計算ツール
冷媒 配管 R32 エアコン

冷媒配管サイズ

冷凍能力・配管長・冷媒種別から液管・ガス管の推奨径を即算出。エアコン・ヒートポンプ据付に。

最終更新:2026-07-30/監修:計算ツールズ編集部

冷媒配管サイズツール

冷媒配管サイズ

能力と配管長で決まる。液管は流速確保のため能力に対して小さめの径、ガス管は圧損低減のため能力に対して大きめの径が定石。長距離(30m超)は上位径で圧損補償を行う。落差(室内機と室外機の高低差)が10mを超える場合はさらに慎重な設計が必要で、逆勾配部にはU字トラップまたは油戻り管の追加を検討する。

推奨液管径 ≈ f(能力kW) / 推奨ガス管径 ≈ f(能力kW)+長距離補正

基本設計は「能力別標準径→配管長補正→落差補正→分岐考慮」の順で決める。マルチ機は分岐部・合流部で径切替が発生するため、機種ごとの継手セット(ジョイントキット)を必ず組み合わせて設計する。既設更新時は既存配管を洗浄・再利用できるが、R22→R32/R410A変換では配管洗浄工程(冷媒洗浄剤またはN2ブロー)が必須である。

能力別 標準配管径(R32)

能力kW 液管 ガス管
2.2 φ6.35 φ9.52
5.6 φ6.35 φ12.7
7.1 φ9.52 φ15.88
14 φ9.52 φ19.05
22 φ12.7 φ22.2
28 φ12.7 φ25.4

※機種ごとの機外配管仕様(相当長・落差)が最優先。上表は目安。

冷媒配管サイズの詳しい解説

冷媒配管は「液管とガス管の2本」を敷設する。液管は液状冷媒(小径)、ガス管は蒸気状冷媒(大径)を輸送する。適正径未満だと圧損増・能力低下、過大径は油戻り不良でコンプレッサ潤滑が阻害され焼損リスクとなる。特にガス管は油戻り速度(6-8m/s)を確保できる最小径以上、圧損許容(概ね2K以下)を超えない最大径以下で設計する。

配管長30mを超えると圧損補正が必要で、能力ダウン率(概ね1m/1%目安)を見込んで機外静圧・室内負荷とのバランスを取る。ビル用マルチ(VRF/VRV系)では相当長100-165m、実長80-150m、落差30-90mといった限界仕様が機種銘板に明示されており、超過すると保証外となる。分岐管数・分岐長・上下配置も総合的に評価する。

R32は微燃性(A2L)冷媒でGWP675と低いため、2020年前後から家庭用〜業務用機器の主流となった。R410Aは新規機器では減少傾向にあるが、既設機の補修用として供給は継続している。R404A・R407Cは低GWP代替への移行対象となっており、新設機器の選定時はメーカー廃番情報を確認する。

据付後は「窒素加圧気密試験→真空引き→追加冷媒充塡→試運転」の順で施工品質を確認する。気密試験圧力はR32で4.15MPa、R410Aで4.15MPa、R22で2.94MPaが目安で、24時間以上圧力保持できることをゲージで確認する。真空引きは-101kPa(絶対圧≒0)まで到達させ、5分以上保持できることを確認する。

業界・現場での使い方

エアコン据付

マルチエアコン・GHP・ビル用マルチの配管計画。相当長・落差・分岐条件を機種の仕様表と照合する。

冷凍冷蔵設備

スーパー冷凍ケース・食品倉庫の冷媒配管。R404A→R448A/R449Aへの代替時は配管洗浄と油種変更の要否をメーカーに確認する。

冷凍機更新

既設配管の再利用可否判定。R22機からR32/R410A機への更新では配管内残留鉱油と新冷媒油(POE油)の混和不良に注意する。

ヒートポンプ給湯

エコキュートのタンクと室外機間配管の径選定。CO2冷媒(R744)は超高圧仕様のため、専用管材(耐圧15MPa以上)を用いる。

よくある間違い・注意点

  • 管径をコスト優先で細く — 圧損増で能力大幅低下・故障リスク。ガス管を1サイズ落とすと概ね5-10%の能力ダウンとなる。
  • 継手多用 — ろう付部の漏洩リスク。継手1箇所につき0.3m相当の圧損が加わるため、可能な限り一本物で施工する。
  • 気密試験不十分 — 施工後の窒素加圧試験必須。石鹸水またはリークディテクタで全継手・フレア部を確認する。24時間保持試験まで実施するのが標準。
  • 真空引き時間の不足 — φ9.52で30m以上は60分以上の真空引きが目安。短時間で終わらせると配管内残留水分がフリーザ内で氷結し、膨張弁詰まりを起こす。
  • 異冷媒間の配管流用 — R22残油とR32/R410A(POE油)は混和不良で潤滑不良を起こす。フラッシング(冷媒洗浄剤またはN2ブロー)を怠らない。

関連する規格・法規

  • 高圧ガス保安法(冷凍保安規則)
  • JIS B 8620 冷凍機の性能試験通則
  • JIS B 8615 パッケージエアコンの試験方法
  • JIS B 8623 冷凍空調機用電子式膨張弁
  • フロン排出抑制法

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

5.6kWエアコンの配管は?

液管φ6.35、ガス管φ12.7が標準。ただし配管長が20m超なら液管はφ6.35のまま、ガス管はφ15.88に上げるケースもある。

R32とR410Aで配管サイズは違う?

基本ほぼ同じ。R32はGWP低いため新機種主流。運転圧はR32とR410Aで同等レベル(高圧側4.15MPa相当)のため管材規格も同じ。

長距離配管の限界は?

相当長は機種次第で50m〜165m、実長は80-150m前後まで。落差(高低差)にも制約があり、10-90mが標準。超過は機種メーカーへ事前確認。

気密試験圧力は?

R32・R410Aで4.15MPa、R22で2.94MPa。窒素加圧で漏洩確認。24時間保持試験まで行うのが望ましい。

既設R22配管をR32機で使える?

洗浄フラッシング後に流用可能な機種と、径・耐圧不足で流用不可の機種がある。メーカーの更新マニュアル参照が必須。

ガス管断熱は必須?

結露防止のため断熱厚10-20mm(ポリエチレン発泡)が標準。冷房時のガス管は0-10℃程度で結露しやすい。液管も凍結防止・熱ロス低減のため断熱するのが望ましい。

参考文献・公的資料

免責事項

本ツールは冷媒配管径の目安を提示するもので、実設計値を保証しません。実施工では機種ごとのメーカー据付説明書・機外配管仕様(相当長・落差・分岐)に従う必要があります。冷媒回収・充塡・気密試験は高圧ガス保安法およびフロン排出抑制法に基づく有資格者が実施してください。本ページの数値を根拠に発生した損害・法令違反について、当サイトは一切責任を負いません。