計算ツール
health計算

肝機能AST/ALT

肝機能AST/ALTをAST/ALT比で肝機能を判定する無料電卓。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

肝機能AST/ALTツール

計算式と判定の前提

AST/ALT比 = AST ÷ ALT / ASTとALTがともに31U/L未満なら「正常」。それ以外は比が2を超えると「アルコール性疑い」、1未満で「脂肪肝疑い」、1以上2以下で「肝機能異常」

既定値のAST25U/L・ALT25U/Lでは、比は25÷25で1.00となり、両方が31U/L未満なので判定は「正常」になります。区切りに使っている31U/Lは、厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム」の肝機能検査フィードバック文例集が、AST・ALTともに基準範囲を30U/L以下、保健指導判定値を31〜50U/L、受診勧奨判定値を51U/L以上としていることに合わせたものです。比のほうは、どちらの酵素がより多く血液中に漏れ出しているかを見る指標で、値そのものの高さとは別の情報を持ちます。

早見表

入力値と本ツールの判定

AST(U/L)ALT(U/L)AST/ALT比本ツールの判定
25251.00正常(既定値)
20300.67正常(両方が31未満のため比は見ない)
35351.00肝機能異常
60501.20肝機能異常
55252.20アルコール性疑い
30600.50脂肪肝疑い

健診での判定区分(標準的な健診・保健指導プログラム)

区分AST(U/L)ALT(U/L)γ-GT(U/L)示される対応
基準範囲内〜30〜30〜50今後も継続して健診受診を
保健指導判定値を超えるレベル31〜5031〜5051〜100生活習慣の改善を
受診勧奨判定値を超えるレベル51〜51〜101〜医療機関の受診を

※本ツールはγ-GTを扱いません。飲酒との関係を見るときは、健診結果のγ-GTも併せて確認してください。

AST/ALT比の詳しい解説

ASTとALTは、どちらもアミノ酸の代謝にかかわる酵素で、細胞が壊れると血液中に出てきます。比を見る意味は、この2つの酵素が体内で同じように分布していないところにあります。ALTはほぼ肝細胞に限って存在するのに対し、ASTは肝臓のほか心筋・骨格筋・赤血球にも含まれます。さらに、肝細胞のなかでもALTは細胞質に、ASTは細胞質とミトコンドリアの両方にあります。そのため、肝細胞の表層がじわじわ傷むタイプの障害ではALTが優位に、細胞の深部まで壊れるタイプや肝臓以外の組織が壊れたときはASTが優位になります。比が1を割るか2を超えるかで見当をつけられるのは、この分布の差が背景にあるからです。

実務で判断が分かれるのは、絶対値と比のどちらを先に見るかです。健診の現場では、まずAST・ALT・γ-GTの実測値を31U/L・51U/Lで層別し、受診勧奨に当たるかどうかを決めます。比は、そこから先の原因の見当をつける補助として使われます。本ツールが両方31U/L未満のときに比を無視して「正常」とするのも同じ考え方で、酵素がほとんど漏れていない状態では、比のわずかな上下に意味を読み取りにくいためです。逆に、実測値が高いのに比が1前後で動かない場合は、それだけでは原因を絞り込めず、ウイルス性肝炎の検査や画像検査、服薬歴の確認へ進むことになります。

見落とされやすいのは、肝臓以外の要因と時間差です。激しい運動の直後や筋肉の病気、採血時の溶血ではASTだけが上がり、比が実態より高く出ます。血液中で消えるまでの時間もASTのほうが短いため、急性肝炎の回復期にはALTが遅れて残り、経過のなかで比が下がっていきます。逆に、慢性の脂肪性肝疾患で線維化が進むと、それまで1未満だった比がじりじり1を超えてくることが知られており、比の上昇を必ずしも飲酒の証拠と読めない場面があります。1回の採血ではなく、前回の結果と並べて動きを見るほうが情報量が多くなるのはこのためです。

条件による違いもあります。飲酒に関しては、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)が「1日当たりの飲酒量がエタノール換算で男性30g未満、女性20g未満」と定義されており、同じ検査値でも飲酒量の申告によって想定される病態が変わります。基準範囲そのものも測定法や施設で多少異なり、一般に女性のほうがALTの上限は低めに設定されます。筋肉量の多い人、妊娠中の人、高齢の人でも読み方は変わります。本ツールは公表されている区分に当てはめる参考計算で、診断ではありません。数値の意味づけと、次に受けるべき検査の判断は、健診結果を持って医師にご相談ください。

よくある間違い・注意点

  • 比だけを見て原因を決めつける — 比が2を超えていても、その前提としてAST・ALTが基準範囲を出ているかどうかが先です。両方が30U/L以下なら、比の値は原因の推定に使えません。
  • 採血前日の運動を伝えない — 激しい運動や筋肉の損傷ではASTだけが上がり、比が実態より高く出ます。検査前の運動と飲酒は、結果の読み方を変える情報です。
  • γ-GTを見ずに飲酒の影響を判断する — 健診のフィードバックでは、γ-GT高値と飲酒習慣が揃ったときにアルコール性肝障害を疑う組み立てになっています。AST/ALT比だけでは足りません。
  • 1回の値で良し悪しを決める — 急性肝炎の回復期にはALTが遅れて残り、比は経過とともに変わります。前回値と並べた動きのほうが判断材料になります。
  • 基準範囲内なら肝臓に何もないと考える — 脂肪肝や線維化は、AST・ALTが基準範囲でも進んでいることがあります。腹囲・中性脂肪・血糖なども合わせて見てください。

参考資料

※本ツールは公表されている判定区分にもとづく参考計算で、診断ではありません。検査値の解釈と受診の要否は医師にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

AST・ALTの正常値はいくつですか?

厚生労働省の標準的な健診・保健指導プログラムでは、AST・ALTとも30U/L以下が基準範囲内、31〜50U/Lが保健指導判定値を超えるレベル、51U/L以上が受診勧奨判定値を超えるレベルとされています。測定法や施設によって基準範囲は多少前後します。

ASTがALTより大きく高いときは何が疑われますか?

比が2を超える場合はアルコールの影響が想定されることが多く、健診ではγ-GTの高値と飲酒習慣が揃うかどうかを併せて見ます。ただし激しい運動、筋肉の病気、採血時の溶血でもASTだけが上がるため、比の高さがそのまま飲酒を示すわけではありません。

ALTのほうが高いときは何が疑われますか?

ALT優位(比が1未満)で飲酒量が一定未満の場合、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)が疑われる組み立てになっています。NAFLDは1日の飲酒量がエタノール換算で男性30g未満、女性20g未満と定義され、多くは肥満を背景に糖尿病・高血圧・脂質異常症を伴います。

両方とも基準範囲内なら比は気にしなくてよいですか?

本ツールも、ASTとALTがともに31U/L未満のときは比を見ずに「正常」と表示します。酵素がほとんど漏れていない状態では、比のわずかな上下に意味を読み取りにくいためです。ただし基準範囲内でも脂肪肝が進んでいることはあり、腹囲や中性脂肪、血糖も合わせて確認してください。

検査の前に気をつけることはありますか?

激しい運動は数日前から控え、飲酒の状況は正直に伝えてください。運動後はASTが、飲酒後はγ-GTが動きます。採血時の溶血でもASTが高く出るため、明らかに前回と食い違う結果が出たときは再検査で確かめることがあります。

γ-GTはどう読めばよいですか?

健診の区分では50U/L以下が基準範囲内、51〜100が保健指導判定値、101以上が受診勧奨判定値です。γ-GTの上昇は飲酒習慣の有無にかかわらず将来の脳・心血管疾患や糖尿病の発症と関連が報告されており、AST・ALTと合わせて見る項目です。

数値が高いとき、すぐ受診すべきですか?

AST・ALT・γ-GTのいずれかが受診勧奨判定値以上であれば、健診結果を持参して医療機関を受診するのが標準の対応です。保健指導判定値の範囲であれば、まず生活習慣の見直しが示されます。いずれにしても最終的な判断は医師にお任せください。