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ホテル稼働率

客室数と販売実績から、ホテルの稼働率、RevPAR、損益分岐稼働率を試算します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

ホテル稼働率ツール

計算式と考え方

稼働率は「販売した室数 ÷ (客室数 × 日数)」で求めます。120室のホテルが30日間で2,700室泊を販売すると、販売可能な3,600室泊に対して75.0%です。売上は2,700室泊 × 15,000円で40,500,000円、RevPARはこれを3,600で割った11,250円になります。客室部門の利益は、売上から変動費2,600円 × 2,700室泊と固定費22,000,000円を引いた11,480,000円です。損益分岐稼働率は、固定費を1室あたりの粗利12,400円と販売可能室泊3,600の積で割って49.3%となります。

稼働率にかかわる主な指標

稼働率(OCC)販売した室数を販売可能な室数で割った比率。日別・曜日別で見ると偏りが分かる
ADR販売した客室の平均単価。売上を販売室数で割って求める
RevPAR稼働率とADRを掛けた指標。空室も含めた1室あたりの稼ぎを示す
GOP部門の売上から運営費を引いた利益。賃料や減価償却の前で比較することが多い
損益分岐稼働率固定費を1室あたりの粗利で割って求める。価格戦略の下限を決める材料になる

ホテル稼働率の詳しい解説

稼働率を単独で見ても収益の良し悪しは判断できません。価格を下げれば稼働率は上がり、上げれば下がるという関係があるためで、両方を同時に評価する指標としてRevPARが使われます。稼働率75%で単価15,000円のホテルと、稼働率90%で単価12,000円のホテルは、RevPARがそれぞれ11,250円と10,800円となり、前者のほうが稼いでいます。しかも稼働が低いほうが清掃や消耗品といった変動費も少なく、利益ではさらに差が開きます。稼働率を上げること自体が目的化すると、単価を下げて客室を埋め、人件費と清掃費だけが増えるという状態になりやすい点に注意が必要です。業態による水準の違いは、需要の発生の仕方から説明できます。ビジネスホテルは平日の出張需要が中心で、月曜から木曜が高く週末が落ちる形になり、年間を通じて70%台後半に収まりやすい構造です。都心の宿泊特化型は平日と週末の両方に需要があるため80%台を維持できることがあり、リゾートは繁忙期と閑散期の差が大きく、年間平均では60%台になることが少なくありません。同じ数字でも、平均が同じで変動が大きいほど人員配置が難しくなり、実際の利益は下がります。実務で判断が分かれるのは、直前の値下げをどこまで許容するかです。空室のまま当日を迎えれば売上はゼロですから、変動費を上回る価格であれば売ったほうがよいという考え方が成り立ちます。一方で、安い価格が市場に出回ると翌週以降の予約が値下がりを待つようになり、長期的にはADRが下がります。多くのホテルは、公開する価格は下げずに、会員向けや特定の販売経路に限って割引を出すという形で折り合いをつけています。見落とされやすいのは販売手数料です。オンラインの予約サイト経由では10%前後の手数料がかかり、自社サイトからの予約とは実入りが変わります。稼働率の計算には現れませんが、経路別の構成が変われば同じRevPARでも利益は変わります。また、清掃要員の確保が上限になって売れる部屋を絞る例もあり、この場合の実質的な販売可能室数は登録客室数より少なくなります。

業界・現場での使い方

月次の実績評価

稼働率とRevPARを同時に見て前年や業態平均と比べます。

価格戦略の検討

単価と稼働率の組み合わせを変えて利益への影響を確かめます。

損益分岐点の把握

固定費から最低限必要な稼働率を求めて価格の下限を決めます。

よくある間違い・注意点

  • 稼働率だけを目標にする — 単価を下げれば稼働率は上がりますが利益は減ります。RevPARと利益で評価してください。
  • 予約サイトの手数料を計算に入れない — 経路によって手取りが1割前後変わります。経路別の実質単価で比較する必要があります。
  • 年間平均だけで判断する — 同じ平均でも繁閑差が大きいと人員配置の効率が落ちます。曜日別・月別の分布も確認してください。

関連する規格・法規

  • 日本ホテル協会
  • 観光庁

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

稼働率は何%あればよいですか?

業態によって異なり、ビジネスホテルで75%前後、都心型で85%前後が一つの目安とされます。

RevPARとADRはどう使い分けますか?

ADRは売れた部屋の単価、RevPARは空室を含めた稼ぎです。収益力の比較にはRevPARが適しています。

損益分岐稼働率が高いと何が問題ですか?

需要が落ちたときに赤字へ転じやすくなります。固定費の圧縮か単価の引き上げが必要になります。