消費税2税率
標準税率と軽減税率が混在する売上と仕入から、消費税の納付額を試算します。
消費税2税率ツール
計算式と考え方
売上にかかる消費税は、標準税率10%と軽減税率8%を分けて計算します。標準2,400万円と軽減1,600万円なら240万円と128万円で合計368万円です。仕入側も同じく標準1,700万円と軽減1,200万円で170万円と96万円の計266万円になります。仕入先の10%が免税事業者で、経過措置により仕入税額の80%まで控除できる期間なら、控除できない額は約5.3万円です。仕入税額控除は260.7万円となり、差引きの納付額は約107万円になります。簡易課税で第2種を適用すると368万円の20%で73.6万円です。
軽減税率8%が適用される主なもの
| 飲食料品 | 酒類と外食を除く飲食料品。テイクアウトは8%、店内飲食は10%と扱いが分かれます |
|---|---|
| 新聞 | 週2回以上発行され、定期購読契約に基づいて配達されるもの |
| 一体資産 | 食品と食品以外が一体になった商品のうち、税抜1万円以下かつ食品部分が3分の2以上のもの |
| 適用されないもの | 酒類、医薬品、外食、ケータリング、日用品全般は標準税率10%です |
消費税2税率の詳しい解説
2種類の税率が併存する状態では、経理の負担は税率の数だけ単純に増えるわけではありません。負担が重くなるのは、1件の取引のなかに両方の税率が混ざる場面です。飲食料品と日用品を同時に仕入れた請求書、店内飲食とテイクアウトが混在する売上、贈答用の詰め合わせのような一体資産などがこれにあたります。適格請求書には税率ごとに区分した対価の額と、それぞれに対応する消費税額の記載が求められており、この区分ができていない請求書は仕入税額控除の根拠になりません。受け取った請求書の記載要件を確認する作業が、税率が1つだった時期には存在しなかった実務として加わっています。仕入税額控除の計算では、税率ごとに積み上げる方法と、税込対価の合計から割り戻す方法のいずれかを選べます。前者は請求書1枚ごとの消費税額を積み上げるため精緻ですが件数が多いと手間がかかり、後者は端数処理の関係でわずかに不利になる場合があります。売上税額を割戻し計算にした場合は仕入税額も原則として割戻し計算にするなど、組み合わせに制約が置かれている点も見落とされやすいところです。免税事業者からの仕入は、経過措置の段階によって扱いが変わります。制度開始からの一定期間は仕入税額相当額の80%、その次の期間は50%を控除できるという段階的な縮小が定められており、期間が進むほど控除できない部分が増えます。取引先に課税事業者への登録を求めるか、価格を調整するか、控除できない分を自社が負担するかという判断は、取引先との力関係や代替の効きやすさによって分かれます。一方的な価格の引き下げ要請は独占禁止法や下請法の観点から問題になり得るため、交渉の進め方には注意が必要です。簡易課税は、みなし仕入率を使って売上税額から納付額を計算する方式で、基準期間の課税売上高が5,000万円以下であることなどが要件とされています。実際の仕入が少ない業種では有利になりやすい一方、設備投資を予定している年は本則課税のほうが有利になることがあります。選択には届出の期限があり、原則として2年間は変更できないため、複数年の見通しを立てたうえで判断し、必要に応じて税理士に確認することが実務的です。
業界・現場での使い方
納付額の見積り
期中の売上と仕入から、決算時に納める消費税額の見当をつけます。
課税方式の比較
本則課税と簡易課税のどちらが有利かを金額で確認します。
経過措置の影響把握
免税事業者との取引が納付額にどれだけ効くかを確かめます。
よくある間違い・注意点
- 税込金額をそのまま税抜として計算する — 税率が2つあると税込からの割戻しも税率ごとに必要です。混ぜて計算すると税額がずれます。
- 記載要件を満たさない請求書で控除する — 税率ごとの対価と税額の記載がない請求書は控除の根拠になりません。受領時に確認してください。
- 簡易課税を単年の損得だけで選ぶ — 原則2年間は変更できません。設備投資の予定がある年は本則課税が有利になることがあります。
関連する規格・法規
- 日本商工会議所簿記
- 企業会計原則
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
テイクアウトと店内飲食で税率が違うのはなぜですか?
軽減税率の対象は飲食料品の譲渡で、外食は対象外と定められているためです。同じ商品でも提供の形態で分かれます。
免税事業者からの仕入は全く控除できませんか?
経過措置の期間中は仕入税額相当額の一定割合を控除できます。段階的に縮小されるため期間の確認が必要です。
簡易課税はいつでもやめられますか?
届出により選択し、原則として2年間の継続が必要とされています。やめる場合も事前の届出が必要です。