バックホウの施工量計算
バケット容量・土質・サイクルタイム・作業効率から、バックホウの時間当たりと1日の施工量、所要日数を算出します。
バックホウの施工量計算ツール
1サイクルの掘削土量は山積容量×バケット係数÷ほぐし率で地山換算します。既定値では0.45×0.90÷1.20=0.34m³。時間あたりは3600秒÷サイクル25秒=144回に0.3375m³と作業効率0.70を掛けて34.0m³/h、ほぐし土量では40.8m³/hです。実働7時間なら238.1m³/日となり、地山1,200m³の施工には5.0日を要します。効率が0.55まで落ちると1日187.1m³まで下がります。
土質区分とバケット係数・ほぐし率の目安
| 土質 | ほぐし率L | バケット係数 |
|---|---|---|
| 砂質土 | 1.15 | 0.95〜1.05 |
| 普通土 | 1.20 | 0.85〜0.95 |
| 粘性土 | 1.30 | 0.75〜0.90 |
| 岩塊・玉石 | 1.40 | 0.55〜0.70 |
作業条件と作業効率の目安
| 現場の条件 | 作業効率 | 主な要因 |
|---|---|---|
| 広い造成地で連続掘削 | 0.80〜0.90 | 待ちが少なく旋回も小さい |
| 一般的な土工現場 | 0.65〜0.75 | ダンプの入替え待ちが入ります |
| 市街地の狭い掘削 | 0.50〜0.60 | 誘導と交通規制で断続します |
| 埋設物の近接掘削 | 0.35〜0.50 | 人力併用と確認作業が入ります |
※参考計算です。実機の性能表・整備要領書・法令の告示が優先されるため、作業前に必ず該当する仕様書で確認してください。
バックホウの施工量計算の詳しい解説
掘削の施工量が単純にバケット容量の掛け算にならないのは、三つの補正が重なるからです。第一にバケットは山積の呼び容量どおりには入らず、土質によって0.55から1.05の幅で係数が付きます。第二に掘り出した土は膨らむため、ほぐし状態の体積を地山の体積に戻す割り算が要ります。第三に一日じゅう掘り続けられるわけではなく、待ちや段取りを織り込んだ作業効率が掛かります。この三つを外すと、机上の数字は実績の倍近くになります。
実務で意見が分かれるのはサイクルタイムの取り方です。掘削、旋回、放土、戻りの四動作を合計した値ですが、旋回角度が90度か180度かで数秒違い、深さや積込み先の高さでも変わります。カタログ値やストップウォッチの最速値を採ると過大になるため、連続する十数サイクルを平均して使うのが妥当です。ダンプが入れ替わる待ちはサイクルタイムではなく作業効率の側で見るのが一般的で、両方に入れると二重に引くことになります。
見落とされやすいのは、地山とほぐしのどちらで数量を管理しているかです。設計数量は地山、運搬の数量はほぐしで表されるのが通例で、単位を混ぜると2割前後ずれます。仮置きや埋戻しでは締固め後の体積を使うため、さらに別の係数が必要です。掘削の前後で発生する伐開、床付け、法面整形といった付随作業もこの計算には含まれておらず、工程表では別に日数を確保しておく必要があります。
機種と現場の相性も効きます。同じ0.45m³級でも旋回半径の小さい後方超小旋回型は狭所で効率を保ちやすく、逆に広い造成地では0.7m³級に上げるほうが単位数量あたりの費用は下がります。市街地では規制時間や騒音の制限で実働時間そのものが短くなるため、時間あたりの能力より一日の稼働可能時間が支配的になります。
実績を積み上げていくと、自社の現場に合った効率の値が見えてきます。日報に掘削した数量と実働時間を記録し、計算値との比を残しておけば、次の見積りではその比を補正係数として使えます。同じ会社でも造成と管路では効率がまったく違うため、工種ごとに分けて集計するのが実用的です。天候による中断や重機の故障といった突発の停止は効率に含めず、別枠の予備日として工程に持たせておくほうが、原因の切り分けがしやすくなります。
業界・現場での使い方
土工の工程計画
掘削数量と機種から所要日数を求め、ダンプや誘導員の手配日数を決めます。
機種選定の比較
バケット容量の異なる機種で日数と台数を比べ、費用の少ない組合せを選びます。
日報との突合せ
計画の時間あたり施工量と実績を比べ、作業効率の見立てを補正します。
見積り時の歩掛確認
想定した効率での施工量を提示し、工期の根拠として発注者に示します。
よくある間違い・注意点
- 山積容量をそのまま1サイクルの土量にする — バケット係数とほぐし率の補正が抜けるため、実績の1.5倍前後に見積もってしまいます。
- カタログのサイクルタイムを使う — 実測より数秒短いのが通例です。連続する十数サイクルの平均値を使ってください。
- ダンプ待ちをサイクルタイムと効率の両方に入れる — 二重に差し引くことになり、施工量を過小に見積もります。
- 地山とほぐしの数量を混ぜる — 設計数量は地山、運搬数量はほぐしです。単位を揃えないと2割前後ずれます。
- 付随作業の日数を見込まない — 伐開、床付け、法面整形は別工種です。掘削日数だけでは工程が組めません。
関連する規格・公的資料
- 厚生労働省 — 労働安全衛生法・クレーン等安全規則
- 国土交通省 — 建設施工・土木工事
- 中央労働災害防止協会 — 労働災害防止の教育
- 建設業労働災害防止協会 — 建設業の安全衛生
- 日本クレーン協会 — クレーン・玉掛け
- ボイラ・クレーン安全協会 — クレーン等の検査
- 日本建設機械施工協会 — 建設機械施工・歩掛
- 労働安全衛生総合研究所 — 労働災害の調査研究
- 日本産業標準調査会 (JISC) — JIS規格
- 土木研究所 — 土工・地盤の研究
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
0.45m³のバックホウは1時間に何m³掘れますか?
サイクル25秒・効率0.70・普通土の既定値で地山34.0m³/h、ほぐしで40.8m³/hが目安です。
バケット係数はどう決めますか?
土質で決まります。砂質土は1.0前後、粘性土は0.8前後、岩塊混じりは0.6前後が目安です。
ほぐし率はなぜ割り算になるのですか?
バケットに入るのはほぐれた土だからです。地山の体積に戻すにはほぐし率で割ります。
作業効率0.70は妥当ですか?
一般的な土工現場の目安です。市街地の狭所や埋設物の近接掘削では0.5前後まで下がります。
サイクルタイムはどう測りますか?
掘削から次の掘削開始までを1サイクルとし、連続する十数回を測って平均を取ります。
日数の計算に段取り替えは含まれますか?
含まれていません。機械の搬入出、床付け、法面整形は別に日数を確保してください。
土量の単位はどちらで管理しますか?
設計数量は地山、運搬はほぐしが通例です。書類上でどちらを指すかを最初に決めておきます。
効率が落ちる主な原因は何ですか?
ダンプの入替え待ち、誘導や交通規制、埋設物の確認、狭所での旋回制限が代表的です。