経営指標総合計算機
PLとBSの主要数値を入力すると、粗利率・営業利益率・純利益率・ROA・ROE・自己資本比率・流動比率・当座比率・D/Eレシオ・ICR・棚卸回転率・CCCまで14指標を一括算出。業種別ベンチマークと比較して自社の位置を診断できます。
経営指標総合計算機ツール
主要計算式
粗利率 = (売上高 − 売上原価) ÷ 売上高 × 100
営業利益 = 粗利 − 販管費 / 営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上高 × 100
当期純利益 = (営業利益 + 営業外収支 − 支払利息) × (1 − 実効税率)
ROA = 純利益 ÷ 総資産 × 100 / ROE = 純利益 ÷ 自己資本 × 100
自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資産 × 100
流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100 / 当座比率 = (流動資産 − 棚卸資産) ÷ 流動負債 × 100
D/Eレシオ = 有利子負債 ÷ 自己資本 / ICR = 営業利益 ÷ 支払利息
棚卸資産回転率 = 売上原価 ÷ 棚卸資産(年)
CCC = 売掛金回転日数 + 棚卸資産回転日数 − 買掛金回転日数
業種別ベンチマーク(2024年 参考値)
| 指標 | 製造業 | 小売業 | SaaS | 建設業 | 不動産 |
|---|---|---|---|---|---|
| 粗利率 | 25-35% | 25-40% | 70-85% | 15-25% | 50-70% |
| 営業利益率 | 5-10% | 3-6% | 15-25% | 3-8% | 15-25% |
| ROA | 4-8% | 3-7% | 10-20% | 3-6% | 2-5% |
| ROE | 8-12% | 8-15% | 15-30% | 8-15% | 5-10% |
| 自己資本比率 | 40-60% | 30-50% | 50-70% | 20-40% | 15-35% |
| 流動比率 | 150-250% | 120-200% | 200-400% | 130-200% | 100-150% |
| D/E | 0.3-0.8 | 0.5-1.2 | 0-0.3 | 0.5-1.5 | 1.5-4.0 |
※日本経済統計協会・帝国データバンク等の業種別平均を編集部にて整理。
経営指標総合計算機の詳しい解説
経営分析の3本柱は「収益性」「安全性」「効率性」。それぞれ複数指標を組み合わせて総合評価します。
収益性指標の読み方
粗利率は「商品・サービスそのものの稼ぐ力」。業種で大きく異なり、SaaSは70-85%、小売業は25-40%、製造業は25-35%が目安。競合比較で自社ポジションを把握します。営業利益率は「本業の稼ぐ力」で、10%超が優良、5%以下は改善余地大。純利益率は税引後の最終稼ぐ力で、株主還元原資として重要です。
ROAとROEの違い
ROA(総資産利益率)は「資産の運用効率」、ROE(自己資本利益率)は「株主資本の運用効率」。ROE=ROA×財務レバレッジ(総資産÷自己資本)の関係で、借入を増やすとROEは上がるが財務リスクも上がる。日本企業のROE平均は8-10%、東証プライムで8%達成が政策目標です。
安全性指標
自己資本比率40%以上で健全、30%以下は要注意。ただしSaaSやREITなど業種特性で最適水準は異なります。流動比率200%以上、当座比率100%以上が短期支払能力の目安。ただし過度に高いと資金効率が悪いという裏面もあります。
効率性指標
棚卸資産回転率は在庫の回転速度で、高いほど資金効率が良い。CCC(キャッシュコンバージョンサイクル)は「仕入代金支払→販売代金回収」までの日数で、Amazonなどは大手小売でマイナスCCCを実現。運転資本の管理指標として近年注目されています。
業界・現場での使い方
経営企画
事業計画の策定と月次モニタリング。前期比・予算対比・競合比較で意思決定材料に。
銀行・投資家
融資審査・投資判断で財務健全性と成長性を評価。DSCR・ICR・自己資本比率が重点。
M&A・PE
デューデリジェンスで対象企業の収益性・成長性・リスクを定量評価。EV/EBITDA算定の前提。
コンサル・監査
クライアントの経営診断で強み弱みを可視化。改善施策の優先順位付けに活用。
よくある間違い・注意点
- 単一指標での判断 — 収益性・安全性・効率性のバランスで見る。ROE高くても財務レバレッジ過大なら要注意。
- 業種差の無視 — SaaSと小売業では最適水準が違う。業種平均・競合対比が必須。
- 会計基準差の無視 — 日本基準・IFRS・米国基準でのれん・リース・引当が異なる。継続性の担保を。
- 現金 vs 会計利益の混同 — 黒字倒産もあり得る。営業CFやフリーCFと利益の乖離を必ずチェック。
関連する規格・法規
- 中小企業庁「中小企業実態基本調査」による業種別財務指標
- 日本経営分析学会・帝国データバンク業種別分析
- 東京証券取引所「コーポレートガバナンス・コード」ROE 8%目安
- CFA協会・日本証券アナリスト協会の財務分析基準
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
ROEはどれくらいあれば優良?
8%以上が最低ライン(伊藤レポート・東証改革の目安)、15%以上でグローバル優良企業水準。日本上場企業平均は9-10%(2024)。
自己資本比率が業界で低い場合は?
不動産・銀行・電力などレバレッジ活用型業種は自己資本比率が構造的に低い。業種別ベンチマーク比較が必須。
CCCがマイナスとは?
Amazon・楽天のような大手小売は買掛サイトが長く売掛が短いためCCCがマイナスに。仕入先の資金で運転資本を賄う優位性を示す。
D/Eレシオの適正水準は?
製造業0.3-0.8、不動産1.5-4.0など業種で大差。金利上昇局面では低めが安全、成長局面では活用余地あり。
ICR(インタレスト・カバレッジ)3倍以下は?
金融機関の融資審査で要注意水準。3倍以下は借換・金利上昇に脆弱で、営業CFの改善を最優先。