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フリーランス日額単価 計算ツール|希望手取り・社会保険・税金から時給・月収を逆算

フリーランスの適正日額単価を、希望する手取り年収・稼働日数・経費率・国民健康保険・国民年金・所得税・住民税・消費税から逆算する無料電卓。会社員換算・時給換算・月商換算まで一気に把握でき、単価交渉の根拠資料として使えます。厚生労働省・国税庁・日本年金機構の公表データを元に解説。

最終更新:2026-08-08/監修:計算ツールズ編集部

フリーランス日額単価 計算機

計算式と考え方

フリーランスの日額単価は「手取り年収を先に決めて、そこから逆算する」のが実務的。単純に希望年収÷稼働日数では、税・社保・経費・消費税を無視した危険な単価になります。

額面年収 = 手取り年収 ÷ (1 - 税・社保負担率)
月商 = 額面年収 ÷ 12
1日の実質売上 = 月商 × 12 ÷ 稼働日数
日額単価 = 1日の実質売上 ÷ (1 - 経費率) × (1 + 消費税納付率)
時給 = 日額単価 ÷ 1日実働時間

ポイントは、「手取り→額面→月商→日額」の4段階で逆算すること。多くのフリーランスは「額面年収基準」で単価を出すため、税・社保を差し引いた手取りが会社員時代を下回るケースが頻発します。

税・社会保険の内訳(フリーランス)

個人事業主(フリーランス)が納める公租公課の内訳は以下のとおり。会社員のように会社が半分負担してくれる仕組み(労使折半)はありません。

項目会社員フリーランス
健康保険労使折半(給与の約5%)国民健康保険 全額自己負担(所得の約10%)
年金厚生年金(労使折半・給与の約9.15%)国民年金 定額(月17,510円・2026年)
介護保険労使折半国保に加算(40歳以上)
雇用保険・労災加入(給与の約0.9%)原則なし
所得税源泉徴収(累進5〜45%)確定申告(累進5〜45%)
住民税特別徴収(一律10%)普通徴収(一律10%)
個人事業税なし業種により3〜5%(年290万円控除後)
消費税なし売上1,000万円超で課税(または適格請求書登録)
退職金・企業年金会社負担iDeCo・小規模企業共済で自助

会社員の額面600万円は手取り約470万円(約22%控除)。フリーランスで同じ手取り470万円を得るには、額面ベースで約720〜800万円が必要(経費率・所得区分による)。

会社員との比較

実際に会社員時代と同じ手取りを維持するために必要なフリーランス売上を、年収帯別に示した早見表です。(経費率20%・稼働日数200日・単身無扶養想定の概算)

会社員 手取りフリーランス 額面必要年間売上(税込)日額単価目安
約240万円(額面300万)約320万円約400万円20,000円/日
約320万円(額面400万)約440万円約550万円27,500円/日
約470万円(額面600万)約720万円約900万円45,000円/日
約600万円(額面800万)約990万円約1,240万円62,000円/日
約720万円(額面1000万)約1,260万円約1,580万円79,000円/日
約1,180万円(額面1800万)約2,200万円約2,750万円137,500円/日

「会社員年収800万=フリーランス売上1,200万」という業界の目安は、上記逆算に基づく実務的な数字です。この差分(約400万円)が、社会保険・退職金・有給休暇・厚生福利のコストに相当します。

インボイス制度への対応

2023年10月に始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)で、フリーランスの単価設定は大きく変わりました。取引先が課税事業者の場合、免税事業者からの請求書では取引先が仕入税額控除を受けられず、実質的に取引先が消費税分を負担することになります。

選択肢は3つ

  • 免税事業者のまま(売上1,000万円以下):単価から消費税分を値引く事実上の減収要求を受けることが多い
  • 2割特例(2023年10月〜2026年10月):課税事業者になるが、消費税納付額は「売上税額×20%」に軽減。実務負担を抑える経過措置
  • 簡易課税(サービス業:みなし仕入率50%):売上税額×50%を仕入税額控除として認める。青色申告・記帳の手間が軽い

2026年10月以降は2割特例が終了する見込みのため、単価改定の準備が必要。国税庁「インボイス制度特設ページ」で最新情報を確認してください。

単価設定の実務ステップ

①希望手取りを先に決める

「手取り月40万円欲しい」「年480万円が最低ライン」など、生活費・貯蓄・iDeCo等の逆算から出す。ここが起点。

②年間稼働日数を現実設定

年200日が実務目安(週4〜4.5日)。営業・請求・確定申告・自己学習・体調不良・有給的な休みを差し引く。

③経費率を業種で概算

エンジニア10〜20%(PC・書籍・通信)、デザイナー15〜25%(ソフト・機材)、ライター10〜15%、コンサル15〜30%(交通費多)が目安。

④税・社保を年収帯で計上

額面300万円台は約18%、600万台は約22%、1000万台は約27%、1500万台は約33%が実効負担率の目安。

⑤インボイスと消費税を反映

免税なら消費税納付ゼロ。2割特例・簡易課税50%・原則10%のいずれかを選択。取引先の顔ぶれで判断。

⑥交渉時の提示単価は+10%

案件終了・支払遅延・追加要求リスクを織り込むと、計算値より+10%が実務的な提示ライン。値引き交渉の余地も確保。

よくある単価設定ミス

  • 会社員感覚のまま単価を決める ― 額面600万円÷200日=3万円は罠。社保・退職金・有給・福利厚生の会社負担分(年150〜300万円相当)を含まない金額。
  • 経費率をゼロで計算 ― PC・通信・書籍・交通費・打合せ費・保険料等を差し引き忘れると、実質手取りが数十万円ずれる。
  • 稼働日数を250日以上で想定 ― 営業日ベースだと年間約240日だが、稼働できるのは200日前後。営業・請求・繁忙期外の閑散も差し引く。
  • 個人事業税を忘れる ― 年290万円超の事業所得は業種別3〜5%の個人事業税が発生。デザイナー・エンジニアも第3種事業(5%)に該当することが多い。
  • 消費税分を単価に含めない ― 課税事業者になってから慌てて値上げ交渉するのは困難。最初から税込請求前提で単価を設計する。
  • 国民健康保険を過小評価 ― 所得の約10%が国保料。年収600万円なら約60万円/年、月5万円の重い固定費になる。
  • 退職金・年金の自助分を忘れる ― 会社員は退職金2,000万〜、フリーランスは自助(iDeCo・小規模企業共済で月6.8万円上限)。年80万円は積立に回す前提で単価設計を。

関連する法令・制度

  • 所得税法 ― 事業所得・雑所得の課税ルール。青色申告特別控除(65万円)で節税可能。
  • 消費税法(インボイス制度) ― 適格請求書発行事業者の登録・免税事業者との取引ルール。
  • 国民健康保険法 ― 市町村ごとの保険料率(所得×約10%、上限あり)。年間で決まる資産割・均等割も加算。
  • 国民年金法 ― 定額保険料(月17,510円・2026年度)。付加年金・国民年金基金で上乗せ可能。
  • 下請代金支払遅延等防止法 ― 発注者と受注者の関係を規制。個人事業主も保護対象で、支払期日60日以内・値引き禁止等のルール。
  • フリーランス保護新法(2024年11月施行) ― 特定受託事業者に対する取引適正化。契約条件明示・報酬60日以内支払・ハラスメント対策等の義務化。

参考文献・公的資料

※本ツールの計算結果は、平均的な負担率・税制に基づく概算です。実際の税額は、扶養家族・青色申告特別控除・所得控除(生命保険料・iDeCo等)・自治体の国保料率で変動します。個別の税務・社会保険料の確定額は、税理士・社労士・お住まいの市町村役場にご確認ください。フリーランス法・下請法の詳細相談は公正取引委員会・弁護士へ。

よくある質問(FAQ)

会社員年収600万円と同じ手取りにするには?

額面約720〜800万円(年商900〜1,000万円)の売上が必要です。会社負担分の社会保険料(年約90万円)と退職金・有給・福利厚生(年約80〜150万円相当)の差分を、フリーランスは自己負担するため。

単価交渉のコツは?

市場相場(レバテック・ミッドワークス等の平均単価公表データ)を根拠に、自分の実績・スキル・希少性を数値で示す。値引きされる前提で「希望単価×1.1倍」を初回提示するのが実務的。

営業時間・稼働外時間は?

稼働日以外に、営業(週2〜3時間)・請求書発行・確定申告(年20〜30時間)・自己学習(週5〜10時間)等が必要。実質稼働日数を200日前後で見積もるのが現実的。

税金・社会保険は年収の何%?

年収300万円台で約18%、600万円台で約22%、1000万円台で約27%、1500万円台で約33%、2000万円台で約40%が実効負担率の目安(住民税・国保・国民年金・所得税・個人事業税の合計)。

会社員との違いは?

安定性・社会保険・福利厚生・退職金・有給休暇の全てを自助で確保する必要あり。時給ベースでは会社員の1.3〜1.5倍が損益分岐点。

青色申告のメリットは?

65万円特別控除(電子帳簿保存+e-Tax)・赤字の3年繰越・家族への専従者給与・少額減価償却資産の特例など、年間実効で20〜40万円の節税効果があります。

インボイス登録すべき?

取引先が課税事業者(法人・大手企業)中心なら登録推奨。2割特例(2026年10月まで)・簡易課税50%の適用で実務負担を抑えられます。BtoC中心なら免税継続もあり。

国民健康保険はどう計算?

所得×約10%(自治体で異なる)+均等割・平等割で決まります。年間上限あり(多くの自治体で年100万円前後)。前年所得ベースなので、開業初年度は減額申請可能。

退職金・年金対策は?

小規模企業共済(月7万円上限・全額所得控除)とiDeCo(月6.8万円上限・全額所得控除)を併用。国民年金基金の付加年金(月400円)も低コストで年金額を上乗せできます。

フリーランス法(2024年11月施行)で何が変わった?

特定受託事業者(フリーランス)に対して、発注者は書面での契約条件明示・報酬60日以内支払・ハラスメント対策等が義務化。違反時は公正取引委員会・厚労省が調査・是正命令を出せます。

個人事業税とは?

年間所得290万円を超えると、業種別に3〜5%(大半のサービス業は5%)の個人事業税が課税されます。デザイナー・エンジニア・コンサルタントも第3種事業(5%)に該当することが多いので注意。

時給ベースだといくら?

希望手取り年収600万円・年200日稼働・1日8時間で、日額約45,000円・時給約5,625円が目安。会社員の同年収時給(約3,900円)の約1.4倍が損益分岐となります。