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健康血圧高血圧JSH2019

血圧分類 計算ツール|JSHガイドライン準拠の6段階分類とリスク評価

収縮期血圧(上・SBP)と拡張期血圧(下・DBP)を入力すると、日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン(JSH 2019)の基準に基づく6段階分類(正常血圧・正常高値血圧・高値血圧・I度高血圧・II度高血圧・III度高血圧)と、そのリスクレベルを瞬時に判定します。診察室血圧140/90mmHgと家庭血圧135/85mmHgの違い、白衣高血圧・仮面高血圧・早朝高血圧の識別、減塩1g=1mmHg・体重-1kg=1mmHgの根拠、DASH食・有酸素運動・降圧薬治療の判断基準、20歳から始める予防、二次性高血圧の見分け方まで、厚生労働省・日本医師会・WHOの一次資料に沿って完全解説します。日本人成人の3人に1人(約4,300万人)が高血圧に該当し、脳卒中・心筋梗塞・慢性腎不全の最大の予防可能リスク因子であるため、正常高値の段階からの生活改善が健康寿命を大きく左右します。

最終更新:2026-07-28/監修:計算ツールズ編集部

血圧詳細分類 ツール

JSH 2019 分類基準

分類診察室SBP診察室DBP家庭SBP家庭DBP
正常血圧<120かつ <80<115かつ <75
正常高値血圧120-129かつ <80115-124かつ <75
高値血圧130-139または 80-89125-134または 75-84
I度高血圧140-159または 90-99135-144または 85-89
II度高血圧160-179または 100-109145-159または 90-99
III度高血圧≥180または ≥110≥160または ≥100
(孤立性)収縮期高血圧≥140かつ <90≥135かつ <85

診察室と家庭で「SBPまたはDBPのどちらか一方でも上位分類に該当」すればその分類となる。

正常高値血圧(120-129/<80)から既に脳心血管イベントリスクが増え始めることが久山町研究・NIPPON DATA80等の日本人大規模コホートで示されています。「正常高値=もう予防を始める段階」であり、「まだ高血圧じゃないから大丈夫」ではありません。

診察室血圧と家庭血圧

診察室で測る血圧(140/90mmHg基準)より、家庭血圧(135/85mmHg基準)のほうが脳心血管予後予測力が高いことがJ-HOP Study・Ohasama Studyで示されており、JSH 2019では家庭血圧優先の判定を明記しています。

家庭血圧の正しい測定

  • 時間 ― 朝(起床後1時間以内・排尿後・朝食前・服薬前)と夜(就寝前)の2回。
  • 体勢 ― 椅子に座って背もたれに寄りかかり、1-2分安静後、腕を心臓の高さに。
  • 回数 ― 1機会に2回連続測定、その平均を記録。少なくとも1週間の平均で評価。
  • 機器 ― 上腕式が推奨。手首式は姿勢誤差が出やすい。
  • 環境 ― カフェイン・喫煙・入浴・運動後は30分以上開けてから。

1回だけの高値で焦らないこと。JSHは「1週間の平均値」で判定し、5-7日連続で家庭血圧135/85を超えれば医療機関で相談を推奨しています。

心血管リスク層別化

JSH 2019は血圧値だけでなく、他のリスク因子・臓器障害・合併症を総合評価するリスク層別化表を採用しています。

血圧分類リスク第一層リスク第二層リスク第三層
高値血圧(130-139/80-89)
I度高血圧(140-159/90-99)
II度高血圧(160-179/100-109)
III度高血圧(≥180/110)

第一層: リスク因子なし。第二層: 65歳以上、男性、脂質異常、喫煙のいずれか。第三層: 糖尿病、CKD、脳心血管病既往、非弁膜症性心房細動のいずれか。

同じI度高血圧でも、糖尿病を持つ人は「高リスク」となり、生活習慣是正1ヶ月で降圧目標未達なら早期の薬物療法を推奨。若年でリスク因子なしなら3ヶ月生活改善を優先します。

白衣・仮面・早朝高血圧

白衣高血圧

診察室では高いが家庭は正常。日本人の20-30%が該当。将来の高血圧発症リスクが1.5-2倍。年1回の医療機関チェック+家庭血圧監視を継続。

仮面高血圧

診察室は正常だが家庭は高い。日本人の10-20%が該当。心血管リスクは持続性高血圧と同等かそれ以上。診察室のみで判断すると見逃す。

早朝高血圧

朝の血圧が夜より15mmHg以上高い。脳卒中・心筋梗塞リスク大。降圧薬の服薬タイミング調整、就寝前の食塩・アルコール制限が有効。

夜間高血圧

本来夜間は10-20%低下(dipper)するが、低下しない(non-dipper)または上昇(riser)。慢性腎不全・睡眠時無呼吸症候群と関連。ABPM検査で判定。

生活習慣による降圧効果

介入降圧効果(mmHg)具体的目安
減塩-1/g/日1日6g未満(WHO推奨5g未満)
減量-1/kgBMI 25未満、体重-4kgで-4mmHg
有酸素運動-3〜-5週150分・中強度(早歩き等)
節酒-3〜-4純アルコール男20-30ml・女10-20ml以下
DASH食-6〜-11野菜・果物・低脂肪乳製品中心
禁煙直接効果小(心血管リスク大幅減)ニコチン離脱で短期は上昇の可能性あり

複数の介入を組み合わせると相乗効果が期待でき、I度高血圧の3-6割は生活習慣改善のみで降圧目標達成可能とされます。JSH 2019はまず1-3ヶ月の生活習慣是正を推奨し、達成できない場合に薬物療法を検討する流れです。

DASH食・減塩

DASH食(Dietary Approaches to Stop Hypertension)は米国NHLBIが1997年に発表した降圧食で、DASH-Sodium試験では-6〜-11mmHgの降圧効果が実証されています。

DASH食の構成

  • 野菜: 1日4-5サービング(1皿分)
  • 果物: 1日4-5サービング
  • 低脂肪乳製品: 1日2-3サービング
  • 全粒穀物: 1日6-8サービング
  • 魚・鶏肉: 1週間で6サービング以下
  • ナッツ・種実: 1週間で4-5サービング
  • 控えるもの: 加工食品、赤身肉、砂糖、飽和脂肪

日本人の食塩摂取

厚労省「国民健康・栄養調査2019」では日本人平均10.1g/日(男11.0・女9.3)と、WHO推奨5g未満・JSH推奨6g未満を大幅超過。減塩の主戦場は醤油・味噌・漬物・ラーメン汁・加工食品で、これらの意識的な削減で1日2-3g減は現実的です。

降圧薬の使い分け

系統代表薬第一選択の対象主な副作用
Ca拮抗薬アムロジピン高齢者、若年者、日本人全般浮腫、動悸、歯肉肥厚
ARBロサルタン、テルミサルタン糖尿病、CKD、心不全、若年者高K血症、腎機能悪化(希)
ACE阻害薬エナラプリル糖尿病、心不全、心筋梗塞後空咳(30%)、高K血症
サイアザイド系利尿薬ヒドロクロロチアジド高齢者、食塩感受性、心不全低K血症、高尿酸、耐糖能悪化
β遮断薬ビソプロロール虚血性心疾患、頻脈、心不全徐脈、疲労、気管支収縮

JSH 2019では第一選択薬をCa拮抗薬・ARB・ACE阻害薬・サイアザイド系利尿薬の4系統としており、単剤で不十分なら2剤併用(RAS阻害+Ca拮抗またはRAS阻害+利尿薬)が標準です。III度高血圧や高リスク症例は最初から2剤併用を選ぶこともあります。

二次性高血圧のサイン

高血圧の90%以上は原因不明の本態性高血圧ですが、5-10%は特定の疾患による二次性高血圧です。以下のサインがあれば内科・内分泌代謝内科での精査が必要。

  • 若年発症 ― 30歳未満で140/90超は原発性アルドステロン症・腎血管性高血圧を疑う。
  • 急激な悪化 ― 数ヶ月で20mmHg以上の上昇。褐色細胞腫の可能性。
  • 難治性 ― 3剤併用でも降圧目標未達。原発性アルドステロン症の可能性大。
  • 低K血症合併 ― 血清K 3.5未満+高血圧は原発性アルドステロン症を強く示唆。
  • いびき・日中眠気 ― 睡眠時無呼吸症候群(SAS)による夜間高血圧。
  • 発作性の動悸・冷汗 ― 褐色細胞腫。
  • クッシング症候群 ― 満月様顔貌、中心性肥満、皮膚線条。

特に原発性アルドステロン症は本態性高血圧と診断されている患者の5-10%に潜在するとされ、副腎腺腫の切除で治癒する可能性があります。難治性高血圧なら一度スクリーニング(血漿レニン活性・アルドステロン濃度測定)を受ける価値があります。

よくある間違い・注意点

  • 1回の高値で薬を焦る ― 家庭血圧を5-7日連続で測定し平均で判断。1回の高値では原則診断しない。
  • 診察室のみで安心 ― 仮面高血圧を見逃す。家庭血圧の並行測定が必須。
  • 下(拡張期)だけ気にする ― 50歳以降は収縮期のほうが心血管リスクを予測。両方の管理を。
  • 減塩=醤油を減らすだけ ― 加工食品・パン・麺類の隠れ塩が大きい。栄養成分表で確認を。
  • 薬を飲めば生活習慣は不要 ― 薬+生活習慣で降圧効果は加算。両輪で。
  • 症状がないから治療不要 ― 高血圧は「サイレントキラー」。症状が出た時は既に脳心血管イベント。
  • 市販薬で放置 ― 頭痛薬・かぜ薬(NSAIDs、プソイドエフェドリン)は血圧上昇の可能性。長期服用時は医師相談。
  • 血圧手帳を書かない ― 数値の視覚化は服薬・生活改善のモチベーションになり、診察精度も上げる。

参考文献・公的資料(発リンク)

※本ページの分類はJSH 2019に基づく一般的な目安で、実際の診断・治療方針は個別の心血管リスク・合併症・年齢・服薬状況で異なります。家庭血圧の平均が135/85を継続して超える、診察室血圧が140/90を継続して超える、頭痛・胸痛・視力障害・意識障害等の随伴症状がある場合は、必ずかかりつけ医または循環器内科・内科を受診してください。特に若年発症、急激な悪化、難治性、低カリウム血症合併の場合は二次性高血圧の可能性があり、内分泌代謝内科での精査が必要です。降圧薬の自己中断・自己調整は脳卒中・心筋梗塞の直接原因になるため絶対に避けてください。妊娠中の高血圧(妊娠高血圧症候群)は母体・胎児の重大リスク因子で、産婦人科での早期管理が必須です。

よくある質問(FAQ)

家庭血圧と病院、どちらが正確?

家庭血圧のほうが脳心血管予後予測力が高いことが日本のOhasama Study・J-HOP Studyで示され、JSH 2019では家庭血圧優先を明記しています。診察室は緊張で高くなる「白衣高血圧」があり、逆に病院では低く出て家庭で高い「仮面高血圧」もあります。両方を測って比較するのが最も安全で、家庭血圧手帳は診察時の判断材料としても不可欠です。

正常高値でも問題?

問題です。正常高値血圧(120-129/<80)から既に脳心血管イベントリスクが増え始めることが久山町研究・NIPPON DATA80等で確認されています。動脈硬化は正常高値の段階から進行を始めており、この段階で生活習慣を見直せば10-20年後の高血圧発症・心筋梗塞・脳卒中を大幅に減らせます。「まだ大丈夫」の段階こそ予防投資のゴールデンタイムです。

減塩でどれくらい下がる?

塩1g減で血圧が平均約1mmHg下がるという研究結果があります。日本人平均10g/日から6g/日に減らせれば-4mmHg、5g/日(WHO推奨)まで下げれば-5mmHgの降圧が期待できます。減塩の主戦場は醤油・味噌・漬物・ラーメン汁・加工食品・パンで、これらの調整で1日2-3g減は現実的。栄養成分表示のナトリウム量×2.54=食塩相当量の計算法を覚えておきましょう。

降圧薬は一生飲むもの?

必ずしも一生ではありません。生活習慣の改善(減塩・減量・運動・節酒)で血圧が安定すれば、医師の判断で減薬・中止できる場合もあります。ただし自己判断での中断は脳卒中・心筋梗塞の直接原因になるため、必ず主治医に相談を。「1度飲み始めたら一生」は正確ではなく、「毎回主治医と相談しながら継続/減量/中止を決める」が正解です。

血圧はどの時間帯で測るべき?

朝(起床後1時間以内・排尿後・朝食前・服薬前)と夜(就寝前)の2回、それぞれ2回連続測定してその平均を記録します。少なくとも1週間の平均で評価するのがJSH推奨。カフェイン・喫煙・入浴・運動後は30分以上開けてから測定を。1回の高値で焦らず、継続的な平均値で判断することが重要です。

白衣高血圧は治療必要?

白衣高血圧(診察室高値/家庭正常)自体には降圧薬治療は基本的に不要ですが、将来の持続性高血圧発症リスクが1.5-2倍高いとされます。年1回の医療機関チェック、家庭血圧の継続測定、生活習慣の管理を続けることが推奨されます。ただし糖尿病・CKD等の合併症がある場合は個別判断となるため、必ず主治医と相談してください。

DASH食と減塩、どちらが効く?

両方組み合わせるのが最強で、DASH-Sodium試験ではDASH食+減塩でSBP約-11mmHg、DBP約-6mmHgの降圧が実証されています。DASH食単独でも-6〜-8mmHg、減塩単独で-2〜-4mmHg。両方を継続することでI度高血圧の3-6割は薬なしで降圧目標達成可能とされます。

コーヒーは血圧に悪い?

短期的にはカフェインで一時的に5-10mmHg上昇しますが、慢性摂取者では耐性ができて長期的な血圧上昇作用は限定的、との報告もあります。多くのメタ解析では1日3-4杯程度なら心血管リスクを増やさない、むしろわずかに減らす可能性が示されています。ただし個人差が大きく、家庭血圧測定で自分の反応を確認するのが安全です。

減量でどれくらい下がる?

体重-1kgで血圧-1mmHg程度が目安です。BMI 25以上の方が-4kg減量すると-4mmHgの降圧が期待できます。特にウエスト周囲径の減少(内臓脂肪型肥満の改善)は、レニン-アンジオテンシン系の活性低下を通じて降圧効果が高くなります。減量+運動+DASH食の組み合わせで、薬に頼らずI度高血圧を管理できるケースが多いです。

若いのに高血圧、原因は?

30歳未満で140/90を継続的に超える場合は二次性高血圧を必ず疑います。原発性アルドステロン症(副腎腫瘍)、腎血管性高血圧(腎動脈狭窄)、褐色細胞腫、大動脈縮窄症等が代表的。内科・内分泌代謝内科での精査(血漿レニン活性・アルドステロン濃度・腎エコー・24時間蓄尿等)が必要です。原因疾患の治療で治癒するケースもあるため、若年高血圧は放置せず必ず専門医へ。