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モル分率化学分析蒸留気液平衡

モル分率(質量から) 計算ツール|2成分系の質量→モル分率換算・ラウール則・気液平衡まで

各成分の質量(g)と分子量(g/mol)から2成分系のモル分率を即算出。化学工学の物質収支・分留設計・気液平衡・ラウール則・共沸組成・活量係数の一次計算に。水-エタノール系、メタノール-水系、酢酸-水系など代表的な非理想溶液の解説、蒸留塔の理論段数、ガスクロマトグラフの組成分析、混合物の比熱・粘度推算まで、化学プラント設計・分析化学の実務観点で扱います。プロセス設計、実験レポート、環境分析の即算にご活用ください。

最終更新:2026-07-29/監修:計算ツールズ編集部

モル分率(質量から)ツール

計算式とモル分率の定義

モル分率の基本式

ni (mol) = mi (g) / Mi (g/mol)

xi = ni / Σnj

モル分率xiは、混合物中の成分iのモル数niを全成分のモル数の合計で割った無次元量です。定義上Σxi = 1となり、単位は不要ですが、慣例的に「モル分率0.61」または「モル%61%」と表記します。質量分率wiとは別物で、分子量差が大きい系(H₂とN₂など)では両者の数値が大きく異なる点が要注意です。

質量分率との違い

wi = mi / Σmj (質量分率)

質量分率は工業計量・原料仕込みで多用され、モル分率は化学反応・気液平衡・物性推算で使われます。20gの水(M=18)と80gのエタノール(M=46)なら、質量分率は水20%・エタノール80%ですが、モル分率は水0.39・エタノール0.61となり、質量%とモル%の混同は分留計算で致命的な誤差になります。

純度・組成表記の慣行

石油化学・ガス業界ではモル%(=vol%、理想気体近似)、食品・製薬・化粧品業界では質量%が主流です。分析化学ではガスクロマトグラフはモル%(検出器応答が分子数比例)、液クロは通常は質量濃度(g/L)。混同を防ぐため、SDS(安全データシート)・製品規格書では単位を明記するのが実務標準です。

水-エタノール系の代表計算

水(M=18.02)とエタノール(M=46.07)は非理想溶液の代表例で、様々な組成での計算例を示します。

水(g)エタノール(g)水モル分率エタノールモル分率質量%(エタノール)
90100.9580.04210%
80200.9120.08820%
50500.7190.28150%
20800.3900.61080%
10900.2210.77990%
4.495.60.1040.89695.6%(共沸点)

エタノール質量50%はモル分率0.28、質量95.6%(いわゆる95%エタノール)はモル分率0.90付近で、この組成は78.15℃で共沸し、常圧蒸留ではこれ以上濃縮できません。無水エタノール(99.5%以上)の製造には、ベンゼン・シクロヘキサン等を第三成分として加える共沸蒸留、または膜分離(ゼオライト膜)が使われます。

主要有機溶媒の分子量

物質化学式分子量(g/mol)用途
H₂O18.02溶媒・希釈剤
メタノールCH₃OH32.04燃料・抽出溶媒
エタノールC₂H₅OH46.07燃料・消毒・食品
アセトン(CH₃)₂CO58.08汎用溶剤
酢酸CH₃COOH60.05合成中間体
ベンゼンC₆H₆78.11芳香族原料
トルエンC₆H₅CH₃92.14芳香族溶剤
クロロホルムCHCl₃119.38抽出・NMR溶媒
ジクロロメタンCH₂Cl₂84.93抽出・脱脂
ヘキサンC₆H₁₄86.18脂質抽出

実務での有効数字は4桁以上を推奨。IUPACの原子量表(改訂は数年ごと)を用いれば、水18.015、エタノール46.068、ベンゼン78.114など6桁精度で計算できます。同位体天然存在比の変動を考慮した「区間表記」の正式値もありますが、化学工学的にはIUPAC推奨値で十分です。

ラウール則と気液平衡

ラウール則(理想溶液)

pi = xi · pi*

ラウール則は、理想溶液における成分iの蒸気圧piを、その成分の液相モル分率xiと純物質の蒸気圧pi*で表す関係式です。全圧はP=Σxipi*、気相モル分率はyi=pi/Pで求めます。ベンゼン-トルエンやヘキサン-ヘプタンなど分子構造の似た系では理想に近い挙動を示します。

活量係数γ(実在溶液)

pi = γi · xi · pi*

実在溶液では活量係数γで補正します。水-エタノール系のような極性差の大きい系ではγが1から大きく外れ、γ>1(正の偏差)なら共沸点(最低沸点)が発生、γ<1(負の偏差)なら最高沸点共沸(HCl-水など)が発生します。γの推算にはWilson式・NRTL式・UNIQUAC式・UNIFAC推算が実務で使われ、Aspen Plus等の化工シミュレータに組み込まれています。

共沸組成と非理想性

共沸は液組成と気相組成が一致する状態で、通常の蒸留では分離不可能な組成点です。主要な共沸系を示します。

共沸温度共沸組成(モル分率)種類
水-エタノール78.15℃エタノール0.895最低沸点
水-イソプロパノール80.4℃IPA 0.68最低沸点
水-酢酸エチル70.4℃酢エチ0.71最低沸点
水-塩酸108.6℃HCl 0.11最高沸点
水-硝酸121.9℃HNO₃ 0.38最高沸点
ベンゼン-エタノール67.9℃ベンゼン0.55最低沸点

共沸を突破する方法として、(1)減圧・加圧で共沸組成をシフト、(2)第三成分添加による共沸蒸留、(3)抽出蒸留、(4)膜分離(ゼオライト・パーベーパレーション)、(5)吸着(モレキュラーシーブ)があります。無水エタノール製造では現在、ゼオライトA型による吸着法が主流です。

気体混合物のモル分率

気体混合物では理想気体近似が成り立ち、モル分率≒体積分率≒分圧比となります。

yi = Vi/Vtotal = Pi/Ptotal

大気組成では、N₂ 78.08%、O₂ 20.95%、Ar 0.93%、CO₂ 0.042%(2024年時点で420ppm超)などをモル%で表記します。ガスクロマトグラフの検出器(TCD・FID)は原則モル比に応答するため、面積比は直接モル分率に対応します(補正係数を除く)。工業用燃焼設計では空燃比(A/F)の換算にモル分率が不可欠で、都市ガス13A(メタン主成分)の理論空気量は10.9 m³N/m³Nガスなどと表現されます。

分留設計への応用

マッケーブ・シーレ法の一次段数推算

2成分系の理論段数(NTS)推算はMcCabe-Thiele法が定番です。x-y図(液相モル分率x vs 気相モル分率y)上で、精留部・回収部の操作線と平衡曲線の交点を結んだ階段数が理論段数となります。相対揮発度αを用いたFenske式で最少理論段数を近似できます。

Nmin = log[(xD/(1−xD))·((1−xB)/xB)] / logα

ベンゼン-トルエン系(α≒2.4)で98mol%→2mol%分離ならNmin≒8段、水-メタノール系(α≒5〜8)なら4段程度となり、実段数は理論段数×1.5倍(効率0.6〜0.7)を目安に選定します。

還流比と最少還流比

塔頂還流比RはRminの1.2〜2倍が経済最適で、RminはUnderwood式で算出します。設備投資と運転エネルギーのトレードオフとなり、化学プラントのエネルギーコストの多くは蒸留塔リボイラ由来です。省エネ設計(熱ポンプ蒸留・多重効用・ヒートポンプ精留)が近年の主要テーマになっています。

相対揮発度αの実務値

相対揮発度α分離難易度実段数目安(98%→2%)
ヘキサン-ヘプタン2.710〜12段
ベンゼン-トルエン2.412段
メタノール-水5〜8非常に易6〜8段
エタノール-水2.5(希薄)〜1.03(共沸)難(共沸)共沸不可
o-キシレン-p-キシレン1.02極難数百段(晶析分離)

α<1.1の系は分留経済性が悪く、晶析・膜分離・吸着などの代替プロセスが検討されます。石油精製のキシレン異性体分離ではモレキュラーシーブ吸着(Parex法)、乳酸-水分離では膜分離が主流です。

混合物の物性推算(モル分率ベース)

混合物の分子量

Mmix = Σ(xi · Mi)

モル分率加重平均で混合物の平均分子量を算出。20g水+80gエタノールの場合、Mmix=0.39×18.02+0.61×46.07=35.14 g/mol。この値は理想気体状態方程式PV=nRTを用いた蒸気密度・拡散係数の推算で利用されます。

混合物の熱容量・粘度

比熱容量はモル比熱の場合Cpmix=ΣxiCpiで近似(液相の場合は正の偏差あり)。粘度は液相でGrunberg-Nissan式(logηmix=Σxilogηi+相互作用項)を用い、気相ではWilke式で近似します。プロセスシミュレータでは物性データベース(DIPPR・NIST等)からの値をα-補正した推算を自動化しています。

混合エンタルピー(混合熱)

理想溶液では混合熱ΔHmix=0ですが、水-硫酸系のような大きな発熱系ではΔHmix=−80kJ/mol以上に達します。プラント設計では混合槽の冷却設計・安全温度管理でモル分率と混合エンタルピー曲線を参照することが必須で、労働安全衛生法の暴走反応対策(TRIC)にも関連します。

混合物の沸点・凝固点

希薄溶液ではラウール則の変形で沸点上昇ΔTb=Kb·msolute、凝固点降下ΔTf=Kf·msoluteとなります(m=質量モル濃度)。水のKb=0.52、Kf=1.86。塩や糖の水溶液の物性計算・食品保存工学(冷凍サイクル)・不凍液設計(エチレングリコール)で頻用され、モル分率とmol/kg換算の相互変換が必要になります。

業界・現場での使い方

化学プラント設計(プロセスエンジニア)

Aspen Plus・PRO/II・COCO等の化工シミュレータでの物質収支入力の一次確認。反応原料の仕込み比、反応器出口組成、蒸留塔設計での気液平衡の一次計算に。

分析化学(ラボ)

GC/GC-MSの内部標準法・面積百分率法での組成算出、HPLC・LCMSでの検量線作成。SDS・製品規格書の組成表記(モル%表記)の照合。

製薬・原薬製造

反応原料モル比の設計、有機溶媒回収系の分留設計、残留溶媒(ICH Q3C)の限度値換算。GMP遵守のバッチレコードでの原料仕込み量計算。

石油精製・石化コンビナート

ナフサ・ガソリン組成分析(PIONA)、天然ガス組成(モルベース)、脱硫工程での硫黄化合物モル濃度算出。

環境分析(大気・排ガス)

大気モニタリング(NOx・SOx・CO₂のppm=モル百万分率)、排ガス濃度の乾ベース/湿ベース換算、酸素補正係数の適用。

大学教育・技術者研修

物理化学・化学工学・分析化学の教科書演習、材料工学のマテリアルバランス計算、大学院入試・技術士試験の解答支援に。

よくある間違い・注意点

  • 質量%とモル分率の混同 ― 分子量差が大きい系ではモル分率と質量分率が大きく異なる。水-エタノール50%質量なら実モル分率は0.28(エタノール側)、水-硫酸系ではさらに乖離。SDS・製品規格書は必ず単位(mol%/wt%)を確認する。
  • 分子量の有効数字不足 ― 水18、エタノール46で計算すると3桁精度で誤差1%発生。有効数字4桁以上(水18.02、エタノール46.07)を推奨。精密計算では原子量表(IUPAC最新版)から計算する。
  • 気体組成をvol%のままモル%と混同 ― 理想気体近似では等しいが、高圧下・低温下では実在気体の圧縮係数Zで補正が必要。液化天然ガスや高圧ガス配管では特に注意。
  • 共沸組成を分留で突破しようとする ― 通常の分留では共沸点を超えて濃縮できない。無水エタノール製造には共沸蒸留・膜分離・吸着が必要。実験室で「95%エタノールを常圧で99%にしよう」として無駄に加熱するのは典型的失敗例。
  • 塩や電解質を含む系でモル分率を推算 ― 塩溶液は電離するため、Na塩なら実質モル数は2倍、CaCl₂なら3倍を計上。凝固点降下・沸点上昇の計算ではvan't Hoff係数を掛ける。
  • ラウール則を極性差の大きい系に無条件適用 ― 水-エタノール系はγ大きく理想からのずれ大。UNIQUAC・NRTL式で補正するか、実測データを用いる。理想近似のまま設計するとリボイラ熱負荷の実力値と大きく乖離。
  • 反応後の物質収支での原料混同 ― 反応原料の投入モル比と反応後生成物のモル比を混同。反応化学量論を明確にし、収率・選択率と一緒に管理する。
  • 希釈時の混合熱を軽視 ― 濃硫酸への水添加は激しい発熱で沸騰・飛散事故につながる。「酸に水」ではなく必ず「水に酸」の順で徐々に添加、モル分率と混合熱の関係を把握しておく。
  • 純物質の分子量を組成として登録 ― プロセスシミュレータのコンポーネント登録で異性体を単一分子量として扱うと、精留計算で誤差。o-キシレンとp-キシレンは同じM=106だが物性は別。

関連する規格・法規

  • IUPAC命名法(国際純正・応用化学連合) ― 化学物質の系統名・慣用名・原子量表の公式基準。有機化学命名法(2013年勧告)、無機化学命名法(2005年勧告)。
  • JIS K 0114 ガスクロマトグラフ分析通則 ― ガスクロマトグラフの試料調製・測定・組成算出手順の国内標準。モル分率・面積百分率の算出法を規定。
  • JIS K 0102 工場排水試験方法 ― 排水中の化学物質分析、含有率のmol/L・mg/L換算基準。
  • JIS Z 8802 pH測定方法 ― pH計測におけるH⁺モル濃度の定義・校正手順。
  • ICH Q3C 残留溶媒ガイドライン ― 医薬品中の残留溶媒の許容量。ppm(w/w)表記が原則で、モル濃度換算が必要になる場合あり。
  • 労働安全衛生法(SDS制度) ― 化学物質等安全データシートの組成表記(質量%またはmol%)、GHS分類・表示。
  • 高圧ガス保安法 ― 液化ガス・高圧ガスの組成表記、貯蔵・輸送での成分管理。
  • 大気汚染防止法 ― 排ガス中のNOx・SOx・CO₂・VOCの濃度表示(通常ppm=モル百万分率、O₂補正後)。

参考文献・公的資料

化学工学・分析化学の理論詳細を確認する場合は、下記の公的機関・学会の資料を参照してください。

※本ページの計算結果および代表例数値は化学工学の一次推算です。実際のプロセス設計・分析報告・GMP対応にあたっては、活量係数モデル(Wilson/NRTL/UNIQUAC/UNIFAC)による補正、実測気液平衡データの参照、Aspen Plus等の商用シミュレータでの検証、および化学工学技術士等の有資格者の判断を経てください。特に医薬品製造(GMP)・食品製造(HACCP)・環境分析での組成表記は、所轄官庁の最新告示に必ず整合させてください。

よくある質問(FAQ)

20g水+80gエタノールのモル分率は?

水は20/18.02=1.11mol、エタノールは80/46.07=1.74mol、合計2.85mol。水モル分率0.39、エタノールモル分率0.61となります。質量%(80%エタノール)とモル分率(61%エタノール)で19ポイントもの差が生じ、分留設計・ラウール則の計算では常にモル分率を用います。

気体混合物のモル分率と体積分率は同じ?

理想気体近似では等しくなります(vol%=mol%=分圧比)。大気ではN₂78%・O₂21%・Ar1%はすべてモル%表記です。ただし高圧(10MPa以上)・低温(液化条件)では圧縮係数Zで補正が必要となり、天然ガス・LPG・高圧水素配管の設計では実在気体の状態方程式(SRK・PRなど)を用います。

質量%とモル分率の変換の計算式は?

xi = (wi/Mi) / Σ(wj/Mj)。分子量の逆数で重み付けするだけの単純式ですが、分子量差が大きい系(H₂とN₂、水と有機溶媒)ではmol%とwt%の数値が大幅に異なるので混同しない。SDS・製品規格書では必ず単位を明記。

水-エタノール系はなぜ理想溶液ではない?

水の水素結合ネットワークとエタノールの疎水性メチル基が相互作用し、混合時にエンタルピー変化(発熱)と体積収縮が起きます。ラウール則からの正の偏差が大きく、活量係数γは1.5〜7程度になり、78.15℃・エタノール89.5mol%で最低沸点共沸を形成します。

ラウール則が使えるのはどんな系?

分子構造・極性が近い理想溶液系(ベンゼン-トルエン、ヘキサン-ヘプタン等)ではラウール則の誤差1%以内。極性差・水素結合差の大きい系(水-エタノール、水-酢酸)では大きく外れるため、Wilson/NRTL/UNIQUAC式で活量係数γを推算する必要があります。

共沸点を突破する方法は?

(1)減圧・加圧で共沸組成をシフト(水-エタノールでは減圧で共沸解消)、(2)第三成分添加による共沸蒸留(ベンゼン・シクロヘキサン等)、(3)抽出蒸留、(4)ゼオライト膜・パーベーパレーション膜分離、(5)モレキュラーシーブ吸着。無水エタノール工業製造では現在ゼオライト吸着が主流です。

ガスクロの面積比はモル比と等しい?

TCD検出器はほぼモル比に応答(補正係数≒1)、FID検出器は炭素数比例のため補正係数が必要(相対感度係数RSF)。厳密には各成分の応答係数(response factor)を標準物質で校正してから面積比→モル比→モル分率と変換します。

分子量はどこの値を使うべき?

IUPAC推奨の原子量表(最新版)から計算するのが標準。市販の化学便覧・SDBS(産総研)・NIST WebBookに詳細物性が掲載されています。有効数字4桁以上、精密計算では6桁を推奨。同位体組成の地理的変動を考慮した「区間表記」の正式値もありますが、化学工学的にはIUPAC推奨値で十分。

電解質溶液のモル分率はどう扱う?

NaCl水溶液ならNa⁺とCl⁻に完全電離するので、実質モル数は塩のモル数の2倍。van't Hoff係数iで表現し、凝固点降下ΔTf=i·Kf·mで計算。実在の電離度αを考慮すると弱電解質では複雑になり、活量係数(Debye-Hückel理論)で補正します。

3成分以上の混合物のモル分率は?

同じ式で拡張可能:xi=ni/(n1+n2+n3+…)。3成分系は三角図(ギブス三角座標)、4成分以上は多次元行列で表現。分留設計ではRadfrac(Aspen Plus)やDSTWU(近似法)などのシミュレータを使うのが実務標準です。

石油精製でのモル分率の表記は?

ナフサ・ガソリンのPIONA分析(パラフィン・イソパラフィン・オレフィン・ナフテン・芳香族)ではvol%とmol%を併記。原油の一般分析はvol%(比重加重平均)が主流ですが、反応工学・改質装置設計ではmol%表記を用います。

環境分析のppmは質量?モル?

気体はmol/mol(=vol/vol)ppm、水質・土壌は質量ppm(mg/L・mg/kg)が標準です。CO₂濃度420ppmは大気中1モルあたりCO₂ 4.2×10-4モルの意味。両者の混同は環境報告書のリーガルリスクにつながるので単位を必ず明記。

マテリアルバランス(物質収支)での注意点は?

反応前後で原子数は保存(質量保存則)、モル数は反応化学量論に従って変化します。反応原料の投入モル比と反応後生成物モル比を混同しない。反応率・選択率・収率を分けて管理し、Aspen等のシミュレータでは反応器モデル(化学量論・平衡・速度論)を選定します。

混合物の平均分子量はどう計算する?

モル分率加重平均Mmix=ΣxiMiで算出します。20g水+80gエタノールならMmix=0.39×18.02+0.61×46.07≒35.14g/mol。この値はPV=nRTを用いた蒸気密度・拡散係数の推算、および分子量計・浸透圧計での測定結果の妥当性確認に使われます。

混合熱(混合エンタルピー)はモル分率だけで決まる?

いいえ。混合熱はモル分率と実験的な過剰エンタルピーモデル(Wilson・NRTL・UNIQUAC)の組み合わせで決まります。水-硫酸系は−80kJ/mol超の発熱、水-エタノールも軽度の発熱で、大量希釈時の温度管理・冷却設計が労働安全衛生上必須です。