SaaS KPI総合計算機
MRR・顧客数・チャーン・CAC等の入力から、Net New MRR・成長率・ARR・LTV・LTV/CAC・NRR・Burn Multiple・Rule of 40・Runwayまで14指標を一括算出。SaaS事業の健全性を多角的に診断します。
SaaS KPI総合計算機ツール
SaaS主要指標の計算式
Net New MRR = 新規MRR + アップセルMRR − チャーンMRR − ダウンセルMRR
月次成長率 = Net New MRR ÷ 現在MRR × 100
ARR = 現在MRR × 12
月次チャーン率 = 解約顧客数 ÷ 期首顧客数 × 100
NRR(年換算) = ((MRR + Expansion − Churn − Contraction) ÷ MRR)12 × 100
ARPU = MRR ÷ 顧客数
LTV = ARPU × 粗利率 ÷ 月次チャーン率
CAC回収期間 = CAC ÷ (ARPU × 粗利率)
Burn Multiple = 月次バーン ÷ Net New MRR (David Sacks 指標)
Rule of 40 = 年次成長率(%) + 利益率(%) ≥ 40 を目指す
SaaS指標ベンチマーク
| 指標 | 優秀 | 健全 | 改善要 |
|---|---|---|---|
| 月次成長率 | 10%+ | 5-10% | <3% |
| ロゴチャーン(月) | <1% | 1-3% | >5% |
| NRR(年) | 120%+ | 100-120% | <90% |
| LTV/CAC | 5+ | 3-5 | <3 |
| CAC回収 | <12ヶ月 | 12-18 | >24 |
| Burn Multiple | <1 | 1-2 | >3 |
| Rule of 40 | 40%+ | 20-40% | <20% |
| Runway | 18ヶ月+ | 12-18 | <12 |
※SaaStr, ChartMogul, David Sacks等の業界ベンチマークを編集部にて整理。
SaaS KPI総合計算機の詳しい解説
SaaSはリカーリング収益モデルのため、伝統的な財務指標だけでは事業実態を捉えきれません。MRR・チャーン・LTV・CACなどのSaaS固有指標が事業評価の中核です。
成長性指標
Net New MRR(純増MRR)は「新規獲得 + アップセル − チャーン − ダウンセル」で、単純な新規契約数より事業実態を示す。月次成長率 10%+はT2D3(Triple-Triple-Double-Double-Double)の成長軌道。NRR 120%+は既存顧客だけで20%成長する状態で、ネットフリックス・Snowflake等の一流SaaSに共通。
ユニットエコノミクス
LTV/CAC 3+が持続可能SaaSの最低ライン、5+で優良。1未満は事業成立せず要抜本改善。CAC回収期間 12ヶ月以下が優良、18ヶ月以下が許容範囲。エンタープライズSaaSは18-24ヶ月も許容されるが、SMB向けは12ヶ月以下が理想。
資本効率と持続性
Burn Multiple(David Sacks 提唱)は「Net New MRR $1創出に燃焼した現金」。1以下で優秀、2以下で健全、3超は要注意。Rule of 40(年次成長率+利益率 ≥ 40)は成長と収益性のバランス指標で、Salesforce・Zoomなどの一流SaaSが基準達成。Runway 18ヶ月+はダウンラウンド回避と次回調達準備の目安。
チャーンの深掘り
ロゴチャーン(顧客数ベース)と収益チャーン(MRRベース)を分けて見る。大口顧客のダウンセルはロゴチャーンには出ないが収益チャーンで顕在化。エンタープライズはGross Revenue Retention 90%+が目安。
業界・現場での使い方
SaaS経営者
月次経営会議で全KPIを俯瞰。予算対比+競合比較で成長軌道を維持。
CFO・投資家
シリーズA/B/C調達時の事業健全性説明。Term Sheet評価・バリュエーション根拠に。
CS・営業部門
LTV最大化とCAC最小化の施策優先順位付け。オンボーディング改善で最大リターン領域を特定。
プロダクト・マーケ
アクティベーション率とチャーン率の相関分析でPMF・機能優先順位を判断。
よくある間違い・注意点
- チャーンの過小評価 — 月3%チャーン=年30%以上損失。単月では小さく見えるが複利で大打撃。
- CAC計算の甘さ — マーケ費だけでなくセールス人件費・CS費用も含めた真のCACを算出。
- NRR100%満足 — エンプラSaaSでは120%+が業界標準。100%は成長機会損失のサイン。
- Runway 12ヶ月切っての調達 — 次回調達準備に6ヶ月要するため、18ヶ月+の余裕が必要。
関連する規格・法規
- SaaStr Metrics Guide(Jason Lemkin 主催の業界標準)
- David Sacks「Burn Multiple」定義(Craft Ventures 2020)
- Bessemer Venture Partners「State of the Cloud」年次レポート
- ChartMogul, ProfitWell 等のベンチマーク統計
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
月次チャーン率と年次チャーン率の関係は?
月次3%チャーンは年次(1-0.97^12)=約31%の年間損失。複利で急激に増加するため月次で低く保つ必要あり。
LTVの計算に粗利率を掛ける理由は?
売上ベースのLTVは実際の企業に残る価値を過大評価。粗利ベースLTV(=ARPU×粗利率÷チャーン率)がCAC比較の正しい指標。
Burn Multiple 3以上はどうすべき?
成長投資の効率が悪い状態。マーケ費削減・営業組織見直し・製品PMF再検証で改善。
Rule of 40 未達だとVCから調達できない?
2020年代は低金利下で成長優先だったが、2022年以降は効率性重視。Rule of 40は現代SaaSのバリュエーション決定要因。
NRR 120%はどうやって達成する?
アップセル・クロスセル・使用量課金・価格改定で既存顧客からの追加収益を積み上げ。エンプラ+PLG併用モデルが典型的手法。