雨量mm/h強度
降水強度と面積から、雨の強さの階級と敷地への流入量を試算します。
雨量mm/h強度ツール
計算式と考え方
期間の総雨量は「降水強度 × 継続時間」で求めます。30mm/時が3時間続けば90mmです。1mmの雨は1㎡あたり1リットルにあたるため、流入量は「面積 × 総雨量 ÷ 1000 × 流出係数」で計算でき、5,000㎡の屋根・舗装面(流出係数0.9)では405m³になります。ピーク時の流量は同じ係数を1時間あたりで見て秒に直し、約37.5リットル毎秒です。貯留設備の容量が100m³なら305m³が溢れる計算になります。30mm/時は気象庁の区分で激しい雨にあたり、排水施設の能力50mm/時に対しては60%の水準です。
1時間雨量と雨の強さ
| 10〜20mm | やや強い雨。ザーザーと降り、地面からのはね返りで足元が濡れる |
|---|---|
| 20〜30mm | 強い雨。どしゃ降りで、寝ている人の半数が気づく程度の音になる |
| 30〜50mm | 激しい雨。バケツをひっくり返したように降り、道路が川のようになる |
| 50mm以上 | 非常に激しい雨。滝のように降り、車の運転は危険な状態になる |
雨量mm/h強度の詳しい解説
雨の強さは1時間あたりの降水量で表され、階級ごとに体感と被害の目安が定められています。名称が付けられているのは1時間10mm以上で、それ未満は日常的な雨として扱われます。この階級は、同じ雨量でも人が受ける印象と実際の被害が対応するように設定されており、数値だけでは伝わりにくい状況を共有するための共通言語として使われます。設計上の基準として重要になるのが、下水道や排水施設の能力です。多くの都市では時間あたり50mmから60mmを目安に整備されてきましたが、これは長年の観測に基づく確率的な想定であり、これを超える雨は当初から想定外として扱われてきました。近年は短時間に集中して降る雨の発生頻度が上がっており、既存の施設の能力を超える事象が各地で報告されています。施設の増強には時間と費用がかかるため、雨水を一時的に貯める設備や、地中に浸み込ませる設備を組み合わせて、流出のピークを遅らせる考え方が広がっています。敷地からの流出量を左右するのが流出係数です。屋根や舗装面はほとんど浸透しないため0.9前後、一般の宅地は0.7程度、芝地や公園は0.3前後、山林では0.2程度が目安とされます。同じ面積でも、舗装した駐車場と芝地では流出量が3倍以上変わります。開発によって農地や林地が舗装面に変わると、下流の排水路にかかる負荷が急に増えるため、一定規模以上の開発では調整池の設置が求められる制度になっています。時間の要素も見落とされやすい点です。同じ総雨量100mmでも、10時間かけて降る場合と2時間で降る場合では、被害の様相がまったく異なります。前者は排水が追いつく可能性がありますが、後者は施設の能力を超えて水が溢れます。一方、土砂災害については、その瞬間の強さより、降り始めからの積算量と土壌に溜まった水の量が効きます。強い雨が止んだ後に崩れが起きるのはこのためで、雨が弱まったことをもって安全と判断するのは危険です。線状の降水帯が発生した場合、同じ地域に数時間から半日にわたって強い雨が降り続けます。この状態では、時間雨量が50mmを下回っていても積算量が急速に増え、河川の氾濫と土砂災害の両方の危険度が上がります。試算した流入量は敷地単位の目安であり、実際の浸水は周囲から流れ込む水や排水路の状況に左右されます。避難の判断は、自治体が発表する情報と危険度の分布を優先してください。
業界・現場での使い方
排水計画の検討
敷地からの流入量と排水能力を比較します。
貯留設備の設計
必要な貯留容量と溢れる量を試算します。
気象情報の理解
発表された雨量が実際にどの程度の状況かを把握します。
よくある間違い・注意点
- 総雨量だけで判断する — 同じ100mmでも降る時間で被害が変わります。時間あたりの強さと併せて見てください。
- 雨が弱まったら安全と考える — 土砂災害は積算雨量と土壌の水分量で起こります。雨が止んだ後の崩れも報告されています。
- 舗装面の流出量を過小に見る — 流出係数は芝地の3倍になります。駐車場の舗装化で下流の負荷が急増します。
関連する規格・法規
- 気象庁
- WMO
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
50mm/時はどの程度の雨ですか?
非常に激しい雨に分類され、滝のように降ります。多くの排水施設の設計上の限界に近い水準です。
流出係数はどう決めますか?
地表面の種類で変わります。屋根と舗装面が0.9前後、宅地が0.7程度、山林が0.2程度が目安です。
土砂災害はどの数値で判断しますか?
時間雨量より積算雨量と土壌の水分量が効きます。自治体の危険度分布の確認が確実です。