。
スクワット 体重比早見表(成人男性)
| レベル | 1RM/体重比 | 体重60kg | 体重70kg | 体重80kg | 体重90kg |
|---|---|---|---|---|---|
| 初心者 | 0.75x | 45 kg | 53 kg | 60 kg | 68 kg |
| 初級 | 1.0x | 60 kg | 70 kg | 80 kg | 90 kg |
| 中級 | 1.5x | 90 kg | 105 kg | 120 kg | 135 kg |
| 上級 | 2.0x | 120 kg | 140 kg | 160 kg | 180 kg |
| エリート | 2.25x | 135 kg | 158 kg | 180 kg | 203 kg |
| プロ・全国大会入賞 | 2.5x | 150 kg | 175 kg | 200 kg | 225 kg |
| 世界クラス | 3.0x以上 | 180 kg | 210 kg | 240 kg | 270 kg |
デッドリフト 体重比早見表(成人男性)
| レベル | 1RM/体重比 | 体重60kg | 体重70kg | 体重80kg | 体重90kg |
|---|---|---|---|---|---|
| 初心者 | 1.0x | 60 kg | 70 kg | 80 kg | 90 kg |
| 初級 | 1.25x | 75 kg | 88 kg | 100 kg | 113 kg |
| 中級 | 1.75x | 105 kg | 123 kg | 140 kg | 158 kg |
| 上級 | 2.25x | 135 kg | 158 kg | 180 kg | 203 kg |
| エリート | 2.5x | 150 kg | 175 kg | 200 kg | 225 kg |
| プロ・全国大会入賞 | 2.75x | 165 kg | 193 kg | 220 kg | 248 kg |
| 世界クラス | 3.0x以上 | 180 kg | 210 kg | 240 kg | 270 kg |
パワーリフティング競技のトータルは「スクワット + ベンチ + デッド」で、日本記録・世界記録はIPF/JPA公式サイトで階級別に閲覧可能です。
定番プログラム別強度設計
| プログラム | 強度 | ボリューム | 頻度 | 対象 |
|---|---|---|---|---|
| StrongLifts 5×5 | 85% 1RM | 5×5 | 週3 | 初心者 |
| Starting Strength | 85% 1RM | 3×5 | 週3 | 初心者 |
| Wendler 5/3/1 | 65-95% | 3×5/3/1 | 週4 | 中級 |
| PPL(Push/Pull/Legs) | 70-85% | 3-4×8-12 | 週6 | 中級・肥大 |
| Upper/Lower Split | 70-85% | 3-4×6-12 | 週4 | 中級 |
| ドイツ式ボリューム(GVT) | 60% 1RM | 10×10 | 週3 | 肥大特化 |
| SmoLov(スクワット特化) | 70-95% | 4-5週プログラム | 週4 | 上級・PL |
| Sheiko(PL特化) | 70-90% | 高頻度・低RPE | 週3-4 | 上級・PL |
レベル別成長速度の目安
NSCAガイドラインおよびLyle McDonald(栄養学者)モデルによる、成人男性の1RM成長速度の目安です。
| レベル | 期間 | ベンチ月間増加 | スクワット月間増加 | デッド月間増加 |
|---|---|---|---|---|
| 初心者ゲイン | 0-6ヶ月 | +2-4 kg | +4-7 kg | +4-7 kg |
| 初級 | 6-18ヶ月 | +1-2 kg | +2-4 kg | +2-4 kg |
| 中級 | 1.5-3年 | +0.5-1 kg | +1-2 kg | +1-2 kg |
| 上級 | 3-5年 | +0.2 kg | +0.5 kg | +0.5 kg |
| エリート | 5年以上 | 年+2-5 kg | 年+5-10 kg | 年+5-10 kg |
プラトー(停滞)打開には、種目変更(バリエーション導入)、周期化(ピリオダイゼーション)、デロード週(強度75%への意図的減量)、栄養(増量期・減量期のサイクル)、睡眠改善が有効。トレーニング日誌(Strong、Hevy、StrengthLog等のアプリ)で数値管理するのがプロレベルへの近道です。
目的別の活用シーン
💪 パワーリフティング競技準備
JPA・IPF公認大会(全日本大会、ジャパンクラシック、世界選手権)参加準備。BIG3(スクワット・ベンチ・デッド)のトータル向上を軸に、100%〜105%の試技重量設定、シェイコ・スモロフ等の周期化プログラム設計。
🏆 ボディビル・フィジーク大会
日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)や新設団体の大会準備。筋肥大目的の70-85%×8-12レップ設計、部位別分割、増量期・減量期のカロリー計算と連動した強度管理。
🏈 スポーツ選手のパフォーマンス向上
野球・サッカー・ラグビー・格闘技等のオフシーズン筋力強化。競技特異的筋群(体幹・下肢・回旋筋)を優先、Verkhoshansky・Bondarchuk等の高度ピリオダイゼーション適用。
🎯 減量・体組成改善
カロリー赤字期の筋量維持のため、強度は下げず(70-85%)ボリュームを維持。筋量減を最小化する「ステイストロング原則」(NSCA提唱)で、1RMを維持または向上させながら体脂肪率を下げる。
👵 中高年・シニアの筋力維持
サルコペニア(加齢性筋減少症)予防。日本サルコペニア・フレイル学会の推奨は週2回×主要筋群、負荷は自己1RMの60-80%。デスクワーカーの腰痛予防、寝たきり予防にもエビデンス多数。
🧑⚕️ リハビリ・術後トレーニング
整形外科術後(膝ACL再建、腰椎手術、肩腱板修復等)の段階的復帰。理学療法士監修の下、自重→30%→50%→70%と段階的に1RMを上げていく。医療機関・スポーツクリニックでの実施が安全。
よくある勘違い・注意点
- 1RMを頻繁に実測 — 実測は神経系疲労と怪我リスクが高く、月1回以下、大会前のみが目安。5RM〜10RMの実測から推定する方が安全で精度も十分。上級者以外は推定値で十分です。
- 推定式を12回以上のレップで使う — 3式とも1〜10回レンジで精度が高く、12回以上では乳酸蓄積・持久力要素が混ざり、純粋な筋力推定として精度が落ちます。ハイレップは肥大目的として別評価を。
- フォームより重量優先 — 「ハーフスクワット×高重量」より「フルスクワット×適正重量」が圧倒的に効果的。可動域を確保できない重量は1RMとしてカウントしないのが競技標準(IPF公式規則ではdepth必須)。
- ウォームアップ不足 — 高強度セットの前は、自重→30%→50%→70%→85%と段階的なアップセットが必須。特にデッドリフトは腰椎への負荷が大きく、ウォームアップ不足で椎間板ヘルニアの主因に。
- 頻度過多・オーバートレーニング — 同じ筋群を毎日高強度で刺激すると回復が追いつかず、パフォーマンス低下・怪我・免疫低下。中級者以上は各筋群週2-3回が上限、48-72時間の回復期間を設定を。
- 栄養軽視 — 筋力向上には体重×1.6〜2.2gのタンパク質摂取が推奨(ISSN公式立場論文)。カロリー赤字下では1RMの伸びが半減、増量期には維持カロリー+300-500kcalが目安。
- プロテインだけで筋肥大 — サプリメントは補助的存在で、総摂取カロリー・PFCバランス・睡眠7-9時間が筋肥大の3大要素。プロテイン過信で他要素を軽視するのは典型的な初心者ミス。
参考文献・公的資料
1RM推定・トレーニング処方・競技規則に関する詳細は、以下の公的機関・専門団体の資料を参照してください。
- 米国ストレングス&コンディショニング協会(NSCA) ― Essentials of Strength Training and Conditioning。1RM推定式・強度理論・プログラム設計の教科書的一次資料。
- 米国スポーツ医学会(ACSM) ― ACSM's Guidelines for Exercise Testing and Prescription。運動強度処方の国際標準ガイドライン。
- 国際パワーリフティング連盟(IPF) ― 世界選手権・技術規則・世界記録・階級区分の公式データ。BIG3の競技標準。
- 一般社団法人 日本パワーリフティング協会(JPA) ― 国内パワーリフティング統括団体。全日本選手権、日本記録、階級別ランキング。
- 公益社団法人 日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF) ― ボディビル・フィジーク大会統括団体。日本選手権、階級別優勝者情報、選手登録。
- 公益社団法人 日本ハンドボール協会 ― 他競技のS&Cプログラム参考。
- 国立スポーツ科学センター(JISS) ― トップアスリート科学サポート、S&Cプログラム開発、バイオメカニクス研究。
- 公益財団法人 日本スポーツ協会 ― 公認アスレティックトレーナー・スポーツドクター資格、指導者育成。
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」 ― 週2回以上の筋力トレーニング推奨、成人・高齢者向け運動指針。
- 日本サルコペニア・フレイル学会 ― 加齢性筋減少症予防、中高年の筋力トレーニング処方に関する診療ガイドライン。
よくある質問(FAQ)
1RMを実測すべき?推定で良い?
初心者・中級者は推定値で十分です。実測は神経系疲労と怪我リスクが高く、フォーム崩れの原因にも。上級者の競技用以外は5RM〜10RMの実測から3式で推定するのが安全かつ精度も十分。パワーリフティング競技者でも1RM実測は月1回・大会2週間前程度が定石です。
Brzycki・Epley・Lombardi、どれが最も正確?
レップ数で使い分けるのが正解。1〜5回ならEpley、5〜10回ならBrzycki、10回以上ならLombardiが比較的精度が高いとされます。3式の差は±5%程度で実務上は誤差範囲内。当ツールは3式を同時表示し、平均に近い「推定1RM」を採用しています。
1RMの体重比目安は?(BIG3)
ベンチプレス:男性体重×1.0が中級、×1.5で上級、×2.0でエリート。スクワット:×1.5中級、×2.0上級、×2.5エリート。デッドリフト:×1.75中級、×2.25上級、×2.75プロ級。女性は男性の約60〜70%が同レベル目安。IPF世界記録レベルは体重比2〜3倍超で、遺伝的要素と長年のトレーニングの結晶です。
5×5 や 3×5 のプログラムはどう組む?
StrongLifts 5×5は1RMの85%を5回×5セット、Starting Strengthの3×5は1RMの85%を5回×3セット。両者とも週3回で毎回2.5kg増量する初心者向け線形進行プログラム。月20-30kgペースで1RMが伸び、6〜9ヶ月で初心者ゲインを最大化できます。
1RMはどのくらいの期間で伸びる?
初心者は2〜3か月で20%増(初心者ゲイン)、中級者は半年で5〜10%、上級者は年5%以下と急激に鈍化します。プラトー打開には種目変更・周期化・デロード週・栄養調整(増量期)が有効。エリートレベルでは年+2-5kg伸びれば大健闘です。
筋肥大と筋力、どちらのプログラムがいい?
目的次第。筋力優先なら85-95%×3-5レップ×5セット、筋肥大優先なら70-80%×8-12レップ×3-4セット。両者は連動し、筋肥大→筋断面積増→潜在筋力向上、筋力向上→高重量扱える→筋肥大促進、と相互作用します。中級者以上は両方を周期化(線形/波状/ブロック)するのが定石です。
プロテインはどれくらい必要?
国際スポーツ栄養学会(ISSN)公式立場論文では、筋力・筋肥大目的の場合体重×1.6〜2.2g/日のタンパク質摂取を推奨。体重70kgなら112-154g/日で、通常の食事+プロテイン30-60gで達成可能。過剰摂取(3g以上)は腎臓への負担があり非推奨です。
週何回・何時間のトレーニングが最適?
初心者は週3回×45-60分(全身分割)、中級者は週4-5回×60-75分(Upper/Lower or PPL分割)、上級者・パワーリフターは週4-6回×90-120分。同じ筋群の頻度は週2-3回が上限で、48-72時間の回復時間を設定するのがNSCA標準です。
デロード週は必要?
中級者以上は4〜6週サイクルで1週間のデロード(強度70-75%に落とす期間)を推奨。神経系回復、関節・腱の炎症軽減、精神的リフレッシュにより、再開後の1RM伸びが加速します。上級パワーリフターは大会前の意図的デロードでピーキングを図ります。
怪我をしないためのフォーム原則は?
ベンチプレス:肩甲骨内転固定、足を床に踏ん張る、バーは胸中央(乳頭ライン)。スクワット:膝爪先方向、背中反り、太腿平行以下まで下ろす。デッドリフト:背中中立、バーは体に密着、ヒップヒンジ。初心者は必ずNSCA-CPT/JATI-ATI等のトレーナー指導を受けてから開始してください。
ステロイド・SARM等の薬物利用は?
絶対に非推奨。パワーリフティング・ボディビル競技ではWADA・IPF・JPA・JBBFで禁止薬物指定、検出時は永久追放・法的処分の対象です。健康被害(心血管・肝機能・生殖機能障害)も深刻で、日本国内では医師処方以外の使用は薬機法違反。ナチュラルトレーニングでも十分なリターンが得られます。
女性でも同じ計算式で良い?
Yes、計算式は男女共通です。ただし体重比の絶対値は男性の約60〜70%が同レベル目安。女性のパワーリフティング日本記録・世界記録も存在し、女性エリートはベンチ×1.0倍、スクワット×1.5倍、デッド×2.0倍が到達目標。骨盤幅・筋肉分布の違いで種目適性が男性と異なる場合があります。