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型枠 積算 RC造 見積 原価管理

型枠工事費(m²単価)

部位別型枠面積・転用回数から型枠工事費を即算出。梁・柱・スラブ・壁の㎡単価差を反映し、材料費(35%)/労務費(65%)の内訳と平均㎡単価まで一括で見える化。
RC造・SRC造の積算業務、クライアント見積り、実行予算vs実績の原価管理、公共建築工事積算基準の演習に対応。

最終更新:2026-07-29/監修:計算ツールズ編集部

型枠工事費(m²単価)ツール

基本式

工事費 = Σ(部位別㎡×㎡単価×(0.35/転用回数×5 + 0.65))

材料費比率 35%(転用回数で低減) / 労務費比率 65%(固定)

部位別m²単価の標準値は梁4,500円・柱4,200円・スラブ3,800円・壁4,000円・階段6,000円。材料費35%は転用回数で1回あたりコストが変わり、転用5回を基準に3回なら材料費は約1.67倍、10回なら約0.5倍まで下がります。労務費65%は加工・建込・解体・清掃の総合で、型枠大工の日当16,000〜24,000円/人日をベースにした固定比率として計算します。実務では別途、共通仮設費(足場・電力・清掃)を工事費全体の8〜15%として上乗せ計上するのが一般的です。

部位別 型枠㎡単価(2026年市中相場)

部位 ㎡単価 特徴・積算メモ
4,500円 底型枠・側型枠あり。加工手間中位。
4,200円 建込みが単純で単価下がる。
スラブ 3,800円 大面積のため安価だが支保工必須。
4,000円 両面型枠+セパ・端太で副資材多。
階段 6,000円 斜め加工で手間倍増。
基礎(布) 4,800円 掘削内での作業で単価上がる。
基礎(独立) 5,500円 形状複雑で手間大。
特殊(曲面・打放し) 7,000〜10,000円 意匠性重視で1.5〜2.5倍。

転用回数と材料費比率の関係

転用回数 材料費/回 備考
3回 約333円/㎡ 意匠性重視・打放し
5回 約200円/㎡ 標準的な塗装コンパネ
8回 約125円/㎡ 大量スラブ・繰返し型
10回超 <100円/㎡ 品質低下リスクあり

型枠工事費(m²単価)の詳しい解説

型枠工事費は「材料費35%+労務費65%」の構造が基本です。材料は塗装コンパネ(3×6版 = 900×1800mm)で1枚2,500〜4,000円、桟木・端太材・セパレーター・フォームタイなどの副資材を含めると㎡あたり材料原価は500〜1,000円が目安。転用回数(3〜5回が標準)によって1回あたりのコストが決まり、5回転用なら初期材料費を5工区で按分できるため、単純計算で材料費比率は約7%まで下がります。ただし塗装コンパネは打放しコンクリートの意匠性を重視する場合は転用3回で新品交換となるケースが多く、材料費比率は倍増します。

労務費65%の内訳はさらに細分化されます。加工(墨出し・切断・組立)15%、建込(現場設置)25%、締固め・調整10%、脱型・解体10%、清掃・整理5%が典型的な工程配分です。型枠大工の日当は2026年時点で1人日16,000〜24,000円/日(応援・熟練工含む)、班長クラスは28,000円/日超も。公共建築工事積算基準(国交省告示)では労務単価の地域別・職種別テーブルが公表されており、東京・大阪の指定地域は地方部より15〜20%高い単価が使われます。

実務では「工程・部位の順序」が原価を大きく左右します。RC造の標準工程は基礎→柱→梁→スラブ→壁の順で、型枠を上階へ転用しながら進めるサイクル工法(3〜7日/1階)が一般的。転用回数を最大化するには階数・スパン・部材の均質化が鍵で、意匠設計段階から工事コストを意識した部材寸法統一(モジュール化)が必要になります。逆に階ごとにスパンや部材寸法が変わる不整形建物では、型枠の転用がききにくく実質材料費が2倍近くまで跳ね上がるケースも珍しくありません。

特殊型枠は割増率が明確に決まっています。曲面・傾斜1.5倍、打放し(化粧型枠)2.0倍、地下打設(型枠上げ)20〜30%増、真空型枠(高強度)1.8倍が業界慣行の目安。これらは意匠設計・特殊構造(免震ピット・地下タンク)で頻繁に発生する条件で、積算時に部位別の割増係数として計上するのがルールです。曲面や打放しは、施工計画段階で型枠パターンを図示・見積り根拠として明示することがクライアント折衝の必須事項になります。

労務不足時代の型枠工事は、ユニット型枠・システム型枠(Peri・Doka系)の採用が広がっています。従来のコンパネ+桟木方式に対し、金属フレーム型枠+専用コネクタで組立・解体時間が40〜60%短縮、転用回数は50〜100回まで伸ばせるため、大規模RC工事(超高層マンション・大型商業施設)ではシステム型枠が原価優位になっています。ただし初期投資が坪あたり2〜3万円上乗せになるため、規模と工期(6ヶ月以上)を確保できる案件でのみ採用されるのが実情です。

公共建築工事の積算では国土交通省「公共建築工事標準積算基準」が公式ベースになります。同基準では型枠工事の単価は「材料費+労務費+機械経費」の3構成、共通仮設費・現場管理費・一般管理費の付加率(合計25〜35%)を上乗せして工事価格を算定します。民間工事はこの構造をベースに、発注者・元請けごとの実勢価格(低価格帯は基準の75〜85%、意匠重視物件は基準の110〜125%)で調整するのが実務のルールです。

業界・現場での使い方

積算業務・見積り作成

RC・SRC造の型枠工事費の算定。部位別㎡数を拾い出し、㎡単価と転用回数を組合わせて工事費内訳を作成。ゼネコン・サブコン積算部門の日次業務で、Excel+専用ソフト(松井建設・大成建設方式)と併用する下計算に本ツールが使えます。

公共建築工事の予算折衝

国土交通省「公共建築工事標準積算基準」を根拠にした発注者側予算査定。実勢単価と基準単価の乖離を数値で把握し、設計変更・数量差の増減交渉に。地方自治体の営繕課、公共施設建設の設計監理でも使用。

クライアント提案書の内訳

マンション・オフィスビル・工場等の民間発注案件で、型枠工事の予算内訳をクライアントに提示。単価根拠を明示することで受発注双方の信頼性が高まり、追加工事の交渉もスムーズになります。設計事務所の実施設計フェーズでも予算検討に使用。

原価管理・実行予算の作成

実績vs見積りの利益率検証。工事完成後の労務費・材料費実績を本ツールの推定値と対比し、原価差異の要因分析(転用回数達成度・単価変動・追加作業)に。継続案件の見積り精度改善に直結する重要業務です。

型枠大工の下請見積り

専門工事業(型枠工事業許可)の元請けへの見積り提出。㎡単価と労務比率の妥当性を数値で示し、赤字工事の回避と適正利益の確保に。近年の労務不足で単価上昇傾向のため、標準相場と実勢価格の乖離を把握する用途にも。

建築系専門学校・大学の演習

建築積算士・1級建築施工管理技士試験の演習問題。部位別㎡単価と転用回数の関係を数値実験で理解する教材として使用。日本建築積算協会の資格教材にも近い数値構造を採用しています。

ケーススタディ:現場での実務計算

ケース1:中規模マンション(RC造10階建て)の型枠積算

  • 梁500㎡・柱300㎡・スラブ1,200㎡・壁800㎡ = 合計2,800㎡
  • 転用5回想定、標準㎡単価適用 → 材料費約340万円、労務費約770万円
  • 工事費合計 約1,110万円(平均㎡単価3,960円)
  • 共通仮設費10%上乗せ → 総額約1,220万円で発注者提示

ケース2:打放しコンクリート意匠住宅の割増計算

  • 壁面200㎡すべてが打放し仕上げ → 標準単価4,000円×2.0倍=8,000円
  • 転用回数は3回に制限(意匠性優先)→ 材料費比率が実質1.67倍
  • 労務費も熟練工手配で+30% → ㎡あたり実質1万円超
  • 設計事務所側で予算計画を再検討・意匠妥協 or 予算増額の判断へ

ケース3:システム型枠(Peri方式)導入判断

  • 大規模超高層マンション(35階×5棟)= 型枠面積4万㎡
  • 従来工法:㎡単価4,000円×4万=1.6億円、工期14ヶ月
  • システム型枠:㎡単価3,200円×4万=1.28億円+初期投資2000万、工期10ヶ月
  • 差額約1,200万+工期短縮4ヶ月で総合コスト有利 → システム型枠採用

ケース4:転用回数の実測管理

  • 塗装コンパネ1,000枚導入、3ヶ月工期で使用状況追跡
  • 実転用回数:スラブ用6.2回、壁用4.8回、柱用5.5回(平均5.5回)
  • 想定5回に対し+10%達成 → 材料費予算比▲5%の実績
  • 次期同種案件では転用6回で見積り可能と判断・単価下げに反映

ケース5:公共工事の予算査定(自治体営繕課)

  • 公共建築工事積算基準に基づく型枠工事の予算枠4,500万円
  • 3社相見積り:A社4,200万・B社4,600万・C社5,100万
  • 本ツールで算定 → 標準4,400万・±10%が妥当レンジ
  • A社(下限値以下)・C社(上限値超え)は要精査、B社を落札候補に

よくある間違い・注意点

  • 全部位一律㎡単価で概算 — 部位間で1.5倍差(スラブ3,800円 vs 階段6,000円)。個別集計しないと10〜20%の見積り誤差が発生。積算基準では部位別集計が必須。
  • 転用回数を過大想定 — 塗装コンパネ実転用は3〜5回、5回超は端部の欠け・目違いで品質低下。意匠面・打放し仕上げは3回で新品交換が原則。
  • 副資材(セパ・端太・釘)を含めず — 型枠材料費の20〜30%を占める。副資材コストは総額㎡単価の10〜15%相当のため、忘れると1割の見積り漏れになります。
  • 共通仮設費(足場・電源・清掃)を単価に含める — 型枠工事単価と共通仮設費は別建てが基本。混同すると同項目の二重計上リスク。工事内訳書では明確に分離。
  • 労務単価の地域差・繁忙期割増を無視 — 東京・大阪と地方部で15〜20%差、繁忙期(3〜5月・9〜11月)は+10〜30%割増が慣行。単価は最新の月次相場を反映すること。
  • 特殊型(曲面・地下)割増を軽視 — 打放し2倍・曲面1.5倍・地下打設20〜30%増を反映しないと、実行予算と乖離して赤字工事に。設計図面から特殊工の有無を必ずスクリーニング。
  • 撤去・清掃工程の未計上 — 型枠脱型後の解体・清掃・搬出は労務費の10%を占める。工事完了後の清掃だけを別費目にすると内訳漏れが発生する。

関連する規格・法規

  • JASS 5 コンクリート工事(日本建築学会)— 型枠工事の設計・施工・品質管理の標準仕様書。材料・支保工・許容荷重・脱型時期を規定。
  • 公共建築工事標準積算基準(国土交通省)— 公共工事の型枠単価・労務費・共通仮設費の算定基準。毎年改訂・公表。
  • 建築基準法施行令第76条— 型枠及び支柱の除去(強度発現)基準。コンクリート強度による脱型時期の技術基準。
  • 労働安全衛生規則 第242条— 型枠支保工の組立・解体の安全基準。3.5m超の高さでは組立計画書作成義務。
  • 建設業法(型枠工事業許可)— 500万円超の型枠工事を請負う場合の「大工工事業」許可要件。
  • 公共工事設計労務単価(国土交通省・厚生労働省)— 型枠大工の職種別単価(都道府県別)を毎年公表。積算の労務費根拠。

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁・元請けの実行予算に従ってください。労務費・材料費は市況で変動するため、四半期ごとの単価見直しが実務標準です。

よくある質問(FAQ)

100㎡型枠工事の費用は?

梁100㎡なら約45万円(4,500円/㎡×100)。ただし部位・転用回数・意匠性で±30%変動するため、実際の見積りは部位別集計と共通仮設費上乗せが必要。標準RC造なら平均㎡単価は3,800〜4,500円レンジが目安です。

転用回数で費用はどう変わる?

5回転用なら材料費は初期の1/5に按分される。3回だと1/3で高くなり、10回なら1/10で最安。ただし転用回数6回超では端部の欠け・目違いが増え、意匠面(打放し)や耐久性が要求される部位では3回で新品交換が原則です。

特殊型(曲面・打放し)はいくら割増?

曲面・傾斜で単価1.5倍、RC打放し(化粧型枠)は仕上げ性能で2.0〜2.5倍、地下打設で20〜30%増、真空型枠(高強度)で1.8倍が業界慣行の目安。意匠性重視の建物・特殊構造は積算段階で割増係数を明示計上します。

型枠大工の日単価は?

型枠大工16,000〜24,000円/日(2026年、応援・熟練工含む)、班長クラスは28,000円/日超。公共工事設計労務単価(国交省・厚労省公表)では都道府県別に定められ、東京・大阪は地方部より15〜20%高い水準です。

システム型枠と従来工法どちらが得?

大規模RC工事(超高層マンション・大型商業施設)ではシステム型枠(Peri・Doka)が組立時間40〜60%短縮・転用50〜100回で原価優位。初期投資が坪あたり2〜3万円上乗せになるため、工期6ヶ月超・型枠面積3万㎡以上の案件で検討されます。

公共工事の型枠単価はどこで公表?

国土交通省「公共建築工事標準積算基準」および都道府県の営繕課ホームページで公表されています。同基準は毎年改訂で、労務費は「公共工事設計労務単価」として職種別・地域別に毎年3月に告示されます。民間工事の実勢単価はこの基準の85〜125%レンジで動くのが目安です。

共通仮設費とはどう区別する?

共通仮設費は足場・電源・仮囲い・現場事務所・清掃など、複数の工種で共通利用する仮設物のコスト。型枠工事の㎡単価には含めず、工事総額の8〜15%として別建て計上します。工事内訳書では「共通仮設費」の独立費目として明示するのがルールです。

脱型はいつできる?

建築基準法施行令76条に基づき、コンクリート圧縮強度で判断。柱・壁・梁側は5N/mm²、梁下・スラブ下は設計基準強度の85%以上が原則。冬期は養生温度と材齢で判定するため、5〜10日で脱型可能な標準工程が組めます。JASS 5・共通仕様書で詳細規定。

材料費と労務費の比率は35%:65%固定?

2026年時点の標準比率。労務単価上昇で近年は労務比率が高まる傾向で、大都市部では30%:70%まで動くことも。逆に地方部で単価が低い場合は40%:60%になる例も。四半期ごとに実勢比率を反映した単価テーブル更新が実務標準です。

1級建築施工管理技士試験に出る?

頻出範囲。型枠工事の材料費/労務費比率、転用回数、脱型時期、支保工の安全基準は必須の暗記項目。特に建築基準法施行令76条(脱型基準)、労働安全衛生規則242条(支保工組立)は毎年出題される定番トピックです。

用語集

型枠(かたわく)
コンクリート打設用の仮設型。塗装コンパネ・金属型枠・システム型枠等がある。
転用回数
1枚の型枠を再利用できる回数。標準3〜5回、システム型枠は50〜100回。
塗装コンパネ
ウレタン等の表面塗装を施した3×6版合板。打放し用途にも使用。
セパレーター(セパ)
両面型枠の間隔を保持するボルト・パーツ。副資材の代表例。
端太(ばた)材
型枠の変形を防ぐ補強材。単管パイプ・角材が使用される。
支保工
スラブ・梁の型枠を下から支える仮設構造物。労働安全衛生規則で基準規定。
脱型
コンクリート強度発現後に型枠を撤去する作業。建築基準法施行令76条で規定。
打放し(コンクリート)
型枠脱型後の面を仕上げ面とする意匠。㎡単価が2倍前後に増加。
共通仮設費
足場・電源・仮囲い等の複数工種共通のコスト。工事総額の8〜15%。
JASS 5
日本建築学会「鉄筋コンクリート工事標準仕様書」。型枠含む工事仕様のバイブル。
公共建築工事積算基準
国交省が公表する公共工事の積算ルール。単価テーブルと付加率を規定。
公共工事設計労務単価
国交省・厚労省が毎年3月に告示する職種別労務単価。積算の労務費根拠。

まとめ・実務ポイント

型枠工事費は「部位別㎡単価×面積×転用回数×労務単価」の掛け算で決まる、RC造工事の主要コスト項目です。材料費35%・労務費65%の基本構造をベースに、転用回数・意匠性・地域単価・繁忙期割増を反映することで、±10%レンジの実務精度が確保できます。公共工事は積算基準に準拠、民間工事は基準の85〜125%レンジで実勢調整するのが業界慣行です。

本ツールは概算値の即算出用途に最適で、精緻な実行予算・見積り書作成の際は、必ず部位別数量拾い出し・副資材・共通仮設費・現場管理費までを含めた工事内訳書として組み立ててください。積算業務・原価管理・公共工事査定・専門学校演習まで、業界の様々なレイヤーで活用できる基本電卓として設計しています。

参考文献・公的リソース

  • 国土交通省「公共建築工事標準積算基準」mlit.go.jp
  • 国土交通省「公共工事設計労務単価」mlit.go.jp
  • 日本建築学会「JASS 5 鉄筋コンクリート工事標準仕様書」aij.or.jp
  • 日本建築積算協会「建築数量積算基準」bsij.or.jp
  • 厚生労働省「労働安全衛生規則」mhlw.go.jp
  • e-Gov法令検索「建築基準法施行令」elaws.e-gov.go.jp
  • 建設物価調査会「建設物価月報」kensetu-bukka.or.jp
  • 経済調査会「積算資料」zaikei.co.jp