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印紙税計算ツール|契約書・領収書の印紙額を文書種別・金額から即算出・軽減税率対応

印紙税を、文書種別と契約金額から瞬時に算出。不動産売買契約書・工事請負契約書の軽減税率(〜2027年3月末)、金銭消費貸借契約書、5万円以上の領収書、業務委託継続契約書(4,000円固定)まで対応。電子契約の非課税、過怠税3倍のリスク、20号文書一覧、消印の位置、還付請求のやり方まで、国税庁の印紙税額一覧表・印紙税法・電子帳簿保存法の公的規格に基づき、実務者と個人事業主が使える形で解説します。

最終更新:2026-07-28/監修:計算ツールズ編集部

印紙税計算ツール

印紙税の仕組み

印紙税は経済取引の文書化に伴って課税される国税で、契約書・領収書・約束手形など、印紙税法で定められた「課税文書」を作成した時点で納税義務が発生します。納付方法は収入印紙を文書に貼り付け、消印(割印)を押すのが原則。契約書の原本を2通作成すれば、双方に印紙貼付が必要です。

3つの重要な特徴

  • 1. 文書に対して課税 ― 取引内容ではなく「紙の書類」に課税されます。同じ取引でも電子契約なら非課税、というのはこの制度の特徴です。
  • 2. 金額により階段状に上がる ― 契約金額の区分ごとに定額で税額が決まり、境目の1円で税額が跳ね上がることも。
  • 3. 印紙貼付+消印で納付完了 ― 消印がないと未納付扱いになるため、必ず印紙にまたがる位置に印を押します。

印紙税額の決定方法

印紙税額 = 課税文書の種別 × 契約金額区分に応じた定額

不動産売買契約書3,000万円の場合、通常本則1万円→軽減後5,000円。5万円以上の売上・役務の領収書は原則200円〜10,000円が課税されます。5万円未満の領収書、クレジットカード決済の領収書、電子契約書は非課税です。

課税文書20号一覧

印紙税法で課税対象となる文書は、印紙税額一覧表で第1号〜第20号に分類されます。実務で頻出するものを整理します。

文書の種類代表例
第1号不動産譲渡契約書・地上権・土地賃借権設定契約書・消費貸借契約書売買契約書、土地賃貸借契約書、金銭消費貸借契約書(ローン)
第2号請負に関する契約書工事請負契約書、システム開発契約書、清掃業務契約書
第3号約束手形・為替手形約束手形、為替手形
第4号株券・出資証券・社債券・投資信託受益証券株券(現在は電子化)、投資信託受益証券
第5号合併契約書会社合併契約書
第6号定款株式会社設立の定款
第7号継続的取引の基本契約書特約店契約書、代理店契約書、業務委託基本契約書
第8号預金証書・貯金証書銀行預金証書
第9号倉荷証券・船荷証券倉庫預り証書
第10号保険証券火災・生命・自動車保険証券
第11号信用状貿易取引の信用状
第12号信託行為契約書信託契約書
第13号債務保証契約書連帯保証契約書
第14号金銭・有価証券寄託契約書寄託契約書
第15号債権譲渡・債務引受契約書債権譲渡通知書
第16号配当金領収証・配当金振込通知書株主への配当領収書
第17号金銭・有価証券の受取書領収書(5万円以上が課税)
第18号預貯金通帳通帳
第19号消費貸借通帳・請負通帳等継続的取引の通帳
第20号判取帳判取帳(現在ほぼ使われず)

実務で使われるのは第1号(不動産・ローン)・第2号(工事請負)・第7号(継続契約)・第17号(領収書)が9割以上を占めます。

不動産売買・工事請負の税額表(軽減後)

不動産売買契約書(第1号の1)と工事請負契約書(第2号)は、租税特別措置法により2027年3月末まで軽減税率が継続適用されています。

契約金額不動産売買(軽減)不動産売買(本則)工事請負(軽減)工事請負(本則)
100万〜200万200円400円200円400円
200万〜300万500円1,000円500円1,000円
300万〜500万1,000円2,000円1,000円2,000円
500万〜1,000万5,000円10,000円5,000円10,000円
1,000万〜5,000万10,000円20,000円10,000円20,000円
5,000万〜1億30,000円60,000円30,000円60,000円
1億〜5億60,000円100,000円60,000円100,000円
5億〜10億160,000円200,000円160,000円200,000円
10億〜50億320,000円400,000円320,000円400,000円
50億超480,000円600,000円480,000円600,000円

3,000万円の住宅購入契約なら軽減後1万円、5,000万円のマンション売買なら軽減後3万円が印紙税額。金額は「税抜」でも「税込」でも高い方の金額で判定するため、消費税込みで表示された金額のほうが多くの場合で判定基準になります。

金銭消費貸借・領収書の税額表

金銭消費貸借契約書(第1号の3)※軽減なし

借入金額印紙税額
1万円未満非課税
1万〜10万200円
10万〜50万400円
50万〜100万1,000円
100万〜500万2,000円
500万〜1,000万10,000円
1,000万〜5,000万20,000円
5,000万〜1億60,000円
1億〜5億100,000円
5億〜10億200,000円
10億超600,000円

領収書・売上代金の受取書(第17号の1)

受取金額印紙税額
5万円未満非課税
5万〜100万200円
100万〜200万400円
200万〜300万600円
300万〜500万1,000円
500万〜1,000万2,000円
1,000万〜2,000万4,000円
2,000万〜3,000万6,000円
3,000万〜5,000万10,000円
5,000万〜1億20,000円
1億〜2億40,000円
2億〜3億60,000円
3億〜5億100,000円
5億〜10億150,000円
10億超200,000円
金額の記載なし200円

継続的取引の基本契約書(第7号文書)は金額に関わらず4,000円固定です。継続とは3ヶ月超で、かつ2つ以上の取引を継続的に行う契約書を指します。

軽減税率(〜2027年3月)

不動産流通・住宅取得の税負担軽減のため、租税特別措置法により2027年3月31日まで軽減税率が延長されています(何度も期限延長されてきた措置)。

対象文書軽減の内容期限
不動産の譲渡に関する契約書(第1号の1)契約金額10万円超の文書について、税額を約1/2に軽減2027年3月31日
建設工事の請負に関する契約書(第2号)契約金額100万円超の文書について、税額を約1/2に軽減2027年3月31日

過去の期限延長の履歴を見ても、この軽減は継続的に更新されており、住宅政策の一環として実質的に恒久措置化しています。ただし法改正で期限が変わる可能性はあるため、最新情報は国税庁サイトで確認してください。

電子契約と印紙税

印紙税は「文書」に課税されるため、電子契約書は原則非課税です。国税庁は「電磁的方法により作成された契約は課税文書に該当しない」と明確に見解を示しており(平成17年参議院答弁書、平成20年通達)、CloudSign・DocuSign・freeeサイン等の電子契約サービスで作成した契約書には印紙は不要です。

電子契約の節税効果

契約種別金額紙の印紙税電子契約節税額
不動産売買契約5,000万円10,000円0円10,000円
マンション売買契約1億円30,000円0円30,000円
大型工事請負契約5億円60,000円0円60,000円
企業間業務委託基本契約4,000円0円4,000円
ローン契約3,000万円20,000円0円20,000円

大型契約が多い企業では年間数百万円〜数千万円の節税効果があり、電子契約導入の大きな動機になっています。ただし電子契約でも電子帳簿保存法の保管要件(タイムスタンプ・検索性・改ざん防止)を満たす必要があります。

貼り忘れ・消印忘れの罰則

印紙を貼り忘れると過怠税として本来納付すべき税額の3倍が課されます(印紙税法第20条)。ただし、税務調査前に自己申告した場合は1.1倍に軽減されます。

状況過怠税
税務調査で発覚(原則)本来の税額 × 3倍(本来分+2倍の過怠)
自己申告(税務調査前)本来の税額 × 1.1倍
印紙貼付済み・消印忘れ消印されていない印紙相当額

大型不動産取引・工事請負では過怠税だけで数十万円になるため、重要書類の印紙貼付・消印は作成時のダブルチェックが実務のスタンダードです。

還付請求のやり方

誤って多く貼付した印紙、記載間違いで無効になった文書に貼った印紙は、納税地の税務署で還付請求できます(印紙税法第14条、印紙税法施行令第14条)。

  • 還付期限:文書作成日から5年以内
  • 必要書類:「印紙税過誤納確認申請書」+間違えた文書の原本
  • 還付方法:銀行振込(通常1〜2ヶ月)
  • 還付対象外:一度提出した契約書、印紙のみ購入して未使用の場合(郵便局で交換可能)

未使用の収入印紙は郵便局で他の額面・郵便切手に交換可能(1枚あたり5円の手数料)。ただし現金への交換はできません。

業界での応用

不動産業界

売買契約書・重要事項説明書・賃貸借契約書で頻繁に印紙貼付。売買契約は買主・売主双方の原本に貼付が原則。軽減税率適用で数千円〜数万円節税。近年は電子契約導入で印紙税ゼロの業務効率化が進行中。

建設業界

工事請負契約書・下請契約書・共同企業体協定書に印紙。公共工事は電子入札・電子契約が主流になり、印紙負担が大幅減少。大型工事1件で60,000円〜200,000円の節約になるため、電子契約が業界標準化。

金融機関・貸金業

金銭消費貸借契約書(住宅ローン・事業ローン・カードローン)は軽減税率対象外。1,000万円のローンで20,000円、5,000万円で60,000円が必要。ネット銀行の電子契約は印紙不要でコスト優位性が明確。

小売業・サービス業

5万円以上の領収書に200円の印紙。クレジットカード決済・電子マネー決済・口座振込の場合は非課税(「現金の受領事実」がないため)。POSレジのレシートは領収書と異なる場合があり、明細書扱いで非課税とされるケースも。

企業間取引(BtoB)

継続的取引の基本契約書は第7号文書として4,000円固定。特約店・代理店・業務委託・秘密保持契約(NDA)等が該当。単発の業務委託契約書は請負該当なら第2号、業務履行なら非課税と判定が複雑で、税務調査で指摘されやすい領域です。

個人事業主・フリーランス

受領した売上代金5万円以上に領収書発行時は200円の印紙が必要(第17号)。ただし電子的発行(PDFメール送付・電子領収書)なら非課税。個人事業主でも過怠税3倍のリスクは同じで、確定申告時に判明することがあります。

よくある間違い・注意点

  • 消印忘れで納付未了扱い — 印紙を貼っても消印がないと未納付扱いとなり、消印されていない印紙相当額の過怠税が課されます。消印は印紙と文書にまたがるように押印し、後から剥がして再使用できない状態にする必要があります。ボールペンでの署名でも可。
  • 契約書の変更・追加合意書に印紙貼り忘れ — 契約金額を変更する覚書・追加合意書も原契約書と同種の課税文書扱い。「元の契約書に印紙貼ってあるから」で省略できません。金額が増える場合は差額分ではなく、変更後の金額区分で判定する場合が多いので国税庁の判定基準を確認しましょう。
  • 電子契約で紙のコピーを郵送 — 電子契約自体は印紙不要ですが、紙に印刷して押印・郵送すると「文書の作成」に該当し課税されるリスク。あくまで電子的に完結する運用が原則です。
  • 5万円未満の領収書に印紙を貼る — 過剰貼付は5年以内なら還付請求可能ですが、日常的に発生すると手続コストが上回るケースも。5万円未満は非課税の理解を徹底しましょう。
  • クレカ決済領収書への貼付 — 「クレジットカード利用」明記の領収書は現金の受領事実がないため非課税。「クレジットカードお支払い」と明記しないと課税扱いになるので、レシートフォーマットの確認が重要。
  • 継続契約か単発契約かの判定ミス — 業務委託契約が「3ヶ月超+2つ以上の取引継続」で第7号文書4,000円固定になる要件を満たすかどうか。単発ならゼロ、継続なら4,000円と結果が大きく変わります。
  • 金額の判定基準ミス — 契約金額は「本体価格+消費税」の税込金額で判定するのが原則ですが、税抜金額と消費税額を別々に明記した場合は税抜金額で判定できるケースあり。国税庁の質疑応答事例を確認しましょう。

参考文献・公的資料

印紙税の詳細な判定・課税文書該当性は、必ず以下の公的機関の一次資料と、必要に応じて税理士・行政書士に相談してください。

※本ページの印紙税額は国税庁の印紙税額一覧表に基づく標準的な計算です。契約書の記載事項・実質的な取引内容によっては別の号文書に該当したり、判定が複雑になるケースがあります。実際の課税判定・還付請求・軽減税率適用可否の最終判断は、所轄税務署または税理士・行政書士等の専門家にご相談ください。過怠税リスクの高い大型契約・複雑取引では必ず事前確認を行ってください。

よくある質問(FAQ)

住宅購入の印紙税はいくら?

3,000万円契約で5,000円(軽減後)。本則は1万円ですが、2027年3月末までの軽減税率適用で半額です。5,000万円のマンションなら軽減後3万円、1億円のマンションなら軽減後6万円。売買契約書の原本を売主・買主双方に作成する場合、双方に印紙貼付が必要です。

電子契約はなぜ印紙不要?

印紙税は「文書」に対して課税される税制で、電子的に作成された契約書は「文書」に該当しないと国税庁が解釈しています。CloudSign・DocuSign・freeeサイン等の電子契約サービスで作成すれば印紙税ゼロ。大型契約が多い企業で年間数百万〜数千万円の節税効果があります。

印紙を多く貼ったら還付される?

作成日から5年以内なら税務署で還付請求可能です。「印紙税過誤納確認申請書」+原本を提出し、銀行振込で還付されます(通常1〜2ヶ月)。未使用の印紙は郵便局で他の額面・切手に交換可能(1枚5円の手数料)。

クレカ決済の領収書は?

非課税です。「クレジットカード利用」明記が条件で、現金の受領事実がないため印紙税の対象外。ただし「クレジットカードお支払い」と明記しないと課税扱いになるので、レシートフォーマットの確認が重要です。電子マネー・銀行振込の領収書も同様に非課税です。

業務委託契約は4,000円?

3ヶ月超の継続的取引で、2つ以上の取引を継続的に行う契約書のみ第7号文書として4,000円固定です。単発の業務委託は請負該当なら第2号、業務履行なら非課税と判定が複雑。国税庁の判定基準を確認してください。

印紙はどこで買える?

郵便局・法務局・印紙売捌所(許可を受けた販売所)で購入可能。コンビニも200円・1,000円等の少額印紙を扱いますが、大額は取扱なし。会社で年間多く使う場合は郵便局でまとめ買いするのが一般的です。

過怠税の調査リスクは?

税務調査で発覚するのが典型。特に重要契約・大型取引・不動産取引・企業間契約は税務調査の重点対象になります。過怠税は本来額の3倍と重罰。自己申告で1.1倍に軽減される制度もあるので、貼り忘れに気づいたら早めに税務署へ相談しましょう。

消印はどうすればいい?

印紙と文書にまたがるように押印またはボールペン等で署名。実印である必要はなく、認印・角印・ボールペンでの記名でOK。剥がして再使用できない状態にすることが目的です。複数の印紙を並べて貼る場合、それぞれに消印が必要です。

契約書の原本と写しは?

原本には印紙が必要ですが、写し(コピー・PDF)には不要です。契約書を2通作成し双方が原本を保管する場合、双方に印紙貼付が必要。1通のみ作成し他方はコピーを持つ場合は、原本1通分のみ印紙貼付でOK。実務では折半合意で片方が全額負担するケースもあります。

契約金額が変更になった場合は?

変更契約書・覚書も課税文書に該当します。金額が増える変更なら「変更後の金額」で税額区分を判定するのが原則。減額変更・期間延長のみの変更でも、契約の重要な変更なら200円の印紙貼付が求められることがあります。

金額の記載がない契約書は?

金額の記載がない場合、原則として最低額(200円)の印紙貼付が必要。ただし継続的取引の基本契約書(第7号)は金額に関わらず4,000円固定。金額が「別途定める」「見積書による」等の記載でも、契約書自体の課税対象性は変わりません。

個人間の契約書も印紙は必要?

営業に関する契約でなくても、印紙税法上の課税文書に該当すれば印紙は必要です。例外として、営業に関しない金銭領収書(第17号の2)は5万円未満非課税、5万円以上は一律200円。個人が家を売る場合の売買契約書は課税対象で、軽減税率も適用されます。