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SLA稼働率

SLAの稼働率から許容される停止時間を求め、実際の停止時間との差と返金額を試算します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

SLA稼働率ツール

計算式と考え方

許容される停止時間は「対象期間の総分数×(1-稼働率)」で求めます。30日は43,200分なので、稼働率99.9%なら許容は43.2分です。年間では8,760時間の0.1%にあたる8.76時間になります。実際の停止が55分だった場合、稼働率は「(43,200-55)÷43,200」で約99.8727%となり、許容を11.8分超過してSLA未達です。月額50万円で返金率10%なら返金は5万円、停止1分あたり8,000円の機会損失では44万円の損失になります。

稼働率と許容停止時間

99.0%月に約7時間20分、年に約3日15時間。停止が業務に大きく影響しない用途向けです
99.9%月に約43分、年に約8時間45分。一般的なクラウドサービスで多く見られる水準です
99.99%月に約4分20秒、年に約53分。冗長化と自動切替が前提になります
99.999%月に約26秒、年に約5分15秒。人手による復旧では間に合わず、無停止設計が必要です

SLA稼働率の詳しい解説

稼働率のSLAを読むときは、まず定義を確認する必要があります。何をもって停止とみなすか、対象期間は暦月かサービス月か、計画メンテナンスは分母から除外されるかといった点が、実際の保証内容を大きく左右します。多くの事業者は事前に告知した計画メンテナンスを稼働率の計算から除外しており、この場合、SLA上は99.9%を満たしていても利用者から見た実際の利用可能時間はそれより短くなります。また、サービス全体が完全に応答しない状態のみを停止とし、一部機能の障害や性能の著しい低下を対象外とする定義も一般的です。返金の仕組みにも注意点があります。SLA違反時の補償は、多くの場合、月額料金の一定割合をサービスクレジットとして次月以降の利用料に充当する形を取ります。現金での返金ではなく、上限も月額料金の範囲内に設定されているのが通常です。つまり、停止によって生じた事業上の損失を補填する性質のものではありません。1分あたりの機会損失が数千円から数万円に及ぶ業務では、返金額と実際の損失額に桁の違いが生じます。SLAは損害賠償の代わりではなく、事業者側の品質へのコミットメントを示す指標として位置づけるのが実態に即しています。また補償を受けるには利用者側からの申請が必要で、期限が定められていることが多い点も見落とされがちです。可用性を上げる方法とその費用の関係は線形ではありません。99.9%から99.99%へ引き上げるには、単一障害点の排除に加えて、自動的な障害検知と切替、複数の可用性ゾーンや地域への分散配置が必要になります。ここで費用は概ね倍増し、さらに99.999%を目指すと、人が介在する復旧手順が成立しなくなるため設計思想そのものを変える必要が出てきます。したがって目標水準は、停止が業務に与える影響の大きさから決めるべきものです。1時間の停止で数百万円の損失が出る業務と、翌営業日までに復旧すれば足りる業務では、投じるべき費用がまったく異なります。複数のサービスを連ねた構成では、全体の可用性は各要素の積になります。99.9%のサービスを3つ直列で使えば、理論上の全体は99.7%まで下がり、許容停止時間は3倍近くになります。外部APIや認証基盤、CDNといった依存先を含めて数えると、単体のSLAだけを見ていては全体像を把握できません。逆に、冗長化して並列にすれば可用性は上がります。設計の際は、依存関係の図を描いたうえで直列と並列を整理し、全体としての目標から各要素に必要な水準を割り当てる順序が有効です。

業界・現場での使い方

SLAの比較

稼働率の違いが許容停止時間としてどれだけの差になるかを確認します。

障害後の精算

実際の停止時間からSLAの達否を判定し、返金額を算出します。

目標水準の設定

停止による損失額と返金額を比べ、必要な可用性の水準を決めます。

よくある間違い・注意点

  • 返金額で損失を補えると考える — 補償は月額料金の一定割合が上限です。停止による事業損失とは桁が違うのが普通です。
  • 計画メンテナンスの扱いを確認しない — 多くのSLAは事前告知した停止を計算から除外します。実際の利用可能時間はSLAより短くなります。
  • 依存先のSLAを合算しない — 直列に連なる構成では全体の可用性は各要素の積です。単体の数値だけでは全体を評価できません。

関連する規格・法規

  • 業界標準
  • ISO/IEC規格

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

99.9%と99.99%はどのくらい違いますか?

月あたりの許容停止時間が約43分と約4分20秒で、10倍の差があります。実現に必要な冗長構成も変わります。

返金は自動的に受けられますか?

多くは利用者からの申請が必要で、申請期限が定められています。障害の記録を残しておく必要があります。

計画メンテナンスは停止に含まれますか?

事前に告知されたメンテナンスは計算から除外する規定が一般的です。契約書の定義を確認してください。