バー月商
席数と回転率から、バーの月商と利益を試算します。
バー月商ツール
計算式と考え方
月商は「席数 × 回転数 × 客単価 × 営業日数」で求めます。10席・回転1.5・客単価7,000円・月24日なら、1日15人で月商252万円という計算です。営業利益は月商から原価(月商×原価率)と固定費を引いて算出します。原価率25%なら原価63万円、固定費75万円で、利益114万円になります。バーは飲料が中心のため原価率が飲食店より低く(20〜30%)、その分利益率が高くなりやすい業態です。損益分岐となる客数は固定費を1人あたりの粗利で割って求め、この例では1日約14人です。
バー経営の特性
| 原価率 | 20〜30%。飲料中心のため飲食店(30〜35%)より低い |
|---|---|
| 客単価 | 5,000〜15,000円。ボトルキープとチャージで構成される |
| 回転率 | 滞在時間が長く1〜2回転。席数の少なさを単価で補う構造 |
| 常連比率 | 売上の安定性を左右する。新規獲得より関係維持が重要 |
バー月商の詳しい解説
バーは飲食業の中でも特異な収益構造を持ちます。原価率が20〜30%と低く、席数が少なくても客単価が高いため、小規模でも成立しやすい業態です。原価率が低いのは飲料の販売価格を原価に対して高い倍率で設定できるためで、カクテルやハイボールでは原価率が10%台になることもあります。一方で滞在時間が長いため回転率は1〜2回転にとどまり、席数の少なさを回転で補うことができません。このため客単価と常連客の維持が経営の中心課題になります。注意したいのは、客数の余裕が小さいことです。10席で回転1.5という設計は1日15人が上限に近い水準であり、損益分岐がその近くにあるなら、客足が数人減っただけで赤字に転じます。席数を増やしにくい業態だからこそ、客単価とチャージの設計、そして来店頻度の高い常連の比率が収益の安定を決めます。開業資金は小規模なバーで500万〜1,500万円が目安とされ、居抜き物件を活用できれば内装と設備の費用を大きく圧縮できます。客単価は5,000〜15,000円と幅があり、チャージ、ボトル、フードの構成をどう組むかで水準が決まります。同じ売上でも少数の高単価客に依存する構成は、1人の来店が途絶えたときの影響が大きく、収益の振れ幅も大きくなります。ボトルキープは前受金として現金が先に入る仕組みで、資金繰りの面で有利に働きます。ただし会計上は預り金として扱う必要があり、飲み切られていないボトルは負債として残るため、入金額をそのまま売上と見て使ってしまうと後から資金が不足します。人件費については、オーナーバーテンダーが一人で運営する形態なら人件費をほぼゼロにできますが、その分営業時間と体力が制約になり、体調を崩せば売上が止まるという構造的な脆さを抱えます。営業時間が深夜に及ぶ場合、風営法に基づく深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要で、用途地域によっては営業できない地域があります。物件を契約してから営業できないと判明する例があるため、契約前に用途地域と営業時間の規制を確認することが必須です。立地については、繁華街の路面は家賃が高く、雑居ビルの2階以上は家賃を抑えられる代わりに認知の獲得が難しくなります。バーは口コミと常連の紹介で客層が形成される傾向が強いため、開業から客層が固まるまでの期間を耐えられる運転資金を計画に織り込む必要があります。
業界・現場での使い方
開業計画
席数と客単価の想定から、事業として成立する損益分岐点を確認します。
店舗運営
実績と比較し、客単価と客数のどちらに課題があるかを特定します。
物件選定
家賃水準に対して必要な客数を算出し、立地の妥当性を判断します。
よくある間違い・注意点
- 回転率を飲食店並みに見積もる — 滞在時間が長く1〜2回転が現実的です。3回転を前提にした計画は破綻します。
- 深夜営業の許可を確認しない — 風営法の届出が必要で、用途地域によっては営業できません。物件契約前の確認が必須です。
- ボトルキープを売上と混同する — 会計上は預り金です。飲み切られるまで負債として残ります。
関連する規格・法規
- 業界標準
- 経営教科書
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
開業資金はどのくらいですか?
小規模なバーで500万〜1,500万円が目安です。居抜き物件なら大幅に圧縮できます。
原価率が低いのはなぜですか?
飲料は原価に対する販売価格の倍率が高いためです。特にカクテルやハイボールは原価率が10%台になることもあります。
深夜営業に必要な手続きは?
深夜0時以降に酒類を提供する場合、風営法に基づく深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要です。