計算ツール
お金年金老後資金

厚生年金受給額シミュレーター|繰上・繰下・加給年金・生涯受給額まで対応した完全版【2026年版】

加入期間・平均標準報酬月額・賞与から、老齢厚生年金と老齢基礎年金の月額・年額を精密計算し、平均寿命までの生涯受給額と、60〜75歳の間で選べる繰上げ・繰下げ受給の損益分岐年齢まで一気に試算します。加給年金(配偶者・子)、専業主婦(第3号被保険者)、共働き世帯の合算、在職老齢年金による支給停止まで反映した2026年最新版の無料シミュレーター。

最終更新:2026年8月14日/監修:計算ツールズ編集部

厚生年金受給額シミュレーター

大卒22歳、高卒18歳が目安。年金分割・転職期間は加入年齢に反映。
最大70歳(厚生年金の加入上限)。65歳を超えても被用者なら継続加入可。
下限8.8万円、上限65万円。50万円超えの月給でも標準報酬は65万円で頭打ち。
年3回以内で受給する賞与。1回150万円が標準賞与額の上限。
厚生年金期間中は自動で国民年金にも加入扱い。ここには自営期間や任意加入期間のみを追加。
60〜64歳は繰上げ(月0.4%減額)、66〜75歳は繰下げ(月0.7%増額)。75歳受給で最大+84%。
65歳未満の配偶者を扶養している場合、加給年金 約40万円/年が加算(本人が65歳から配偶者が65歳になるまで)。
日本人平均寿命:男性81歳・女性87歳(厚労省2024年簡易生命表)。長寿シナリオは95〜100歳で試算推奨。

年金額の計算プロセス(内訳フロー)

厚生年金 加入月数
×平均標準報酬額(月額換算)
×報酬比例乗率 5.481/1000
=老齢厚生年金(報酬比例部分・年額)
+老齢基礎年金 = 816,000×納付月/480
+加給年金(該当時)
×繰上/繰下調整率
=年金 年額(合計)

受給開始年齢別 年金額比較

受給開始調整率月額年額85歳までの累計

結果の見方

厚生年金は「老齢基礎年金(1階部分)+老齢厚生年金(2階部分)」の2階建て。以下の4指標が老後キャッシュフローの中心になります。

  • 月額年金 合計:老齢基礎+老齢厚生+加給年金の合計を12で割った金額。この額で毎月の生活費が回るかが老後設計の基本。65歳夫婦の総務省家計調査平均消費支出は約28万円/月。
  • 老齢基礎年金:40年(480月)完全納付で満額816,000円/年(68,000円/月)。1月未納で1,700円/年ずつ減額。厚生年金加入期間中は自動で第2号として国民年金にも加入。
  • 老齢厚生年金:報酬比例部分。平均標準報酬額×5.481/1000×加入月数で概算。年収600万円で40年加入なら月10万円級。
  • 生涯受給額:想定寿命までの合計。65歳受給・85歳寿命なら20年分の合計。繰下げ受給は「長生きするほど有利」で、82歳前後が損益分岐点。

計算の仕組みと数式

老齢基礎年金(2026年度)

老齢基礎年金 = 816,000円 × 保険料納付月数 / 480月

20〜60歳の40年間(480月)を全期間納付すると満額。1年未納で20,400円/年、10年未納で204,000円/年の減額。厚生年金加入期間・第3号被保険者期間も納付済月数に含めます。

老齢厚生年金(報酬比例部分)

 平成15年4月以降:平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数
 平成15年3月以前:平均標準報酬月額 × 7.125/1000 × 加入月数

2003年4月から総報酬制(月給+賞与)に切り替わり、乗率が下がりました。当ツールでは平成15年4月以降の乗率5.481/1000を全期間に適用する簡易計算を採用(実際は入社時期により両方式のブレンド)。

平均標準報酬額(総報酬制ベース)

平均標準報酬額 = (標準報酬月額の総計 + 標準賞与額の総計) / 加入月数

標準報酬月額は8.8万円〜65万円の32等級、標準賞与額は1回150万円が上限。年収900万円の人(月75万・賞与150万×2=年900万)でも、標準報酬月額は65万で頭打ちのため厚生年金保険料も年金額も上限に達しています。

繰上げ・繰下げの調整率

 繰上げ(60〜64歳):本来受給額 × (1 − 0.004 × 繰上げ月数) ※最大24%減額
 繰下げ(66〜75歳):本来受給額 × (1 + 0.007 × 繰下げ月数) ※最大84%増額

1962年4月2日以降生まれは繰上げ月0.4%、それ以前は月0.5%。繰下げは全世代月0.7%。65歳を1として、60歳繰上げなら0.76倍、70歳繰下げで1.42倍、75歳繰下げで1.84倍。

繰上げ・繰下げ受給の損益分岐

基本ルール

受給開始調整率本来100万円の場合の年額65歳受給と交差する年齢
60歳(繰上げ最大)76%76万円80歳11か月
62歳85.6%85.6万円81歳3か月
65歳(本来)100%100万円
66歳(繰下げ最小)108.4%108.4万円77歳11か月
70歳142%142万円81歳11か月
75歳(繰下げ最大)184%184万円86歳11か月

「長生きするほど繰下げが得」の実態は、受給開始から11〜12年で本来受給額を超えるという設計。70歳受給なら81歳11か月、75歳受給なら86歳11か月が損益分岐で、平均寿命(男性81歳・女性87歳)付近と一致するよう設計されています。健康状態・遺族への遺し方(繰上げは減額後の遺族厚生年金)を含めた総合判断を推奨。

繰上げ受給の3つのデメリット

  • 減額は一生続く:一度繰上げると65歳到達で戻ることはなく、生涯減額が確定。長寿リスクに弱い。
  • 障害年金・寡婦年金が使えない:繰上げ後に障害を負っても障害基礎年金は原則請求不可。
  • 国民年金の任意加入ができない:60歳以降の任意加入で満額に近づける道が閉ざされる。

ケーススタディ:加入パターン別の年金額

① 標準会社員:22-60歳加入・平均標準報酬30万円・65歳受給

大卒22歳入社・60歳退職の38年加入。 が月額。生涯受給額は約4,000万円台。老齢基礎年金と合わせて「モデル年金」に近い水準。

② 大企業長期勤続:22-65歳加入・平均標準報酬40万円・65歳受給

43年加入・高賃金モデル。。老齢厚生年金の上乗せが大きく、単身でも生活水準を維持しやすい。企業年金と合わせれば月30万円級も。

③ 繰下げ活用:22-65歳加入・平均30万円・70歳繰下げ受給

65-70歳を貯蓄・iDeCo・企業型DCで繋いで70歳から受給。。85歳まで生きれば累計で65歳受給を約200万円上回る。長寿リスクヘッジとして有効。

④ 繰上げ受給:22-60歳加入・平均30万円・62歳繰上げ受給

早期退職+年金の一部前倒し。。減額率14.4%が生涯続くため、75歳以降は65歳受給を下回る。生活費補填の緊急手段として。

⑤ 専業主婦モデル:第3号被保険者のみ38年・65歳受給

結婚後に主に第3号被保険者として国民年金だけ40年に近い加入。。老齢厚生年金なしで基礎年金のみのため月額は約6.5万円。世帯合算での老後設計が必須。

加給年金と振替加算

加給年金 = 厚生年金の「家族手当」

厚生年金加入期間20年以上の本人が65歳になったとき、65歳未満の配偶者(または18歳到達年度末までの子)がいると加算される制度。年額約40万円(配偶者特別加算含む)で、配偶者が65歳になるまで支給されます。

振替加算 = 配偶者が65歳到達後の引継ぎ

配偶者が65歳になり自身の老齢基礎年金を受給し始めると、加給年金は打ち切られ、代わりに配偶者の老齢基礎年金に「振替加算」が上乗せされます(金額は世代によって異なり、1966年4月2日以降生まれはゼロ)。1966年4月2日以降生まれの配偶者は振替加算なしのため、加給年金の恩恵は本人65歳〜配偶者65歳の間だけとなります。

加給年金の年齢差別の効果

本人65歳時点の配偶者年齢加給年金受給期間受給総額目安
58歳(7歳差)約7年約280万円
60歳(5歳差)約5年約200万円
63歳(2歳差)約2年約80万円
65歳(同い年)0年(対象外)

年下配偶者ほど加給年金の受給期間が長くなる仕組み。ただし配偶者に厚生年金加入期間20年以上ある場合や、一定以上の老齢厚生年金を受給している場合は支給停止。

在職老齢年金と繰下げ受給の関係

65歳以降も厚生年金に加入して働く場合、「基本月額(老齢厚生年金÷12)+総報酬月額相当額」が50万円(2026年度)を超えると、超過分の1/2が支給停止(在職老齢年金)。65歳前の特別支給を含む在職支給停止基準は年度改定で緩和が進んでいます。

繰下げ待機中の在職

繰下げ受給の待機期間中に厚生年金に加入して働き続けても、繰下げ増額率は本来支給される部分のみにかかり、在職支給停止相当額には増額が反映されません。高収入で65歳以降も働き続ける管理職・経営者は「繰下げ効果が想定より小さい」ことに注意。2022年改正で在職定時改定が導入され、毎年10月に前年の在職期間を反映して年金額が改定される仕組みになりました。

⚠ 本ツールは老齢年金の概算です。障害年金・遺族年金・特別支給の老齢厚生年金・過去の平均給与再評価率・厚生年金基金の代行部分・企業年金は反映していません。正確な受給額は日本年金機構「ねんきんネット」で確認してください。

よくある質問(FAQ)

厚生年金は将来もらえないと言われていますが本当ですか?

「もらえない」ではなく「額が減る」+「受給開始年齢が上がる」方向で調整されるのが現実的なシナリオ。マクロ経済スライドで賃金・物価上昇時に年金給付を実質的に抑制する仕組みが2005年から導入されており、所得代替率は現役世代手取りの現行約61.7%から2050年頃には約50%程度への低下が見込まれます(財政検証)。それでも「制度崩壊で0円」はなく、受給額の70-80%は確保される前提で老後設計するのが妥当。

年金は何歳から受給するのが得ですか?

健康で長生きする自信があるなら繰下げ(70歳・75歳)、健康不安・早期退職で生活費補填が必要なら繰上げ(60〜64歳)。65歳受給を基準に、70歳繰下げなら81歳11か月、75歳繰下げなら86歳11か月が損益分岐点。日本人男性平均寿命81歳・女性87歳を考えると、女性は70歳繰下げの期待値がプラス、男性は65歳受給が中央値、繰下げは長寿家系の場合にのみ検討すべきです。

老齢基礎年金の満額はいくらですか?

2026年度は年816,000円(月68,000円)。20〜60歳の40年(480月)を完全納付した場合の金額です。1年未納で年20,400円減額(480→468月で816,000×468/480=795,600円)。厚生年金加入期間・第3号被保険者期間・国民年金納付期間の合計で計算するため、途中で自営業→会社員→自営業と変わっても合算されます。10年(120月)未満だと受給資格自体を失う(旧25年→2017年から10年に短縮)。

専業主婦(第3号被保険者)の年金額はいくらですか?

第3号被保険者期間中は国民年金保険料の負担なしで、老齢基礎年金の納付月数にカウントされます。第3号を継続20年+独身時20年で満額なら年816,000円/月68,000円。夫の厚生年金と合算した「モデル年金世帯」で夫婦月約22万円が現行水準。2025年の年金制度改革で第3号制度の廃止・縮小が議論されており、将来的にはパート勤務での厚生年金加入が広がる見込み。

加給年金はいくらもらえますか?

厚生年金加入20年以上の本人が65歳になった時点で、65歳未満の配偶者がいれば年約40万円(配偶者特別加算含む)が本人の年金に加算されます。配偶者が65歳に到達した時点で終了。7歳年下の妻がいれば約7年間で総額約280万円、同い年なら0円と、年齢差の影響が大きい。配偶者自身が厚生年金加入20年以上で受給予定の場合は支給停止のケースあり。

iDeCoと厚生年金は併用できますか?

併用可能。iDeCoは公的年金の「3階部分」として設計されており、会社員なら月2.3万円(企業型DCなしの場合)、公務員は月2万円、専業主婦は月2.3万円まで拠出可能。拠出金は全額所得控除、運用益非課税、受取時も退職所得控除・公的年金等控除で優遇。年金+iDeCoで「公的+私的」の2階+3階を組み上げるのが2020年代の標準戦略。2025年から加入年齢が70歳まで拡大予定。

年金保険料はいくら払いますか?

厚生年金保険料率は18.3%で固定(2017年9月以降)。労使折半のため本人負担は9.15%。月給30万円なら本人負担月2.7万円、月給50万円なら4.6万円。国民年金保険料は月17,510円(2026年度)で全額本人負担。会社員は「厚生年金保険料=国民年金分+厚生年金分」がまとめて天引きされる仕組み。

離婚したときの年金分割はどうなりますか?

婚姻期間中の厚生年金記録を、離婚時に最大1/2ずつに分割できる制度(合意分割・3号分割)。分割対象は報酬比例部分(老齢厚生年金)のみで、老齢基礎年金は分割対象外。専業主婦(第3号)期間は3号分割で自動的に1/2に。会社員同士の共働きは合意分割で協議か調停・審判で分割割合を決めます。分割請求期限は離婚から2年以内。

65歳以降も働いたら年金は減りますか?

65歳以降も厚生年金に加入して働く場合、「基本月額+総報酬月額相当額」が50万円(2026年度基準)を超えると超過分の1/2が支給停止。月給35万+年金15万=月50万ならセーフ、月給40万+年金15万=55万なら5万円の1/2=2.5万円が停止。老齢基礎年金は在職老齢年金の対象外なので満額受給できます。基準額は毎年見直され、緩和方向で改定される傾向。

年金はいつ振り込まれますか?

偶数月の15日(土日祝日の場合は前営業日)に、前々月・前月の2か月分がまとめて振り込まれます。例:6月15日は4月・5月分。初回振込のみ奇数月にずれ込むケースあり。年6回振込のため月単位のキャッシュフローを管理しづらく、隔月ペースの家計管理が必要。「ねんきんネット」で振込予定日と金額を事前確認できます。

出典・参考資料

※本記事の計算結果はあくまで概算です。実際の受給額は個別の被保険者記録・過去の平均給与再評価率・特別支給の有無・厚生年金基金代行部分・在職老齢年金の停止額等により異なります。正確な受給見込額は日本年金機構「ねんきんネット」・年金事務所でご確認ください。