性感染症(STD/STI)検査費用 計算ツール|HIV・梅毒・クラミジア・淋菌・HPV総額と匿名検査
性感染症(STD/STI)の検査費用を、HIV・梅毒・クラミジア・淋菌・トリコモナス・HPV・B型肝炎・C型肝炎の項目別に自動算出。保健所での匿名無料検査、クリニックでの自費・保険適用、性別、自宅郵送キットの費用差、症状の有無による保険適用判定、感染機会後の検査時期(ウィンドウピリオド)まで、厚労省・日本性感染症学会「性感染症診断・治療ガイドライン2020」に基づき解説します。
性感染症検査費用 計算機
計算式と料金体系
基本式
総額 = Σ 項目別検査料 + 初診料/送料
保険適用時 = 診療報酬点数 × 3割 (症状がある場合)
本ツールは保健所(無料/匿名HIV等)・自費クリニック・保険クリニック・自宅郵送キットの4パターンで比較します。保険適用は症状がある場合のみで、無症状スクリーニングは原則自費です(HIV・肝炎の集団検診等の一部例外あり)。
診療報酬の目安(保険3割負担)
- クラミジアPCR: 291点×3割 ≒ 870円
- 淋菌PCR: 209点×3割 ≒ 630円
- HIV抗体: 109点×3割 ≒ 330円
- 梅毒(TP+RPR): 190点×3割 ≒ 570円
- 肝炎(HBs抗原・HCV抗体): 各32-105点
検査項目別料金早見表
| 項目 | 保健所 | 自費 | 保険3割 | 自宅キット |
|---|---|---|---|---|
| HIV(即日 or 通常) | 無料 | 3,000-5,000円 | 330円 | 4,000-8,000円 |
| 梅毒(TP+RPR) | 無料/併設 | 3,000-5,000円 | 570円 | 3,000-5,000円 |
| クラミジア(PCR) | — | 4,000-6,000円 | 870円 | 4,000-6,000円 |
| 淋菌(PCR) | — | 4,000-6,000円 | 630円 | 4,000-6,000円 |
| トリコモナス | — | 3,000-5,000円 | 約400円 | 3,000-5,000円 |
| HPV(女性) | 自治体一部無料 | 5,000-8,000円 | 約1,500円 | 6,000-9,000円 |
| B型肝炎(HBs抗原) | 無料/併設 | 2,000-3,000円 | 約100円 | 2,500-4,000円 |
| C型肝炎(HCV抗体) | 無料/併設 | 2,500-3,500円 | 約320円 | 3,000-4,500円 |
| ヘルペス(HSV1/2) | — | 3,000-5,000円 | 約500円 | 4,000-6,000円 |
| マイコプラズマ/ウレアプラズマ | — | 5,000-8,000円 | —(適用外多い) | 6,000-9,000円 |
| 初診料/採取料/送料 | 0円 | 2,000-5,000円 | 約900円 | 0-1,000円 |
| フルセット(4-6項目) | 一部無料 | 15,000-35,000円 | 3,000-6,000円 | 15,000-25,000円 |
フルセットは通常HIV・梅毒・クラミジア・淋菌の4項目が最小構成。HPV・肝炎・ヘルペスを加えると6-8項目セットになります。
検査場所の選び方
保健所(匿名無料検査)
- メリット: 完全無料・匿名・公的機関。HIVは即日結果対応の場所も。
- デメリット: 検査項目が限定的(HIV・梅毒・肝炎中心、クラミジア/淋菌は自治体次第)。日時が限定的。
- おすすめ: HIV・肝炎・梅毒をとりあえず調べたい方、費用を抑えたい方。
クリニック(自費)
- メリット: 短時間・多項目・匿名対応も可能・結果もオンライン等で受取。
- デメリット: 高額(5-8項目で3-4万円)。
- おすすめ: 症状はないが不安、パートナーシップを組む前、婚活。
クリニック(保険)
- メリット: 3割負担で安価、治療まで連続対応。
- デメリット: 症状が必要(排尿痛・帯下・下腹部痛等)。保険証で受診記録が残る。
- おすすめ: 明らかな症状のある方。
自宅郵送キット
- メリット: 完全匿名・自宅で採取・結果はスマホ確認。
- デメリット: 自己採取の精度が下がる、陽性時の対面診療フォローが別途必要。
- おすすめ: 医療機関に行きにくい方、時間の取れない方。
感染機会後の検査時期(ウィンドウピリオド)
各感染症にはウィンドウピリオド(WP)=感染後、検査で陽性と検出されるまでの期間があります。早すぎる検査は偽陰性を招くため、下記時期を参考にしてください。
| 感染症 | ウィンドウピリオド | 推奨検査時期 |
|---|---|---|
| HIV(抗体) | 4-12週 | 3ヶ月後 |
| HIV(第4世代 Ag/Ab) | 約2週 | 1ヶ月後 |
| 梅毒 | 3-6週 | 4-6週後 |
| クラミジア | 1-3週 | 2週後 |
| 淋菌 | 1-2週 | 1-2週後 |
| トリコモナス | 4日-2週 | 2週後 |
| ヘルペス | 2-6週 | 症状出現時 |
| HPV | 数週-数ヶ月 | 症状/検診時 |
| B型肝炎 | 4-12週 | 3ヶ月後 |
| C型肝炎 | 4-12週 | 3ヶ月後 |
HIVは3ヶ月後の確認が原則。急ぐ場合は第4世代抗原抗体同時検査(1ヶ月後可能)を選択します。
こんな人におすすめ
感染リスクのあった性行為後
コンドーム不使用、新規パートナー、複数パートナーがある場合。ウィンドウピリオド経過後の適切な時期に検査を。
症状(排尿痛・帯下・発疹)がある
症状ありは保険適用で3割負担。早期治療が合併症予防に直結。パートナーへの二次感染防止のためにも受診を。
婚活・パートナーシップ前
互いのブライダルチェックとして受検するカップルが増加。フルセット3万円程度で安心を購入する感覚。
妊活・妊娠を考えている
妊娠前の梅毒・HIV・肝炎スクリーニングは母子感染予防に重要。妊婦健診でも初期検査に含まれます。
MSM(男性同性愛者)
HIV感染リスクの高い層。厚労省・自治体の匿名無料検査を定期利用推奨。3-6ヶ月毎の受検が推奨されます。
職業性リスク
医療従事者・介護職の針刺し事故後、暴露後予防(PEP)の適応判断のため検査必須。労災適用対象。
主要STD/STIの症状と放置リスク
- クラミジア — 男性:排尿痛、女性:無症状多い。放置で骨盤内炎症・不妊・子宮外妊娠。
- 淋菌 — 男性:黄色膿・強い排尿痛、女性:無症状多い。放置で不妊・関節炎・敗血症。
- 梅毒 — 3期分類(初期硬結→バラ疹→ゴム腫)。近年急増中。放置で神経梅毒・心血管梅毒・母子感染。
- HIV — 急性期は発熱・皮疹・咽頭痛(インフル様)。無治療で5-10年でエイズ発症、機会感染で致死的。ART(抗ウイルス療法)で長期健常。
- HPV — 尖圭コンジローマ(6/11型)・子宮頸がん(16/18型)。ワクチンで予防可。
- ヘルペス(HSV1/2) — 再発性の水疱・潰瘍。抗ウイルス薬で症状軽減。
- B型・C型肝炎 — 無症状のうちに慢性化→肝硬変・肝がん。近年DAA治療でC型は治癒可。
- トリコモナス — 女性は帯下・かゆみ、男性は無症状多い。メトロニダゾール1回で治癒。
よくある間違い・注意点
- 感染直後にすぐ検査 — ウィンドウピリオド未経過だと偽陰性。HIVは第4世代で1ヶ月、第3世代で3ヶ月後が原則。
- 無症状スクリーニングを保険で受診 — 症状なしは保険適用外。虚偽の症状記載は不正請求扱いになるリスク。
- 陰性=完全に安全と誤解 — 検査項目にない感染症(マイコプラズマ・HPV全型等)は判定外。パートナー間での感染予防は継続を。
- パートナー未検査で治療のみ完了 — ピンポン感染(相互再感染)を招く。カップルで同時治療が原則。
- 自宅キット陽性のみで治療 — 自宅キットは確定診断でなくスクリーニング。陽性なら医療機関で確認検査を。
- 「彼氏/彼女しかいないから大丈夫」 — 過去のパートナー由来の感染が判明することは稀ではない。付き合い始めの検査は互いの信頼のため。
- 抗生物質を自己判断で中断 — 症状消失=治癒ではない。処方完了+再検査で治癒判定が必要。
関連するガイドライン
- 性感染症診断・治療ガイドライン2020 ― 日本性感染症学会。国内の標準治療プロトコル。
- 感染症法(五類感染症) ― HIV・梅毒・クラミジア・淋菌等の届出義務規定。
- HIV検査普及運動 ― 厚労省。保健所匿名無料検査の全国実施。
- HPVワクチン積極的勧奨 ― 厚労省2022年再開。定期接種対象小学校6年〜高校1年女子。
- WHO Global Health Sector Strategies on STIs 2022-2030 ― WHO世界戦略。
- CDC STI Treatment Guidelines 2021 ― 米国疾病予防管理センターの治療指針。
- 母子感染予防 ― 日本産科婦人科学会。妊婦のスクリーニング項目。
参考文献・公的資料
- 厚生労働省 HIV/エイズ対策 ― 保健所匿名無料検査の全国リンク、対策事業の公式情報。
- 厚生労働省 性感染症対策 ― 梅毒等の届出・統計・啓発資料。
- 日本性感染症学会 ― 性感染症診断・治療ガイドライン2020の公式配布元。
- HIV検査・相談マップ ― 厚労省委託。全国の匿名HIV検査場所検索。
- 厚労省 HPVワクチン ― 定期接種・キャッチアップ接種の公式情報。
- 日本産科婦人科学会 妊婦感染症スクリーニング ― 妊娠初期の必須検査項目。
- CDC STI Treatment Guidelines ― 米国疾病予防管理センターの国際的標準ガイドライン(2021)。
- WHO Sexually Transmitted Infections ― 世界保健機関のSTI啓発・戦略ページ。
- 国立感染症研究所 ― 感染症疫学・診断・治療の公式解説と月次発生動向。
- API-Net(エイズ予防情報ネット) ― 厚労省委託の総合HIV情報サイト。
よくある質問(FAQ)
匿名検査はどこで受けられる?
各都道府県の保健所で匿名・無料検査を実施。HIV・梅毒・肝炎が中心で、自治体によりクラミジア/淋菌も対応。予約制の場所が多く、厚労省の「HIV検査・相談マップ」で最寄りを検索できます。結果は本人にのみ通知。
検査を受ける最適な時期は?
感染機会からウィンドウピリオド経過後。HIV(第3世代)は3ヶ月後、HIV(第4世代)は1ヶ月後、クラミジア/淋菌は1-2週間後、梅毒は4-6週後が目安。早すぎる検査は偽陰性のリスクがあります。
自宅キットの費用は?
1-2万円が相場。1項目5,000円前後、4-6項目セットで1.5-2.5万円。完全匿名・自宅採取・スマホで結果確認が可能ですが、自己採取の精度低下、陽性時の医療機関フォローが必要です。
症状がなくても受けるべき?
感染リスクがあれば受けるべきです。特にクラミジア・HPVは女性の70%以上が無症状、放置で不妊・子宮頸がんのリスク。年1回程度のスクリーニングが推奨されます。
保険適用になる条件は?
症状がある場合のみ(排尿痛・帯下異常・下腹部痛・皮疹等)。無症状スクリーニングは自費が原則です。虚偽の症状記載は保険不正請求扱いになるため注意。
フルセット検査の内容は?
通常はHIV・梅毒・クラミジア・淋菌の4項目が最小構成、これにHPV・肝炎・ヘルペスを加えて6-8項目セットに拡張。クリニック自費で2-4万円、自宅キットで1.5-2.5万円が相場です。
結果はいつわかる?
クラミジア/淋菌PCR: 2-5日、HIV即日検査: 60分、通常検査: 3-7日、梅毒: 3-5日。緊急の場合はNAT法(核酸増幅)で当日結果対応の医療機関もあります(自費割高)。
陽性だったら?
すぐに医療機関で治療開始。多くは経口抗生物質1週間程度で治癒しますが、HIV・肝炎・HPV・ヘルペスは継続管理が必要。パートナーへの通告(コンタクトトレース)と同時治療で再感染を防ぎます。
HIV暴露後予防(PEP)とは?
感染リスク暴露から72時間以内に抗ウイルス薬を28日間服用することで感染成立を防ぐ緊急予防。針刺し事故・性暴力被害・コンドーム破損時の適応で、対応可能な医療機関は限定的。早期相談が必須です。
HPVワクチンで防げる感染は?
子宮頸がんの原因となる高リスクHPV(16/18型ほか)と、尖圭コンジローマの6/11型。2022年から積極的勧奨再開、9価ワクチンで7種類の型に対応します。定期接種は小学6年〜高校1年女子、キャッチアップは1997-2005年度生まれ。
再感染を防ぐには?
コンドーム使用、パートナー数の抑制、定期検査、パートナーとの同時治療、HPV/B型肝炎はワクチン接種。単なる相互の性的検査は「愛情確認」でもあり、健康的な関係性の第一歩と位置づけると受診しやすくなります。
妊娠中は受ける?
妊婦健診初期に梅毒・HIV・B型肝炎・C型肝炎・クラミジアのスクリーニングが標準実施。母子感染予防のため必須項目です。妊娠中判明例では帝王切開・母乳制限・児のワクチンなどで垂直感染を大幅に減らせます。