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親の年金で介護費が賄えるか

年金の月額・介護費・医療費・生活費・貯蓄額から、月の不足額と貯蓄が尽きる年数を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

親の年金で介護費が賄えるかツール

月の支出は介護費+医療費+生活費で110,000+15,000+80,000=205,000円です。年金140,000円を差し引いた205,000−140,000=65,000円が月の不足額で、年間では780,000円になります。このうち子が50%を補填すると32,500円で、2人なら1人16,250円。残る32,500円を貯蓄から取り崩すと年390,000円のため、600万円の貯蓄は15.4年持つ計算です。年金でまかなえる割合は140,000÷205,000=68.29%です。

公的年金の月額の目安

受給の形月額の目安
老齢基礎年金(満額に近い単身)60,000〜68,000円
厚生年金(平均的な会社員だった単身)140,000〜160,000円
厚生年金+基礎年金の夫婦世帯200,000〜230,000円
自営業だった夫婦世帯110,000〜130,000円

要介護度別の在宅介護費の目安(1割負担)

要介護度サービス費の自己負担その他を含む月額
要介護110,000〜17,000円50,000〜80,000円
要介護213,000〜20,000円60,000〜90,000円
要介護320,000〜27,000円80,000〜120,000円
要介護528,000〜36,000円100,000〜160,000円

※参考計算です。介護保険の給付率・支給限度基準額・地域単価は改定されるため、市区町村の窓口や担当のケアマネジャーに最新の内容を確認してください。

親の年金で介護費が賄えるかの詳しい解説

親の年金で介護費が賄えるかを見るとき、介護サービスの自己負担だけを見ると判断を誤ります。実際には食費や光熱費といった生活費が従来どおりかかり、そこに医療費とおむつや日用品の実費が上乗せされます。既定値のように在宅で要介護3程度の状態になると月の支出は20万円を超え、平均的な厚生年金の受給額では3割前後が不足します。不足の主因は介護費そのものより、生活費との合計が年金を超える点にあります。

判断が分かれるのは、貯蓄をどのペースで取り崩すかです。子が補填する割合を増やせば親の貯蓄は長く持ちますが、子の世帯の教育費や住宅ローンと競合します。逆に貯蓄を早く使えば、施設入所が必要になった段階で選択肢が狭まります。施設は在宅より月額が上がるのが一般的なため、在宅の期間に貯蓄を使い切らない設計が要ります。何年後にどの状態を想定するかを先に置くと、取り崩しの上限が決まります。

見落とされやすいのが負担軽減の制度です。高額介護サービス費は所得に応じた上限を超えた自己負担が払い戻され、高額医療・高額介護合算療養費は年間での合算に上限を設けています。施設利用時の食費と居住費には負担限度額認定があり、住民税非課税世帯では大きく下がります。これらを申請していないと、本来より数万円多く払い続けることになります。世帯分離の可否も含めて窓口で確認する価値があります。

収入の側にも見落としがあります。障害者控除の対象者認定を受けられれば所得税と住民税が下がり、住民税非課税となれば介護保険の負担段階も下がって連鎖的に負担が軽くなります。年金以外に企業年金や個人年金、家賃収入がある場合はそれらも充当できる原資です。逆に、医療保険の入院給付金のような不定期の収入を毎月の計算に入れると見通しを誤ります。定期的に入るものと一時的なものを分けて集計すると、不足額の精度が上がります。

条件による違いも大きく、持ち家か賃貸かで生活費の水準が変わります。賃貸なら家賃が固定で乗り、持ち家でも固定資産税と修繕費がかかります。医療費は入退院の有無で年ごとに大きく振れるため、平均で置くと想定を外します。親の預金を子が管理する場合は使途の記録を残しておくと、相続の際の説明が容易になります。税や相続の扱いは事情によって異なるため、専門家に相談してください。

業界・現場での使い方

ファイナンシャルプランナーの相談

親世帯の収支から取り崩しのペースを示し、施設移行の時期を検討します。

ケアマネジャーの計画作成

支払える月額の上限を把握し、サービスの組み方を調整します。

地域包括支援センターの相談

負担軽減制度の未申請を洗い出し、実質の負担を下げます。

家族間の話し合い

子の補填額と貯蓄の持続年数を共有し、分担の合意を作ります。

よくある間違い・注意点

  • 介護サービスの自己負担だけを見る — 生活費と医療費が従来どおりかかるため、合計で見ないと不足額を見誤ります。
  • 高額介護サービス費などを申請しない — 所得に応じた上限を超えた分が払い戻される制度で、申請しないと戻りません。
  • 在宅の期間に貯蓄を使い切る — 施設入所は月額が上がるのが一般的で、原資がないと選択肢が狭まります。
  • 医療費を平均だけで置く — 入院があると年ごとに大きく振れるため、余裕を持った見込みが必要です。
  • 親の預金の使途を記録しない — 相続の際に説明が求められることがあり、記録がないと争いの原因になります。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

年金14万円で介護費11万円なら足りますか?

医療費と生活費を含めた支出は205,000円で、月65,000円が不足します。年金でまかなえるのは68.29%です。

貯蓄600万円はどのくらい持ちますか?

子が半分を補填する前提なら月32,500円の取り崩しで15.4年です。補填がなければ約7.7年になります。

高額介護サービス費とは何ですか?

1か月の自己負担が所得区分ごとの上限を超えた場合に、超過分が払い戻される仕組みです。

施設に移ると費用はどう変わりますか?

在宅より月額が上がるのが一般的です。特別養護老人ホームでも食費と居住費を含めて月10万円前後からになります。

世帯分離をすると負担は下がりますか?

住民税の課税状況が変われば負担限度額認定などの区分が変わる場合があります。要件は市区町村に確認してください。

子が支払った介護費は控除の対象になりますか?

生計を一にしていれば医療費控除の対象になる支出があります。詳細は税務署や税理士に確認してください。

親の預金から支払ってよいですか?

本人のための支出であれば問題になりにくい一方、記録がないと相続時に説明が難しくなります。

不足が続く場合の手段はありますか?

サービスの見直し、住まいの変更、自治体の助成の活用などがあります。生活が困難な場合は生活保護の相談窓口もあります。