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耐震補強費用

建物の規模と現状の評点から、耐震改修の費用と補助額を試算します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

耐震補強費用ツール

計算式と考え方

耐震改修の費用は、現在の評点と目標値の差、延床面積、基礎の状態から概算します。上部構造評点0.55を1.0まで引き上げる場合、差は0.45です。坪あたり95,000円を基準に、面積35坪、2階建ての係数1.15を掛けると約172万円になります。基礎が無筋コンクリートや玉石の場合は補強が必要となり、費用は1.35〜1.7倍に上がります。多くの自治体が補助制度を設けており、費用の50%・上限100万円といった条件が一般的です。この例では補助86万円を受けられ、診断費用を含めた実質負担は約102万円になります。

上部構造評点の判定

1.5以上倒壊しない
1.0以上1.5未満一応倒壊しない
0.7以上1.0未満倒壊する可能性がある
0.7未満倒壊する可能性が高い

耐震補強費用の詳しい解説

1981年5月以前に着工された建物は、旧耐震基準に基づいて設計されています。現行の基準は、震度6強から7程度の揺れでも倒壊しないことを目標としていますが、旧基準は震度5強程度を想定した設計でした。この差により、旧耐震基準の建物は大地震での倒壊リスクが高く、耐震診断と必要に応じた改修が推奨されています。診断では上部構造評点という指標で建物の耐震性を評価します。1.0が「一応倒壊しない」水準で、これを下回る場合に改修の対象となります。評点は、壁の量と配置のバランス、接合部の状態、劣化の程度から算出されます。壁が少ない、配置が偏っている、金物での接合がされていないといった要因が評点を下げます。改修の内容は診断結果によりますが、代表的なのが壁の増設と補強です。構造用合板を張る、筋かいを入れるといった方法で、耐力壁を増やします。次いで接合部の補強で、柱と土台、柱と梁を金物で緊結します。旧基準の建物では、この接合部が釘だけで留められていることがあり、揺れで柱が抜けるという被害につながります。基礎の補強も必要になる場合があり、無筋コンクリートや玉石基礎では鉄筋コンクリートの基礎を新設または増し打ちします。この工事は費用が大きく、全体の見積を押し上げる要因になります。費用を抑える方法として、部分的な改修という選択もあります。全体を1.0以上にするのが理想ですが、予算の制約がある場合、寝室など就寝時にいる部屋だけを補強する、あるいは耐震シェルターを設置するという方法があります。倒壊しても命を守る空間を確保するという発想で、自治体によってはこれらにも補助を出しています。多くの自治体が、耐震診断を無料または低額で実施し、改修に対する補助制度を設けています。補助率と上限額は自治体により異なり、診断と改修で別々の制度になっていることもあります。いずれも事前申請が条件のため、工事を始める前に窓口へ相談することが必要です。改修工事を行うと、固定資産税の減額や所得税の特別控除を受けられる制度もあり、これらを合わせると実質負担はさらに下がります。

業界・現場での使い方

改修の検討

診断結果から改修費用と補助額を試算します。

予算計画

補助制度を含めた実質負担額を把握します。

住宅の評価

建築年から旧耐震基準に該当するかを確認します。

よくある間違い・注意点

  • 補助金を工事開始後に申請する — 事前申請が条件の制度がほとんどです。着工前に窓口へ相談してください。
  • 接合部の補強を軽視する — 旧基準の建物では釘だけで留められていることがあります。柱が抜ける被害につながります。
  • 全体改修しかないと考える — 寝室のみの補強や耐震シェルターという選択肢もあります。補助対象の自治体もあります。

関連する規格・法規

  • 建築基準法
  • JIS建築規格

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

旧耐震基準とは何ですか?

1981年5月以前の基準です。震度5強程度を想定した設計で、大地震での倒壊リスクが高くなります。

上部構造評点1.0の意味は?

「一応倒壊しない」水準です。1.5以上なら「倒壊しない」と評価されます。

補助制度はありますか?

多くの自治体で診断と改修に補助があります。事前申請が条件で、税の減額制度も併用できます。