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健康熱中症脱水症経口補水液

1日の水分補給量 早見表|体重60kgで2,100mL、高齢者は1,500mL。熱中症の日は+30〜100%を上乗せ

1日の目安は、体重60kgの30〜49歳で2,100mL、70歳以上の60kgなら1,500mL、体重50kgの高齢者で1,250mL。暑い日は+30%、猛暑で+60%、酷暑で+100%、中強度以上の運動・屋外労働は1時間あたり+700mLを上乗せします。体重35〜100kg×年齢層の早見表を載せてあるので、入力せずそのまま読み取れます。総務省消防庁の統計では、日本では毎年4-9月に約6-9万人が熱中症で救急搬送され、うち高齢者が半数以上を占めます。本ツールは体重・年齢層・気温・運動時間を入力するだけで、1日の必要水分量、飲料からの目標摂取量、失う塩分量、経口補水液の目安まで瞬時算出。日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2015」、環境省「暑さ指数(WBGT)」、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」に基づき、水分補給の科学的根拠と実践ポイントを解説します。スポーツ現場・屋外労働・介護・保育・登山・アウトドアなど、水分管理が生命に直結する場面での意思決定にご活用ください。

最終更新:2026-07-26/監修:計算ツールズ編集部

体重・年齢・気温から計算する

中強度以上の運動・屋外労働時間。1時間あたり500-1,000mL追加。

計算式と根拠

基礎水分 = 体重(kg) × 年齢別係数(mL/kg)
合計水分 = 基礎 × (1 + 気温補正) + 運動 × 700mL/時間
飲料からの摂取目標 = 合計水分 − 食事からの摂取(約30%)
発汗で失う食塩相当量 = 汗量(L) × 約3g/L ※汗量は気温補正分+運動分

年齢別係数(40/35/30/25 mL/kg)は、看護・介護の現場で広く使われている体重あたりの必要水分量の目安を本ツールが前提値として置いたもので、法令や公的基準で決まった数値ではありません。体組成と腎機能・代謝率の年齢変化を反映しています。若年者(10-29歳)は代謝が旺盛で40mL/kg、成人(30-49歳)35mL/kg、中年(50-69歳)30mL/kg、高齢者(70歳以上)25mL/kgが目安。ただし高齢者は口渇感が低下しているため、実際の必要量に対して不足しやすく、意識的な補給が推奨されます。

体重別 1日の必要水分量 早見表

体重×年齢層の係数だけで決まる、いちばん基本の目安です。気温が高くない日・特別な運動をしない日の値なので、暑い日はここから上乗せします。

体重10〜29歳
40 mL/kg
30〜49歳
35 mL/kg
50〜69歳
30 mL/kg
70歳以上
25 mL/kg
30〜49歳で
飲料から摂る分
35 kg1,4001,2251,050875858
40 kg1,6001,4001,2001,000980
45 kg1,8001,5751,3501,1251,102
50 kg2,0001,7501,5001,2501,225
55 kg2,2001,9251,6501,3751,348
60 kg2,4002,1001,8001,5001,470
65 kg2,6002,2751,9501,6251,592
70 kg2,8002,4502,1001,7501,715
75 kg3,0002,6252,2501,8751,837
80 kg3,2002,8002,4002,0001,960
85 kg3,4002,9752,5502,1252,082
90 kg3,6003,1502,7002,2502,205
95 kg3,8003,3252,8502,3752,328
100 kg4,0003,5003,0002,5002,450

単位はmL/日。いちばん右の列は、合計から食事に含まれる水分(およそ3割)を差し引いた「飲んで摂る分」です。この係数(40/35/30/25 mL/kg)は法令や公的基準で決まった値ではなく、看護・介護の現場で使われる目安を本ツールが前提値として置いたものです。

気温・運動による上乗せ

上の表はあくまで出発点で、汗をかく条件では上乗せが必要になります。本ツールが置いている上乗せ幅は次のとおりです。

条件上乗せ体重60kg・30〜49歳(基礎2,100mL)の場合
寒い・標準(10〜25℃)±0%2,100 mL
暑い(25〜30℃)+30%2,730 mL
猛暑(30〜35℃)+60%3,360 mL
酷暑(35℃超)+100%4,200 mL
中強度以上の運動・屋外労働1時間あたり +700 mL3時間なら +2,100 mL

環境省「熱中症予防情報サイト」の暑さ指数(WBGT)が28以上(厳重警戒)の日は、上の表の「猛暑」以上として扱ってください。高齢者は口渇感が鈍くなるため、のどが渇いてから飲むのでは間に合いません。起床時・食事ごと・入浴前後・就寝前のようにタイミングを決めて、コップ1杯(200mL)ずつ分けて摂るのが現実的です。持病があって水分制限の指示を受けている場合や、脱水が疑われる症状が出ている場合は、この表ではなく主治医・かかりつけ医の指示に従ってください。

脱水症状の重症度別サイン

体重の何%の水分を失ったかで症状の重さが変わります。日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2015」および日本臨床救急医学会の分類基準に基づきます。

体重比症状対応
1%減のどの渇き・軽い疲労水分補給(水・麦茶)
2%減運動能力低下・集中力減・不快感水分+電解質(スポーツドリンク)
3%減頭痛・めまい・汗減少・食欲不振OS-1等の経口補水液
4-5%減体温上昇・けいれん・脱力・悪心涼所で安静・救急要請検討
7-10%減意識障害・幻覚・失神救急搬送(119番)
10%超命の危険・多臓器不全直ちに救急搬送

熱中症はI度(めまい・立ちくらみ)→II度(頭痛・嘔吐)→III度(意識障害・けいれん)と重症化。II度以上は必ず医療機関受診、III度は救急要請が必須です。判断に迷う場合は「#7119(救急安心センター)」で電話相談を。

暑さ指数(WBGT)と行動指針

WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)は気温・湿度・輻射熱を組み合わせた熱中症リスク指標で、環境省が全国の測定値を公開しています。

WBGT値危険度行動指針
21未満ほぼ安全通常活動可、水分補給は基本量
21-25注意積極的な水分補給
25-28警戒激しい運動は30分ごとに休憩
28-31厳重警戒激しい運動は中止、外出控えめに
31以上危険運動は原則中止、外出を避ける
33以上熱中症警戒アラート環境省・気象庁の警報対象

2021年から環境省と気象庁が「熱中症警戒アラート」を運用しており、翌日または当日の暑さ指数が33以上と予測される場合に発表されます。エアコン適切利用、外出自粛、高齢者見守りが推奨されます。

飲料別 水分補給効率の比較

飲料水分吸収備考
水・軟水脱水予防の基本、無糖無塩
麦茶ノンカフェイン、ミネラル微量
スポーツドリンク塩分・糖分あり、運動時最適
経口補水液(OS-1)脱水症に医療準拠、日常飲用は避ける
牛乳タンパク+電解質、間食向き
コーヒー・紅茶カフェインで軽い利尿、30%程度損失
緑茶カフェイン含有、飲みすぎ注意
ジュース・炭酸飲料糖分過多で吸収低下、常飲NG
ビール(アルコール)強い利尿、1L飲むと1.1L排泄
焼酎・ウイスキー脱水促進、水分補給にならない

経口補水液(ORS)とスポーツドリンクの違い

両者の最大の違いはナトリウムと糖分の濃度比です。WHO(世界保健機関)が定めた経口補水療法(ORT)の基準に近いのがOS-1です。

項目OS-1(経口補水液)ポカリスエットアクエリアス
ナトリウム(mg/100mL)1154940
カリウム(mg/100mL)78208
糖質(g/100mL)1.86.24.7
エネルギー(kcal/100mL)102519
浸透圧約270 mOsm/L約326 mOsm/L約270 mOsm/L
用途脱水症・下痢・発熱時運動・発汗時運動・発汗時
日常飲用×(塩分過多)△(糖分注意)△(糖分注意)

OS-1は「病者用食品(個別評価型)」で消費者庁の許可を受けた医療用途飲料。脱水症・下痢症・熱中症II度以上でのみ推奨され、健常時の常飲は塩分過多を招くため避けてください。逆にスポーツドリンクは糖分が多く、非運動時の常飲は糖尿病リスクを高めます。

年齢別・状況別 必要水分量の目安

対象1日水分量目安ポイント
乳児(0-1歳)体重×150mL母乳・ミルクに含まれる水分で基本OK
幼児(1-5歳)体重×100mLおやつタイム等こまめな補給
学童(6-12歳)体重×80mL登下校・体育時に増量
成人男性約2,500mL食事から30%、飲料から1,500mL
成人女性約2,000mL食事から30%、飲料から1,200mL
妊婦+300mL/日羊水・血液増加分
授乳婦+700mL/日母乳分泌量に相当
高齢者体重×25-30mL口渇感低下、意識的補給を
アスリート3,000-5,000mL運動1時間で500-1000mL追加
屋外労働者3,000-4,000mL塩飴・塩分タブレット併用

目的別の活用シーン

スポーツ・トレーニング

運動30分前に250-500mLをプレハイドレーション。運動中は15-20分ごとに150-200mL。運動後は失った体重の1.5倍量を2-4時間かけて補給。心拍ゾーン計算と併用して強度と補給量を最適化。

屋外労働・現場作業

建設現場・農作業では労働安全衛生法の熱中症予防指針(WBGT値ベース)遵守が事業者義務。始業前・休憩・作業中の3タイミング補給、塩分タブレット併用、クールベスト活用を。

高齢者ケア・介護

口渇感が鈍く自発的補給が難しいため、1時間ごとにコップ1杯を提案。夜間トイレを嫌がる方は日中に集中補給。誤嚥性肺炎防止のためトロミ剤(片栗粉・市販ゲル化剤)併用。

登山・アウトドア

登山は運動+高地+乾燥空気で通常の1.5-2倍必要。1時間400-600mL目安。行動食に塩分含む物(梅干し・塩気のあるナッツ)を混ぜて計画的補給。凍結対策の保温ボトルも重要。

子育て・保育現場

幼児は体重比水分損失が成人より大きく脱水リスク高。園・学校では登園時・給食時・降園時の水筒チェック習慣化。保護者はスパウトつき水筒で自主的な補給を促進。

体調不良・発熱・下痢時

発熱1℃で必要水分15%増、下痢・嘔吐時は失った水分+電解質補給が急務。OS-1やアクアソリタなど医療準拠経口補水液を優先。半日以上摂取困難ならクリニック受診を。

水中毒(低ナトリウム血症)の回避

短時間に大量の水(電解質なし)を摂取すると、血中ナトリウム濃度が急低下し低ナトリウム血症(水中毒)を発症。頭痛・嘔吐・けいれん・意識障害を招き、マラソン後の死亡例も報告されています(米国メディカルジャーナル)。

水中毒を防ぐ原則

  • 1時間に1L以上の急速摂取を避ける — 腎臓の水排出能力の上限を超えると希釈が起きます。
  • 大量発汗時は電解質併用 — スポーツドリンクや塩分タブレットで補給を。
  • のどが渇いてから飲む・飲まないの二極化を避ける — 少量頻回(15-30分ごと100-200mL)が理想。
  • マラソン・トライアスロン等の長時間運動 — 給水所ごとにコップ1杯程度、経口補水液・スポーツドリンク中心に。

よくある勘違い・注意点

  • 「1日2Lの水を飲めば健康」の単純化 — 体重・気候・活動量で必要量は大きく変わります。60kgの座位デスクワークなら1.5L、高温下の運動時は3-4L必要な場合も。
  • 「のどが渇いてから飲めばOK」の危険 — のどの渇きを感じた時点で既に1-2%脱水。特に高齢者は口渇感が鈍く、時間管理での補給が推奨されます。
  • 「スポーツドリンクを日常飲料化」する糖分過多 — 500mLで25-30g糖分(角砂糖7-8個相当)。運動時以外の常飲は糖尿病・肥満リスク。日常は水・麦茶を基本に。
  • 「経口補水液を予防で飲む」誤用 — OS-1は塩分1.5g/500mLと医療用濃度。健常時の常飲は塩分過多で高血圧リスク。脱水症状発症時のみ使用。
  • 「ビール・カクテルで水分補給」の錯覚 — アルコールは強い利尿作用があり、飲んだ量以上の水分を排泄させます。飲酒時は同量以上の水を並行摂取。
  • 「エアコン下は水分不要」の油断 — 冷房下でも不感蒸泄で1日約900mL失う上、乾燥空気で口腔・呼吸から水分蒸発。冬季もこまめな補給を。
  • 「氷水・冷水が体に良い」の一般化 — 冷たすぎる水は胃腸負担・下痢を招きます。常温〜10℃程度が吸収効率も体調にも最適。

参考文献・公的資料(発リンク)

※本ページの計算結果は健康な成人を想定した目安であり、腎臓病・心不全・肝硬変等で水分制限指示のある方、透析患者、乳幼児、妊婦の水分管理は必ず主治医の指示に従ってください。脱水症状II度以上(頭痛・嘔吐・意識障害)は自己判断せず、速やかに医療機関受診または救急要請(#7119または119)を行ってください。

よくある質問(FAQ)

1日2リットルは本当に正解?

体重60kgで基礎2,100mL、食事30%差引→飲料から1,500mL目安。「2リットル」は健康成人の平均概算として概ね正解です。ただし気温・運動量で大幅に変動し、夏場や運動時は3-4リットル必要になることも。逆に冬季デスクワーク中心の高齢女性なら1.2-1.5Lで十分な場合もあり、体重×係数の個別化が実用的です。

水とお茶とコーヒーの違い

水・麦茶は脱水予防に最適。コーヒー・紅茶・緑茶はカフェインの軽い利尿作用で、摂取量の20-30%は排泄されますが、水分補給としてカウントは可能(米国医学研究所)。アルコールは強い利尿作用があり、ビール1Lで約1.1L尿として排出、実質マイナスになります。

熱中症対策の塩分はどれくらい必要?

汗1Lで塩分約3g失います。運動・労働1時間で500mL水+塩分1gが目安。経口補水液OS-1(500mLで1.46g塩分)、スポーツドリンク(500mLで0.5g塩分)、塩飴・塩タブレット(1個0.1-0.3g)を状況に応じ選択。ただし普通食を摂れていれば塩分は足りているケースも多く、過剰な塩分補給は高血圧リスクに。

高齢者の脱水リスクが高いのはなぜ?

高齢者は口渇感が鈍くなる上、腎機能低下で水分保持力が落ちるため脱水リスクが高くなります。夏場の室内熱中症の8割が65歳以上との統計もあります。1時間ごとにコップ1杯の意識的補給、エアコン適切利用、家族の見守りが有効。夜間頻尿を嫌がって水分制限する方も多いですが、日中に集中補給する工夫を。

飲み過ぎのリスクは?

1時間に1L以上を急に飲むと「水中毒」(低ナトリウム血症)のリスクがあります。マラソン後の急水分補給で死亡例あり(米国医学誌)。少量ずつ・塩分セットが原則。特にランナー・トライアスリート・重労働者は電解質補給を並行させてください。

子どもの水分補給で気をつけることは?

幼児は体重比の水分損失が大人の2-3倍で脱水リスク高。のどが渇く前の予防補給が原則。保育園・学校では水筒持参、休憩ごとの声かけ習慣を。清涼飲料水・ジュースの多用は虫歯・肥満リスクなので、水・麦茶を基本に。乳幼児の脱水兆候(不機嫌・尿量減少・涙が出ない・大泉門陥没)は小児科受診を。

妊娠中・授乳中の水分量は?

妊婦は羊水・血液増加で通常+300mL/日、授乳婦は母乳分泌に相当する+700mL/日が推奨されます(食事摂取基準)。ただしむくみ・妊娠高血圧症候群がある方は医師の指示に従ってください。カフェイン(コーヒー・紅茶)は1日200mg以下が目安。

透析患者や心不全患者の水分制限は?

慢性腎不全・透析患者は1日500-1000mLに厳密制限されることが多く、心不全でも心臓負担軽減のため制限指示が出ます。本ツールの目安値は健常人向けであり、これら疾患を持つ方は必ず主治医の指示量を優先してください。自己判断での増減は生命に関わります。

暑さ指数(WBGT)はどこで確認できる?

環境省「熱中症予防情報サイト」で全国841地点の実測値・予測値を無料公開。スマホアプリ・LINE公式アカウント「環境省 熱中症予防情報」でも通知受信可能。WBGT31以上は「危険」、33以上は「熱中症警戒アラート」発令基準です。

汗をかかない冬でも水分補給は必要?

必要です。冬は乾燥空気で不感蒸泄が増え、暖房で室内湿度が下がるため脱水しやすい環境です。特に冬季ノロ・インフルエンザ流行期の嘔吐下痢による脱水や、朝の脳梗塞リスク(起床直後の血液粘度上昇)予防に、起床時1杯の水が重要です。

塩分タブレットと塩飴の使い分けは?

塩分タブレット(1個約0.1-0.3g)は運動・労働中の即補給向き、無糖・低カロリータイプが多い。塩飴(1個約0.2-0.5g)は糖分同時補給ができエネルギー源にも。ただし糖尿病・高血圧のある方は主治医と相談を。1日の塩分は男性7.5g・女性6.5g未満(食事摂取基準2025年版。2020年版から変更なし)を目安に、追加補給と食事全体を合算してください。

脱水症状かどうかセルフチェックする方法は?

簡易チェックは(1)手の甲をつまんで戻りが遅い、(2)口の中や舌が乾燥、(3)尿の色が濃い黄色、(4)体重が普段より1-2%減、(5)頭痛・めまい・立ちくらみ、のいずれか該当で脱水疑い。2つ以上該当なら経口補水液摂取、意識障害あれば救急要請を行ってください。