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鉄分(女性)

女性の鉄の推奨量(mg/日)を計算する無料電卓。年齢と月経・妊娠・授乳の状況から、食事摂取基準にもとづく1日の目安を表示します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

鉄分(女性)ツール

計算式と前提

月経なしの推奨量 = 年齢区分ごとの値(18〜29歳6.0mg/30〜64歳6.0mg/75歳以上5.5mg など)

月経ありの推奨量 = 年齢区分ごとの値(18〜29歳10.0mg/30〜64歳10.5mg など)

妊婦・授乳婦 = 月経なしの値 + 付加量(妊娠初期+2.5/妊娠中期・後期+8.5/授乳中+2.0)

既定値の「30歳・月経あり」であれば10.5mg/日と表示されます。同じ30歳でも、月経なしなら6.0mg、妊娠初期なら6.0+2.5で8.5mg、妊娠中期・後期なら6.0+8.5で14.5mg、授乳中なら6.0+2.0で8.0mgです。数値は厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の推奨量にそろえています。65歳以上には月経ありの区分が設けられていないため、その場合は月経なしの値を表示します。

鉄の推奨量 早見表

年齢別(本ツールの出力)

年齢月経あり月経なし
12〜14歳12.5mg8.0mg4.5mg
15〜17歳11.0mg6.5mg4.5mg
18〜29歳10.0mg6.0mg4.0mg
30〜49歳(既定値の30歳)10.5mg6.0mg4.5mg
50〜64歳10.5mg6.0mg4.5mg
65〜74歳区分なし(6.0mgを表示)6.0mg
75歳以上区分なし(5.5mgを表示)5.5mg

月経の有無で4.0〜4.5mgの差がつきます。年齢による差より、月経の有無による差のほうがはるかに大きいことが分かります。

30歳の場合の状況別(本ツールの出力)

状況推奨量内訳
月経なし6.0mg基準値のみ
授乳中8.0mg6.0 + 付加量2.0
妊娠初期8.5mg6.0 + 付加量2.5
月経あり(既定値)10.5mg月経による損失を含む値
妊娠中期・後期14.5mg6.0 + 付加量8.5

もっとも多いのは妊娠中期・後期で、月経ありの1.4倍近くになります。食事だけで満たすのが難しくなる水準のため、妊娠中は必ず主治医の指示にしたがってください。

推奨量がこの水準に決まる仕組みと、数値の限界

鉄の推奨量は、体から失われる量に吸収率を織り込んで逆算する方法で決められています。汗・尿・皮膚や腸の細胞の入れ替わりで毎日失われる分に、月経がある人はその損失を1日あたりに均した分が上乗せされます。ここまでが「体が必要とする量」で、食事から摂った鉄がすべて吸収されるわけではないため、日本の一般的な食事で月経のある女性で18%、それ以外で16%が吸収されるという前提(2025年版。2020年版は一律15%)で割り戻したものが推奨量です。18〜29歳で月経ありが10.0mg、月経なしが6.0mgと4.0mgも開くのは、月経による損失が吸収率で割り増しされるからです。年齢による差が0.5mg程度にとどまるのとは対照的です。

実務で判断が分かれるのは、この推奨量をどこまで個人に当てはめるかです。推奨量は集団のほぼ全員が必要量を満たす水準として設定された値で、個人にとっての最適量ではありません。月経量には大きな個人差があり、量が多い人は基準が想定する平均的な損失を上回ります。補充の方法も論点で、2025年版では健康な人が通常の食事で過剰症を起こす根拠が乏しいとして耐容上限量が設定されなくなりました。ただしこれは上限がなくなったのであって、サプリメントによる大量摂取が安全になったという意味ではありません。鉄の代謝に関わる病気がある場合は事情がまったく異なります。

見落とされやすいのは、同じmg数でも中身が違う点です。肉や魚に含まれるヘム鉄は吸収されやすく、野菜・豆・海藻に多い非ヘム鉄は吸収されにくいという差があり、非ヘム鉄に偏った食事では実際に取り込まれる量が目標を下回ります。ビタミンCや肉・魚と一緒に摂ると非ヘム鉄の吸収は上がり、濃いお茶やコーヒーに含まれる成分は吸収を妨げます。食品側の落とし穴もあり、干しひじきは鉄釜で加工したものとステンレス釜のもので鉄の量が10倍近く違います。

条件による違いも大きく出ます。10代は成長にともなう体格の増大と月経の開始が重なるため、12〜14歳の月経ありは12.5mgと全年代で最も高い水準になります。妊娠期は初期と中期以降で必要量が大きく変わり、同じ「妊娠中」でも扱いを分ける必要があります。持久系の運動を続けている人は、発汗や着地の衝撃による損失が加わるとされます。閉経後は月経による損失がなくなり必要量が下がりますが、消化管からの出血など別の原因で鉄が失われることもあります。だるさ・動悸・息切れ・立ちくらみが続く場合や、月経量が多いと感じる場合は、食事の調整より先に医療機関で血液検査を受けてください。本ツールの数値は診断や治療の判断に用いるものではありません。

よくある間違い・注意点

  • 月経の有無を選ばずに年齢だけで見る — 差は4.0〜4.5mgあり、年齢による差よりはるかに大きい要素です。状況の選択を必ず合わせてください。
  • 「妊娠中」をひとまとめに扱う — 初期の付加量は+2.5mg、中期・後期は+8.5mgです。30歳なら8.5mgと14.5mgで6mgも違います。
  • 耐容上限量がなくなった=いくらでも摂ってよい、と読む — 通常の食事での過剰リスクが低いという判断であって、サプリメントによる大量摂取を勧めるものではありません。
  • 食品名だけで鉄量を見積もる — 干しひじきは加工に使う釜の材質で鉄の量が10倍近く変わります。成分表の区分まで確認してください。
  • 推奨量を満たしているから貧血ではないと判断する — 推奨量は集団向けの目安です。症状が続く場合は血液検査を受け、医師の判断を仰いでください。

参考資料

※本ツールは食事摂取基準の推奨量を表示する参考計算で、診断や治療の判断に用いるものではありません。貧血の症状がある場合、妊娠中・授乳中の栄養管理、鉄剤やサプリメントの利用については、医師・薬剤師・管理栄養士にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

推奨量の数値はどの基準にもとづいていますか?

厚生労働省が策定する「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の鉄の推奨量です。18〜29歳の女性は月経ありで10.0mg/月経なしで6.0mg、30〜64歳は月経ありで10.5mg/月経なしで6.0mgと定められています。妊婦は初期に+2.5mg、中期・後期に+8.5mg、授乳婦は+2.0mgを月経なしの値に加える扱いです。

妊娠中期・後期になると急に増えるのはなぜですか?

胎児と胎盤に蓄えられる鉄、母体の赤血球が増えることによる需要、出産時の失血への備えが重なるためです。妊娠中期以降の需要増は初期の何倍にもなり、付加量が+2.5mgから+8.5mgへ跳ね上がります。30歳の場合、妊娠初期の8.5mgに対して中期・後期は14.5mgとなり、食事だけで満たすのが難しくなる水準です。医師の指示にしたがってください。

授乳中の推奨量が妊娠中より少ないのはなぜですか?

母乳に移行する鉄の量は多くない一方、授乳中は多くの場合月経が止まっているため、月経による損失がなくなるからです。基準でも授乳婦の付加量は+2.0mgにとどまり、30歳なら8.0mgになります。月経が再開した場合は、その時点で必要量が上がると考えてください。

65歳以上で「月経あり」を選ぶとどうなりますか?

食事摂取基準には65歳以上の「月経あり」の区分がありません。そのため本ツールでは月経なしの値(65〜74歳6.0mg、75歳以上5.5mg)を表示します。閉経後も出血が続く場合は、量の多少にかかわらず自己判断せず、婦人科などの医療機関にご相談ください。

ヘム鉄と非ヘム鉄では何が違いますか?

肉や魚に多いヘム鉄は吸収されやすく、野菜・豆・海藻に多い非ヘム鉄は吸収されにくいという違いがあります。食事摂取基準の推奨量は、日本の一般的な食事全体で月経のある女性で18%、それ以外で16%が吸収される前提(2025年版)で、失われる量から逆算して決められています。したがって同じ10.5mgでも、内訳が非ヘム鉄に偏っていれば実際に取り込まれる量は少なくなります。

食品にはどのくらい鉄が含まれていますか?

日本食品標準成分表では、豚の肝臓が100gあたり約13mg、鶏の肝臓が約9mgと多く、植物性では納豆や小松菜が数mg程度です。注意したいのは干しひじきで、鉄釜で加工したものは100gあたり58mg前後ある一方、ステンレス釜のものは6mg前後しかありません。加工の違いで10倍近く変わるため、食品名だけで判断できない例です。

2025年版で耐容上限量がなくなったと聞きました。多く摂ってよいのですか?

2025年版では、健康な人が通常の食事で過剰症を起こす根拠が乏しいとして鉄の耐容上限量が設定されなくなりました。ただしこれは「いくら摂ってもよい」という意味ではありません。サプリメントによる大量摂取や、鉄の代謝に関わる病気がある場合は事情が異なります。補充を検討する際は医師や薬剤師にご相談ください。

推奨量を満たしていれば貧血にならないのですか?

必ずしもそうとは言えません。推奨量は集団の97〜98%が必要量を満たす水準として設定された目安で、個人差や吸収を妨げる要因、出血をともなう病気までは織り込んでいません。だるさ・動悸・息切れ・立ちくらみが続く場合や、月経量が多いと感じる場合は、食事の見直しよりも先に医療機関で血液検査を受けてください。