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プレスブレーキV曲げ板金SS400SUS304加工設備

プレスブレーキ V曲げ加圧力計算ツール|板厚・引張強さ・曲げ長・V幅から必要トン数、材質別(SS400/SUS304/SPCC/アルミ)能力算定

板厚 t・曲げ長 L・引張強さ σ・V幅(ダイ肩幅)V からプレスブレーキV曲げ工程の必要加圧力を即算出。標準的な業界式「F(kN) = 1.5 × t² × σ × L ÷ V ÷ 1000」に基づき、SS400(軟鋼、σ≒400N/mm²)・SUS304(オーステナイト系ステンレス、σ≒600N/mm²)・SPCC冷間圧延鋼板(σ≒300N/mm²)・A5052アルミニウム(σ≒230N/mm²)・SPHC熱間圧延鋼板(σ≒340N/mm²)等の材質別引張強さを自動反映。JIS B 6402「機械プレス」、JIS B 6410「油圧プレスブレーキ」、AmadaやTRUMPF等主要メーカーの推奨V幅表(板厚の6〜10倍が目安)、安全率1.2〜1.5の設計余裕を踏まえた実務値を返します。板金加工工場・設備選定・技術者・設計者向け。

最終更新:2026-07-29/監修:計算ツールズ編集部

V曲げ加圧力計算ツール

V曲げ加圧力の計算式

F(kN) = C × t² × σ × L ÷ (V × 1000)

F(t) = F(kN) ÷ 9.81(トン換算)

V曲げ加工のプレス必要力は「板厚t²に比例、引張強さσに比例、曲げ長Lに比例、V幅Vに反比例」という特徴的な関係を持ちます。係数C は業界標準的に1.33〜1.65の範囲で、Amada、TRUMPF、コマツ産機、日精、TOYOKOKI等主要プレスメーカーの推奨値では概ね1.42〜1.5が採用されています。本ツールは中央値C = 1.5を採用し、安全率(デフォルト1.2)を掛けた「設備選定推奨値」を返します。

この式の意味を分解すると、(1)板厚t²項:曲げモーメントは断面2次モーメント×応力に比例し、断面係数がt²に比例するため、板厚2倍で必要力は4倍になる。(2)σ項:材質固有の変形抵抗を表し、SS400からSUS304に変更するだけで必要力が1.5倍に。(3)L項:曲げ長L=1mを2mに延長すると必要力は倍になる。(4)V項の逆数:V幅を広げるほど曲げモーメントアームが長くなり、必要力が減少するが、代わりに曲げ内R(ボトム部の内側曲率半径)が大きくなる。

実務では板厚の6〜10倍のV幅(通常「V=t×8」)を選定するのが世界標準で、これは加工品の内Rが板厚×1.5〜2.0程度に収まるという設計上の目安と対応します。V幅が狭すぎると必要力が過大になり、板が割れる(材料破壊)・ダイ側の肩が欠ける(工具寿命短縮)等のトラブルが発生。逆にV幅が広すぎると内Rが大きくなり、曲げ後の直角度が緩くなります。

プレスブレーキの歴史

プレスブレーキ(Press Brake)は19世紀後半の産業革命期、欧州の板金加工現場で開発された金属曲げ機械です。当初は蒸気駆動、20世紀初頭に電動機械式(フライホイール+クラッチ)、1960年代に油圧式、1980年代にNC制御、2000年代にサーボモータ駆動と進化しました。板金曲げの3大加工法(V曲げ、L曲げ、U曲げ)のうち、V曲げが最も汎用性が高く、プレスブレーキの標準加工となっています。

日本では戦後Amada(アマダ、1946年創業)が国産化を主導。1970年代のCoil-to-Sheet加工の普及、1980年代のNC制御・オフラインプログラム、1990年代の高速自動工具交換(ATC)、2010年代のIoT対応と、プレスブレーキ市場をリードしてきました。世界市場ではAmada、TRUMPF(独)、Bystronic(スイス)、コマツ産機、日精、TOYOKOKIが主要プレイヤー。ハイエンド機は6軸〜9軸の同時制御で、複雑な曲げも1台で自動化できます。

近年は電動サーボ駆動式(電動プレスブレーキ)の普及が進み、Amada「HG-ATC」シリーズやTRUMPF「TruBend」シリーズが世界標準機として使われています。従来の油圧式に比べエネルギー消費50%削減、加圧力の微調整精度が向上(±0.01mm曲げ寸法精度)、静音(80dB以下)というメリットがあり、環境規制の強化と精密加工需要で市場拡大中です。

材質別引張強さ早見表

材質記号名称σ(N/mm²)加工性
SPCC冷間圧延鋼板270-320◎ 最良、家電・自動車
SPHC熱間圧延鋼板270-340○ 一般構造物
SS400一般構造用軟鋼400-510○ 標準、産業機械
S45C機械構造用炭素鋼570-720△ 硬い、専用工具要
SUS304オーステナイト系ステンレス520-700△ 加工硬化強い
SUS316耐食ステンレス520-700△ SUS304と同等硬さ
SUS430フェライト系ステンレス420-570○ SUS304より加工易
A1050純アルミ70-110◎ 極軟、しわ注意
A5052Al-Mg合金195-280○ 標準アルミ
A6061-T6Al-Mg-Si合金295-330△ T6処理で硬い
C1100タフピッチ銅195-320◎ 軟らかい、電気工事
C2680黄銅(真鍮)325-410○ 電気部品
HTEN590590MPa級高張力鋼590-780△ 自動車強度部材
HTEN780780MPa級高張力鋼780-980× 特殊工具要

V幅選定の目安表(メーカー標準)

板厚 t推奨V幅(t×8)近似実用V最小内R
0.5mm4mm4/5/6≒0.5mm
1.0mm8mm6/8/10≒1.0mm
1.6mm13mm10/12/16≒1.5mm
2.0mm16mm16/20≒2mm
2.3mm18mm16/20≒2mm
3.2mm26mm25/32≒3mm
4.5mm36mm32/40≒4mm
6.0mm48mm40/50≒5-6mm
9.0mm72mm63/80≒8mm
12.0mm96mm80/100≒12mm
16.0mm128mm125/160≒16mm

V曲げ加工の詳しい解説

V曲げは板金曲げの最も基本的な加工法で、V字形のダイ(下型)とパンチ(上型)で板を挟み、パンチをダイ底部方向に押し込むことで板を曲げます。パンチ・ダイの角度・R形状、押し込み深さ、V幅の選定で、曲げ角度・曲げ内R・曲げ精度が決まります。V曲げは板金加工全体の80%以上を占め、家電・自動車・建築・産業機械の板金部品製造の主軸です。

板厚 t の 6〜10倍のV幅を使うのが世界標準です。V幅の選定次第で、必要加圧力、曲げ内R、加工精度が大きく変わります。細かな部品ではt×6(内Rが小さい)、大型構造物ではt×10(内Rが大きく応力集中を避ける)を使い分けます。V幅が板厚に対して小さすぎる(t×4以下)と、必要加圧力が過大になり、板が割れる、パンチ・ダイが欠ける等のリスクが発生。逆にV幅が大きすぎる(t×12以上)と、曲げ内Rが大きくなりすぎて設計要求を満たせません。

プレスブレーキの機種選定では、(1)必要加圧力の1.2〜1.5倍の能力、(2)曲げ長の1.5倍以上のテーブル長、(3)曲げ角度精度(±0.5°以下がプロ標準)、(4)NC制御軸数(3軸で標準、5〜9軸でハイエンド)で決めます。Amadaのラインナップでは、35tクラス(小物板金)、80t(中物)、170t(大物)、350t(重構造)が主要機種で、材質別に必要能力を計算して選定します。

曲げ精度に影響する要因としては、(1)材料の引張強さ・硬さのロット差(±10%程度)、(2)板厚のロット差(±5%)、(3)ダイ・パンチのRの摩耗(数万回の加工で0.1〜0.5mm変化)、(4)機械のバックゲージ位置決め精度(±0.1mm以下がプロ標準)、(5)オペレータの熟練度(同じ機械でも±0.3mm程度の個人差)があります。近年はAI画像解析による自動補正、レーザーによる曲げ角度リアルタイム測定(ARLU等)で精度が向上しています。

主要材質の曲げ特性

SS400(一般構造用軟鋼)

建築構造・産業機械の主要材質。引張強さ400-510N/mm²、伸び20%以上。V幅t×8で内R≒板厚×1.5に収まる。スプリングバック2-4°程度、オーバーベンドで補正。板厚6mmで曲げ内R=6-8mm確保。汎用性最高。

SPCC・SPHC(薄板鋼板)

家電・自動車ボディ・キッチン用品の主流。SPCC(冷延)は表面光沢・引張強さ270-320N/mm²、SPHC(熱延)は表面黒皮・340N/mm²程度。両方とも曲げ性良好、V幅t×6〜8で十分。

SUS304・SUS316(ステンレス)

耐食性が必要な用途。引張強さ520-700N/mm²、SS400の約1.5倍。加工硬化が強く、曲げると硬くなり割れやすいため、V幅をやや広め(t×10前後)にする。曲げ油の使用でカジリ・かき傷防止。

A1050・A5052(アルミ)

軽量・耐食用途。A1050(純アルミ)は非常に軟らかく必要力少ないが、シワが出やすい。A5052は標準的なアルミ合金で加工性良好、V幅t×8で内R確保。SS400比で必要力は約半分。

A6061-T6(Al-Mg-Si合金)

航空機・自転車フレーム。T6処理でσ=295-330N/mm²と硬く、V曲げ内R小さいと割れる。V幅t×10〜12、内Rを板厚の2倍以上に取る。曲げ前にT6→T4に処理して曲げ、後T6再処理する方法も。

HTEN590・HTEN780(高張力鋼)

自動車骨格・重機械の軽量高強度部材。V幅t×12以上、専用パンチ(DLCコーティング)とダイでカジリ防止。スプリングバック大(5-10°)、オーバーベンド量が経験値。

C1100・C2680(銅・真鍮)

電気部品・端子・装飾用途。C1100(純銅)は軟らかく曲げ性良好、C2680(真鍮)はσ=325-410N/mm²でSS400と同程度。両方とも表面キズ防止で樹脂パッド使用。

チタン(TP340、TP550)

航空宇宙・医療。工業用純チタンTP340(σ=340N/mm²)とTi-6Al-4V合金(σ=895N/mm²)。曲げ性はグレードで大差、V幅t×15以上、専用工具、曲げ後の応力除去焼鈍が必要な場合も。

スプリングバックとオーバーベンド

板金曲げでは、パンチを引き抜くと材料が弾性回復して曲げ角度が浅くなるスプリングバック現象が発生します。90°曲げを目指しても、実際にできる角度は92-95°というのが標準です。

スプリングバック量の目安

SS400(SPCC)で2-4°、SUS304で4-6°、A5052で1-3°、HTEN780で5-10°程度。材質の降伏比(降伏応力÷引張強さ)が高いほどスプリングバックは大きく、高張力鋼で顕著。板厚が大きいほど絶対量は小さい、V幅が大きいほど大きい傾向。

オーバーベンド(過曲げ)補正

スプリングバック分を先に見越して、目標より深く曲げる技法。SS400を90°曲げるには93-94°まで曲げ、戻り分で90°に落ち着かせる。CAMソフト・NCシステムに材質別スプリングバック表を登録し、自動で補正するのが現代標準。

ボトミング(底突き)

パンチをダイ底部まで押し込み、材料を型に完全に密着させる方法。スプリングバックが半減し(1〜2°程度)、曲げ精度が向上。ただし必要加圧力が5〜10倍に増えるため、大型プレスブレーキが必要。厚板・高精度部品で採用。

コイニング

ボトミングよりさらに強く押し込み、材料に塑性変形を強制する方法。スプリングバックほぼゼロ、超高精度(±0.1°)実現。必要加圧力はエアベンドの10〜30倍。極小部品・電子端子・精密板金で採用。

エアベンド・ボトミング・コイニングの違い

エアベンド(Air Bending)

V曲げの標準工法。パンチを完全に沈めず、板の3点接触(V肩2点+パンチ1点)で曲げる。必要力少(基本式そのまま)、V幅可変で複数角度対応、汎用性最高。スプリングバック2-4°をオーバーベンドで補正。板金加工の80%以上がこの方法。

ボトミング(Bottoming)

パンチをダイ底面まで完全押し込み。必要力エアベンドの5-10倍、スプリングバック半減、精度向上。厚板・高精度部品向け。V幅とパンチ角度が固定されるため、汎用性低下。

コイニング(Coining)

ボトミングよりさらに強く押し込み、材料を型に完全再現。必要力はエアベンドの10-30倍。スプリングバックほぼゼロ、超高精度。極小部品・電子端子で採用。摩耗大、頻繁な金型交換要。

回転曲げ(Roll Bending)

3本ロールでの円弧曲げ。V曲げでなく、円筒・円錐形状に。パイプ・大径円筒を作る際に使用。プレスブレーキとは別機械。

ヘミング(Hemming)

板端を180°折り返す加工。自動車ボディの外板とインナーの結合に多用。専用ダイ+複数工程で実施。

Zベンド・段付け

Z字形の連続曲げ。専用ダイで一度に加工可能。制御盤・筐体で頻用。

業界・現場での使い方

板金加工工場(レーザー・パンチ・曲げ複合)

受注ごとに材質・板厚・曲げ長・V幅から必要能力を算定、既有機で対応可否を判断。新規案件見積時のリードタイム・コスト算定にも直結。

設備投資・工場計画

年間受注品種のBOMから、最大板厚・最長曲げ長を集計し、必要な機械能力(80t/170t/350t)を決定。予算3,000万〜1億円の投資判断に。

技術者・設計者

製品設計時に「この板厚・曲げ長で工場のプレスで曲がるか」を事前検討。設計変更で板厚を薄くする、曲げ長を分割する等のコスト削減提案に。

プレスブレーキメーカー技術営業

Amada・TRUMPF・Bystronic・コマツ産機の営業担当が、顧客の代表加工で必要能力を計算し、機種提案。デモ加工の前準備。

職業訓練校・工業高校

機械科・金属加工科の授業で「V曲げ加圧力の計算」を教材化。技能検定(板金工1級・2級)の学科試験でも出題範囲。

建築金物・意匠板金

屋根・外装・階段手すりの板金加工。厚板の長物(曲げ長3m超)で必要能力大、350tクラス機械の稼働率設計に。

自動車部品(プレス関連)

自動車骨格部品はHTEN590/780等の高張力鋼多用。V曲げ加圧力計算で工程設計、金型寿命予測、コスト管理。

家電・OA機器筐体

SPCC・SUS薄板の複雑な折り曲げ品。曲げ順序、金型交換回数、加工時間の見積で、コスト算定と工程管理。

実務ケーススタディ

V曲げ加圧力計算の実務利用例を3ケース紹介します。

ケースA:3mm・1m・SS400の一般板金部品

SS400(σ=400)、板厚3mm、曲げ長1000mm、V幅24mm(板厚×8)の標準加工。計算式に代入:F = 1.5 × 3² × 400 × 1000 ÷ 24 ÷ 1000 = 225 kN ≒ 23t。安全率1.2で28t、35tクラスのプレスブレーキで余裕を持って対応可能。V幅24mmは板厚×8で内R約4-5mmを確保、汎用板金の標準設定。

ケースB:4.5mm・2m・SUS304の食品機械カバー

SUS304(σ=600)、板厚4.5mm、曲げ長2000mm、V幅36mm(板厚×8)の耐食部品。F = 1.5 × 4.5² × 600 × 2000 ÷ 36 ÷ 1000 = 1013 kN ≒ 103t。安全率1.2で124t、170tクラス以上の機械が必要。ステンレスは加工硬化するため、V幅を広め(板厚×10=45mm)にして必要力を82tまで下げ、80tクラスで対応する選択もあり。

ケースC:6mm・3m・HTEN780の自動車フレーム

HTEN780(σ=780)、板厚6mm、曲げ長3000mm、V幅60mm(板厚×10)の高張力鋼構造物。F = 1.5 × 6² × 780 × 3000 ÷ 60 ÷ 1000 = 2106 kN ≒ 215t。安全率1.3で280t、350tクラスの大型機械が必要。加えてHTENはスプリングバック大(5-10°)、オーバーベンド量の学習と、DLCコートパンチによる摩耗対策が必要。工場設備選定と工程設計の両方が案件収益に直結。

加工コスト・段取り時間の目安

V曲げ加工のコスト構成は「材料費・機械償却費・人件費・段取り時間」の4要素で決まります。実務目安を示します。

機械稼働単価(実務目安)

35tクラス小型プレス:3,000〜5,000円/時間。170tクラス中大型:8,000〜12,000円/時間。350tクラス大型:15,000〜25,000円/時間。減価償却・保守費・電気料込みの内部費目。

段取り時間(金型交換・NC設定)

手動金型交換:15〜30分/段取り。自動工具交換(ATC)付き:2〜5分/段取り。多品種少量生産では段取り時間がコストの大半を占めるため、ATC装備機の投資回収期間は概ね2-3年。

1曲げあたり加工時間

単純V曲げ:3-8秒/回。多曲げ複雑品:30秒〜2分/個。曲げ本数×時間で総加工時間を算定、機械稼働単価と掛けてコスト計算。

金型費用

汎用パンチ・V幅ダイセット:3-15万円/セット。高張力鋼用DLCコートパンチ:20-50万円。特殊形状カスタム金型:50-200万円。金型費用は減価償却で加工費に反映。

材料費比重

SS400板厚6mm・1m×1mで約6,500円(鋼材相場に依存)。SUS304同サイズで約2万円と3倍。加工賃を材料費で割ると業界内での競争力が見え、コストダウンの起点となります。

よくある間違い・注意点

  • V幅小さすぎ — V幅が板厚×4未満だと必要力過大で、板が割れる・金型が欠ける。板厚×6〜10を守る。
  • 材質別引張強さ無視 — SS400ベースでSUSを同じ設定で加工すると必要力1.5倍で機械能力オーバー。材質σを必ず確認。
  • スプリングバック未補正 — 90°を目指しても実際は92-95°、オーバーベンド補正がないと寸法NG。材質別スプリングバック表を活用。
  • ロット差の見落とし — 材料の引張強さは±10%のロット差あり、同じ設定でも精度が変動。定期的な引張試験と補正が理想。
  • 曲げ方向による違い — 圧延方向平行と直角では引張強さが5-10%異なる。特にステンレスは異方性大。
  • 複合曲げの累積誤差 — Z曲げ・段付けで複数曲げを組み合わせると、各工程のスプリングバックが累積し寸法乖離。
  • プレス機能力上限 — 計算上OKでも、機械の圧力中心からズレると偏荷重で機械寿命短縮。曲げ長を機械テーブル中央に配置。
  • ダイ肩摩耗の見落とし — 数万回加工で肩R増加、加圧力も5〜10%増加。定期的な金型メンテナンスが精度・寿命の要。

関連する規格・法規

  • JIS B 6402「機械プレス」 — 機械式プレス(クランク式・偏心式)の性能・安全基準。
  • JIS B 6410「油圧プレスブレーキ」 — 油圧式プレスブレーキの性能・安全基準。
  • JIS B 0405「普通公差」 — 板金加工品の一般寸法公差。曲げ角度公差もこれに準拠。
  • JIS G 3101「一般構造用圧延鋼材」 — SS400等の材料規格。引張強さ・化学成分の規定。
  • JIS G 4304「ステンレス鋼板」 — SUS304・SUS316等の材料規格。
  • JIS H 4000「アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条」 — A1050・A5052等のアルミ材料規格。
  • 労働安全衛生法・機械等規制 — プレスブレーキの安全装置(両手操作・光線式安全装置)義務。
  • ISO 16092「プレスブレーキの安全性」 — 国際安全規格。EN規格とも整合。
  • 技能検定(板金技能士) — 中央職業能力開発協会実施。V曲げ加圧力計算が実技・学科試験範囲。

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設備選定・加工設計は、プレスブレーキメーカー・材料メーカーの技術資料と、有資格者(機械技術者・板金技能士)の判断に従ってください。

参考文献・公的資料

V曲げ加圧力計算・プレスブレーキ選定の詳細については、以下の公的機関・メーカー資料を参照してください。

※本ページの計算値は、業界標準式F=1.5×t²×σ×L÷Vによる概算値です。実際の設備選定・加工設計では、材料ロット差・スプリングバック・工具摩耗・機械特性を総合的に評価し、プレスブレーキメーカー・材料メーカーの推奨値と、機械技術者・板金技能士の判断を優先してください。特に高張力鋼・厚板加工では、材料破壊・工具寿命・機械負荷の観点から、安全率1.3〜1.5を確保することを推奨します。

よくある質問(FAQ)

3mm・1m・SS400のV曲げに必要なトン数は?

V幅24mm(板厚×8)で約23t(F = 1.5 × 9 × 400 × 1000 ÷ 24 ÷ 1000 = 225kN ≒ 23t)。安全率1.2で28t、実務では35tクラスのプレスブレーキで余裕を持って加工可能です。

V幅の選び方は?

板厚の6〜10倍が世界標準。細物ならt×6(内R小・精度高)、大物ならt×10(内R大・応力集中回避)。汎用はt×8で、内Rが板厚の1.5倍程度に収まります。

SUS304はSS400の何倍の力が必要ですか?

引張強さが400→600N/mm²と約1.5倍のため、必要加圧力も1.5倍。加えて加工硬化が強いため、V幅をやや広く(t×10)取って必要力を下げるのが実務。曲げ油塗布でカジリ防止も必要です。

スプリングバックとは何ですか?

パンチを引き抜くと材料が弾性回復して曲げ角度が浅くなる現象。SS400で2-4°、SUS304で4-6°、HTEN780で5-10°。90°曲げを目指すには93-94°までオーバーベンドして戻り分で90°に落ち着かせます。

板厚2倍でトン数は何倍になりますか?

板厚t²項があるため、板厚2倍で4倍に。3mmから6mmに変えると必要力は4倍。設備能力に余裕がないと機種変更が必要です。

エアベンドとボトミングはどう違いますか?

エアベンドは3点接触の標準V曲げ、ボトミングはダイ底面まで完全押し込み。ボトミングは必要力が5-10倍だがスプリングバック半減。厚板・高精度部品でボトミングを選択します。

プレスブレーキの機種選定基準は?

(1)必要加圧力の1.2〜1.5倍能力、(2)曲げ長の1.5倍以上のテーブル長、(3)曲げ角度精度±0.5°以下、(4)NC制御軸数(3-9軸)。年間受注品種の最大要求を元に決定します。

アルミの曲げは鋼と何が違いますか?

引張強さが半分以下(A5052で230N/mm²)で必要力少。ただしA6061-T6のような硬いアルミはSS400と同等、A1050純アルミは軟らかすぎてシワが出やすい。曲げ内Rを板厚×2以上取ることを推奨。

HTEN780高張力鋼の曲げ注意点は?

スプリングバック大(5-10°)、V幅t×12以上、DLCコーティングパンチでカジリ防止。曲げ後の残留応力対策として応力除去焼鈍を実施する場合も。専用金型と経験が必要な材質です。

安全率はいくつ取ればいいですか?

標準1.2〜1.3、安全志向で1.5。計算値225kNなら、1.2で270kN以上の機械を選ぶのが実務。材料ロット差・工具摩耗・機械劣化を吸収するマージン。

圧延方向で曲げ強さは変わりますか?

変わります。圧延方向平行と直角で引張強さが5-10%異なり、SUSは異方性大。曲げ線を圧延方向に垂直に取ると加工性が良い、平行取りは割れやすい傾向。

電動サーボプレスブレーキのメリットは?

油圧式に比べエネルギー消費50%削減、加圧力の微調整精度向上、静音(80dB以下)。近年の環境規制・精密加工需要で普及。ただし本体価格は油圧式より高く、投資回収期間の検討が必要です。