障害年金シミュレーター|1級2級3級・障害基礎・障害厚生・子加算・配偶者加給まで対応の完全版【2026年】
障害を負って働けなくなった際に受給できる障害年金の年額を、障害等級(1級・2級・3級)、初診日の年金加入区分(国民年金/厚生年金)、加入期間、標準報酬月額、配偶者・子(18歳未満)の有無で精密計算します。障害基礎年金(1級 1,020,000円/2級 816,000円)、障害厚生年金(1級=報酬比例×1.25+配偶者加給/2級=報酬比例+加給/3級=最低保障612,000円)、事後重症・障害手当金までカバー。生涯受給見込みまで可視化する2026年最新版。
障害年金シミュレーター
計算プロセス(内訳フロー)
等級別・年金別の受給額対比
| 受給パターン | 障害基礎 | 障害厚生 | 加算合計 | 年額合計 |
|---|
結果の見方
障害年金は「初診日にどの年金制度に加入していたか」と「認定された障害等級」の組合わせで受給内容が根本的に変わります。会社員(厚生年金加入中)が発病して障害となった場合は「障害基礎年金+障害厚生年金」の二階建てで手厚く受給できますが、自営業や無職期間(国民年金のみ加入)に発病すると障害基礎年金だけになる大きな差があります。
- 障害基礎年金:1級1,020,000円/年、2級816,000円/年(2026年度)。国民年金の被保険者・元被保険者が受給。子加算は「1・2人目各234,800円/3人目以降各78,300円」。
- 障害厚生年金:厚生年金加入中の初診日に対して支給。報酬比例部分=標準報酬月額×5.481/1000×加入月数(300月未満は300月みなし)が基本。1級は×1.25、2級は×1.0、3級は報酬比例のみで最低保障612,000円。
- 子加算・配偶者加給:18歳到達年度末までの子(障害児は20歳)は障害基礎に加算、65歳未満の配偶者は障害厚生1・2級に加給。両者とも生計維持関係が要件。
- 生涯見込み:受給開始年齢×受給見込期間で単純積算。実際は障害状態の変動・所得制限・65歳到達での老齢年金選択で変動します。
計算の仕組みと数式
障害基礎年金
1級:816,000 × 1.25 = 1,020,000円/年 + 子加算
2級:816,000円/年 + 子加算
子加算:1・2人目 各234,800円/3人目以降 各78,300円
2026年度は物価・賃金スライド調整後の年金額。老齢基礎年金の満額(816,000円)と同額をベースに、1級は1.25倍、2級は等倍で支給。3級は障害基礎年金にはなく、障害厚生年金のみの制度。
障害厚生年金 報酬比例部分
報酬比例年金 = 平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数
(加入月数が300月未満の場合は300月として計算=厚生年金の優遇措置)
厚生年金の加入期間が300月(25年)に満たない若年発症者でも、300月加入したものとして計算する「300月みなし」が最大のポイント。20代で加入直後に障害を負っても、25年加入と同等の報酬比例部分が保障されます。平均標準報酬額30万円で300月ちょうどなら、報酬比例部分は約493,290円(30万×5.481/1000×300)。
等級係数と配偶者加給
1級:報酬比例部分 × 1.25 + 配偶者加給 234,800円
2級:報酬比例部分 × 1.0 + 配偶者加給 234,800円
3級:報酬比例部分 × 1.0(最低保障 612,000円)※配偶者加給なし
3級の最低保障
3級は障害厚生年金のみで、報酬比例部分が612,000円を下回る場合は最低保障612,000円が適用。平均標準報酬額が低い若年層でも一定額が保障される仕組み。
加入区分別の受給パターン
| 初診日の加入 | 1級 | 2級 | 3級 |
|---|---|---|---|
| 厚生年金 | 障害基礎1級+障害厚生1級+配偶者加給 | 障害基礎2級+障害厚生2級+配偶者加給 | 障害厚生3級のみ(最低保障あり) |
| 国民年金 | 障害基礎1級のみ | 障害基礎2級のみ | 受給なし(3級は厚生のみ) |
| 20歳前傷病 | 障害基礎1級(所得制限あり) | 障害基礎2級(所得制限あり) | 受給なし |
障害等級の判定基準(概要)
障害等級は「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」により、身体機能・精神機能・日常生活能力・労働能力の観点から総合判定されます。
1級(最重度)
- 身体機能の障害または長期の安静を必要とする病状で、他人の介助を受けなければほとんど自分の用が弁じられない程度
- 両上肢の機能の著しい障害/両下肢の機能の著しい障害
- 体幹の機能に座っていることができない程度の障害
- 精神の障害で日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度
2級(中等度)
- 身体機能の障害または長期の安静を必要とする病状で、日常生活が著しい制限を受ける程度
- 両眼の視力の和が0.05以上0.08以下
- 一上肢の機能に著しい障害
- 精神の障害で日常生活が著しい制限を受ける程度
3級(軽度)※障害厚生年金のみ
- 労働が著しい制限を受けるか、または労働に著しい制限を加えることを必要とする程度
- 両眼の視力が0.1以下
- 一上肢の3大関節中2関節の用を廃した
- 精神・神経系統に労働に制限を加えることを必要とする程度の障害
ケーススタディ:立場別の受給額
① 会社員1級:厚生年金加入10年・平均報酬30万円・子2人・配偶者あり
30代でうつ病により重度障害となり退職。— が年額。障害基礎1級1,020,000+子加算469,600+障害厚生報酬比例約616,613+配偶者加給234,800で合計約234万円/年。300月みなしと配偶者加給・子加算の合わせ技で手厚い保障。
② 自営業2級:国民年金加入20年・子なし配偶者なし
個人事業主が心筋梗塞後の後遺症で2級認定。— が年額。障害基礎2級816,000円のみで月額約68,000円。自営業は障害厚生年金がないため、国民年金基金・小規模企業共済・民間保険での補完が必須。
③ 会社員3級:厚生年金加入15年・平均報酬40万円
労働は可能だが著しく制限。— が年額。障害厚生年金3級のみで報酬比例約986,580円(30万×5.481/1000×300月)。最低保障612,000円を超えるため報酬比例額が適用。月額約82,000円。
④ 専業主婦1級:国民年金第3号被保険者・子1人
子育て中の専業主婦が事故で重度障害。— が年額。障害基礎1級1,020,000+子加算234,800で合計約125万円/年。専業主婦は障害厚生年金がなく、国民年金のみが受給対象。
⑤ パート主婦2級:厚生年金加入5年・平均報酬15万円・配偶者あり
パートで厚生年金加入し発症。— が年額。障害基礎2級816,000+障害厚生(300月みなし)約246,645+配偶者加給234,800で合計約130万円/年。短期加入でも300月みなしで報酬比例額が確保される。
事後重症・障害手当金・併給調整
事後重症による障害年金
障害認定日(初診日から1年6ヶ月経過日)に等級に該当しなかったが、その後症状が悪化して等級に該当した場合、65歳になる前日までに請求すれば受給できます。事後重症の請求は「請求月の翌月分から」の支給開始で、遡及請求ができない点に注意。
初診日から5年以上経過している場合の遡及請求
障害認定日時点で等級に該当していたが請求が遅れた場合、最大5年分遡って一時金として受給可能(時効5年)。診断書は現時点と障害認定日時点の両方が必要で、認定日時点のカルテが病院で処分されていると証明困難になるため早期請求が重要。
障害手当金(厚生年金のみ)
3級より軽い障害でも、傷病治癒後に一定の障害が残った場合、一時金として障害手当金が支給されます。金額は報酬比例部分の2年分(最低保障1,224,000円=612,000×2)。年金ではなく一括支給のため請求機会は治癒後1回のみ。
他制度との併給調整
| 他制度 | 併給の可否 | 調整方法 |
|---|---|---|
| 労災(休業補償・障害補償) | 可 | 労災側で減額調整(障害年金優先) |
| 老齢年金(65歳以降) | 選択 | 1人1年金原則。有利な方を選択 |
| 遺族年金 | 選択 | 1人1年金原則。65歳以降は組合わせ可 |
| 健康保険 傷病手当金 | 調整 | 障害厚生年金+障害基礎年金の合計日額を超える部分のみ傷病手当金支給 |
| 雇用保険 基本手当 | 可 | 就労可能な場合に限り雇用保険受給可 |
| 自賠責・任意保険(第三者行為) | 可 | 年金の一部を保険会社が最大3年間立替 |
申請手続きと注意点
受給の3要件
- 初診日要件:初診日に国民年金または厚生年金に加入していたこと。20歳前傷病は例外的に受給可。
- 保険料納付要件:初診日の前々月までに、保険料納付済期間+免除期間が加入期間の2/3以上。または直近1年間に未納なし(特例)。
- 障害状態要件:障害認定日または65歳到達までに、政令で定める障害等級に該当。
必要書類
- 年金請求書(日本年金機構所定様式)
- 診断書(障害の種類に応じた様式8種類)
- 受診状況等証明書(初診病院で作成、初診日証明用)
- 病歴・就労状況等申立書(自筆記述)
- 戸籍謄本・住民票(家族状況証明)
- 年金手帳・基礎年金番号通知書
審査期間と支給開始
日本年金機構での審査期間は3〜4ヶ月(複雑な事案は6ヶ月以上)。認定されれば、障害認定日または請求月の翌月分から支給開始。支給は偶数月(2・4・6・8・10・12月)の15日に前2ヶ月分がまとめて振込まれます。
更新(診断書提出)
障害の程度が変動する疾患は1〜5年ごとの更新(診断書提出)が必要。障害の程度に応じて等級変更(増額・減額・支給停止)される可能性あり。永久認定は一部の身体障害のみで、精神疾患は原則有期認定です。
よくある質問(FAQ)
障害年金はいくらもらえますか?
加入区分と等級で大きく異なります。厚生年金加入中の会社員:1級で年200〜300万円級(配偶者・子ありなら)、2級で年150〜250万円級、3級で年80〜120万円級。国民年金のみの自営業・専業主婦:1級で1,020,000円+子加算、2級で816,000円+子加算。3級は障害基礎年金にないため受給不可。生涯受給見込みは年額×受給年数で、20代発症・生涯受給なら数千万〜1億円級の金額になります。
初診日と障害認定日はどう違いますか?
初診日:その傷病について初めて医師の診療を受けた日。「初診日にどの年金制度に加入していたか」で受給できる年金が決まる重要な日。障害認定日:初診日から1年6ヶ月経過日、またはそれ以前に症状が固定した日。この日に障害等級に該当していれば認定日請求(遡及請求)が可能。人工透析導入・人工骨頭挿入等は初診日から3ヶ月経過日など特例あり。初診日の証明が最重要書類のため、初診病院にカルテがあるうちの請求が有利です。
うつ病でも障害年金は受給できますか?
可能です。精神疾患(うつ病・統合失調症・双極性障害・発達障害等)は障害年金の受給者数が最も多い区分。認定は「精神の障害用診断書」に基づき、日常生活能力(食事・清潔保持・金銭管理・通院と服薬・他人との意思伝達・身辺の安全保持・社会性)の7項目評価と、労働能力を総合判定します。ポイントは診断書に「就労状況」「単独での外出可否」「対人関係」等の具体的な制限を記載してもらうこと。就労中でも「一般就労困難で作業所・障害者雇用等」なら受給可能なケース多数。
働きながら障害年金は受給できますか?
可能です。障害年金には所得制限がなく(20歳前傷病は例外)、就労していても受給できます。ただし障害の程度判定に就労状況が影響:一般企業でフルタイム就労している場合、3級認定は現実的だが2級以上は難易度が高い。障害者雇用・作業所・時短勤務・在宅勤務等の配慮された就労や、就労困難で休職中の状態なら2級以上も認定余地あり。障害の程度は「症状の重さ」だけでなく「日常生活・労働への制限度」で判断される点が重要です。
保険料を滞納していると受給できないですか?
保険料納付要件を満たさないと受給不可。原則は初診日の前々月までに、加入期間の2/3以上が納付済(免除含む)。または特例として、直近1年間に未納なし(初診日が65歳未満の場合)。学生納付特例・免除申請していれば納付済期間と同等に扱われますが、未申請の未納は加算されず要件を満たせなくなります。若い時から国民年金の免除・納付特例を必ず申請しておくことが、将来の障害年金受給の生命線です。
20歳前に発症した場合はどうなりますか?
20歳前傷病による障害基礎年金は特例として、保険料納付要件なしで受給可能。ただし本人所得による全額停止(3,704,000円超)・半額停止(4,721,000円超・単身の場合)の所得制限があります。20歳到達時に障害等級に該当していれば受給開始、または20歳到達後に事後重症で該当した場合も受給可。障害厚生年金・配偶者加給は対象外(20歳前は厚生年金未加入のため)、障害基礎年金のみが受給できます。
障害年金は65歳を過ぎたらどうなりますか?
65歳到達時に「1人1年金の原則」により選択受給。障害年金と老齢年金を比較し、通常は金額が大きい方を選択。ただし65歳以降は特例として「障害基礎年金+老齢厚生年金」の組合わせ受給が可能(社会保障のセーフティネット強化)。障害基礎2級816,000+老齢厚生100万→合計約180万円級と、単独受給より有利な組合わせが多数存在。年金機構で試算依頼し最適選択を検討してください。
診断書はどこの病院で書いてもらえばいいですか?
現在通院中の主治医が原則。障害の種類ごとに8種類の様式があり、それぞれの領域の専門医が作成するのがベスト。初診病院が別(例:うつ病を心療内科A→精神科Bに転院)の場合、初診病院で「受診状況等証明書」を作成、現在の病院で「診断書」を作成する二段構え。初診病院が既に閉院・カルテ廃棄されている場合は、次に受診した病院での証明+「初診日に関する第三者証明」で代替可能。障害年金専門の社労士が最適な病院選定と診断書内容のアドバイスをします。
審査に落ちた場合の再申請はできますか?
3段階の救済手段があります。①審査請求(不支給決定から3ヶ月以内、地方厚生局の社会保険審査官へ)、②再審査請求(審査請求却下から2ヶ月以内、社会保険審査会へ)、③再度の年金請求(症状悪化時に事後重症として新規請求可)。①②は書類重視の審査で、初回申請時の診断書・病歴申立書に不備がある場合は補強が必要。障害年金専門の社労士に依頼するとの通過率が上がるケースが多く、費用は成功報酬型(着手金2〜5万+年金2〜3ヶ月分)が相場です。
障害年金は非課税ですか?
はい、障害年金は所得税・住民税ともに非課税(所得税法第9条第1項第3号)。老齢年金と異なり、いくら受給しても税金がかからず全額手取り。ただし国民健康保険料の算定基礎には含まれる自治体があるため、国保料に影響するケースは要確認。加えて障害年金受給者は国民年金保険料の法定免除(1級・2級)の対象で、年金保険料負担も免除されます。ただし免除期間分は将来の老齢年金額が減るため、追納するかどうかは損得計算が必要です。
出典・参考資料
- 日本年金機構「障害年金」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/index.html
- 日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20140604.html
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36692.html
- 国民年金法(昭和34年法律第141号)第30条〜第37条(障害基礎年金)
- 厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)第47条〜第55条(障害厚生年金)
※本記事の年金額は2026年度価格に基づく概算です。実際の受給額は年金額改定(物価・賃金スライド)・個別事情(20歳前傷病の所得制限・併給調整等)で変動します。個別具体的な受給可否・申請は社会保険労務士・日本年金機構にご相談ください。