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薬局在庫回転不動在庫棚卸

薬局の在庫回転日数と不動在庫の計算

仕入額・在庫額・不動在庫の状況から、在庫回転日数・不動在庫率・返品と廃棄の見込額を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

薬局の在庫回転日数と不動在庫の計算ツール

在庫回転日数は期末在庫額÷1日あたりの仕入額で求めます。既定値では月間仕入8,000,000円を30日で割って1日266,667円、在庫4,000,000円を割ると15.0日。在庫回転率は年間仕入96,000,000円÷在庫4,000,000円=24.00回です。品目ベースの不動在庫率は180÷1,400=12.86%、返品できる割合40%で回収見込は208,000円、廃棄の見込額は90,000+残り312,000円の半分=246,000円。目標12日なら在庫は3,200,000円まで下げられ、削減余地は800,000円です。

在庫回転日数の水準の目安

状態回転日数回転率
在庫管理が徹底している8〜12日30回以上
標準的な保険薬局13〜18日20〜28回
面分業で品目数が多い19〜25日14〜19回
在庫が滞留している26日以上14回未満

不動在庫が生まれる主な経路

経路典型的な場面対応
処方の中止・変更患者の転院や処方内容の見直し早期の返品交渉と譲渡
少量規格の分割不可包装単位でしか購入できない薬剤近隣薬局との融通
期間限定の処方季節性の薬剤や一時的な治療都度発注に切り替える
後発品への切替先発品の在庫が残る切替前に在庫を消化する

※参考計算です。診療報酬・介護報酬の点数や消防法令の基準は改定されるため、最新の告示と所轄庁の運用を確認してください。

薬局の在庫回転日数と不動在庫の計算の詳しい解説

薬局の在庫回転日数が他業種より短めに保てるのは、仕入から販売までの流れが処方箋という形で日々読めるためです。とはいえ実際の水準は分業の形態で大きく変わります。特定の医療機関の門前であれば処方内容が絞られ、必要な品目は数百に収まりますが、複数の診療科から広く受け付ける面分業では、月に数回しか動かない薬剤まで抱える必要があり、品目数が二倍三倍になります。同じ売上規模でも在庫額に差が出るのはこの構造の違いによるものです。

判断が分かれるのは、欠品を避ける水準をどこに置くかです。在庫を絞れば資金は軽くなりますが、その場で渡せない場面が増えて患者の再来局を求めることになります。急性期の薬剤で欠品すると信頼を損ないますが、年に数回しか出ない薬剤まで常備するのは合理的ではありません。処方頻度と入手までの時間で薬剤を分類し、常備するもの、取り寄せるもの、近隣と融通するものを決めておく運用が現実的です。卸の配送が1日に何便あるかによっても、常備すべき範囲は変わります。

見落とされやすいのは、不動在庫を金額と品目数の両面で見る必要がある点です。金額が小さくても品目数が多ければ、棚のスペースと確認の手間を消費し続けます。逆に品目数が少なくても高額な薬剤が一つ滞留していれば、資金への影響は大きくなります。返品には期限や条件があり、開封済みや長期保管のものは受け付けられないため、動かないと判断した時点で早く動くほど回収できる金額は増えます。棚卸の際に品目ごとの最終出庫日を記録に残しておくと、翌期の判断が速くなります。

条件による違いとして、後発医薬品への切替や採用銘柄の変更は不動在庫を生みやすい局面です。切替を決めた時点で先発品の在庫が残り、返品期限を過ぎれば廃棄になります。供給の不安定な時期に多めに確保した在庫が、供給回復後に余ることもあります。期末の在庫額は棚卸の時期によっても変動するため、単月ではなく数か月の平均で見るほうが実態に近づきます。決算期の直前に仕入を絞って数値を良く見せても、翌月に反動が出るだけで実質は変わりません。廃棄の際は医薬品の種類に応じた処理が求められる点にも注意が必要です。

業界・現場での使い方

薬局の在庫管理

回転日数と不動在庫率を月次で追い、発注量の見直しにつなげます。

複数店舗の比較

店舗ごとの回転日数を並べ、在庫が滞留している店舗を特定します。

決算前の在庫調整

返品できる期限内の品目を洗い出し、回収可能な金額を見積もります。

資金繰りの改善

在庫を目標日数まで下げた場合に浮く運転資金を試算します。

よくある間違い・注意点

  • 在庫額だけで良し悪しを判断する — 仕入規模が違えば適正な在庫額も違うため、日数や回転率で見る必要があります。
  • 不動在庫を金額だけで数える — 品目数が多いと棚と確認の手間を消費し続け、金額に表れない負担が残ります。
  • 返品の期限を過ぎてから対応する — 返品には期限や条件があり、動かないと判断した時点での対応が回収額を左右します。
  • 期末の一時点だけで評価する — 棚卸の時期や納品のタイミングで在庫額は動くため、数か月の平均で見ます。
  • 欠品ゼロを目標にする — すべての薬剤を常備すると回転日数が伸び、資金と廃棄の両面で負担が増えます。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

在庫回転日数15日は適正ですか?

保険薬局では13〜18日が標準的な水準です。門前型ならもう少し短く、面分業型では長めになります。

回転率と回転日数はどう違いますか?

回転率は年間で在庫が何回入れ替わるかを示し、回転日数は在庫が何日分あるかを示します。互いに逆数の関係です。

不動在庫の基準は何か月ですか?

3か月から6か月動きがないものを不動在庫とする例が多く、薬局の規模や品目構成によって設定します。

返品はどのくらい受け付けてもらえますか?

未開封で期限に余裕があることが条件になるのが一般的です。卸との取り決めによるため、事前の確認が必要です。

在庫を減らすと欠品が増えませんか?

処方頻度で薬剤を分類し、常備する品目を絞る運用であれば、総額を下げても欠品は増えにくくなります。

目標の回転日数はどう決めればよいですか?

現状から2〜3日短い水準を段階的な目標にすると、欠品を抑えながら改善を進められます。

高額な薬剤はどう扱いますか?

1品目でも資金への影響が大きいため、都度発注や近隣との融通を前提に、常備の可否を個別に判断します。

廃棄する場合の注意点は何ですか?

医薬品の種類に応じた処理が求められます。麻薬や向精神薬は法令上の手続きが定められているため所轄へ確認してください。