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退職金税額シミュレーター 勤続年数別完全版|役員退職金・企業年金一時金・iDeCo重複対応【2026年】

退職金額と勤続年数を入力すると、退職所得控除・課税退職所得(1/2課税)・所得税・住民税・手取り・実効税率を精密計算します。役員退職金の1/2課税適用除外(勤続5年以下)、確定給付企業年金(DB)の一時金選択、iDeCoとの同年受給重複、障害退職の特例まで反映。「勤続20年の壁」「1/2課税の役員特例」など、通常のシミュレーターが見落としがちな論点も全網羅した2026年最新版です。

最終更新:2026年8月14日/監修:計算ツールズ編集部

退職金税額シミュレーター 完全版

最大10億円まで対応。半角数字で入力。役員退職金・企業年金一時金も含めた合計額。
1年未満は1年切上げ。会社別に通算不可(別法人での勤続は原則リセット)。
役員として在任した期間。5年以下の役員は1/2課税が適用されない特例あり。
役員退職慰労金がある場合、上記の役員在任年数と併せて特例判定します。
iDeCo一時金、確定給付企業年金(DB)の一時金選択、他企業からの退職金など、同じ年に受給する退職所得の合計額をここに入力すると、退職金と合算して退職所得を計算します。
障害による退職の場合、退職所得控除に100万円加算されます。

計算プロセス(内訳)

退職金額(他退職所得含む)
退職所得控除(勤続年数連動)
控除後金額
×1/2(役員かつ勤続5年以下は不適用)
課税退職所得金額
所得税+復興特別所得税
住民税(10%)
税金合計
手取り=退職金−税金合計

税額内訳

項目金額備考

結果の見方

退職金は「退職所得控除」「1/2課税」「分離課税(他所得と合算しない)」の三重の優遇があり、給与所得と比べて税負担が大幅に軽く設計されています。

  • 退職所得控除:勤続年数に応じて算出。20年以下=40万×年数(最低80万)、20年超=800万+70万×(年数−20)。勤続30年で1500万、38年で2060万、40年で2200万。
  • 1/2課税:控除後の金額を半分にしてから税率適用。所得税率33%ゾーンでも実質16.5%課税の効果。
  • 分離課税:他の給与所得と合算しない。退職金2000万を受け取っても給与所得部分の税率は変わらない。
  • 役員特例:役員として勤続5年以下の場合、控除後の1/2適用がなくなり全額課税。「駆け込み役員就任」による節税を防ぐ制度。

計算の仕組みと数式

退職所得控除

 勤続20年以下:退職所得控除 = 40万円 × 勤続年数(最低80万円)
 勤続20年超:退職所得控除 = 800万円 + 70万円 × (勤続年数 − 20)
 障害退職の場合:上記 + 100万円

課税退職所得金額

 課税退職所得金額 = (退職金額 − 退職所得控除) × 1/2
 ※役員等勤続年数5年以下の場合:その期間に対応する部分は1/2適用なし
 ※役員等以外で勤続5年以下(短期退職手当等):控除後300万円までは×1/2、超過分は×1

所得税・住民税

 所得税 = 課税退職所得 × 所得税率 − 控除額(速算表) × 1.021(復興税)
 住民税 = 課税退職所得 × 10%

所得税速算表(退職所得にも適用)

課税退職所得税率控除額
195万円以下5%
195万円超 330万円以下10%9.75万円
330万円超 695万円以下20%42.75万円
695万円超 900万円以下23%63.6万円
900万円超 1,800万円以下33%153.6万円
1,800万円超 4,000万円以下40%279.6万円
4,000万円超45%479.6万円

退職所得控除の勤続年数早見表

勤続年数控除額1/2課税による最大控除相当
5年200万円400万円
10年400万円800万円
15年600万円1,200万円
20年800万円1,600万円
25年1,150万円2,300万円
30年1,500万円3,000万円
35年1,850万円3,700万円
38年2,060万円4,120万円
40年2,200万円4,400万円

「1/2課税による最大控除相当」は退職金がこの金額以下なら実質税額0円となる目安。例:勤続30年なら3000万円以下は税率ゼロゾーンに収まりやすい。ただし1/2後の金額が195万円を超えると所得税10%〜が発生します。

ケーススタディ:勤続年数別・退職金額別

① 勤続10年・退職金500万

若年層の転職シーンに多いパターン。 が手取り。退職所得控除400万で控除後100万→1/2で50万円が課税所得。所得税+住民税合計で数万円程度、実効税率は1〜2%。

② 勤続20年・退職金1,500万

中堅の一つのマイルストーン。。退職所得控除800万→控除後700万→1/2で350万が課税所得。所得税約27万+住民税35万で合計約62万円の税金。

③ 勤続30年・退職金2,500万

大企業の平均的な定年退職。。退職所得控除1500万→控除後1000万→1/2で500万が課税所得。所得税約58万+住民税50万で合計約108万円の税金。手取り率は約96%。

④ 勤続38年・退職金3,500万

新卒入社→60歳定年の典型。。退職所得控除2060万→控除後1440万→1/2で720万が課税所得。所得税約104万+住民税72万で合計約176万円。手取り率約95%。

⑤ 役員退職金5,000万(役員在任10年)

役員退職慰労金の典型パターン。。勤続10年すべてが役員在任のケース。退職所得控除400万→控除後4600万→1/2で2300万が課税所得(役員10年超なので1/2適用)。所得税約654万+住民税230万で合計約884万円の税金、手取り率約82%。

役員退職金の特例

役員勤続5年以下:1/2課税適用除外

2013年税制改正で導入された制度。役員として在任した期間が5年以下の場合、退職所得の1/2課税が適用されず、控除後の金額がまるごと課税所得となります。「駆け込み役員就任」で1/2課税優遇を得る節税策を封じるための制度。

ケース役員在任年数1/2課税備考
従業員→役員(役員10年)10年適用あり通常の役員退職金扱い
従業員→役員(役員3年)3年適用なし役員退職金部分は全額課税
兼務役員→役員(合計3年)3年適用なし役員在任期間で判定
短期役員(税制改正後)5年以下適用なし2013年改正で対象拡大

特定役員退職手当等と短期退職手当等の違い

特定役員退職手当等は役員等勤続年数が5年以下の場合で、控除後の金額に1/2課税の適用が一切ありません(300万円の枠はありません)。一方、短期退職手当等は役員等以外で勤続年数が5年以下の場合で、控除後300万円までは通常どおり1/2課税、300万円を超える部分だけが1/2適用なしとなります(令和4年分以降)。同じ「5年以下」でも役員かどうかで扱いが変わる点にご注意ください。

従業員部分と役員部分の分離

「従業員として20年→役員として3年」で退職する場合、退職金を「従業員部分(20年分)」と「役員部分(3年分)」に按分し、役員部分のみ1/2課税適用除外。従業員部分は通常通り1/2課税+退職所得控除フル活用が可能です。実務では会社の退職金規程で按分方法が定められています。

受取り方の最適化

① iDeCo・DBとの同年受給は避ける(5年ルール)

会社の退職金・iDeCo一時金・DB一時金を同年に受給すると、退職所得控除は最も長い勤続年数(重複期間分は差し引かれる)で計算されます。iDeCoは60歳、退職金は65歳のように5年以上空けて受給すれば、それぞれで退職所得控除を独立に使えます(2026年改正でiDeCo→退職金は19年ルールに厳格化予定)。

② 一時金 vs 年金の選択

企業年金(DB・DC・iDeCo)は「一時金」「年金」「併用」から選べる場合が多い。退職所得控除枠が余っているなら一時金(税率ほぼゼロで受給可)、退職所得控除枠を超える場合は年金(公的年金等控除で分散課税)が有利。当ツールで両方試算して比較を。

③ 「退職所得の受給に関する申告書」を必ず提出

退職金受給時に「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出することで、退職所得控除・1/2課税が源泉徴収時から適用されます。提出忘れると一律20.42%の源泉徴収となり、確定申告で還付する二度手間に。退職前に必ず確認しましょう。

④ 退職翌年の住民税に注意

住民税は「前年所得ベースで翌年課税」の後払い方式。退職して収入がなくなった翌年に、前年給与分の住民税が請求されます。退職金の住民税とは別。目安として給与年収の10%が翌年6月〜翌々年5月に分割請求されるため、退職金は住民税相当分を残しておくのが定石。

⚠ 本ツールは国税庁の速算表に基づく概算です。役員退職金の特例、DB・iDeCoとの重複判定は個別事情で数百万円級の税額差が出ます。実際の退職前には税理士・社労士に個別相談を推奨します。特に退職金が3000万円超・役員退職金・iDeCo同年受給のいずれかに該当する場合は必須です。

よくある質問(FAQ)

退職金にはいくら税金がかかりますか?

退職金は3段階の優遇があり、給与所得と比べて税負担が大幅に軽い。目安として勤続30年・退職金2500万なら税金は約100万円(手取り率96%)、勤続20年・退職金1500万なら約60万円(手取り率96%)。退職金額が退職所得控除内に収まれば実質税額0円のケースも多いです(勤続20年で800万以下、勤続30年で1500万以下等)。当ツールで正確に計算できます。

iDeCoの一時金と退職金を同時受給するとどうなりますか?

退職所得控除は最も長い勤続年数(重複期間分は差引)で計算されます。例:会社勤続30年(控除1500万)+iDeCo拠出20年で同年受給→控除は勤続30年ベースの1500万のみ適用。iDeCo単独受給なら別途800万の控除枠が使えたはずが、同年受給で失われます。iDeCoを60歳、退職金を65歳と5年以上空けて受給すれば、両方で独立して控除枠を使えます(2026年改正で厳格化予定)。

役員退職金の1/2課税適用除外とは何ですか?

役員として在任した期間が5年以下の場合、退職所得の1/2課税が適用されない特例。「駆け込み役員就任」による節税封じの制度です。例:勤続20年(うち役員5年以下)で退職金3000万→役員部分の按分金額は1/2適用除外で全額課税、従業員部分は通常通り1/2課税。役員5年超なら通常の1/2課税が適用されます。役員に昇格するタイミングは税額に大きく影響するため、税理士相談が定石。

退職所得の申告書は提出しないとどうなりますか?

提出しないと退職所得控除・1/2課税が源泉徴収時に適用されず、一律20.42%の源泉徴収が発生。退職金2000万なら約408万円が源泉徴収され、確定申告で還付を受ける二度手間になります。「退職所得の受給に関する申告書」は退職前に会社の人事部に必ず確認して提出しましょう。ほとんどの会社は事務手続きで自動提出しますが、転職の際に前職の退職金がある場合は要注意。

勤続年数の計算は入社日〜退職日で1年未満は切上げですか?

その通り。入社日から退職日まで、1年未満の端数は切上げ。例:2001年4月1日入社→2026年3月31日退職は25年、2026年4月1日退職なら26年としてカウント。休職期間も原則含まれます。1日違いで控除額が40万〜70万円変わるため、退職日の設定は税額を大きく左右します。可能なら年度末(3月末)ではなく4月1日以降の退職が有利です。

転職して複数の会社から退職金を受給する場合はどうなりますか?

会社ごとの退職金はそれぞれの勤続年数で退職所得控除を計算できます。ただし同年に複数受給する場合は、合算して勤続年数の重複を排除した最長勤続年数で計算。退職年をずらせば控除枠を独立化可能。転職時に前職の退職金を受け取っている場合、勤続年数の重複判定に注意(前職の退職金受給から何年空いたかで扱いが変わります)。

退職金は所得税・住民税以外に社会保険料はかかりますか?

かかりません。退職金は社会保険料の算定基礎に含まれないため、健康保険料・厚生年金保険料の負担なし。ただし退職翌年からは国民健康保険料・国民年金保険料(60歳未満なら)の自己負担が発生します。国民健康保険料は前年所得ベースで計算されるため、退職金分は影響しませんが給与所得分が影響します。任意継続被保険者制度(2年間)を活用するのが定石。

退職金は分離課税なので確定申告不要ですか?

「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば源泉徴収で完結し、原則確定申告不要。ただし①医療費控除・ふるさと納税等で還付を受けたい、②年の途中で退職して年末調整未実施、③複数の退職金を受給、④iDeCo一時金がある場合は確定申告推奨。特に「退職所得控除が使いきれず所得税で還付可能」なケースは要確認。

退職金の平均額はいくらですか?

厚生労働省「就労条件総合調査(2023年)」によると、大卒定年退職者の平均退職金は約1,896万円(大企業約2,564万円・中小企業約1,092万円)、高卒定年退職者は約1,682万円。近年は退職金制度自体が縮小傾向で、確定給付企業年金→確定拠出年金(企業型DC)への移行が進行中。退職金なし・企業年金のみの会社も増加しています。

2026年度税制改正で退職金税制はどう変わりますか?

大きな変更点は「iDeCo→退職金の非重複期間ルールが5年→19年に厳格化」予定(未確定・2026年後半以降適用の議論中)。従来は「iDeCoを60歳一時金、退職金を65歳一時金」で退職所得控除を独立確保できましたが、改正後は「iDeCoを60歳、退職金を79歳」といった超長期の分割が必要に。実質的に多くのケースで独立確保が困難となり、iDeCoは年金受給に切替が推奨されるようになる見通しです。

出典・参考資料

※本記事の計算結果はあくまで概算です。実際の税額は勤続年数の計算方法・役員在任期間・企業年金の種類・障害退職判定などにより異なります。個別の税務判断は税務署または税理士にご相談ください。