FIRE 計算ツール|4%ルールで早期リタイア達成額・期間
FIRE(経済的自由)達成額を4%ルールから計算。年間支出・現在資産・年間貯蓄・運用利回りからセミリタイア・FIRE達成日を予測。
FIRE 計算機
計算式と前提
FIRE達成額 = 年間支出 × 倍率(4%ルールなら25倍) 到達年数 = 資産が達成額に届くまで「資産×(1+利回り) + 年間貯蓄」を繰り返した回数
既定値の「年間支出300万円・FIRE(25倍)・現在資産500万円・年間貯蓄120万円・利回り年5%・35歳」で追うと、達成額は300×25=7,500万円。資産は1年目に500×1.05+120=645万円、10年目で2,324万円、20年目で5,295万円と積み上がり、26年目に7,500万円を超えます。到達は61歳です。貯蓄率は「年間支出+年間貯蓄」を手取り収入とみなして120÷420=28.6%と表示しています。年の途中で入金する前提は置かず、年1回まとめて積み増す単純な年次複利で計算しています。
FIREの種類
| タイプ | 必要資産 | 説明 |
|---|---|---|
| FatFIRE | 年間支出×33倍 | 豪華にリタイア。3%取り崩し |
| FIRE(標準) | 年間支出×25倍 | 4%ルール(トリニティ研究) |
| LeanFIRE | 年間支出×20倍 | 節約志向。生活費を絞る |
| サイドFIRE | 年間支出×12-15倍 | 副業や軽い仕事を続ける |
| Coast FIRE | 少額で運用継続 | 退職後は資産を取り崩さず運用継続 |
| BaristaFIRE | パートタイム前提 | カフェ等で軽く稼ぎ続ける |
4%ルールとは
米トリニティ大学の研究で、ポートフォリオの4%以下を毎年取り崩すと、過去30年データで95%以上資産が枯渇しなかったというルール。年間支出の25倍の資産があればFIRE達成。
- 支出300万円 → FIRE達成額7,500万円
- 支出500万円 → 1.25億円
- 支出1,000万円 → 2.5億円
FIRE達成の3要素
- 収入を増やす(副業・転職・昇進)
- 支出を減らす(住居費・固定費の見直し)
- 運用利回りを上げる(インデックス投資)
必要資産・到達年数の早見表
年間支出別の必要資産
計算機の「FIRE達成額」と同じ値です(年間支出×倍率)。
| 年間支出 | 月あたり | LeanFIRE 20倍(5%) | FIRE 25倍(4%) | FatFIRE 33倍(3%) |
|---|---|---|---|---|
| 240万円 | 20.0万円 | 4,800万円 | 6,000万円 | 7,920万円 |
| 300万円 | 25.0万円 | 6,000万円 | 7,500万円 | 9,900万円 |
| 400万円 | 33.3万円 | 8,000万円 | 1億円 | 1億3,200万円 |
| 500万円 | 41.7万円 | 1億円 | 1億2,500万円 | 1億6,500万円 |
| 700万円 | 58.3万円 | 1億4,000万円 | 1億7,500万円 | 2億3,100万円 |
年間貯蓄額別の到達年数
年間支出300万円(達成額7,500万円)・現在資産500万円・利回り年5%・35歳スタートの場合です。
| 年間貯蓄額 | 月あたり | 貯蓄率 | 到達年数 | 到達年齢 |
|---|---|---|---|---|
| 60万円 | 5万円 | 16.7% | 34年 | 69歳 |
| 120万円 | 10万円 | 28.6% | 26年 | 61歳 |
| 180万円 | 15万円 | 37.5% | 21年 | 56歳 |
| 240万円 | 20万円 | 44.4% | 18年 | 53歳 |
| 300万円 | 25万円 | 50.0% | 15年 | 50歳 |
※税引前・社会保険料控除前の金額です。到達年数は年1回の積立と年次複利による単純計算で、相場の順序(シークエンスリスク)は考慮していません。
4%ルールを詳しく理解する
4%ルールは、米国の株式と債券で構成した資産から毎年一定額を取り崩したとき、30年間で資産が尽きなかった確率を過去データで検証した研究に由来します。取り崩し率4%という水準は「インフレ調整後の実質リターンが年3〜4%程度あれば元本を大きく減らさずに済む」という関係から出たもので、逆算すると必要資産は年間支出の25倍になります。既定値の年間支出300万円なら7,500万円、現在資産500万円・年間貯蓄120万円・利回り5%で26年後、35歳スタートなら61歳での到達です。ここで年間貯蓄を180万円に増やすと21年・56歳まで縮まり、初期資産が少ない段階では利回りより貯蓄額のほうが期間に素直に効きます。
実務で判断が分かれるのは取り崩し率です。元の研究が想定したのは30年間なので、40代前半でリタイアして50年取り崩す場合には前提が合いません。この差を埋める方法は大きく二つあります。ひとつは率を3%(33倍)まで下げて安全側に寄せる方法で、年間支出300万円なら必要資産は9,900万円と2,400万円増えますが、リタイア後に判断を求められません。もうひとつは4%のまま始めて、相場が悪い年は取り崩し額を1〜2割減らす変動ルールを併用する方法です。必要資産は小さくて済む代わりに、生活費のうち削れる部分をあらかじめ確保しておく必要があります。固定費の比率が高い家計ほど前者が向きます。
見落とされやすいのは、リタイア後に新しく発生するコストです。会社員をやめると健康保険は国民健康保険か任意継続に移り、保険料は前年所得をもとに決まるため退職1年目がもっとも重くなります。60歳までは国民年金保険料の納付義務も続きます。さらに、課税口座の資産を取り崩すときは運用益に約20%の税金がかかるため、生活費300万円を手にするには300万円より多く売却しなければなりません。本ツールの達成額はこれらを含まない税引前・保険料控除前の数字です。加えて、リタイア直後の数年に大きな下落が来ると、同じ平均利回りでも資産の減り方が変わるシークエンスリスクがあり、平均だけを見た試算では表現できない部分が残ります。
条件による違いも小さくありません。持ち家でローンを完済していれば年間支出に家賃が乗らないので必要資産は下がりますが、修繕積立・固定資産税・将来の建替費用は残ります。賃貸なら家賃が生涯続くうえ、更新のたびに上がる可能性があるため、現在の支出をそのまま25倍した見積もりは甘くなりがちです。逆に、公的年金を受け取れる65歳以降は取り崩し額が下がるため、65歳までのつなぎ資金と65歳以降を分けて設計すると、必要資産は一律25倍より小さく収まることがあります。運用商品や税制の選択は個別事情に左右されるため、最終判断は金融機関や独立系のファイナンシャルプランナーに相談してください。
よくある間違い・注意点
- いまの支出をそのまま25倍する:リタイア後は通勤費・被服費・つきあいの支出が減る一方、健康保険料・医療費・在宅時間が増えることによる光熱費が増えます。増減を両方見積もらずに片方だけ調整すると、必要資産が数百万円単位でずれます。
- 税金と社会保険料を年間支出に入れ忘れる:計算機に入れる年間支出は「生活費」ではなく「毎年出ていくお金の総額」です。国民健康保険料・国民年金保険料・住民税・固定資産税を含めると、想定より年30〜60万円増えるケースが珍しくありません。
- 利回り5%を確定した数字として扱う:5%は長期の平均であって毎年5%ではありません。到達直前の年に3割下落すれば到達は数年ずれます。到達年数はあくまで中央値のイメージとして読んでください。
- 貯蓄率の分母を額面年収にする:本ツールの貯蓄率は「年間支出+年間貯蓄」を手取りとみなした値です。額面年収を分母にすると同じ貯蓄額でも数字が低く出るため、他の試算と比べるときは分母を揃える必要があります。
- 達成額に届いた翌日に退職する前提で計画する:到達直後は資産が目標をわずかに超えただけの状態で、下落が来ると簡単に割り込みます。1〜2年分の生活費を現金で別に持つか、目標を1割上乗せしておくと運用の判断が落ち着きます。
出典・参考資料
- 金融庁「NISA特設ウェブサイト」https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/
- 金融庁「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書」(高齢社会における資産形成・管理)https://www.fsa.go.jp/
- 総務省統計局「家計調査」(世帯類型別の消費支出)https://www.stat.go.jp/data/kakei/
- 年金積立金管理運用独立行政法人「運用状況・長期の収益率」https://www.gpif.go.jp/
- 日本証券業協会「投資の基礎知識」https://www.jsda.or.jp/
- 厚生労働省「国民年金保険料」https://www.mhlw.go.jp/
- 全国健康保険協会「任意継続被保険者制度」https://www.kyoukaikenpo.or.jp/
- 国税庁 タックスアンサー No.1463「株式等を譲渡したときの課税」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1463.htm
- 金融広報中央委員会「知るぽると」https://www.shiruporuto.jp/
※本ツールは年次複利による概算で、税金・社会保険料・インフレ・相場の順序は反映していません。特定の金融商品を推奨するものではなく、投資判断はご自身の責任で行ってください。個別の資産設計は金融機関または独立系のファイナンシャルプランナーにご相談ください。
よくある質問
4%ルールは日本でもそのまま使えますか?
前提を確認したうえでなら目安として使えます。元の研究は米国の株式・債券と米国のインフレ率を使っており、円建てで生活する人が円で取り崩す場合は為替の影響が加わります。また日本の運用益には約20%の税金がかかるため、手取りベースでは4%より低い率で計算しておくほうが安全です。実務上は3.5%(約29倍)程度を目安に置き、公的年金が始まる65歳以降は取り崩し率を下げる設計にする方が現実的です。
Coast FIREとサイドFIREはどう違いますか?
Coast FIREは「もう追加入金をしなくても、複利だけで65歳までに必要額に届く状態」を指します。仕事は続けますが、貯蓄をやめて生活費だけ稼げばよくなる点が特徴です。一方サイドFIREは資産の取り崩しと労働収入を組み合わせて生活する形で、必要資産は年間支出の12〜15倍程度に下がります。本ツールの倍率選択でサイドFIRE(15倍)を選ぶと、この形の必要資産が出ます。
FIRE後の健康保険と年金はどうなりますか?
退職後は国民健康保険に加入するか、退職前の健康保険を最長2年間任意継続するかを選びます。国民健康保険料は前年の所得で決まるため、退職1年目は在職中の所得をもとに高くなります。年金は60歳になるまで国民年金の第1号被保険者として保険料を納める義務があり、納めない期間があると将来の年金額が減ります。所得が少ない場合は免除・猶予の制度もありますが、免除期間は満額に対して一部しか反映されません。
新NISAだけでFIRE資産を作れますか?
非課税枠は生涯で1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)なので、元本ベースではこれが上限です。運用益は非課税のまま増えるため、必要資産7,500万円のうちかなりの部分を非課税で持つことは可能ですが、年間の投資枠が360万円という制約から到達までの時間はかかります。それを超える分は課税口座やiDeCoと組み合わせることになり、取り崩し順序は課税口座から先に使うほうが非課税期間を長く取れます。
途中で相場が大きく下がったらどうなりますか?
積立期間中の下落は、同じ金額でより多くの口数を買えるため長期では不利とは限りません。問題はリタイア直後の下落で、資産を取り崩しながら価格が下がると回復時に残っている口数が減り、その後の平均利回りが同じでも資産が戻りきらないことがあります。これがシークエンスリスクです。対策としては、2年分程度の生活費を現金や短期債で持ち、下落局面ではその現金から取り崩して株式を売らない運用が一般的です。
年間支出はどこまで正確に出す必要がありますか?
必要資産は年間支出の25倍で効いてくるため、年10万円の見積もり違いが250万円の差になります。家計簿の平均ではなく、直近1年の銀行口座とカードの出金合計から把握するほうが漏れが少なくなります。特に、年払いの保険料・固定資産税・車検・帰省費用・家電の買い替えなど、月次では見えない支出を1年分足しておくと精度が上がります。
持ち家と賃貸ではどちらがFIREしやすいですか?
ローン完済済みの持ち家は年間支出から家賃が消えるため、必要資産は小さくなります。家賃10万円分が消えれば年120万円、25倍で3,000万円の差です。ただし固定資産税・修繕積立・将来の大規模修繕が残るので、年間支出をゼロにはできません。賃貸は身軽さと住み替えの自由が利点ですが、家賃は生涯続き値上がりもあるため、25倍の見積もりに家賃上昇分を上乗せしておく必要があります。