計算ツール
育休給付金子育て雇用保険産後パパ育休社会保険料免除

育休給付金試算 計算ツール|月給・育休月数から育児休業給付金の総額と月額推移、社会保険料免除効果

育休前月給・育休月数から育休給付金総額を即算出。初6ヶ月67%・7ヶ月以降50%の給付率、産後パパ育休(出生時育児休業・最長28日)、パパ・ママ育休プラス(1歳2ヶ月まで延長)、社会保険料免除、雇用保険法・育児介護休業法の根拠、2025年給付率引き上げ(実質手取り10割相当)、保育所不承諾での延長(最長2歳)、事業主向けの両立支援等助成金まで、個人・人事・社労士の意思決定を1画面で完結します。

最終更新:2026-07-29/監修:計算ツールズ編集部

育休給付金試算ツール

計算式と単位系

給付月額(初6ヶ月) = 育休前月給 × 67%

給付月額(7ヶ月以降) = 育休前月給 × 50%

給付総額 = 初6ヶ月分 × 67% + 7ヶ月以降分 × 50%

育休給付金は「子育て支援の主要制度」で、雇用保険法に基づき支給されます。育休前月給30万円で12ヶ月育休なら、初6ヶ月20.1万円/月×6=120.6万円+7〜12ヶ月15万円/月×6=90万円で、総額210.6万円。ただし本ツールは月給ベースの単純試算で、実務では日額換算・上限額規制・社会保険料免除効果を含めた総合評価が必要です。

2024年度時点の給付上限は月額31.0万円(67%給付時、日額上限15,430円×30日)、月額23.1万円(50%給付時)。月給50万円以上の高所得者は上限に張り付くため、実際の給付率は50〜60%相当になります。また、2025年4月からは両親ともに14日以上育休取得の場合、当初6ヶ月の給付率を80%(実質手取り10割相当)に引き上げる制度改正が予定されており、男性育休取得の経済インセンティブがさらに強化されます。

給付率と支給期間

期間給付率月給30万時の給付額備考
1〜6ヶ月67%20.1万円実質手取り約80%相当
7ヶ月〜1歳50%15.0万円7ヶ月目から段階減額
1歳〜1歳2ヶ月(パパ・ママ育休プラス)50%15.0万円両親交代取得の特例
1歳〜1歳6ヶ月(延長)50%15.0万円保育所不承諾時
1歳6ヶ月〜2歳(再延長)50%15.0万円再度の保育所不承諾時
産後パパ育休(男性・出生後8週)67%20.1万円最長28日・分割2回可

育休給付金試算の詳しい解説

育児休業給付金は「子育て支援の主要制度」で、雇用保険の被保険者が原則1歳未満(最長2歳)の子を養育するために取得した育休期間中に、育休前賃金の一定割合(初6ヶ月67%、7ヶ月以降50%)を支給する制度です。育児介護休業法・雇用保険法に基づき運営され、企業からの給与ではなく国(雇用保険)からの給付として支払われます。

2024年度時点で、育休取得率は女性85%・男性30%と急速に上昇中。政府は「男性育休取得率2025年50%・2030年85%」を政策目標に掲げ、給付率引き上げ・両立支援助成金・事業主への働きかけ強化を進めています。少子化対策の中核政策として、給付制度・法制度・助成金の三位一体で拡充が続いています。

実務では、①給付率と社会保険料免除で実質手取り80%相当、②2回に分割取得可能(2022年10月改正)、③産後パパ育休(出生時育児休業)は通常の育休と別枠で最長28日取得可、といった詳細な制度設計を踏まえた検討が必要。特に男性の育休取得では、産後パパ育休+通常育休の組み合わせで最大限の給付を得る戦略設計が実務のポイントになります。

産後パパ育休とパパ・ママ育休プラス

2022年10月の育児介護休業法改正で導入された「産後パパ育休(出生時育児休業)」は、男性の育休取得を促進する新制度です。通常の育児休業とは別枠で、子の出生後8週間以内に最長4週間(28日)取得可能。分割2回取得もでき、柔軟な運用が可能です。給付率は通常の育休と同じ67%で、雇用保険から支給されます。

産後パパ育休(男性のみ)

子の出生後8週以内、最長28日、分割2回可。給付率67%。取得申出は原則2週間前まで(労使協定で1ヶ月前も可)。労働者本人の意向優先で企業は拒否できない。

通常育休(男女)

子が1歳になるまで(保育所不承諾で最長2歳まで)。給付率初6ヶ月67%・7ヶ月以降50%。分割2回取得可(2022年10月〜)。

パパ・ママ育休プラス

両親ともに育休取得なら1歳2ヶ月まで延長可能。両親交代取得で長期の育児休業をカバーする仕組み。給付率は通常と同じ。

両親育休の給付率上乗せ(2025年4月〜)

両親ともに14日以上育休取得の場合、当初28日の給付率を80%(実質手取り10割相当)に引き上げ。男性育休の経済インセンティブ強化。

社会保険料免除の実質手取り効果

育休期間中は社会保険料(健康保険・厚生年金)が全額免除されます(申請必要)。これにより給付率67%でも、社会保険料15%相当を除いた計算では実質手取り約80%相当となり、家計への影響を大幅に軽減できます。

通常勤務時の手取り

月給30万円→手取り約23万円(社会保険料4.5万円+所得税・住民税2.5万円控除)。ネット手取り率77%。

育休時の給付+免除

給付67%×30万円=20.1万円(非課税・社保料免除)。額面差7万円だが実質差は約3万円のみ。所得税・住民税もかからない。

7ヶ月以降の手取り

給付50%×30万円=15万円(非課税・社保料免除)。額面差15万円だが実質差は約8万円。それでも生活可能水準は確保。

年金・退職金への影響

社保料免除中も年金加入期間は継続(保険料納付済み扱い)。将来の年金額は変わらない。退職金算定でも育休期間を勤続期間に含める企業が多い。

給付延長制度(最長2歳)と復職拒否

育休給付は原則1歳未満の子育て期間が対象ですが、保育所不承諾時などの場合は最長2歳まで延長可能です。延長申請には市区町村発行の「保育所入所不承諾通知書」または「支給認定却下通知書」の添付が必要で、単なる希望や自己都合による延長は認められません。

延長制度は1歳6ヶ月まで(1回目延長)2歳まで(再延長)の2段階で、それぞれ独立に不承諾通知が必要です。実務では、認可保育所への申込時期(0歳児クラスの秋募集など)を戦略的に選定して不承諾を受け、給付延長を確実に受給する運用が一般的です。ただし2025年度以降、給付延長に必要な保育所申込の実質性審査が厳格化される方針で、「形式的な申込」による延長は認められにくくなる可能性があります。

復職拒否時の返還ルールにも注意が必要です。育休給付は「復職前提」の給付で、育休終了後1ヶ月以内に復職しないと給付返還の対象になる可能性があります。ただし出産・疾病・介護・配偶者転勤など正当な理由がある退職は返還免除の対象。復職後6ヶ月以内の自己都合退職も返還対象外です。復職拒否・故意退職は雇用保険法の不正受給として給付返還+加算金(給付額と同額)+3倍返還制裁の対象となるため、慎重な判断が必要です。

事業主向けの助成金と体制整備

育休制度は労働者への給付だけでなく、事業主向けにも複数の助成金が用意されています。特に中小企業の育休取得促進を目的とした「両立支援等助成金」は、複数のコースが設定されており、活用効果が大きい制度です。

両立支援等助成金(出生時両立支援コース)

男性の育休取得を促進する中小企業向け助成金。1回目取得20万円、2回目10万円、3回目10万円が支給。育児目的休暇の制度化で更に加算あり。

両立支援等助成金(育児休業等支援コース)

育休取得者の代替要員確保・業務代行支援に対して助成。代替要員1人あたり最大50万円、業務代行体制整備に20万円が支給される。

両立支援等助成金(不妊治療両立支援コース)

不妊治療のための特別休暇・時差出勤等の制度化に対して助成。1事業所あたり最大30万円。育児休業以前の支援策として拡充中。

くるみん認定・プラチナくるみん

次世代育成支援対策推進法に基づく厚労大臣認定。子育て支援充実企業として認定を受けると、税制優遇(次世代育成支援対策公共調達優遇)・就職市場での訴求力強化が期待できる。

取得パターン別のケーススタディ

育休の取得方法は夫婦の状況・キャリア設計・家計状況によって多様です。代表的なパターンを整理します。

ケースA:女性のみ1年育休(標準パターン)

月給30万円の女性が産休(産後8週)+育休12ヶ月(1歳0ヶ月まで)を取得。産休期間は出産手当金(標準報酬日額×2/3)で約60万円、育休給付12ヶ月で約210万円。合計約270万円の給付。社会保険料免除・所得税/住民税非課税で、実質手取り換算では通常給与の80%相当。復職後は時短勤務(月給8割相当)で保育所送迎に対応するのが典型パターンです。

ケースB:夫婦交代取得(パパ・ママ育休プラス活用)

妻が1歳2ヶ月、夫が1歳〜1歳2ヶ月の追加2ヶ月取得。夫婦合わせて14ヶ月の育児期間をカバー。妻の給付約230万円、夫の追加2ヶ月給付約30万円、合計260万円。夫は職場復帰リスクを抑えつつ育児参加でき、妻は保育所0歳児クラス入所を回避して育休延長リスクを低減。

ケースC:男性の産後パパ育休活用(短期集中)

月給40万円の夫が産後パパ育休4週(28日)+その後の分割育休1ヶ月を活用。給付率67%で産後パパ育休約26万円+分割育休1ヶ月26万円で合計52万円。妻の育休期間中の重要イベント(退院直後・お宮参り)や、妻の職場復帰時期(1歳児クラス4月入所)に合わせた集中的な育児参加を実現。

ケースD:長期育休で最長2歳まで延長

妻が保育所不承諾を活用して2歳まで育休を延長。24ヶ月の総給付額約330万円(初6ヶ月67%×30万+18ヶ月50%×30万)。ただし2歳児クラスへの申込確保、キャリアブランクの2年、復職時の職場適応など、経済面以外の課題も大きい選択肢。認可保育所への確実な入所計画とセットで判断が必要。

ケースE:高所得者の給付上限影響

月給80万円の管理職夫が育休6ヶ月取得。上限額の関係で実際の給付は月31万円×6=186万円のみ(通常の給付率67%なら321万円のはずが42%相当に低下)。高所得者は経済的インセンティブが相対的に弱くなるため、キャリア・家庭・企業文化を総合的に判断する必要があります。

ケースF:転職直後の受給不可

妻が転職から6ヶ月で妊娠発覚。育休給付の受給要件(過去2年間に12ヶ月以上の雇用保険加入)を満たさない可能性があり、事前の要件確認が必須。前職の雇用保険加入期間との通算が可能な場合もあるため、ハローワークで確認が必要です。要件を満たさない場合、健康保険からの出産手当金(産前産後休業中のみ)は受給可能ですが、育休期間の給付は無しとなります。

国際比較:日本の育休制度は世界でどう位置づけられる?

UNICEFの2021年報告「先進41か国の家族政策比較」で、日本は男性の育休制度は世界1位(取得可能期間・給付水準の総合評価)と評価される一方、男性の実際の取得率は最下位クラスという乖離が指摘されています。

育休期間給付率男性取得率特徴
日本1〜2年67%→50%30%(2023)制度は世界1位、取得率は上昇中
スウェーデン480日(夫婦)80%90%超男女平等の代表事例
ノルウェー49週(夫婦)100%90%超パパクォータ制の先進国
ドイツ14ヶ月65%40%両親ボーナス制度あり
フランス16週+3年変動25%短期取得が主流
米国12週(FMLA)無給が原則低い連邦法の給付なし・州により差
英国52週90%→90%上限30%母性休暇+付加育休の2段階

日本の制度自体は世界的にも整備されていますが、実際の取得は文化・企業慣習・キャリア意識に大きく影響される傾向があります。政府の政策目標(2025年男性50%・2030年85%)達成には、制度改善に加えて職場文化・上司の理解・キャリア評価制度の変革が必要と指摘されています。

業界・現場での使い方

個人・妊婦・産後パパ

育休計画の家計シミュレーション。夫婦での交代取得・産後パパ育休活用の戦略設計。家計への影響評価と貯蓄計画の基礎資料。

人事・給与担当

従業員への制度案内、給付試算の提示。代替要員計画・復職支援計画の立案。両立支援助成金の申請検討。

社労士・労務コンサル

顧問先企業への育休制度導入支援。給付申請の代行・審査対応。事業主助成金の受給支援と実務コンサル。

マタニティ・産後クリニック

妊婦向けの育休制度説明。産後の生活設計サポートの一環として給付試算を提示。

行政・保健センター

母子保健事業での育休制度案内。子育て支援策の総合的な情報提供。

労働組合・NPO

組合員向けの育休取得支援。制度改善への政策提言の基礎資料。男性育休取得率向上運動の推進資料。

よくある間違い・注意点

  • 給付総額計算で税負担を考慮せず — 育休給付は非課税・社保料免除。額面より実質手取り率が高い(80%相当)ため過小評価に注意。
  • 復職拒否 — 給付返還+加算金(給付額と同額)+3倍返還制裁の対象。退職を検討する場合は正当理由(出産・疾病・介護・配偶者転勤)が必要。
  • 上限額を無視して計算 — 給付は月額31.0万円(67%)・23.1万円(50%)上限。高所得者は上限に張り付くため、実際の給付率は50〜60%程度になる。
  • 産後パパ育休を通常育休と混同 — 産後パパ育休は別枠制度で、通常育休と併用可能。制度を組み合わせることで最大限の給付を得られる。
  • 社会保険料免除の申請忘れ — 育休期間中の社保料免除は申請が必要。会社経由での申請忘れで免除されないケースあり。
  • 延長申請の要件不備 — 保育所不承諾通知書の添付が必須。形式的な保育所申込では認められない可能性(2025年以降厳格化見込み)。
  • 雇用保険加入期間の不足 — 育休給付は過去2年間に12ヶ月以上の雇用保険加入が受給要件。転職直後の育休では受給できないケースあり。

関連する規格・法規

  • 育児介護休業法 ― 育児休業の権利、産後パパ育休、パパ・ママ育休プラスの根拠法。
  • 雇用保険法 ― 育児休業給付金の給付率・支給期間・受給要件の根拠法。
  • 健康保険法・厚生年金保険法 ― 育休期間中の社会保険料免除の根拠法。
  • 次世代育成支援対策推進法 ― くるみん認定制度、子育て支援充実企業の認定の根拠法。
  • 男女雇用機会均等法 ― 妊娠・出産・育児休業を理由とする不利益取扱いの禁止。
  • 労働基準法 ― 産前産後休業(産前6週・産後8週)の根拠法。育休の前段階制度。

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の給付申請・受給判断にあたっては、最新の育児介護休業法・雇用保険法および有資格の社労士・所属企業の人事担当に確認してください。

参考文献・公的資料

育児休業制度、給付金申請、事業主向け助成金については、以下の公的機関の一次資料を参照してください。

※本ページの計算結果は概算です。実際の給付申請・受給額・社会保険料免除申請・延長申請にあたっては、最新の育児介護休業法・雇用保険法および所属企業の人事担当・社労士・ハローワークの判断を優先してください。上限額・給付率は毎年改定されるため、申請時点の最新情報を確認してください。

よくある質問(FAQ)

月給30万・12ヶ月の育休給付は?

約210万円(初6ヶ月67%×30万=120.6万+7〜12ヶ月50%×30万=90万)。非課税・社保料免除のため実質手取り率80%相当となり、家計への影響は限定的です。

給付率67%と50%の切り替わりは?

7ヶ月目から50%に減額されます。1〜6ヶ月は67%、7ヶ月以降1歳(または最長2歳)まで50%が原則。ただし2025年4月から両親14日以上取得の場合、当初28日は80%に引き上げ。

男性は育休を取れる?

取れます。通常の育休に加えて、産後パパ育休(出生時育児休業)で子の出生後8週以内に最長28日取得可能。分割2回取得もでき、給付率67%で支給されます。

社会保険料はどうなる?

育休期間中は全額免除(申請必要)。健康保険・厚生年金の労使負担ともに免除されるため、実質手取り率が高くなります。年金加入期間は継続扱いで、将来年金額に影響なし。

給付の上限額は?

月額31.0万円(67%給付)・23.1万円(50%給付)が上限。日額15,430円が上限の30日分。月給50万円以上の高所得者は上限に張り付くため、実際の給付率は50〜60%程度に低下します。

延長は何歳まで?

原則1歳未満ですが、保育所不承諾通知があれば1歳6ヶ月まで、再度の不承諾で2歳まで延長可能。単なる希望による延長は不可、認可保育所への申込と不承諾通知書が必須。

復職しないと返還?

正当理由(出産・疾病・介護・配偶者転勤)以外の復職拒否は返還対象。不正受給として給付返還+加算金(給付額と同額)+3倍返還制裁のリスクあり。慎重な判断が必要です。

雇用保険加入期間の要件は?

過去2年間に12ヶ月以上の雇用保険加入が必要(通算)。転職直後で加入期間が短い場合は受給できないケースあり。パート・アルバイトも同要件で判定されます。

パパ・ママ育休プラスとは?

両親ともに育休を取得すると1歳2ヶ月まで取得期間が延長される特例。両親交代で長期の育児休業をカバーする仕組み。給付率は通常と同じ。

公務員も同じ制度?

国家公務員・地方公務員は「国家公務員育児休業法」等の別法で運用され、給付は共済組合から支給。基本的な給付率・期間は民間とほぼ同じですが、細部で差異があります。

自営業・フリーランスは?

対象外です。雇用保険の被保険者のみが育休給付の対象。自営業・フリーランスは国民健康保険・国民年金の免除・軽減で対応することになります。

育休中に働ける?

月80時間以内なら働けます(給付減額なし)。80時間超だと給付減額または不支給。10日以下または就業日数10日以下のケースも減額対象外です。ただし勤務内容・報酬について事前にハローワーク確認を。

2025年の給付率引き上げとは?

2025年4月から、両親ともに14日以上育休取得の場合、当初28日の給付率を80%(実質手取り10割相当)に引き上げ。男性育休の経済インセンティブ強化策で、少子化対策の一環。

養子・特別養子縁組の子でも対象?

対象です。育児介護休業法上の「子」には養子・特別養子縁組の子も含まれ、実子と同様に育休取得・給付受給が可能。里子(委託期間中)は制度改正で対象拡大しつつあります。