ADRホテル平均
客室売上と販売室数から、ADR(平均客室単価)とRevPARを算出します。
ADRホテル平均ツール
計算式と考え方
ADR(Average Daily Rate、平均客室単価)は「客室売上 ÷ 販売した延べ室数」で求めます。稼働率(OCC)は「販売室数 ÷ 販売可能室数」で、販売可能室数は総客室数×日数です。RevPAR(Revenue Per Available Room)は「客室売上 ÷ 販売可能室数」で、ADR×稼働率と等しくなります。客室売上1,500万円、販売800室、120室×30日なら、ADR 18,750円、稼働率22.2%、RevPAR 4,167円という計算です。ADRは売れた部屋の平均単価、RevPARは空室も含めた1室あたりの稼ぎで、経営指標としてはRevPARのほうが実態を表します。
3指標の役割
| ADR | 売れた部屋の平均単価。値付けの水準を示すが、空室は反映されない |
|---|---|
| OCC(稼働率) | 埋まり具合。単価を下げれば上がるため、単独では判断材料にならない |
| RevPAR | ADR×OCC。空室を含めた1室あたりの稼ぎで、収益力の総合指標 |
| GOPPAR | RevPARから営業費用を引いた利益ベースの指標。より経営に近い視点 |
ADRホテル平均の詳しい解説
ホテルの収益管理では、ADR、OCC、RevPARの3指標を同時に見ることが基本です。ADRだけを上げようとすれば稼働率が落ち、稼働率だけを追えば単価が崩れるため、両者の積であるRevPARで判断します。イールドマネジメント(収益管理)とは、需要予測に基づいて日々の販売価格と在庫配分を調整し、RevPARを最大化する手法です。需要の高い日は単価を上げて稼働率を多少犠牲にし、需要の低い日は単価を下げて稼働を確保するという配分になります。稼働率100%が続く状態は、一見すると好調ですが、値付けが需要に対して安すぎた可能性を示します。売り切れる直前の水準まで単価を上げられたはずだと考えると、適度な空室はむしろ健全な兆候です。実務では販売チャネルごとの分析も重要で、自社サイト経由はOTA(オンライン旅行代理店)経由より手数料が10〜15%安いため、同じADRでも手取りが変わります。このためADRだけでなく、手数料を差し引いたネットADRで比較する必要があります。またレストランや宴会の売上を含めた総売上で見る指標(TRevPAR)や、営業費用を差し引いたGOPPARも併用されます。売上が伸びていても人件費や光熱費の上昇で利益が伴わない場合があり、経営判断に近いのは利益ベースのGOPPARのほうです。目標とすべき稼働率の水準は業態と立地で異なり、都心のビジネスホテルでは80%台、季節変動の大きいリゾートでは年平均60%台ということもあります。他社と比べる場合は、同じエリア・同じ客層の競合を数軒選んで比較対象とし、市場全体の需要変動と自館固有の要因を切り分けます。分析の粒度も結論を変えます。月次のRevPARだけを見ていると、平日が弱いのか週末が弱いのか、特定の月に落ち込んでいるのかが分かりません。曜日別・月別に分解して初めて、単価を上げるべき日と、在庫を絞ってでも単価を守るべき日が特定できます。ホテルは固定費の比率が高い事業であるため、限界的な1室を安くても埋める判断と、単価水準を崩さない判断のどちらを優先するかは、その日の需要見通しによって変わります。単価戦略を評価する際は、値上げによって失った稼働と、得られた単価上昇のどちらが大きかったかをRevPARの変化で検証するのが正攻法です。
業界・現場での使い方
ホテル運営
日次・月次でRevPARを追い、価格戦略の効果を検証します。
収益管理
曜日・季節・チャネル別に分解し、価格と在庫配分の意思決定に使います。
投資判断
物件の収益力を同エリアの競合と比較する際の共通指標として用います。
よくある間違い・注意点
- ADRだけで良し悪しを判断する — 単価を上げて稼働が落ちれば総売上は減ります。RevPARで評価してください。
- チャネル手数料を無視する — OTA経由は10〜15%の手数料がかかります。手取りベースのネットADRで比較する必要があります。
- 稼働率100%を目標にする — 満室が続くなら値付けが安すぎる可能性があります。適度な空室はむしろ健全です。
関連する規格・法規
- 日本ホテル協会
- 観光庁
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
ADRとRevPARの違いは?
ADRは売れた部屋の平均単価、RevPARは空室も含めた全客室あたりの売上です。RevPAR=ADR×稼働率の関係にあります。
稼働率は何%が目標ですか?
立地と業態によります。都心のビジネスホテルでは80%台、リゾートでは季節変動が大きく年平均60%台ということもあります。
GOPPARとは?
営業総利益を販売可能室数で割った指標です。売上ではなく利益ベースで見るため、経営判断により近い数値になります。