計算ツール
お金年金遺族

遺族年金シミュレーター|遺族基礎・遺族厚生・中高齢寡婦加算・家族構成別の30年推移まで対応の完全版【2026年】

大黒柱の死亡時に遺族が受給できる遺族年金を、死亡者の年金加入区分(国民年金/厚生年金)、加入期間、標準報酬月額、遺族構成(配偶者・子人数・子年齢)で精密計算します。遺族基礎年金(816,000+子加算234,800)、遺族厚生年金(報酬比例×3/4、300月みなし)、中高齢寡婦加算612,000円、経過的寡婦加算までカバー。子独立に伴う受給額の変動、配偶者65歳以降の老齢年金との切替まで30年推移表で可視化する2026年最新版。

最終更新:2026年8月14日/監修:計算ツールズ編集部

遺族年金シミュレーター

厚生年金加入中の死亡なら遺族厚生+遺族基礎、国民年金のみなら遺族基礎のみ受給。
300月(25年)未満は300月みなしで計算(在職中死亡の場合)。25年経過後の老後死亡は実期間で算定。
加入期間の平均標準報酬月額(賞与含む再評価後)。上限65万円、下限9.8万円。
妻は年齢制限なし。夫は妻死亡時に55歳以上で60歳から受給(55歳未満は不可)。
配偶者の現在年齢。中高齢寡婦加算(40〜64歳)・65歳以降の老齢切替の判定に使用。
18歳到達年度末(3月31日)まで対象。1・2人目 各234,800円、3人目以降 各78,300円が遺族基礎年金に加算。4人目以降は下の年齢欄で最も若い子と同じ年齢とみなします。
入力した年齢の子は人数に反映されます(空欄はその子がいない扱い)。18歳到達年度末までの年数を推移表に反映。障害児は20歳到達まで加算対象。
遺族年金の生計維持要件:受給時850万円以下(または年間所得655.5万円以下)が要件。

計算プロセス(内訳フロー)

遺族基礎年金 本体(816,000円)
子加算(第1・2子×234,800/第3子以降×78,300)
=遺族基礎年金 小計
遺族厚生年金 報酬比例部分 × 3/4
中高齢寡婦加算(40〜64歳・612,000円)
遺族厚生年金 小計
遺族年金 総額(年額)

30年推移表(家族構成変化に応じた年金額変動)

年後配偶者年齢18歳未満の子遺族基礎遺族厚生加算年額合計

結果の見方

遺族年金は「死亡者がどの年金に加入していたか」「子の有無・年齢」「配偶者の年齢」で受給内容が大きく変わる、時間軸を持った動的な制度です。18歳未満の子がいる間は遺族基礎年金が受給できますが、末子が18歳到達年度末を過ぎると遺族基礎年金は終了し、遺族厚生年金+中高齢寡婦加算のみに。さらに65歳以降は自分の老齢年金と併給調整、というライフステージ変化を必ず追ってください。

  • 遺族基礎年金:816,000円+子加算(1・2人目各234,800円、3人目以降各78,300円)。18歳到達年度末までの子がいる配偶者・子のみ受給。子のいない配偶者は受給不可。
  • 遺族厚生年金:死亡者の老齢厚生年金の報酬比例部分×3/4。厚生年金加入中の死亡なら300月みなし(在職中に25年に満たない若年死亡でも300月として計算)。妻は年齢制限なし、夫は55歳以上で60歳から受給。
  • 中高齢寡婦加算:40〜64歳の妻に年612,000円。「子が18歳到達年度末を過ぎて遺族基礎年金が終了した妻」への保障。65歳到達時に経過的寡婦加算へ切替(一部)。
  • 65歳以降の切替:自分の老齢基礎年金+老齢厚生年金と遺族厚生年金の組合わせで最も有利な受給パターンを選択。中高齢寡婦加算は消滅し経過的寡婦加算に変わる。

計算の仕組みと数式

遺族基礎年金

 遺族基礎年金 = 816,000円 + 子加算
 子加算:第1・2子 各234,800円/第3子以降 各78,300円

2026年度は物価・賃金スライド調整後の年金額。「18歳到達年度末までの子」「20歳未満の障害等級1・2級の子」が対象。配偶者が受給する場合は「配偶者+子」、配偶者不在時は「子のみ」で受給。子だけの場合は「816,000+2人目以降の加算」に配分。

遺族厚生年金 報酬比例部分

 遺族厚生年金 = 平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数 × 3/4
 (加入月数が300月未満の在職中死亡は300月みなし)

老齢厚生年金の報酬比例部分×3/4が原則。「短期要件」(在職中死亡・障害等級1級2級の受給権者死亡)と「長期要件」(老齢厚生年金受給者・受給資格期間25年以上の死亡)で計算方法が微妙に異なり、短期要件の方が300月みなしで手厚くなります。

中高齢寡婦加算

 中高齢寡婦加算 = 612,000円/年(40〜64歳の妻)
 適用条件:夫死亡時に40歳以上65歳未満、または40歳到達時に遺族基礎年金の子加算対象の子ありで、その後子が18歳到達年度末を過ぎた妻

65歳到達で自分の老齢基礎年金受給開始と同時に消滅。1956年(昭和31年)4月1日以前生まれの妻には65歳以降経過的寡婦加算(生年月日により逓減)が支給される救済措置あり。

妻死亡時の遺族厚生年金(夫の受給)

妻死亡時、夫は55歳以上でないと遺族厚生年金の受給権が発生せず、しかも60歳到達までは支給停止(子あり例外あり)。妻死亡時40代の夫は受給できない厳しい仕組み。2014年改正で30代・40代の夫にも受給資格が拡大される議論はあるものの、現在も年齢制限は残存しています。

遺族年金の受給パターン早見

死亡者の加入子ありの配偶者子なしの配偶者子のみ
厚生年金遺族基礎+遺族厚生+子加算遺族厚生のみ(+中高齢寡婦加算 妻40〜64歳)遺族基礎+遺族厚生(子で分割)
国民年金のみ遺族基礎+子加算受給なし(寡婦年金・死亡一時金の代替あり)遺族基礎(子で分割)

中高齢寡婦加算・経過的寡婦加算の詳細

中高齢寡婦加算(40〜64歳)

子のいない妻または子が18歳到達年度末を超えた妻は遺族基礎年金がなくなるため、これを補う目的で年612,000円(月51,000円相当)が加算されます。適用条件は次のいずれか:

  • 夫死亡時に妻が40歳以上65歳未満で、遺族基礎年金を受給していない(子なしまたは子18歳超)
  • 夫死亡時に妻が40歳未満でも、40歳到達時に遺族基礎年金の子加算対象の子ありで、その後子が18歳到達年度末を超えて遺族基礎年金の受給権を失った妻

経過的寡婦加算(65歳以降)

65歳到達で自分の老齢基礎年金受給開始→中高齢寡婦加算は消滅。ただし1956年4月1日以前生まれの妻は、自分の老齢基礎年金が現行制度より低くなるため、その差額を補う経過的寡婦加算が生涯支給されます。金額は生年月日により逓減:1927年4月生まれ以前は約610,000円、1956年4月1日生まれで約20,000円。1956年4月2日以降生まれは適用なし。

寡婦加算のライフステージ推移

妻の年齢・状態受給内容
子あり(18歳未満)遺族基礎年金+遺族厚生年金+子加算
子独立後・40〜64歳遺族厚生年金+中高齢寡婦加算612,000円
65歳到達(1956年4月2日以降生まれ)老齢基礎年金+老齢厚生年金 or 遺族厚生年金の有利選択
65歳到達(1956年4月1日以前生まれ)老齢基礎年金+経過的寡婦加算+老齢厚生年金 or 遺族厚生年金

ケーススタディ:家族構成別の受給額

① 会社員夫死亡:妻40歳+子2人(8歳・5歳)/平均報酬35万円・加入15年

40代前半の典型的核家族の大黒柱死亡。 が当初年額。遺族基礎816,000+子加算469,600+遺族厚生(300月みなし)約431,629で合計約172万円/年。末子18歳になるまで13年間、その後は中高齢寡婦加算に切替。

② 自営業夫死亡:妻35歳+子1人(3歳)

個人事業主で国民年金のみ加入。 が年額。遺族基礎816,000+子加算234,800で合計約105万円/年。厚生年金がないため遺族厚生年金・中高齢寡婦加算いずれも受給不可。民間保険での補完が必須。

③ 共働き妻死亡:夫55歳+子2人(15歳・12歳)/妻の平均報酬30万円・加入20年

共働き世帯で妻死亡。夫は55歳以上で受給資格あり。 が年額。遺族基礎816,000+子加算469,600+遺族厚生(300月みなし)約369,968で合計約165万円/年。夫が60歳になるまで一部支給停止(子ありは支給継続)。

④ 配偶者のみ40代:妻45歳・子なし(既独立)/夫加入25年・平均報酬40万円

子どもが独立済みの40代夫婦の夫死亡。 が年額。遺族基礎年金なし、遺族厚生約493,290+中高齢寡婦加算612,000で合計約110万円/年。65歳で老齢年金開始まで20年間受給。

⑤ 老齢受給中夫死亡:妻65歳・夫は平均標準報酬38万円で40年(480月)加入

年金生活中の夫死亡ケース。 が遺族厚生年金の年額です。長期要件で夫の老齢厚生年金(報酬比例部分)の3/4が支給されます。妻はこれに自分の老齢基礎年金(満額816,000円)を合わせて受給しますが、妻自身に老齢厚生年金がある場合はさらに複雑な併給調整が発生します。

子独立と65歳切替の30年推移

遺族年金の最大の特徴は「時間経過で受給額が段階的に変わる」こと。特に子どもが18歳到達年度末を超えて遺族基礎年金が終了する瞬間と、配偶者が65歳到達で老齢年金と切替わる瞬間は年額が数十万円単位で変動します。以下が典型的な推移パターンです。

ステージ1:子ども育成期(0〜18年)

遺族基礎年金+遺族厚生年金+子加算のフル受給。妻40歳・子2人(8歳・5歳)で年額約170万円。末子が18歳到達年度末を超えるまで13年間。

ステージ2:子独立後〜妻65歳(14年目〜25年目)

遺族基礎年金消滅、遺族厚生年金+中高齢寡婦加算のみに。年額約103万円(遺族厚生約43万+中高齢寡婦加算約61万)まで減額。妻の就労収入や貯蓄で不足を補う必要あり。

ステージ3:妻65歳以降

中高齢寡婦加算消滅→自分の老齢基礎年金約80万円+遺族厚生年金(または自分の老齢厚生年金の有利選択)に切替。老後の生活基盤として遺族厚生年金が終身で継続する重要な柱。

遺族年金だけでは18歳到達後の生活が厳しい水準になるため、就労収入・生命保険(収入保障保険)・遺族の資格取得・住宅ローン残債整理(団信)を組合わせた総合的な遺族生活設計が必須です。特に子ども独立と大学入学が重なる時期の学費リスク(教育資金1人1,000万円級)は要注意。

申請手続きと注意点

受給の要件

  1. 死亡者要件:国民年金または厚生年金の被保険者・受給権者・受給資格期間25年以上の者の死亡
  2. 保険料納付要件:死亡日の前々月までに、保険料納付済期間+免除期間が加入期間の2/3以上。または直近1年間に未納なし(65歳未満の特例)
  3. 生計維持要件:受給者が死亡者に生計を維持されていた(受給時年収850万円以下または年間所得655.5万円以下)
  4. 続柄・年齢要件:配偶者(妻年齢制限なし・夫55歳以上)、18歳到達年度末までの子、55歳以上の父母・孫・祖父母(優先順位あり)

必要書類

  • 年金請求書(日本年金機構所定様式)
  • 死亡診断書・死体検案書のコピー
  • 戸籍謄本(死亡日・続柄・婚姻関係の確認)
  • 住民票(世帯全員・除票)
  • 受給者の所得証明書(生計維持要件確認)
  • 年金手帳・基礎年金番号通知書(死亡者・受給者両方)

時効と請求期限

遺族年金の時効は死亡日の翌日から5年。5年を過ぎると請求できません。ただし過去5年分は遡って請求可能なので、忘れていても5年以内に気づけば全額請求できます。年金機構への請求手続きは、亡くなった方の住所地の年金事務所または街角の年金相談センターへ。

寡婦年金・死亡一時金(国民年金の代替)

国民年金のみ加入の自営業夫が死亡し、子がなく遺族基礎年金が受給できない妻には、以下の代替制度あり:

  • 寡婦年金:夫が第1号被保険者として保険料納付済期間・免除期間合計10年以上、婚姻10年以上の場合、妻60〜64歳の間、夫の老齢基礎年金額×3/4を支給
  • 死亡一時金:第1号被保険者として3年以上保険料納付、遺族基礎年金・寡婦年金を受給しない遺族に、120,000〜320,000円を一時金支給
⚠ 本ツールは2026年度の年金額に基づく概算です。実際の年金額は年金額改定・生計維持要件・長期要件と短期要件の判定・65歳以降の老齢年金との併給調整で変動します。個別具体的な受給可否・申請は社会保険労務士・日本年金機構にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

遺族年金は誰でも受給できますか?

受給できるのは死亡者に生計を維持されていた遺族で、続柄と優先順位が決まっています。遺族基礎年金:配偶者(子ありのみ)と18歳到達年度末までの子。遺族厚生年金:配偶者(妻年齢制限なし・夫55歳以上)>子>父母>孫>祖父母の優先順位で受給。生計維持要件は「受給時年収850万円以下または年間所得655.5万円以下」。事実婚(内縁)配偶者も一定の条件下で受給可能ですが、戸籍上の配偶者不在が要件です。

子どものいない妻は遺族年金を受給できますか?

厚生年金加入中の夫死亡なら受給できます。遺族厚生年金のみ受給(遺族基礎年金は子ありのみのため対象外)。妻40歳以上なら中高齢寡婦加算 年612,000円も加算。妻40歳未満だと中高齢寡婦加算はなく、遺族厚生年金のみで年30〜50万円級のケースも。国民年金のみ加入の夫死亡+子なしの場合は、遺族基礎年金も遺族厚生年金も受給不可で、寡婦年金・死亡一時金の代替制度のみとなります。

夫が死亡した場合と妻が死亡した場合で違いはありますか?

大きく違います。妻の受給(夫死亡):年齢制限なく受給、中高齢寡婦加算も対象。夫の受給(妻死亡):夫が55歳以上でないと受給権が発生せず、しかも60歳到達まで支給停止(子ありの場合は支給継続)。中高齢寡婦加算も夫には適用なし。この男女差は制度上の課題として長年議論されており、共働き世帯で妻が主たる稼ぎ手のケースでは民間保険での補完が特に重要です。

遺族年金は非課税ですか?

はい、遺族年金は所得税・住民税ともに非課税(所得税法第9条第1項第3号)。障害年金と同じく、いくら受給しても税金がかからず全額手取り。ただし国民健康保険料の算定基礎には含まれる自治体があるため、国保料に影響するケースは要確認。老齢年金は課税対象(雑所得・公的年金等控除の枠外は課税)なので、65歳以降の老齢年金と遺族年金の選択受給では、税負担後の手取りベースで判断してください。

働きながら遺族年金は受給できますか?

可能です。遺族年金には所得制限がなく(一定条件は受給開始時のみ判定)、就労していても受給できます。ただし受給開始時の年収850万円以上(または所得655.5万円以上)だと生計維持要件を満たさないため受給不可。逆に受給開始時に850万円以下なら、その後年収が増えても遺族年金は継続支給されます。就労と遺族年金の合算で、遺族基礎年金がある家庭は年収300〜500万円級の家計になるケースが多いです。

再婚したら遺族年金はどうなりますか?

受給権が消滅します。遺族年金の受給者が再婚(事実婚含む)した場合、その時点で受給資格を失い年金支給停止。ただし遺族基礎年金の子加算対象の子は、母(父)の再婚があっても養子縁組しない限り受給を継続できます(受給権者が子に変わる)。生活基盤の再構築による再婚が経済的にマイナスにならないよう、新配偶者との合算年収・年金比較・住居費見直しを総合判断してください。

遺族年金と自分の老齢年金は両方もらえますか?

65歳以降は組合わせ受給が可能です。原則「1人1年金」ですが、65歳以降は特例として「自分の老齢基礎年金+遺族厚生年金」または「自分の老齢基礎年金+自分の老齢厚生年金+遺族厚生年金の差額」の有利な方を選択できます。共働きで自分も厚生年金加入してきた妻は、自分の老齢厚生年金と遺族厚生年金の合計が高い方に自動選択。厚生年金加入歴があるほど遺族年金がフル受給できないケースも多く、事前試算が有効です。

子どもだけが遺族年金を受給する場合はどうなりますか?

配偶者が既に死亡している、または配偶者が再婚等で受給権を失った場合、子のみが受給します。遺族基礎年金:816,000円+2人目以降の子加算(1人目相当は本体に含む)を子で均等配分。遺族厚生年金:報酬比例部分×3/4を子で均等配分。18歳到達年度末(障害児は20歳)で終了。子2人が受給し1人が18歳到達で終了すると、以降は残った子1人が全額受給する形になります。

離婚した元配偶者は遺族年金を受給できますか?

できません。遺族年金は死亡時に法律上の配偶者・生計維持関係にある遺族のみが受給。離婚した元配偶者は受給権なし。ただし、離婚時の年金分割(合意分割・3号分割)により自分の老齢厚生年金として元配偶者の厚生年金記録の一部を将来受給できる可能性はあり。離婚後2年以内に年金分割を請求することが実務上のポイントです。

遺族年金の請求は誰に相談すればいいですか?

3つの窓口があります。①亡くなった方の住所地の年金事務所(もしくは街角の年金相談センター)で無料相談可能。予約制が推奨。②市区町村の国民年金担当窓口(第1号被保険者の遺族基礎年金のみ)。③社会保険労務士(有料相談。複雑な事案や請求代行に)。急ぐケースでは葬儀後1〜2週間以内に年金事務所に電話予約するのが実務的。必要書類の準備で戸籍謄本・住民票・死亡診断書コピーを揃える時間も見込んでください。

出典・参考資料

※本記事の年金額は2026年度価格に基づく概算です。実際の受給額は年金額改定・生計維持要件・長期要件と短期要件の判定・65歳以降の老齢年金との併給調整・寡婦年金/死亡一時金の代替支給等で変動します。個別具体的な受給可否・申請は社会保険労務士・日本年金機構にご相談ください。