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コレステロール判定ツール|LDL・HDL・中性脂肪・non-HDL・LH比で脂質異常症を診断

脂質異常症は心筋梗塞・脳梗塞の主要リスク因子で、無症状のまま進行するため健康診断が発見の第一手段となります。本ツールは健康診断結果のLDLコレステロール(悪玉)・HDLコレステロール(善玉)・中性脂肪(TG)・総コレステロールから、脂質異常症の疑い判定、non-HDLコレステロール・LH比(LDL/HDL比)の自動計算、動脈硬化リスクを瞬時判定します。日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」の基準値に基づき、食事・運動・薬物療法(スタチン等)の判断目安、家族性高コレステロール血症(FH)の見分け方、内科受診タイミングまで解説する完全無料ツールです(具体的な治療方針は医師相談が前提)。

最終更新:2026-07-26/監修:計算ツールズ編集部

コレステロール判定 ツール

基準値(日本動脈硬化学会2022年版)

項目正常境界異常
LDLコレステロール<120120-139≥140
HDLコレステロール≥40<40(低値)
中性脂肪(空腹時)<150150-499≥500(高値)
中性脂肪(随時)<175175-499≥500
non-HDLコレステロール<150150-169≥170
LH比(LDL/HDL)<1.51.5-2.5≥2.5
総コレステロール(参考値)<220220-259≥260

2022年版ガイドラインではnon-HDL(=総−HDL)が重視されるようになりました。LDLだけでは捉えられない「悪玉粒子群(VLDL・レムナント等)」を含む総合指標として、心血管イベント予測精度が高いためです。

脂質異常症の3タイプ分類

タイプ特徴主な原因
高LDLコレステロール血症LDL≥140飽和脂肪酸過多・遺伝・甲状腺機能低下
低HDLコレステロール血症HDL<40運動不足・喫煙・肥満・遺伝
高トリグリセリド(TG)血症TG≥150(空腹時)飲酒過多・糖質過多・肥満・糖尿病
複合型高脂血症LDL・TG両方高値メタボリック症候群・2型糖尿病
高non-HDL血症non-HDL≥170複合的な脂質異常

タイプによって食事療法・薬物療法の選択が変わります。高LDLはスタチン、高TGはフィブラート、複合型は両者併用など、内科医の判断で個別最適化されます。

動脈硬化リスク分類(高・中・低)

日本動脈硬化学会2022年版では「久山町スコア」に基づく10年間の冠動脈疾患発症リスクで管理目標を層別化します。

リスク区分LDL管理目標non-HDL管理目標
低リスク(10年<2%)<160<190
中リスク(2-10%)<140<170
高リスク(≥10%)<120<150
糖尿病・慢性腎臓病・非心原性脳梗塞・末梢動脈疾患<120<150
冠動脈疾患既往(2次予防)<100<130
家族性高コレステロール血症・急性冠症候群等<70<100

健康診断結果表に「有所見」と書かれていても、リスク区分によっては経過観察でよい場合と、直ちに治療開始が推奨される場合があります。必ず内科医との相談を。

食事・生活習慣の影響(目安)

習慣改善LDL影響HDL影響TG影響
有酸素運動(週3-5回)-10%+10-15%-20%
禁煙±0+5-10%-5%
体重5kg減-5-10%+5%-15%
飽和脂肪酸を減らす-15-20%±0-5%
食物繊維追加(1日25g)-5-10%±0-5%
青魚(オメガ3)追加-5%+5%-25%
禁酒・節酒±0-10%(飲酒による上昇消失)-25-50%
植物ステロール2g/日-8-10%±0±0
スタチン薬-30-50%+5%-10%
エゼチミブ併用-15-20%追加±0±0

LDLを下げる食品・上げる食品

下げる食品(推奨)上げる食品(控える)
青魚(サバ・イワシ・サンマ)牛脂・ラード・バター
オリーブ油・エゴマ油・アマニ油加工肉(ソーセージ・ベーコン)
大豆製品(納豆・豆腐・味噌)菓子パン・洋菓子(パーム油含む)
野菜・きのこ・海藻マーガリン・ショートニング(トランス脂肪酸)
玄米・全粒粉パン白米・食パン過剰
ナッツ(アーモンド・くるみ)スナック菓子
緑茶・こんにゃく卵黄(1日1個までは可)
植物ステロール強化食品内臓肉(レバー・モツ)
りんご・柑橘類清涼飲料水・果糖ブドウ糖液糖

2015年の食事摂取基準改訂でコレステロール摂取量の上限値は撤廃されましたが、飽和脂肪酸(SFA)7%以下・トランス脂肪酸1%以下は現在も明記されています。「卵1日1個までしかダメ」は古い情報で、健康な人なら1日2個程度は問題ないというのが最新見解です。

薬物療法(スタチン・エゼチミブ・PCSK9阻害薬等)

薬剤クラス代表薬LDL低下特徴
スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)アトルバスタチン・ロスバスタチン30-50%第一選択、心血管イベント予防効果確立
小腸コレステロール吸収阻害薬エゼチミブ(ゼチーア)15-20%スタチン併用で更に15-20%追加
PCSK9阻害薬エボロクマブ・アリロクマブ50-60%注射、高難治例向け、高価
フィブラート系ベザフィブラート・フェノフィブラートTG25-50%↓高TG血症向け、スタチン併用注意
EPA/DHA製剤ロトリガ・エパデールTG25-30%↓魚油由来、抗炎症作用
ニコチン酸誘導体ニコモールHDL15-25%↑近年使用減、副作用多い

スタチンは筋肉痛5-10%・肝機能異常1-3%の副作用があり、開始後1-3ヶ月で採血フォローが標準。CK上昇や筋力低下があれば直ちに医師に報告を。効果不十分な場合はエゼチミブ併用、それでも管理目標未達ならPCSK9阻害薬という段階的アプローチが基本。

目的別の活用シーン

健康診断結果の理解

「LDL140有所見」と書かれても、リスク区分・年齢・既往歴で対応が変わります。数値の意味と生活改善余地を可視化することで、内科受診時の医師との相談が有意義になります。

メタボリック症候群対策

脂質異常症・高血圧・高血糖・肥満(内臓脂肪型)の複合。BMI血圧HbA1cと併せてトータル管理を。特定保健指導の対象になっている方の自己把握に有効。

心筋梗塞・脳梗塞予防

心臓・脳血管疾患の家族歴のある方、若年発症歴のある家系は特に重要。禁煙・食事・運動+必要に応じスタチン薬で1次予防を。

ダイエット・生活改善計画

体重5kg減でLDL 5-10%・TG 15%改善が目安。TDEE計算と組み合わせ、月1-2kgの緩やか減量で数ヶ月後の再検査に備えましょう。

妊娠・出産計画時

脂質異常症は妊娠糖尿病・妊娠高血圧症候群のリスク因子。妊活中〜妊娠初期の食事・体重管理が重要。産婦人科と内科の連携を。

高齢者の生活習慣病管理

75歳以上ではLDL低下の心血管イベント予防効果が限定的とする研究もあり、過剰治療は避ける傾向。かかりつけ内科医との個別方針決定が重要です。

家族性高コレステロール血症(FH)の見分け方

家族性高コレステロール血症(Familial Hypercholesterolemia: FH)はLDL受容体遺伝子等の異常で若年から高LDL血症を発症する遺伝性疾患。日本では約200-500人に1人が保因者で、未診断・未治療のまま若年心筋梗塞に至るケースが問題視されています。

FH疑いの臨床基準(日本動脈硬化学会)

  • 未治療LDLコレステロール ≥180 mg/dL — 特に若年で家族歴のある方は要注意。
  • 腱黄色腫(アキレス腱肥厚) または皮膚結節性黄色腫 — 手背・肘・膝・臀部にコレステロール沈着。
  • FHまたは早発性冠動脈疾患の家族歴 — 男性55歳未満・女性65歳未満の心筋梗塞・狭心症歴。

上記3項目のうち2項目以上該当でFHの可能性が高く、遺伝子検査・カスケードスクリーニング(家族全員の脂質検査)の対象になります。診断・治療は循環器内科または脂質代謝専門医で。

よくある勘違い・注意点

  • 「無症状だから大丈夫」の油断 — 脂質異常症は症状ゼロで進行し、初発症状が心筋梗塞・脳梗塞という致死的イベントであるケースが多い。健康診断結果を軽視しないことが最重要です。
  • 「卵は1日1個まで」の古い情報 — 2015年の食事摂取基準改訂でコレステロール摂取上限は撤廃済み。健康な人なら1日2個程度は問題ないというのが最新見解(ただし脂質異常症患者は主治医指示に従う)。
  • 「HDLは高いほど良い」の単純化 — HDL過剰(90以上)は逆に心血管リスク上昇との報告も。極端に高い場合は遺伝性疾患・肝疾患の可能性を検討する必要があります。
  • 「スタチン=一生飲む薬」の誤解 — 生活習慣改善で管理目標達成できれば減薬・中止も可能。ただし2次予防(心筋梗塞既往)では継続が原則です。自己判断中止は絶対に避けてください。
  • 「植物性ならバターの代わりOK」の落とし穴 — マーガリン・ショートニングにはトランス脂肪酸が含まれ、動物性脂肪より心血管リスクが高いことが判明。オリーブ油・エゴマ油等の非硬化植物油を選ぶのが正解。
  • 「果物ジュースは健康的」の誤信 — 果糖(フルクトース)は肝臓で中性脂肪に変換されやすく、TG上昇の主要因の1つ。果物そのものは食物繊維で吸収緩やか、ジュースは糖分濃縮で逆効果。
  • 「ダイエットサプリで下がる」誤情報 — 「LDL下げる」を謳うサプリの多くはエビデンス不十分。効果確認済みの機能性表示食品(植物ステロール等)でも薬より効果は限定的です。

参考文献・公的資料(発リンク)

※本ページの判定結果は日本動脈硬化学会2022年版ガイドラインに基づく参考情報であり、医療診断ではありません。健康診断で異常値を指摘された場合、家族性高コレステロール血症の疑いがある場合、心血管疾患既往のある場合は、必ず内科(できれば循環器内科・脂質代謝専門医)を受診し、個別の管理目標・治療方針を医師と決定してください。薬剤の自己判断による中止・変更は絶対に行わないでください。

よくある質問(FAQ)

LDLが高いとどうなる?

LDL(悪玉)コレステロールが140mg/dLを超えると動脈硬化リスクが2-3倍に上がり、心筋梗塞・脳梗塞・狭心症の主要因になります。無症状のまま数十年かけて進行するため健康診断でのチェックが必須。家族に若年心筋梗塞の既往がある方は40歳前から特に注意し、家族性高コレステロール血症(FH)の遺伝子検査も選択肢となります。

HDLが低い理由は?

主要因は遺伝・運動不足・喫煙・肥満・過度な糖質摂取。HDL40mg/dL未満で動脈硬化リスクが約2倍になります。改善には有酸素運動週3回30分以上・禁煙・体重5kg減・地中海食が有効。HDLは「上げにくい」と言われますが、運動の効果が最も大きいのが特徴です。ニコチン酸系薬もありますが副作用の観点で使用頻度は減少中。

食事療法のポイントは?

(1)飽和脂肪酸を減らす(バター・牛脂・加工肉)、(2)不飽和脂肪酸を増やす(青魚・オリーブ油・ナッツ)、(3)食物繊維を1日25g以上(野菜・海藻・豆・きのこ)、(4)砂糖・果糖を控える(中性脂肪低下)、(5)アルコール適量(男性ビール中瓶1本まで、女性半量)、(6)トランス脂肪酸を避ける(マーガリン・ショートニング)。地中海食・和食パターンが理想的です。

薬(スタチン)を飲むべきかどうかの判断は?

スタチンはLDLを30-50%下げる強力な薬で、心血管イベント予防効果が確立しています。開始判断は「LDL160超」「糖尿病既往」「狭心症・心筋梗塞既往」「家族性高コレステロール血症」等が典型的な適応。副作用は筋肉痛5-10%・肝機能異常1-3%で開始1-3ヶ月後に採血フォロー。生活習慣改善3-6ヶ月後の再評価で開始判断が標準的です。

家族性高コレステロール血症とは?

遺伝でLDL180-500mg/dLとなる遺伝性疾患で、日本では200-500人に1人と比較的多い。20-40代で動脈硬化が進行し、若年心筋梗塞の主要原因です。「親兄弟がLDL高い」「家族に若年心筋梗塞既往」「アキレス腱肥厚」の3項目のうち2つ以上該当でFH疑い。遺伝子検査と早期積極治療で寿命延伸が可能。循環器内科・脂質代謝専門医への紹介を検討してください。

中性脂肪(TG)が高いのは何が原因?

主因は糖質過多・アルコール過多・肥満・運動不足・2型糖尿病。清涼飲料水・菓子・果糖ブドウ糖液糖・ビール・ワインが典型的な誘因です。TG500mg/dL超は急性膵炎リスクがあり早期治療対象。改善には禁酒・糖質40%以下・青魚(EPA/DHA)・体重減少が有効で、フィブラート系薬・EPA製剤(ロトリガ・エパデール)も選択肢となります。

non-HDLコレステロールとは?

総コレステロールからHDLを引いた値で「悪玉粒子の総和」を表します(LDL+VLDL+レムナントコレステロール等)。2022年版ガイドラインで重要指標として格上げされ、特に中性脂肪高値時にLDLだけでは捉えられないリスクを可視化。目標値はLDL目標+30mg/dL(高リスクなら<150、中リスクなら<170、低リスクなら<190)。

LH比(LDL/HDL)は何を意味する?

LDLをHDLで割った比で、動脈硬化の総合リスク指標。1.5未満が理想、2.5以上で高リスク、2.0前後が要注意の目安。同じLDL140でもHDL40だとLH3.5(高)、HDL70だとLH2.0(中)と評価が大きく変わります。バランスを見る指標として臨床で頻用されます。

コーヒー・お茶は影響する?

ペーパーフィルターなしのコーヒー(トルコ式・フレンチプレス)はカフェストール(コーヒー油)でLDL5-10%上昇させる報告あり。フィルターありなら影響小。緑茶のカテキンはLDL低下作用が示唆されており、1日3-4杯までなら健康的。ただしどちらも過剰摂取は睡眠障害等の副作用リスクがあります。

妊娠中にLDLが上がるのは大丈夫?

妊娠中は生理的にコレステロール値が上昇し(ホルモン変化・胎児発育のため)、妊娠後期にはLDL 30-50%上昇することも珍しくありません。通常は病的でなく治療不要ですが、極端に高い場合や家族性高コレステロール血症疑いは産婦人科・内科合同で管理を。授乳終了後3-6ヶ月で自然に戻ることが多いです。

健康診断でどれくらいの頻度で測定すべき?

健康な成人(20-40代)は年1回の健診で十分。50歳以降または家族歴・既往歴のある方は年1-2回推奨。脂質異常症で治療中の方は3-6ヶ月ごとのフォロー採血が標準です。家族性高コレステロール血症疑いの家系では、成人前(12-15歳頃)からのスクリーニングも検討対象になります。

子どものコレステロール検査は必要?

通常は不要ですが、家族性高コレステロール血症(FH)家族歴のある子どもは10歳前後からのカスケードスクリーニングが推奨されています。日本動脈硬化学会・小児科学会共同で「小児家族性高コレステロール血症診療ガイドライン」も策定済み。早期発見・早期治療で成人後の心血管リスクを大幅に減らせます。