RevPARホテル
客室単価と稼働率から、ホテルのRevPARと客室売上、部門利益を試算します。
RevPARホテルツール
計算式と考え方
RevPARはADRに稼働率を掛けて求めます。ADR15,000円、稼働率78%なら11,700円です。客室売上はRevPARに客室数と日数を掛け、180室・365日で約7億6,869万円になります。販売手数料の実効率を12%とすると、手数料控除後のRevPARは10,296円です。客室部門のGOPは手数料控除後の売上にGOP率32%を掛けて約2億1,646万円となります。1室あたりの年間売上はRevPARに365を掛けた約427万円です。
客室指標の関係
| ADR | 販売した客室1室あたりの平均単価。売れた部屋だけを分母にします |
|---|---|
| 稼働率 | 販売可能客室数のうち実際に売れた割合。改装中の客室は分母から除きます |
| RevPAR | ADR×稼働率。売れなかった部屋も分母に含むため、単価と稼働を同時に評価できます |
| GOP | 部門の売上から直接費用を引いた利益。人件費と変動費の管理状況が表れます |
RevPARホテルの詳しい解説
RevPARが客室部門の中心指標とされるのは、ADRと稼働率のどちらか一方だけを見ると判断を誤るからです。単価を下げれば稼働は上がり、単価を上げれば稼働は下がるという関係があるため、片方の改善は他方の悪化と裏表になりがちです。RevPARは販売可能な客室すべてを分母に置くことで、この取引関係を一つの数字にまとめます。ADRを1,000円上げて稼働が5ポイント下がった場合に、RevPARが増えたか減ったかを確認すれば、値上げの是非を機械的に判断できます。ただしRevPARだけで経営が語れるわけではありません。同じRevPARでも、高単価で低稼働の状態と、低単価で高稼働の状態では、清掃や備品、朝食といった変動費の総額が変わります。稼働が高いほど部屋あたりの費用は積み上がるため、利益の観点からは高単価での達成のほうが有利です。この差を捉えるにはGOPまで見る必要があります。販売経路の構成も利益を左右します。予約サイトを経由する場合は10%から15%程度の手数料が売上から引かれるため、表面のRevPARと手元に残る金額には差が生じます。自社サイトからの予約を増やせば手数料は減りますが、集客のための広告費や会員制度の運営費が発生します。どちらが有利かは施設の知名度と立地によって変わり、都市部の匿名性の高い施設ほど予約サイトへの依存度が高くなる傾向があります。施設の区分による水準の違いも大きなものです。ビジネスホテルは単価が抑えられる代わりに稼働率が高く、平日の出張需要で安定します。リゾートは季節と曜日による変動が激しく、繁忙期のRevPARだけを見ると通年の実力を見誤ります。ラグジュアリーは単価が高い一方で稼働率は控えめになりやすく、宴会や飲食といった客室以外の部門の比重も大きくなります。指標を比べる際は、同じ区分かつ同じ商圏の施設と比べることが前提になります。近年は客室以外の売上も含めたTRevPARや、GOPを客室数で割ったGOPPARといった指標も併用されるようになりました。客室売上の伸びが飲食部門の縮小で相殺されている場合、RevPARだけでは改善に見えてしまうためです。日次のRevPARで需要の動きを追い、月次でGOPまで確認する二段構えが実務的です。
業界・現場での使い方
収益の把握
単価と稼働から客室売上を試算します。
価格戦略の検討
値上げと稼働低下の影響を比較します。
手数料の影響確認
販売経路の手数料が利益に与える影響を見ます。
よくある間違い・注意点
- 稼働率だけを目標にする — 単価を下げれば稼働は上がりますが、RevPARと利益は下がることがあります。両方を同時に見てください。
- 手数料控除前のRevPARで採算を語る — 予約サイト経由では1割超が引かれます。手元に残る金額で採算を判断してください。
- 区分の異なる施設と比べる — ビジネスホテルとリゾートでは単価も稼働も構造が違います。同区分・同商圏で比較してください。
関連する規格・法規
- 日本ホテル協会
- 観光庁
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
稼働率の分母は何ですか?
販売可能客室数です。改装や故障で販売していない客室は分母から除くのが一般的な扱いです。
RevPARの目安はありますか?
区分と立地で大きく異なります。同じ商圏の同区分施設の平均と比べるのが実務的です。
GOP率の水準はどのくらいですか?
客室部門では30%台が一つの目安ですが、人件費の構成や外部委託の範囲で変わります。