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hospital業種経営KPI

病院医療利益率

収益と費用の構成から、医療機関の利益率と損益分岐を試算します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

病院医療利益率ツール

計算式と考え方

医業収益は入院、外来、その他の収益を合計して求めます。入院48億円、外来18億円、その他4億円で計70億円です。費用は収益に対する比率で構成され、人件費54%、材料費24%、減価償却費6%、経費14%で合計98%になります。医業利益は2%にあたる1.4億円という計算です。医師1人あたりの収益は85人で約8,235万円、1床あたりでは300床で約2,333万円になります。人件費率が1ポイント上がるだけで7,000万円の利益が失われるため、この比率の管理が経営の要点になります。

費用の構成

人件費収益の50〜60%。医師、看護師、その他の職員
材料費20〜30%。医薬品と診療材料。高額な薬剤の使用で変動
減価償却費5〜8%。建物と医療機器の投資を反映
経費12〜18%。委託費、光熱費、保守費など

病院医療利益率の詳しい解説

医療機関の経営は、診療報酬という公定価格のもとで行われるため、収益の単価を自ら設定できないという制約があります。この構造の中で利益を確保するには、患者数を増やすか、費用を抑えるか、報酬の高い診療を担うかという選択になります。ただし、いずれも医療の質と地域での役割との兼ね合いで判断されるべきものです。費用構造の最大の項目は人件費で、収益の5割から6割を占めます。医療は労働集約的な事業であり、必要な人員配置は診療報酬の算定要件としても定められています。看護師の配置基準を満たすことで高い入院料が算定できる一方、その人員を確保する費用も発生するため、両者の均衡を見た体制の設計が求められます。近年、この人件費への圧力が高まっています。医師の労働時間に関する規制が適用され、時間外労働の上限が設けられたことで、これまで長時間労働で支えられていた体制の見直しが必要になりました。交代制の導入や人員の増員により、人件費が増加する一方、診療報酬はそれに見合った形では増えていません。この差が経営を圧迫する要因となっています。材料費も変動の大きい項目です。高額な医薬品の使用が増えると、その分の費用が増加します。診療報酬上は薬剤の費用が償還される仕組みですが、購入価格と償還価格の差が薄いため、使用量が増えても利益にはつながりにくい構造です。仕入価格の交渉と、後発医薬品の使用促進が、この項目における管理の中心になります。設備投資の判断も経営上の重要な論点です。医療機器は高額で、また技術の進歩により陳腐化も早くなります。導入により提供できる医療の範囲が広がる一方、減価償却費として費用が発生し、稼働率が低ければ回収できません。地域の医療機関との役割分担により、重複した投資を避けるという考え方も進められています。利益率の水準としては、数%が一般的とされ、赤字となる施設も少なくありません。この薄い利益では、建物の建て替えや大型設備の更新に必要な資金を内部で確保することが困難で、将来の投資余力という観点での課題が指摘されています。

業界・現場での使い方

経営分析

収益と費用の構成から利益率を把握します。

改善の検討

費用比率を変えた場合の利益への影響を確認します。

効率の評価

医師1人あたり、1床あたりの収益を算出します。

よくある間違い・注意点

  • 収益の増加だけを目指す — 人件費と材料費が連動して増えます。比率での管理が必要です。
  • 人件費率を下げることだけを考える — 配置基準が報酬の算定要件です。体制と収益の両面での検討が求められます。
  • 設備投資の稼働率を見込まない — 減価償却費が発生します。稼働率が低ければ回収できません。

関連する規格・法規

  • 業界統計
  • 公表資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

利益率の目安は?

数%が一般的な水準です。赤字となる施設も少なくありません。

人件費率はどのくらいですか?

収益の50〜60%を占めます。診療報酬の算定要件として人員配置が定められています。

材料費が増えると利益は増えますか?

増えません。購入価格と償還価格の差が薄いため、使用量の増加は利益につながりにくい構造です。